効率的な筋肥大のためのトレーニングの長さ|長時間は逆効果?


2時間半みっちりトレーニングして追い込んできたわ

いや、それはちょっと自慢にならないわ…
筋トレで筋肥大には代謝系の(肉体的な)疲労を十分にする、すなわちオールアウトが非常に重要です。
しかしそのために延々トレーニングを続けるのがいいというわけではありません。
トレーニング時間が長すぎると、筋肥大に逆効果なこともあります。
・長時間トレーニングの問題点
・適切なトレーニングの長さ
・トレーニングが長くなってしまう原因と対策
トレーニングが長時間化しやすい原因

まずトレーニングが長過ぎる人あるあるから紹介するね
鍛えたい部位が多過ぎる
鍛えたい部位が多い、種目の詰め込み過ぎが第一の原因です。
サーキットトレーニングなどが典型的ですが、多くの部位を十分追い込もうとするとどうしても長時間化してしまいます。
分割法であっても、上半身と下半身の2分割など分割数が少ないと長時間化します。
トレーニングに行ける日数が限られる場合、分割が少なくなるのもやむをえません。
しかしなるべく分割は3~5程度まで増やすのが理想です。
扱っている重量が低い
低重量トレーニングでも、オールアウトできれば筋肥大は起こります。
オールアウトは筋肉をつけるのに大事な要素です。何それ?という方はこちら。
関節への負荷が小さくケガや事故を防止できるメリットはありますが、相当な回数を挙げないといけません。
挙上回数が増えれば、それだけ時間長くなります。
無理な重量を扱ってフォームが崩れたりケガをしては元も子もないですが、基本は6~12RM程度の重量で設定しましょう。
インターバル管理が甘い
インターバルに明確な基準(秒数の管理)を持たずにスマホを眺めながらトレーニングは最悪です。
ダラダラ(メリハリのない)トレーニングをしている人はジムで頻繁に見かけます。
1回のインターバルはそこまで長くはないですが、セットが増えればけっこうな長さに…。

チリツモだよ!
筋肉の疲労を回復し、次セットのパフォーマンスを上げることが目的なので、短いほどいいわけではありません。
しかし基準を持ってしっかりタイマーで管理しないと長時間化するだけでなく、トレーニングの効果も低下してしまいます。
目的に応じて適切なインターバルは変わるので、それについて詳しくは別のページで解説します。

何秒がいいとかではなく、決めた秒数を守ってトレーニングすることが大事!
長時間のトレーニングがよくない理由

当てはまることはあったけど、何が問題なのさ?
集中力の低下
筋トレはフォームを維持するため・安全のために、ウェイトの緻密なコントロールが必要です。
それには無意識ながら相当の集中力が必要で、トレーニングが長時間化するほど維持が難しくなります。
人間の集中力は一般的に30分程度が限界といわれています。
集中力の低下に伴い効率が落ちてくるとダラダラしてしまいます。
それでトレーニングが長時間化することでさらに集中力が低下するという負のループに入ることに。
フォームが崩れてトレーニングの効果が落ちたり、ケガのリスクも高まります。
カタボリックの進行
カタボリックとは体組織の分解です。
筋トレのようなハードな運動は多くのエネルギーを要するので、トレーニングが長時間化するとエネルギー不足でカタボリックが始まります。
トレーニング前に食事を摂っていれば暫くはまかなえますが、それでもトレーニングが長時間に及ぶと不足していきます。
すると不足したエネルギーを作り出すため体脂肪などが燃焼されますが、同時に筋肉も分解されてしまうのです。
筋トレのために筋肉を分解するなんて本末転倒です。
栄養の分散
栄養の分散は長時間トレーニングで起きる問題というより、広範囲を1日のトレーニングで鍛えることに起因するものです。
栄養素が不足すると回復や成長の効率が著しく低下します。
広範囲を鍛えると、それに伴って栄養素のニーズも増加。
しかし1回の摂取で効率的に吸収できるタンパク質は20gが上限であり、食事量自体も限界があります。
結果的に限られた栄養素を全身で分け合うことになるので、全体的に栄養素が不十分になるということです。
せっかく鍛えても栄養不足になってしまっては、思うような筋肥大の結果を得られなくなってしまいます。
適切なトレーニング時間

なるほど…じゃあ何分以内におさめるのがいい?
最低限のトレーニング時間の明確な基準はありません。
ただオールアウトするにはそれなりの時間がかかるのが通常です。
短いに越したことはないとはいえ、短すぎるトレーニングでは効果は上がらないでしょう。
今回の問題は時間の上限の方ですが、2時間以上のトレーニングは長すぎるという意見が一般的です。
個人差やそれぞれの理論がありますが、短時間に絞るトレーニーは多くが45分~90分程度で設定しています。
ぼくも70分以内には終えるようメニューを作っています。

日数と種目数から結果的にこうなった、が正しいかな!
短い時間におさめることよりも、しっかりオールアウトできることの方が大事ということを念頭に置きましょう。
短縮しきれないときの対策

短くする努力はしたけどやっぱり長い…何かいい方法ない?
分割を細かくし、適切な重量を用いて効率的に疲労を与え、インターバルを管理をすればトレーニング時間はかなり改善されるでしょう。
特に分割を見直す効果は大きいですが、その分ジム通いの日数が増加してしまいます。
忙しく日数が確保できない人も少なくないでしょう。
そんな場合の次善の策を紹介します。
トレーニング中の栄養補給
トレーニング中に限らず筋肉の分解が起きるのはエネルギーが不足しているときです。
特にトレーニング中はかなり多くのエネルギーを必要とするので、カタボリックが起きやすい状況。
栄養補給としてトレーニング中にプロテインを摂取する人もいますが、これはNGです。
これについて詳しくは別のページで解説していますが、肝機能に悪影響を及ぼす可能性が高くなります。
そもそもタンパク質は筋肉の合成に必要な栄養素ではありますが、活動のエネルギー源ではありません。
プロテインはワークアウト後に摂取しましょう。
オススメはBCAA
BCAAはバリン、ロイシン、イソロイシンの総称でカタボリック防止効果のある必須アミノ酸です。
サプリメントとして販売されていてそこそこリーズナブルに入手できます。
後に紹介する糖質とワークアウトドリンクに混ぜて少しずつ補給するように飲むのがオススメです。
ドリンクに混ぜやすいパウダータイプと、持ち運びに便利なタブレットタイプがあるので、自分の生活サイクルに合ったものを選んでください。

タンパク質ほど消化に負荷はかからないし、吸収が速いから、飲むならアミノ酸!
糖質も追加
糖質は最近のダイエットの主流では敵視されてますが、重要なエネルギー源です。
ワークアウトドリンクをスポーツドリンクなどにすれば、糖質に加えて電解質やクエン酸も摂取できます。
しかしそれだけでは不足するトレーニーはブドウ糖やマルトデキストリンを直接摂取するのがオススメです。
・トレーニング中は血流が筋肉に分散し、消化機能が弱まっているので、固形物での摂取はNG
・消化にかかる時間も考慮して1~2時間前には済ませておくこと
ダブルスプリット
ダブルスプリットは1日に2回トレーニングを行う方法で、朝食と昼食の間に1回、昼食と夕食の間に1回というのが一般的。
平日に日数は取れないが、休日なら1日中空いているという偏りがある方にオススメです。
1回でまとめてしまうより1トレーニングにかかる時間が短くなり、集中力やカタボリックの問題を解消することができます。
ただ筋肉の関与に配慮して分割しても身体全体の疲労感は残るため、午前のトレーニングの影響がゼロというわけにはいきません。
仕事を挟んでダブルスプリットをした場合、精神的・肉体的な疲労が重なり、オーバーワークになるリスクがあります。
なるべく高重量を扱うトレーニングを前半のパートに持っていき、特に後半のパートは負荷やセット数を無理ない範囲にとどめましょう。
スーパーセット法
スーパーセット法は拮抗する筋肉のトレーニングを併せて鍛えて1セットとする方法です。
代表的なスーパーセットが上腕二頭筋と三頭筋の組み合わせです。
アームカールとトライセプスキックバックを1まとめにしてセットを組みます。
そのほかにもこんな組み合わせも。
大腿四頭筋とハムストリング
腹直筋と脊柱起立筋肉
表裏の筋肉をバラバラに鍛えるよりもインターバルの時間が短く済むので、ささやかですがトレーニング時間の短縮になります。
組み合わせることができる種目は多いので、ほとんどのトレーニングをスーパーセットにしてしまえばそれなりの時間になります。
ただし1種目の1セットごとにインターバルを取るのに比べると疲労が大きく、集中力にも影響するので詰め込みすぎは禁物です。

ベンチプレスとバーベルローイングでスーパーセットを組む猛者もいるよ
(中級者以下にはオススメしません)
じつはスーパーセット法はコンパウンドセット法というメソッドの一部です。
刺激を変化させるバリエーションとして有効なので、興味のある方はこちらもどうぞ!
まとめ
長時間トレーニングの問題点とその対策について解説しました。
時間はあくまで目安です。
体質(カタボリック・アナボリックのしやすさ)には個人差があります。
何より鍛えたい部位・範囲の広さ、トレーニングできる日数の影響の方が大きいです。
時間を短くすることばかりに気を取られると、トレーニング内容が全体的に中途半端になる恐れも。
カタボリック対策ははもちろん重要です。
しかしそれに安心して過剰に追い込みすぎて横紋筋融解症などになるのも考えもの。
セット数や種目数の管理は慎重に行いましょう。
てなとこで。
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