食事制限ではダイエットできない?|その理由と危険性

ダイエットと言えば食事制限だよね。
でもあんま痩せなくなってきたような…

じつは食事制限で痩せるのはかなり難しいよ

食事制限はダイエットの基本であり、多くの人が取り組む手法だと思います。

体重の増減は摂取カロリーと摂取カロリーのバランスで決まるので、必要かつ身近でハードルの低い方法と言えます。

精神的な負担を除けばね…

適正な量に食事を抑えることは、健康面から考えても非常に重要なことです。

しかし食事制限のみに頼るダイエットは上手くいきません
上手くいかないどころかダイエットの障害になることすらあります。

このページでは食事制限の危険性について、その理由と併せて解説します。

遺伝子がダイエットを邪魔する

遺伝子とか何かいきなり難しそう…

歴史とか科学とか嫌いかもしれないけど、食事制限がダメな理由はこれに尽きるからちゃんと読んでね!

遺伝子は長期間かけて少しずつ生活にマッチした形に変化するものです。

ダイエットを邪魔する遺伝子がその進化の過程で作られ、今も私たちの中に残っています。

痩せない遺伝子ができるまで

人類出現から稲作による定住生活が始まるまでの20万年弱は狩りとか木の実を拾って生活していました(定住生活はここ1万年ちょっとのこと)。

木の実や野生動物を狩りで食料にする生活で、次の食事がいつになるかわからない環境だったため、それに合わせて進化する必要がありました。

摂取した食物から最大限栄養を吸収した上で代謝を落として長持ちさせるようにした、つまり燃費効率を良くしたということです。

その後の時代は定住生活にシフトし安定して食事がとれるようになったため、燃費効率を発揮する機会もほとんどなくなりました。

燃費効率が発動するスイッチが食事制限

20万年かけてできた燃費効率は1万年ちょっとの定住生活で簡単には変化せず、現代のぼくたちにも飢餓遺伝子という形で残っています。

そんな遺伝子を持った人が極端な食事制限を行うとどうなるでしょう?
栄養が足りない時代に戻ったと警戒し、栄養の節約を開始。

飢餓遺伝子は空腹になるとグレリンというホルモンの分泌を促進します。

このホルモンの作用は摂取した食物のカロリーの吸収効率を上げ、エネルギーを節約しようと身体の代謝を下げることです。

つまりは筋肉を減らすってこと

過度な食事制限がスイッチになり、食事量を減らしても現状維持できるよう調節されて痩せにくくなっていくということ。

しかもグレリンには食欲増進効果もあるため、食事制限自体も徐々に辛いものになっていきます。

それで挫折して普通の食事量に戻してしまうと、戻した分は過剰な栄養として扱われ、体脂肪として蓄積されることに。

これがいわゆるリバウンドのメカニズムです。

筋肉量の減少でさらに痩せにくく

食事制限は筋肉量の減少にも繋がります。

飢餓遺伝子が始動するまでは体重の減少がスムーズですが、これは急に不足したエネルギーを補うために身体の組織を分解していることが理由の1つです。

エネルギーを貯める身体の組織と言えば脂肪です。

もちろん脂肪も分解されますが、エネルギーの長期保存を目的とした体脂肪の分解は難しいので、不安定で分解しやすい筋肉がターゲットになります。

しかも筋肉からは多くのエネルギーを取り出せないため、相当な量の筋肉が分解されます。

糖質から作る場合の1割程度しか取り出せないよ

さらに飢餓遺伝子が活動し始めると、グレリンの作用で代謝を下げようとします。

そこで再度筋肉がターゲットになるのです。

食事制限で足りなくなったエネルギーを補うために筋肉が分解され、代謝を下げるためにさらに筋肉が分解されてしまいます。

この状態で運動をしても、思うようなダイエット効果を得られないのは当然でしょう。

停滞期じゃないの…?

あなた

停滞期って聞いたことがあるけど、私の体重が落ちないのもそれじゃないの?

ダイエットや筋トレをしていると体重や筋肉量が変化しなくなる時期が必ず訪れます。
一般に停滞期(プラト―)と呼ばれるものです。

詳しくは別のページで解説しますが、停滞期は変化に身体が順応し、刺激に鈍感になっている状態のことで、刺激の与え方を変えるのが一般的な脱出方法です。

あなた

じゃあさらに食事制限をすればいいわけね!

ぼく

あくまで「本当に停滞期だったら」の話で、食事制限で体重の変化が止まるのは停滞期じゃないよ!

食事制限で体重減少が止まるのは遺伝子・ホルモンの影響でエネルギーの消費にブレーキが掛けられているからです。

さらなる制限で犠牲になるのは筋肉で、加速するのはダイエットではなく痩せにくさです。

栄養素の偏りがダイエットの妨げになる

栄養素のバランスもダイエットに重要。

体重は摂取カロリーと消費カロリーの関係で決まるので、「カロリー=悪」の図式で捉えがちです。

お菓子のように体脂肪のもとしか入っていない食品は積極的にカットすべきですが、何でもかんでも減らせばいいというわけではありません。

食事制限は必要な栄養素までも削ってしまうリスクが高まります。

タンパク質

筋肉の肥大は代謝向上に直結するダイエットに非常に効果的な方法です。

そしてタンパク質は運動でできた筋肉の損傷を修復し、筋肉を肥大させる栄養素です。

その血肉を作る主要なはたらきが注目されがちですが、タンパク質はそれ自体が代謝の向上も役立ちます。

さらにタンパク質が分解される過程でセロトニンという物質が生成されます。

セロトニンは別名「幸せホルモン」とも呼ばれ、甘いものを摂取したときの幸福感もこのホルモンの作用です。

つまりタンパク質の摂取は甘いもの欲を抑える効果もあるといえます。

タンパク質を手軽に摂取する方法と言えばプロテインサプリメントが代表的ですが、プロテインサプリメントだけ飲んでいればいいわけではありません

人工生成の吸収率云々もありますが、タンパク質はそのままでは吸収できないためアミノ酸に分解されます。

そしてその分解にはビタミンB6が必要です。

炭水化物(糖質)

炭水化物(糖質)は近年の糖質制限ダイエットの流行で諸悪の根源のように扱われていますが、最も基本的なエネルギー源です。

不足して低血糖になると、頭がボーっとする、無気力になる、疲れやすいなど日常生活に多大な悪影響を及ぼします。

さらに不足分を補おうとする作用が筋肉の分解にも繋がります。

但し不必要な炭水化物は体脂肪になることも事実であり、適正な糖質制限はダイエットに効果的であることも確かです。

脂質

脂質は「脂肪」分=体「脂肪」と結び付け敬遠されていました。
糖質に矛先が向いた今では誤解も解けつつありますが、「ノンオイルでヘルシー」のポップは未だ巷に溢れています。

脂肪は肌の潤いバリア機能を保つのに必要であり、脂溶性ビタミンの吸収効率を上げるという重要な役割もあります。

ただし脂肪の過剰な摂取が肥満に繋がることもまた事実で、その種類にも気を配る必要があります。

脂質のついて詳しくは以下のページで詳しく解説しています。

糖質の摂取も果ては肥満に繋がりますが、脂質は直接の体脂肪の原料である中性脂肪を含むものが多く、過剰な摂取は肥満にダイレクトに影響します。

さらに食欲を増進させる作用があるため、余分なカロリーの摂取を促進する原因にもなります。

バランスが重要

あなた

サプリメントでバランスとれば大丈夫?

最も基本的な三大栄養素だけを紹介しましたが、自然界にはごまんと栄養素が存在します。

そしてそれらの栄養素は(タンパク質とビタミンB6のように)互いに補完しあって働いています。

そのため食事制限で特定の栄養素(食品)をカットしてしまうと、その食品からしか摂れない微量栄養素(ビタミン、ミネラル)を逃し、本来の効果を発揮できなくなる可能性が高まります。

ぼく

サプリメントもいいですが、微量栄養素までカバーしようとするとキリないです。
なるべく普通の食事から!

まとめ

食事制限に傾倒したダイエットは非効率的かつ様々な弊害があると説明してきました。

飢餓遺伝子の影響で、カロリーを不足させると痩せるのにブレーキがかかるということ。

そして特定の栄養素だけを摂ったり控えたりしては、ダイエットがより非効率になるということです。

各栄養素は正負両面をもち、相互補完の関係にあるため、負の側面だけに注目していては何も食べられなくなってしまいます。

適正な量に収める食事制限は必要ですが、食事量が減る分、栄養バランスを保つのが難しくなります。

不足やすい栄養素、食物から摂取しにくい栄養素はサプリメントを活用することも手ですが、ぼくはなるべくリアルフードからの摂取をオススメします。
てなとこで。