【筋肉が増えない理由】正しいPFCバランス|あなたのカロリー足りてますか?


最近なかなか筋肉が増えないんだよね…
筋トレを続けていると筋肉の増加が止まってしまうものです。
筋肉の増加が停滞して来た時は筋トレでの追い込みをよりハードにするのが一般的。
しかしそれでも筋肉が一向に増えない人が多くいます。
それは多くの人の筋肉が増えない理由が筋トレの強度以外の問題があるからです。
このページでは筋トレで最も基本的にもかかわらず、意外と見落とされがちな要素について解説します。
栄養素の不足
結論から言うと欠けている可能性が高いのは栄養素・食事量です。
ハードな筋トレで受けた疲労の回復や筋肉の合成には多くの栄養素が必要になるにも関わらず、意外と多くの人が疎かにしてしまいがちです。
筋トレは週3~4回程度なのに対して食事は1日3回としたら週21回もあるので、トレーニングの3倍以上の影響力があると言えます。
ここからはその栄養の摂り方について解説していきます。
PFCバランスへの配慮
トレーニーなら知らない人は少ないと思いますが、PFCバランスへの配慮を欠いては筋肥大は起こりません。
PFCとはProteins(タンパク質)、Fat(脂質)、Carbohydrate(炭水化物)の頭文字をとったもの。
「そんなの常識」と言っている人でも実は分かったつもりになっているだけで、どの栄養素をどれだけ摂取するべきなのか正確に把握してる人はごく少数です。
基本的なことですが、それぞれの栄養素の特徴を見ていきましょう。
タンパク質
タンパク質は筋トレをしている人なら当たり前の栄養素でしょう。
筋肉を作る減量であるアミノ酸はタンパク質の分解によって作られるものなので、トレーニングするなら補給は必須です。
ハードな運動をする場合、体重1㎏当たり2~3g程度のタンパク質が必要。
しかしこれを全て食事から摂ろうとするとかなり厳しいので、プロテインなどを含めてカウントします。
タンパク質の効果についてもっと詳しく知りたいという方はこちらのページをご覧ください。
またプロテインの購入がまだという方は選び方を解説したページも参考にしてみてください。
脂質
今は糖質の陰に隠れて批判をかわしている脂質ですが、かつてはダイエットの大敵でした。
糖質制限の影響だけでなく、脂質自体がホルモンの材料であり、肌のバリア機能も担うという役割にも目を向けられるようになった影響です。
過剰なカットをする風潮は収まり、むしろ歓迎する雰囲気すらあります。
ただし何でもかんでもいいわけではなく、その種類に気を付けないと肥満の原因になることも事実です。
そんな脂質の注意点については別のページで詳しく解説しているので、そちらも参考にしてください。
糖質
最近のダイエットの大敵といえばこの糖質です。
PFCに分類されるのは厳密には炭水化物ですが、最近では食物繊維を分離して五大栄養素という分類もあるので、それも踏まえてここでは糖質のみにフォーカス。
糖質は最も人間の体がエネルギーとして使いやすい栄養素で、余れば体脂肪になりやすいことは確かですが、不足すれば頭や身体が動きにくくなります。
特にハードな筋トレをするトレーニーはパフォーマンスを上げるためにも過剰なカットをしてはいけません。
糖質について詳しくはこちらを参考にしてください。
また糖質と切っても切れない関係にあるGI値についても抑えておきましょう。
PFCバランスのカロリー内訳
続けてこれらの栄養素をどんなバランスで摂ればいいのかを解説します。
PFCのカロリー比
まずカロリー比から確認しておきましょう。
各栄養素の1g当たりのカロリーは以下の通りです。
・タンパク質=4kcal
・脂質=9kcal
・糖質=4kcal
タンパク質と糖質の4kcalに比べて脂質の9kcalは倍以上で、その大きさが目立ちます。
摂取カロリーと消費カロリーの差し引きでダイエットの効果が決まるというシンプルなモデルに基づけば、脂質の過剰摂取はカロリー収支をプラスにしやすいということです。
カロリー収支の計算はシンプルで役に立ちますが、厳密には正しくありません。
詳細についてはこちらのページをご覧ください。
カロリー上限とバランス
具体的に何kcal自分は摂っていいのか、そしてその内訳はどんなバランスにするのがいいかを4つのステップに分けて解説します。
①体重を計る
②体脂肪率を計る
③除脂肪体重を計算する
④必要カロリーを計算する
⑤内訳を考える
①②体重と体脂肪率の計測
これは単純で、まずは現状を把握しましょう。
良い数字を出したい気持ちは分かりますが、正確に把握することの方が大事なので計るタイミングに注意です。
体内のものがクリアになった状態で計るのが一番現状に合っているので、朝起きて用をたした後に計りましょう。
③除脂肪体重の計算
除脂肪体重とは文字通り脂肪を除いた分の体重のことです。
体脂肪はカロリーを消費しないので、本当に身体が活動に必要とするカロリーが分かります。
体重が65㎏で体脂肪率が10%の場合は以下の通りです。
体脂肪量 65㎏ × 0.1(10%) = 6.5㎏
除脂肪体重 65㎏ - 6.5㎏ = 58.5㎏
④必要カロリーの計算
筋トレのようにハードな運動をする場合は普通の人より多めにカロリーを設定することができます。
具体的には③で計算した除脂肪体重に40をかけたものです。
例の場合は以下の通りです。
必要カロリー 58.5 × 40 = 2,340kcal
先に説明した通り、これはあくまで筋トレのようなハードな運動を行っている場合のカロリーです。
軽い運動しかしていない場合には活動レベルに合わせて30~35をかけたものに調整しましょう。
⑤カロリーの内訳
計算した2,340kcalをPFCに振り分けていきます。
基本的な振り分けバランスはP:F:C=2:1:2にすることです。
この例ならタンパク質と糖質で936kcal、脂質で468kcalで、重さにするとタンパク質・糖質が234g、脂質が52gとなります。
PFCバランスをとる簡単な設定方法
ただ厳密に計算するのは骨が折れるのと、タンパク質を1日234gというのはかなり多く、食べるのもキツイです。
そこでもう少し簡単な方法を紹介します。
タンパク質
筋トレをしている場合、タンパク質は体重1㎏当たり2~3g必要だと説明しました。
これを確保することは必須なのでまずここを基準に始めます。
とりあえずタンパク質量だけは死守しよう!
あまりにタンパク質を多く設定すると、腸内環境を悪化させるだけでなく、プロテインに頼りがちになってしまいます。
最初のうちは控えめに体重1㎏当たり2gの設定で始めましょう。
タンパク質は 58.5 × 2 = 117g(=468kcal)
筋肉の成長に停滞を感じている人はここを3~4gにしてみると変化が現れるかもしれません。
脂質
脂質は過剰に摂取すれば体脂肪に繋がりますが、カットし過ぎても問題です。
身体に必要な脂質を摂ることを前提にカロリー全体の20%以内に収めましょう。
よりストイックに身体を絞りたい場合は、さらに厳選して10%までカットします。
脂質は 2,340 × 0.2 = 468kcal(=52g)
※10%にする場合はこの半分。
糖質
糖質はシンプルに残りのカロリー全てです。
2,340kcal - 468kcal(タンパク質) - 468kcal(脂質) = 1,404kcal(=351g)
白米がお茶碗1杯を200gとして計算しても4杯分です。
もちろん野菜や他の穀類も入りますし肉などにも含まれるので、ご飯を4杯食べてもいいわけではありません。
しかし思いのほか多いことは確かで、神経質に糖質を避ける必要はないことも分かります。
むしろ現在の停滞はこの糖質が圧倒的に足りていないことが原因ということも。
糖質が足りなければ筋肉を分解してエネルギーを作り出してしまうので(糖新生)、カタボリックを防止する意味でも必要量を確保できているか再確認してみましょう。
筋肉が増えないとタンパク質を増やしがちだけど、大体は糖質不足だよ
調整
筋肉をさらに大きくしたい時は体重1㎏当たりのタンパク質量を3~4gに増やし、その分糖質が削られることになります。
全体の半分は糖質になるようなバランスなら大丈夫!
体脂肪の減少も狙うのであれば脂質を全体の10%まで減らすことで、タンパク質を摂取する余裕が生まれます。
糖質が50%を割るような設定になった場合は増量のタイミングです。
除脂肪体重を目標の体重に引き上げてカロリーを調整していきましょう。
ずっと同じままでいるのではなく、目標に合わせて少しずつ内訳や総カロリーを変化させる必要があるということです。
時期や目標に合わせた調整についてはこちらのページで解説しています。
準備中
PFCバランス管理の罠
三大栄養素がそれぞれどれくらい必要かということ把握する上で、このマクロの食事管理というのは非常に便利な方法です。
ただこの方法によって起こる問題もあります。
それが食べ物の選択です。
一口にタンパク質、脂質、糖質といってもそれを含む食べ物には様々なものがあります。
マクロ(総カロリー)でしか管理していないと、ミクロ(食材の選択)で誤った判断をしてしまう危険が…。
極端な例で言えば、お菓子を食べるためにご飯を抜くといったことも正当化されかねません。
もちろん糖質だけでなくタンパク質も脂質も食べ物の選び方には注意が必要です。
それについては既に紹介した各栄養素のページで解説しているので、参考にしてください。
まとめ
PFCバランスとカロリーの内訳についてでした。
栄養摂取は筋トレの基本でありながら疎かにしてしまう人が非常に多くいます。
しっかり追い込んでいるのに伸び悩んでいる人はほぼ全員が栄養不足です。
特に削りがちな糖質。
プロテインやアミノ酸サプリを増やして対抗しようとしますが、そもそもタンパク質は活動のエネルギーではありません。
いくらカタボリックを防止しようともエネルギーがないんだから筋肉の分解しようとします。
計算して分かった通りけっこう糖質を摂っても大丈夫なんですよ。
てなとこで。
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