僧帽筋トレーニングの基本|解剖学的機能と効果的な鍛え方【背中に鬼を宿す】

「背中に鬼を宿す」これを目指すトレーニーも少なくないはず。

そのためには広さを出すだけでなく厚み、立体感も欠かせません。

背中はなかなか自分で成果を確認しにくくモチベーションを上げにくい部位です。

ただいくら前面の筋肉が発達してても、背面が疎かでは余計に貧相に見えてしまいます。

広さは高負荷、厚みは低負荷でしょ!

こんな感じで捉えてる人が結構多いようですが、これは単なるイメージです。

確かに人によっては刺激が入りやすいこともあるかもしれませんが、あくまで個人的な感想でしかありません。

どの筋肉をどうやって鍛えるべきなのか正確に知ることが効果的なトレーニングになります。

このページでわかること

・背中の厚みを出すために鍛える部位(背中の構造)

・僧帽筋の構造、機能、鍛え方

・僧帽筋と広背筋の鍛え分け

背中の厚みは僧帽筋で出す

背中には多くの筋肉があるので、非常に複雑な構造だと思ってる人が多いです。

確かに背面にはそれなりに多くの筋肉がありますが、それらは幾重にも重なっています。

そのため表面に現れるアウターマッスルの種類は実はそんなに多くないんです。

その中でも背中の厚みに貢献するのは、上背部の中心に位置する僧帽筋です。

僧帽筋の位置と構造 ザックリしたイメージで言うと、僧帽筋は背中の上半分を占める筋肉です。

背中の中心にあるひし形の筋肉で、鍛えることで張り出しが大きくなるので厚みに貢献します。

僧帽筋も起始と停止が複数あり、それぞれ上部・中部・下部と3つに分けて考えられます。

そして機能も異なるため、鍛え方・種目もそれぞれ異なります。(詳しくは後述)

上部 起始 = 後頭部から頸椎まで 停止 = 鎖骨の外側(1/3)

中部 起始 = 第7頸椎から第3胸椎まで 停止 = 肩甲骨の肩峰と肩甲棘

下部 起始 = 第4胸椎から第12胸椎まで 停止 = 肩甲棘三角 

第○胸椎などは分かりにくいので、画像でザックリどの辺かだけ把握してればOKです。

ただ起始と停止の関係から筋繊維の方向が分かります。

上部と下部は斜めに、中部は水平に筋繊維が走行してるので、鍛える際はこれを意識しましょう。

実はあまり大きな筋肉ではなく体積は458㎤程度です。

面積の割に体積が小さいので、筋肉は薄め。しっかり鍛えないと厚みは出ません。

僧帽筋を鍛えるメリット

僧帽筋を鍛えるメリットは大きく2つあります。

背中の立体感

僧帽筋を鍛えることで得られるメリットは何と言っても背中の立体感です。

背中がいくら広くても立体感が無ければ、身体の前面のような陰影は生まれません。

ライティングに頼らなくても、凹凸の見える背中にするためにも僧帽筋は必須です。

姿勢の改善

僧帽筋の上部は頭蓋骨や首の骨についているため、大きな頭を支える上で重要な筋肉。

現在のフィジークでは不要と言われて上部は軽視されますが、頭部の安定に欠かせません。

デスクワークやスマホ利用でストレートネックになってしまうのも、支える力がないからです。

「○○がネック」の通り首は非常に大事な部位。

また肩甲骨を寄せた姿勢は胸を張ることと同じです。

僧帽筋の肩甲骨を寄せる力を強くすることは、体を弓のように引いて姿勢を良くする効果もあります。

しっかり支えるためにも下部から上部までしっかり鍛え上げましょう。

僧帽筋の解剖学的な機能

僧帽筋の位置と構造がが分かったところで、続けてその機能を見ていきます。

僧帽筋の配置の画像を見ながらイメージを掴んでいってください。

僧帽筋の解剖学的な機能

トレーニング効果を上げるに当たって、その筋肉の解剖学的な機能を押さえることは非常に重要。

解剖学と聞くと難しいイメージがあるかもしれませんが、簡単に解説してるので安心してください。

既に解説した通り、僧帽筋は起始と停止が複数あるので、機能も部位によって異なる所があります。

ですが、基本的には肩甲骨を動かすためにある筋肉という点は共通です。

上部の機能は肩甲骨の上方回旋内転挙上、そして頭部の伸展です。

中部の機能は肩甲骨の内転のみ

そして下部は肩甲骨の上方回旋内転下制です。

上方回旋:バンザイする動き。肩甲骨の下が開く

内転:肩甲骨を寄せる動き。後退とも言う

挙上:肩をすくめるように上げる動き

下制:なで肩のように肩を下げる動き

頭部の伸展:頭を後ろに倒す動き

僧帽筋トレーニングで特に重要な機能

僧帽筋を鍛える上で特に重要な機能が、上~下部まで共通する肩甲骨の内転

つまり左右の肩甲骨を寄せるように動作することが、僧帽筋トレでは欠かせません。

ちなみに挙上と下制は真逆の動作です。

筋繊維の走行方向が真逆なことから分かると思いますが、上部と下部を同時に鍛えるのは難しい

その意味でも2つに共通する肩甲骨の内転が最重要の機能と言えます。

僧帽筋の機能から導く効果的なトレーニング方法

僧帽筋の配置と解剖学的な機能について解説してきました。

その機能や特性を参考に効果的なトレーニング方法を考察します。

僧帽筋の筋力発揮の特徴

筋肥大の必須の基本的な3つの刺激を与えるために、筋力発揮の特性を把握することは重要です。

3つの刺激①高負荷②ストレッチ③酸欠については別のページで詳しく解説しているので、そちらも参考にしてください。

僧帽筋を鍛える場合、上部から下部まで共通する肩甲骨の内転動作をメインに据えるのが基本です。

これはすなわちローイング動作であり、ストレッチポジションからコントラクトポジションまで直線軌道になります。

これは肩甲骨を挙上する動作(シュラッグ)も同様です。

動作方向と負荷方向の関係が変わらないので、単一の種目で全ての刺激を狙うことも可能になります。

そういう点では他の部位に比べてシンプルに鍛えられる筋肉と言えるでしょう。

僧帽筋トレーニングの負荷設定

僧帽筋はやや遅筋が優位な筋肉なので、負荷の設定は軽い方が効果的です。

具体的には速筋:遅筋=46.3:53.7という比になっています。

低負荷×高回数でしっかり肩甲骨を寄せた動作を意識するのが効果的です。

ちなみに僧帽筋の深層には僧帽筋と同じ機能を持つ速筋優位の大菱形筋という筋肉があります。

インナーマッスルであり体積も118㎤と小さいですが、高負荷に反応しやすいので内側から押し上げてくれる期待はアリです。

また高負荷は筋肥大の基本要素でもあるので、そういう点からも低負荷に傾倒し過ぎないようにしましょう。

グリップの重要性

このあと僧帽筋を鍛える具体的なトレーニング種目を紹介していきますが、そこで重要なのがグリップ

肩甲骨の内転は腕を後方に引く動作が伴う種目、いわゆるプル系・ロー系の種目が中心です。

その時に起きる問題が腕に効いてしまうこと。

腕を後方に引く時に肘関節も屈曲するので、「とにかく引く」って意識が強すぎると二頭筋に効いてしまうのです。

その問題を解消するテクニックがグリップ。

親指から薬指までを支配する正中神経は上腕二頭筋に繋がっています。

なので親~薬指で強く握るほど、上腕二頭筋の活動が高まってしまうのです。

グリップの重心を小指側にして握ることで緩和されます。

意識しにくい人は特に力の強い親指・人差し指を外したピストルグリップがオススメです。

まとめ

背中に厚みを持たせる上で重要な僧帽筋トレーニングについて解説しました。

上部・中部・下部の3つに分かれ、機能も広いため鍛え方も様々なバリエーションがあります。

しかし肩甲骨の動作に寄与するのは共通なので、ここにフォーカスしたアプローチが効果的です。

遅筋が若干優位で低負荷の方が相性が良いですが、筋肥大のメカニズムに即して高負荷まで満遍なくメニューに組み込みましょう

筋肥大の基本的要素についてはこちらのページで解説しています。

また具体的なトレーニング種目やテクニックについてはこちらのページで解説しています。

それぞれ参考にしてください。てなとこで。