上腕二頭筋トレーニングの基本|解剖学的な機能と効果的な鍛え方【盛り上がった力こぶ】

逞しい上腕、盛り上がった力こぶに憧れる男性も多いでしょう。

上腕二頭筋は初心者でも鍛えやすいシンプルな筋肉と思われがちです。

しかし構造を見てみると意識的にトレーニングしないと理想的な形に仕上げられないことが分かります。

このページでわかること

・上腕二頭筋の構造

・上腕二頭筋を鍛えるメリット、必要性

・上腕二頭筋の解剖学的な機能から見る効果的な鍛え方

解剖学的な視点を用いて、かつ簡単に解説していきます。

基本的だけど大事な内容をしっかり押さえて逞しい上腕を作り上げましょう!

上腕二頭筋の構造と鍛えるメリット

上腕二頭筋の構造や位置の基本をしっかり押さえた上で、鍛えるメリットを見ていきましょう。

上腕二頭筋の構造

上腕二頭筋はトレーニーじゃなくとも知ってるほどメジャーな筋肉ですが、まずはその構造から解説します。

上腕二頭筋は上腕、つまり肘から上の前面についている筋肉です。

かなりザックリしたイメージですが、配置や構造については画像を参考にしてください。

上腕二頭筋の特徴はその名前の通り、1つの筋肉にも関わらず起始が2つあるってこと。

ちなみに停止も2つに分かれてるよ

これら2つは 一般的に長頭、短頭と呼ばれて区別されるものです。

・長頭(外側)
起止 = 肩甲骨の関節上結節
停止 = 橈骨粗面

・短頭(内側)
起止 = 肩甲骨の烏口突起先端
停止 = 前腕筋膜 

かなり簡略化して説明すると、長頭は力こぶの高さ、短頭は内側の立体感を作るものです。

長頭は横から見た時の厚み、短頭は前から見た時の厚みとも言えるね

上腕二頭筋と言うと「肘関節を曲げる筋肉」というイメージが強いですが、実は肩関節と肘関節の2つを跨ぐ筋肉です。

さらにその肩関節の跨ぎ方が長頭と短頭とで異なっています。

この意外と知られていない事実がトレーニング方法の効果を左右するので、それは後でご紹介します。

力こぶで目立ちはしますが、体積は366㎤とそこまで大きな筋肉じゃないので、しっかり鍛えないとなかなか力こぶは盛り上がりません。

速筋:遅筋の比は53.6:46.4とやや速筋が優位なので、比較的トレーニングで大きくなりやすい筋と言えます。

上腕二頭筋を鍛えるメリット

上腕二頭筋を鍛えるメリットは何と言っても逞しい力こぶのある上腕を作り上げることです。

上腕二頭筋は前にせり出すように発達するので、横から見た時の腕の太さに大きく影響します。

また上腕の前面は皮下脂肪がつきにくく、発達してくると血管も浮き始めるので逞しさはさらに加速。

トレーニングで血流が増えれば血管自体も太くなるしね

力こぶを周囲に披露する機会は滅多にないですが、夏場に半袖から覗く上腕の血管に萌える女子も多いはず。

よく「腕を太くしたければ三頭筋」と言われます。

確かにそうなのですが、さりげなく逞しさをアピールするためには太さだけではなくメリハリ(カット)や血管も重要なポイントです。

上腕二頭筋の解剖学的な機能

構造のとこでも軽く触れましたが、上腕二頭筋はシンプルに見えて意外と複雑な筋肉です。

肘のガイドに従っていれば意識しなくても満遍なく鍛えられるほど単純なパーツじゃありません

具体的な機能を知って、効果的なトレーニング方法を習得しましょう。

解剖学というと何やら小難しい話のように思えますが、砕けば非常にシンプルです。

同じ種目でも効果を最大化するテクニックの習得にも繋がる大事なポイントなので、しっかり押さえてください。

長頭・短頭に共通の機能

まず長頭と短頭には共通する機能と独自の機能の2つがあります。

共通の機能は誰もが知ってる肘関節の屈曲です。

肘関節の屈曲:肘を曲げる動き

そして肩関節を通っているため、実は肩の動作にもうっすら関与します。

具体的には肩関節の屈曲と水平内転です。

肩関節の屈曲:腕を下ろした状態から前に挙げる動き

肩関節の水平内転:Tの字に開いた腕を高さを維持したまま身体の前で閉じる動き

実はこれらの機能は大胸筋や三角筋の機能でもあります。

それらを鍛えるベンチプレスやフロントレイズで二頭筋にも疲労が出るのはこのためです。

腕立て伏せでは二頭筋を鍛えられないと説明するサイトもありますが、解剖学的に見れば厳密には正しくありません。

メインターゲットじゃないってだけ

長頭・短頭それぞれに特有の動き

そして上腕二頭筋の鍛え分けに最も重要なのが長頭・短頭それぞれに特有の働きです。

長頭(外側)は肩関節を外側から通っているため、肩関節の外転に関与します。

長頭に特有の働き

肩関節の外転:腕を下ろした状態から横に広げる動き(Tの字を作る)

三角筋の中部トレのサイドレイズで上腕二頭筋の長頭側が軽く疲労するのはこのためです。

短頭(内側)は肩関節を内側から通っているため、肩関節の内転に関与します。

そして肘関節の回外も短頭に特有の機能です。

短頭に特有の働き

肩関節の内転:Tの字に開いた腕を閉じて身体の脇に戻す動き

肘関節の回外:親指を外側に向けるように腕を捻る動き

肩関節の内転に関与するため、広背筋のラットプルダウンや大胸筋の(ハイ)ケーブルクロスオーバーなどでも疲労します。

上腕二頭筋の鍛え方

基本的には長頭と短頭に共通の肘関節の屈曲をすることで上腕二頭筋は鍛えられます。

最大のポイントは手のひらの向き

その中で特に問題になるのは短頭に特有の機能である肘関節の回外です。

アームカールなどを行う時にウェイトを持つ一般的なスタートポジションは手のひらを上に向けた(肘を回外させた)姿勢。

これから機能を発揮する筋肉が強く働くというのが筋力発揮の特性です。

つまり回外した姿勢でスタートすると短頭への刺激が弱くなってしまい、漠然と続けると短頭(内側)の発達が疎かになります。

力こぶの厚み(丸み)は主に短頭が作るので、上腕二頭筋でも特に印象的な部分がなかなか発達しません。

手のひらを最初から上に向けたフォームに偏ることなく様々なバリエーションを持たせることが、均等な発達には不可欠です。

上腕筋を狙って鍛える?

ちなみに上腕筋という別の筋肉を鍛えることが外側のシルエットを大きくすると解説しているサイトがありますが、これは誤り

上腕筋は肘関節の屈曲に関わる筋肉ですが、表面には出てこないインナーマッスルです。

確かに上腕筋は内側から上腕二頭筋を押し上げ、高さを作るのに貢献します。

不要とは言いませんが、見た目を形作る筋肉ではありません。

ハンマーグリップのカール動作で主動筋になりますが、通常の肘の屈曲でも十分鍛えられます。

バリエーションとしてのハンマーカールもアリですが、特別区別して鍛える必要はないっていうのが個人的な意見です。

上腕二頭筋の筋力発揮の特性

効果的なトレーニングメニュー構成のためには筋力発揮の特性の理解が欠かせません。

肘関節の屈曲動作では90~120°近辺で筋力が最大になります。

動作の中間に当たるので高負荷はミッドレンジ種目で扱うのが効果的です。

その他にストレッチ種目とミッドレンジ種目の計3種目でバランスよくメニューを構成しましょう。

重量の設定

上腕二頭筋はやや速筋の量が多いですが、その差は小さくほぼイコールです。

速筋があまり多くないということは爆発的な力を生み出すことは出来ません。

しかも筋繊維の方向も平行筋なので、あまり高負荷でのトレーニングには向かない筋肉です。

肘関節の屈曲動作がメインになるコンパウンド種目もほとんどなく、他の筋肉のサポートを受けて高重量を扱うこともできません。

研究でも上腕二頭筋には高負荷×低回数よりも低負荷×高回数の方が筋肥大効果が高かったというエビデンスがあります。

こういった事情から上腕二頭筋のトレーニングには低負荷トレーニングが効果的で、重くても8RMくらいが限度でしょう。

ちなみに肘関節の屈曲動作の中で直角付近は特に力が入りにくいポジションで、スタッキングポイントと言います。

前腕と重力が垂直になるからね

ここで腰や膝の反動を使ってしまいやすいので、その点も重量設定の際は注意しましょう。

【補足:平行筋とは?】

筋肉の起始から停止線のラインと筋繊維の走行方向の関係によって筋肉の種類が変わり、特性も変わります。

平行筋とはその名の通り起始・停止線と筋繊維が平行に走っている筋肉です。

別名を紡錘状筋

筋の全長が長いため収縮距離が長く、広範囲で力を発揮できます。

収縮速度が速いのが特徴ですが、その一方で発揮できる力はあまり大きくありません。

トレーニングの際のレップ数の設定は低負荷×高回数の方が効果的とされています。

まとめ

上腕二頭筋を効果的に鍛えるための基本について解説しました。

肘関節の屈曲に関与する筋肉ってことは誰しも知っていることでしょう。

しかし詳細に見ていくと、起始・停止が2つに分かれていて内1つが肩関節を跨いでるところが鍛える上で重要なポイントになります。

またカール動作の手のひらの向き、すなわち肘関節の回外具合にも配慮しましょう。

最大筋力を発揮するポイントは屈曲動作の間なので、高負荷で行うミッドレンジ種目がメニューに必要です。

速筋比率が大きいですが、単関節筋なので肘への負担を考えて過度な負荷は扱わないことをオススメします。

上腕二頭筋の具体的なトレーニング種目のテクニックや注意点については以下のページで解説してるので参考にしてください。

てなとこで。