筋肉のカットを出す鍛え方|ボヤっとデカいだけの身体を改善する2つの方法

ボディビルダーやフィジーカーのようなバキバキの身体に憧れて筋トレしてるトレーニーは多いと思います。
しかし筋トレに傾ける努力とは裏腹に、なかなか思うようなカット・バキバキ感が出ないと悩む人も同じくらい多いんじゃないでしょうか?

身体のアウトラインはデカくなってるけど、ただデカいだけで、何となくボヤっとした印象が拭えない身体つきの人は意外といます。
筋肉の間の谷が浅いのが問題かと減量にトライし、脂肪を削ってみてもなかなか変わらない。
体脂肪を削ることも重要ですが、より根本的な問題は脂肪量よりも筋肉のつき方にあります

「これはもう体質の問題だ」と諦めてしまう人もいるようですが、トレーニングの仕方次第で改善が見込める悩みです。
そんなとこで今回は筋肉のカットを出し、メリハリのあるバキバキボディに仕上げるためのトレーニングのポイントについて解説します。

1 ストレッチとコントラクト

冒頭で体脂肪を減らす作業を筋肉の間の谷を深くする作業と表現しました。
カットを出すためにはもう1つの視点、すなわち両側の山を高くする作業が重要になります。

これはトレーニーが当たり前に取り組んでいる筋肥大に他なりませんが、山頂だけを高くしてもカットは生まれません。
これだと境界近くにかけてなだらかに下ってしまい、ボヤっとした何となくデカいだけの身体に仕上がってしまいます。
重要なのは境界近くが断崖のように、各パーツの端、解剖学的に言うと起始・停止部までしっかり肥大させることです。

そのために必要なトレーニング方法がストレッチ種目とコントラクト種目の2つ。
ストレッチ種目は端まで満遍なく引き伸ばし、コントラクトは全ての筋繊維をギュッと短縮させます。
レップごと、しっかりこうした刺激が入れられているかを確認しながら動作してみましょう。

因みにただフルレンジで動作すればいいというわけじゃないことには注意が必要です。
負荷の向きの関係で、ストレッチ・コントラクトポジションではほとんど対象筋に負荷が乗ってないケースもあります。
ただ筋肉を伸ばしたり縮めたりしただけの痛みを負荷だと勘違いしてる人も多いのが現状です。
しっかりそれぞれのポジションで負荷が最大にかかるように種目を設計しましょう。

とは言えPOF法に基づくメニュー構成は基本中の基本であり、決して高度なテクニックではありません。
なのでメニューにストレッチ・コントラクト種目を取り入れてる人も多いと思います。
それなのにボヤっと感が拭えないという人は次で解説する視点が抜けている可能性があります。

2 ビルダーとリフターの違いに見るヒント

ただ種目のバリエーションを多様にすればいいというほど単純な話でもないのが筋トレの難しさであり、同時に面白さでもあります。
目的に応じた種目の選択もさることながら、その効果をしっかり与えるためには「挙げ方」も重要になるのです。

その違いが如実に表れているのが、ボディビルダー(やフィジーカー)とウェイトリフターです。
別にリフターをディスるわけじゃありませんが、「バキバキ感が出ない…」と悩んでる人はどちらかというとリフターの身体に似てないでしょうか?

同じように高重量のウェイトを使ってトレーニングをしていても両者の身体つきには大きな違いがあります。
ここではリフターのトレーニング動作の特徴を見ていきましょう。

2-1 リフター的トレーニングとは?

その違いはトレーニングの仕方、もっと厳密に言うと冒頭で言った「挙げ方」の違いによるものです。
カット・バキバキ感が生まれない原因はリフター的なトレーニングになってしまっている可能性があります。
では具体的にどんな挙げ方が問題(?)なのでしょうか?

リフティングの場合、要求されるのは全身の連動と瞬発力です。
このキーワードだけでもピンとくる人がいるかもしれませんが、簡単に言えば効率の良いスポーツ的な動作と言えます。
より少ない体重でより高重量を挙げることを目指す競技なので、効率の良さ、省エネは必須の要素です。
省エネなんて効率的に体力の限界まで追い込むこと(オールアウト)を目指すボディメイクのトレーニングとは対極にある考え方ですよね。

効率よくウェイトを挙げていれば、カットどころかそもそも筋肥大も起こりにくいです。
扱ってる重量とは裏腹にさほどバルクしていない人は完全にリフティング寄りの筋トレになってしまっています。
そして連動を使うということは隣接する筋肉と協力して力を発揮するので、繋がりが強くなり、境界が滑らかにもなりやすいのです。

2-2 特に短縮位でのロスが多い

ストレッチ種目やコントラクト種目のように端の筋繊維まで満遍なく刺激を入れる種目を入れてもボヤけてしまう原因もリフター的な挙上スタイルにあります。
ストレッチ・コントラクトの中でも特に影響が大きいのはコントラクト種目の方です。

無意識にリフター的トレーニングになってしまってる人でもネガティブの重要性を認識していて、エキセントリック収縮・ストレッチは概ね丁寧にできています。
しかしポジティブ局面はリフター的挙上だと、初動の慣性(勢い)でトップに到達してしまい、肝心なポイントでほとんど力の発揮がなくなってしまうのです。

これは外力(勢い)で関節が曲がった結果、筋肉が縮め「られている」状態。
しかし本来目指すべきは「筋肉を縮めた結果、関節が可動域の端まで曲がる」状態です。
細かい違いですが、この差が非常に重要なポイントになります。

もちろんこれはコントラクト種目に限りませんが、リフター的挙上は特に最大収縮の局面にロスを生みやすいということです。

3 ビルダー(フィジーカー)が目指すべきトレーニング

当然のことながら人間の身体はわざわざエネルギーを大きくロスする方法で運動するようにはできていません。
なので全身の連動と瞬発力、勢いを使って重量を挙げようとするのは非常に自然な動きと言えます。
つまり無意識に筋トレをしていれば、誰もがリフター的な成長をしてしまって当然ということです。

ビルダーのようなバキバキ感を作るためには、これとは真逆の不自然な動作を意識的に行う必要があります。
すなわち、勢いを殺し、動作の速度を一定にするよう常にコントロールしながら挙上することです。
これを改めて意識してみると、これまで扱っていた負荷では重すぎると感じる人が多いと思います。
ここまで解説した内容で、以下のようなよくある謎にも答えが出たんじゃないでしょうか?

・そこまで筋肉が大きくない人が、見かけに反した高重量を使っているケース
・逆にかなりバルクしてる人が想像以上に軽い重量で鍛えているケース

また左右で筋肥大に差が出る原因も、もしかしたらこの挙げ方にあるかもしれません。
筋力の強い利き手側はコントロールした動作が出来ているが、筋力の弱い方は瞬発力や連動で挙げてしまっているということです。
なお筋肉の左右差の原因についてはこちらのページで詳しく解説しています。

まとめ

ビルダー・フィジーカー的なメリハリのある筋肉に仕上げるために必要な視点について解説しました。
サイズが大きいよりも、彫刻のように削り込まれたカットがある方が迫力もあり、不思議なことに大きくも見えます。
モリモリよりバキバキにしたいと憧れる人が多いのも当然です。

ちなみに本文中でも断りましたが、決してリフターの体型を批判してるわけじゃありません。
基本的にこのブログではビルダー・フィジーカー体型を目指してる人を念頭に記事を書いています。
そういう人たちが目標の身体に近付かないどころか遠ざかって行ってしまっている原因を分析するにあたり、比較対象として引き合いに出したにすぎません。
どんな身体が理想かは機能面も含めて個人の価値観によるもので、正解はないとぼくは思ってますので。

本題に戻ると、ビルダー体型を作るためには意識的に不自然な動作を行うこと、端的に言えばこれにつきます。
意外と多くの人が以下の2つの違いを認識できていません。

①関節の可動の結果として筋肉が縮められること
②筋肉の収縮によって関節が可動すること

地味で細かい違いですが、ここを意識できていないと負荷が全くかかってなくてもフルレンジで動作するだけで満足してしまうことにもなりかねません。
それぞれ狙ったポジションで負荷をしっかりかけられるような種目の設計と選定が必要です。
そのためには解剖学と物理学(=バイオメカニクス)に知見が必要になります。
このブログでは部位ごとにバイオメカニクスを踏まえた効果的なトレーニング方法を解説してるので参考にしてみてください。

そもそも筋肥大に効果的な刺激が与えられてないというケースもあるので、その基本もしっかりおさらいしておきましょう。
てなとこで。