根気じゃ筋トレは続かない|ジム通い継続の7つのコツ

筋トレが続かないんだよね~…

筋トレブームと言われて久しいですが、一方で筋トレやジム通いの習慣化に苦労して挫折してしまっている人も多くいます。
「ジム通いが1年間継続する人はたったの3.4%しかいない」という衝撃的な調査もあるほどです。
これはジムが悪いわけではありません。
筋トレを習慣化するのに必要な対策を知らず、間違った方法で筋トレを始めたことが原因です。
このページでは、ジム通いを継続するための方法について解説します。

このページでわかること

・筋トレを習慣化するための始め方
・挫折に繋がるNGな方法
・現実的かつ効果的な対策

ここで紹介する対策をザックリと始めに紹介しておくと以下のとおりです。

①優先順位を上げる ②目標を持たない ③筋トレのレベルを下げる ④勉強する ⑤完璧主義を捨てる ⑥パートナー ⑦筋トレグッズ

1 筋トレの優先順位を上げる

生活の中での筋トレの優先順位を上げることは必須です。
これができていなければ筋トレを習慣にするなどもはや不可能といっても過言ではありません。
筋トレを習慣化する上で、優先順位を上げなければいけない理由は以下の3つです。

①人間は筋トレする生き物ではない ②時間は余らない ③トレードオフの発生

1-1 人間は筋トレに向いていない

ハーバード大学のダニエル・リーバーマン氏は筋トレと人間の関係についてこんなことを言っています。

ダニエル・リーバーマン

そもそも人間は筋トレをするようにデザインされていない

狩猟採集で生活していた時代には、次にいつ食料にありつけるか分かりませんでした。
そのため人間はできるだけエネルギーを温存するように進化してきたのです。

筋トレはそれ自体が大きなエネルギーを消費する上に、筋肉を合成したり維持するのにも相当なエネルギーを要します。
人間の進化とは真逆の行為であり、そうしたエネルギーの浪費に繋がる行動は避けるようにプログラムされているということです。
脳や身体が必死に止めてくるものを片手間で続けられるわけがありません。

1-2 時間はできない

人間には与えられたリソースを使い切るように行動する性質があります。
心理学で有名なパーキンソンの法則というものです。

収納の多い家に住んでる人ほどモノが多い。給料が増えても出費が増えて一向に貯金できない。どっちもこの影響だよ

「ジムに行ける時間がない」「時間ができたら行こう」なんて言ってる人は多いですが、こんなことを言ってるうちは時間なんて出来っこないってことです。

それなりのトレーニングをしようとしたら短くても30分、長いと2時間近くかけることもあります。
ジムへの往復や着替え、シャワーなどの時間も考えたら少なくとも1時間は必要です。
これだけの時間が勝手に生まれる当てがあるのでしょうか?

先取り貯金と同じで、そのための時間を先にブロッキングしておかなければまずムリです。
「ジム通いを詰め込んだら他の予定が…」と思うかもしれませんが、限られた時間でやりくりしようと行動が効率化・迅速化します。
今はダラダラ物事を熟してるせいで、ジム通いが入る余地が埋まってるように見えるだけです。

1-3 真逆の欲望が同居してしまう

食べたいけど痩せたい

ジムには行きたいけど飲みにも行きたい

こんな正反対のことを平気で願ってしまうのが人間というものです。
時間の取り合いだけでなく、身体づくりという点でも相反する欲望で、このような関係をトレードオフの関係と言います。

どっちかを立てようとするともう一方が立たなくなるって関係ね

こういう誘惑や欲望に直面した時、自分の中での優先順位が固まっていないと毎回悩むことになります。
自制心がある時はハッキリと断ってジムに行けるかもしれません。
しかしストレスや疲れで自制心が弱っているタイミングに重なれば簡単に負けてしまいます。

筋トレを継続したいなら、その時々の判断に任せるのではなく予め決めておかなければいけないということです。
そういう意味でも優先順位の明確化は重要になります。

2 目標を設定しない

筋トレを継続したかったら目標は立てないことをオススメします。
これは意外に感じる人が多いかもしれません。

確かに目標の設定は自分の進捗状況を確認し、モチベーションを上げる助けになるので大事なことです。
しかし目標も場合によってはモチベーションを挫く原因になってしまいます。その原因は以下の2点です。

①高過ぎる目標は逆効果 ②停滞期

2-1 堅実と思いきや高過ぎる目標

第一に、目標の立て方を誤ってあまりに高過ぎる目標を設定してしまうと、むしろモチベーションを挫く原因になってしまいます。

現実的な目標が立てられればいいんじゃないの?

本人は現実的な目標と思っていても、実際には高過ぎる目標になってしまってるケースが多いというのが筋トレの特徴です。
それは想像以上に筋肉の発達のスピードがゆっくりと起こることが関係しています。
「筋トレはティッシュを1枚ずつ積み重ねる作業」と言われるほどで、それくらい簡単には効果が出ないもの、地道な努力が必要なものということです。

「東京から大阪まで行ってください」とだけ言われれば「新幹線を使えばすぐじゃん」と考えると思います。
しかし「移動手段として使えるのはママチャリだけ」と補足されたとしたらどうでしょう?
途端にハードな目標だと思うはずです。

このように筋肥大の現実を知らないで目標を立ててしまうと、非現実的な目標になってしまう可能性が高くなります。

2-2 停滞したら危険

ダイエットにしろ筋肥大にしろ途中で必ず停滞期が訪れるものです。
停滞しないにしても、標準から遠ざかるほどに元に戻そうとする圧力は強くなるので、変化は緩慢になります。

それまで目標に向けて順調に推移してきた分、停滞期の心理的なダメージは大きいです。
このダメージがモチベーションの低下や挫折の原因になります。
これも目標の設定とそれとの比較が生む負の影響です。

とは言え全く目標がなく、進度を確認できない状態ではモチベーションがそもそも上がりません。
そこでオススメしたいのが、現実的な目標を複数持つという方法です。
具体的には見た目、体重、体脂肪率、運動のパフォーマンス、健康状態などで、筋トレの多様なメリットを認識しておくとも言い換えられます。
筋トレの恩恵は筋肥大だけではありません。是非とも押さえておきましょう。

3 筋トレのレベルを下げる

筋トレやジム通いを続けたい場合、そのためのハードルを減らすことが重要です。
ハードルが多いほど人間の脳は「めんどくさいからやりたくない」と思うようになります。
脳が嫌がらないように筋トレのハードルを減らしてあげましょう。
ポイントは以下の2点です。

①すぐ始められること ②レベルを下げること

3-1 始めるのに時間をかけない

筋トレには荷物の準備やジムまでの移動、着替えなど様々なハードルが存在します。
これらのハードルを出来るだけ事前に減らしておくようにしましょう。

一番かんたんに出来ることは前日のうちにジム用の荷物を準備して玄関に置いておくことです。
これで仕事から帰って来てすぐそのまま出かけることが出来ます。
また移動時間や距離もハードルになるので、なるべく通いやすい立地のジムを選ぶことも重要です。

2019年ラグビーワールドカップ 日本限定モデル

このように行程を減らすことは言い訳を予防する効果もあります。
人間の脳は5秒も経つとやらない言い訳を思いつくように出来ているので、その考える隙を与えてはいけないのです。

3-2 ハードな筋トレもハードルに

人間の思考は予期に大きく影響されます。
分かりやすい例で言うと、1週間で最も幸福を感じるのは実際の休日ではなく前日の夜です。

これの逆パターンがサザエさん症候群だね

つまりこれからやることを想像することでモチベーションを左右されてしまうということです。
そのためハード過ぎるメニューを設定してしまうと「嫌だなぁ…」という予期が働いて、モチベーションが萎えてしまいます。

筋トレの成果はなかなか出ないと解説したので、ハードなメニューを組もうと考えた人もいるかもしれません。
しかし肝心なのは一時の刺激ではなく継続なので、負担を感じない適正なレベルにトレーニングを抑えるようにしましょう。

4 筋トレの効率を上げる

筋トレはティッシュを重ねるような非常に地道な作業であると解説しました。
しかしそんな小さな変化でも「正しい努力をした場合において」という但し書きが付きます。
つまり効果的じゃない努力は微塵も変化をもたらさないということです。

これではいくら優先順位を上げて、正しい目標を設定して、ジム通いを継続したとしても、効果のない筋トレをしていたのでは意味がありません。
どんなに我慢強い人であっても、ずっと変化が無ければいずれモチベーションが低下してしまうでしょう。

筋トレに関しては様々な書籍や研究、それらを解説したブログやYouTube動画が存在します。
全てが正しいわけではありませんが、学習し自分で考えて試行錯誤し工夫していく姿勢が必要です。

ただウェイトを使って運動すれば発達するような単純なものじゃないよ!

ジム通いをするだけでも時間を使うので、さらに勉強となると気が引けるかもしれません。
しかしせっかく確保した筋トレの時間をムダなものにしないために勉強する時間も取るようにしましょう。
通勤中などムダに過ごしてる時間はいくらでもあるはずです。

5 完璧主義から脱出する

完璧主義と聞くと真面目でコツコツ努力を積み重ねる理想的な性格に思えます。
しかしこれは筋トレの習慣化にとっては弱点でしかありません
完璧主義がNGな理由は非常にシンプルで、条件が1つでも崩れてしまうと全てがダメになったかのように考えてしまうからです。

ダイエット中に差し入れのお菓子や飲み会の誘惑に負けてしまって「ああ、もうダメだ」と自棄になってしまった経験はないでしょうか?
これは心理学的には「どうにでもなれ効果」と言われていて、完璧主義な性質に起因するものです。
このように完璧主義は中断や停滞に非常に弱いという特徴を持っています。

何となく思い当たるな…でもどうすれば?

性質的なところは簡単に変わらないので、次善の策として筋肉について正しい知識を押さえておきましょう。
筋トレは継続が重要ですが、多少の中断なら問題はありません。
仕事が忙しい時季などジムに行けない日が続くでしょうが、筋肉が落ち始めるまでには2週間くらいかかります
一時的に後退してしまったとしても、また歩き始めれば良いのです。

もっと間隔が空いても心配ないよ

さすがに1ヵ月も空くと筋肉は落ちてしまいます。しかしそれでも憂う必要はありません。
しかし筋トレ経験者は未経験者に比べて筋肉の発達(戻り)のスピードが速いことが研究でわかっています。
これは筋トレによって増えた筋核細胞は筋トレを中断しても減らないからです。
いずれにしても完璧にやろうとしなくて良いということを覚えておきましょう。

6 トレーニングパートナー

筋トレは基本的に1人でやるもので、ここまで紹介した方法も1人で取り組む必要があります。
可能な限り簡単な方法で紹介していますが、優先順位やスケジューリングは多少の意志力が必要です。

そこに自信がないという人は一緒にジム通いをするトレーニングパートナーを見つけることも1つの有効な手段になります。
筋トレ好きな友人がいるならそれがベストですが、いなければジムで親しくなった人と予定を合わせてトレーニングをするのもアリです。

お互いが強制力になるので予定を守れることはもちろん、トレーニングの「あと1回!」の追い込みがかけやすくなります。
MAXの重量にトライするような危険なトレーニングも補助があれば安心して出来るので、さらなるレベルアップが望める点もメリットです。

お喋りばかりでお互いの足を引っ張ったり、周りの迷惑にならないことだけは注意しましょう。
そんなパートナーが見つけられない時の最終手段がパーソナルトレーニングですね。

7 トレーニンググッズの準備

「形から入る」というとあまり聞こえが良くありませんが、筋トレは色んな意味で形が重要になります。
何と言っても鏡と自分の筋肉だけに向き合う最強のナルシシズムだからです。

最近はフィットネス関係のブランドも増えてきていて男女ともにオシャレでカッコいいウェアが沢山リリースされています。
着るだけでも気分が上がりますが、さらにウェアが映えるようにトレーニングをしたくなるはずです。
また「このウェアを着こなしたい」というモチベーションにもなるかもしれません。
その他にもパワーグリップやリストラップ、ベルトなどのギアでも気分を上げることが出来ます。

もちろん形だけじゃダメなので最後に補足的に紹介しましたが、案外モチベーション維持の点で重要なポイントです。
学生時代のジャージやテキトーなTシャツじゃなくて、お気に入りのウェアを探してみましょう。

まとめ

筋トレ・ジム通いを習慣化する方法について解説しました。
最初の項目で紹介した「筋トレにはもともと向いていない」という事実は常に念頭に置いておかなきゃいけません。
何の工夫も無しに継続できるものじゃないという意味だからです。紹介した内容を以下にまとめます。

①優先順位を上げる:時間は勝手に降って来ないし、反する欲望を優先してしまう
②目標を持たない:筋トレの進度に対して高過ぎる目標を立てがちで挫折の原因
③ハードルを減らす:準備や移動などの行程はもちろん、筋トレのハードさも障害になる
④勉強する:効果的なトレーニングをしなければ進歩がなく挫折する
⑤完璧主義を捨てる:少しの停滞や中断で全てが台無しになるようなことはない
⑥筋トレ仲間:パートナーがいるとお互いが強制力になるし、サポートもしてもらえる
⑦筋トレグッズ:気分を上げモチベーションにもけっこう大事な要素

色んなことを紹介してきましたが、筋トレそれ自体を好きになることに比べたら些末なことです。
分かりやすく言えば「好きこそ物の上手なれ」みたいな感じ。
逆に言えば筋トレを手段としてるうちは常に継続の困難が伴います
筋トレは楽しいモノなので、その楽しみに早く気付いてもらえればと思います。
てなとこで。