【間違いがち】プロテインの摂取頻度|4つのNGな方法と正しい飲み方
プロテインの摂取方法に決まりなんてあるの?
タンパク質を効率良く摂取できるプロテインは筋トレをする人にとって基本中の基本のサプリメントです。
そんな栄養を極端に多く含むものだからこそ飲み方には注意が必要なのですが、意外とNG行動をとっている人が多くいます。
このページでは正しいプロテインの摂取方法について解説します。
・プロテインのNGな摂取方法
・プロテインの正しい飲み方
プロテインを効果的かつ安全に活用するためにも、自分の飲み方が間違っていないか、今一度ここで確認しておきましょう。
1 プロテインの間違った摂取方法
まずはアリがちなプロテインの間違った摂取方法から紹介していきます。
多くの人がやってしまっているプロテインに関するNG行動は大きく以下の5点です。
①多量摂取 ②作り置き ③トレーニング前の摂取 ④牛乳 ⑤加熱
1-1 プロテインの多量摂取
タンパク質は最低でも体重1㎏当たり1g、トレーニングを習慣的に行っているならこれが1.5gとか2g必要になります。
しかし摂れば摂るほど筋肉がついたり健康になるわけではありません。
必要量を超えて余ってしまったタンパク質は筋肉の材料になることなく腸に残ってしまいます。
この余ったタンパク質は悪玉菌のエサになり、それを異常に増殖させる原因です。
腸内環境が悪化すれば栄養素の吸収効率が落ち、さらに栄養素が余りやすくなるという悪循環に陥ります。
また1日での総摂取量だけでなく、1回当たりの摂取量にも注意が必要です。
タンパク質の消化吸収は一度に20gを越えると急速に低下することが分かっています。
特にトレーニング終わりなどに一気に摂りがちですが、摂り過ぎれば腸内環境を荒らす原因でしかありません。
もちろん消化力には個人差があるからこれより多くても平気な人もいるけどね
また悪玉菌はタンパク質の分解過程で有毒物質を作り出し、その解毒を行う肝臓や腎臓の負担も増やすことになります。
1-2 プロテインの作り置き
確かに筋肉のカタボリック(分解)を抑制するため、そして筋肉の合成作用を高めるためには小まめな栄養摂取は重要になります。
そのためにやってしまいがちなNG行動が作り置きしたプロテインの摂取です。
頻繁におにぎりやサラダチキンを食べるわけにはいかない人でもシェイカーからチビチビとプロテインを飲むくらいなら出来るからでしょう。
しかしこの方法は安全性から見てあまりオススメしません。
非常に栄養価が高いプロテインはバクテリアなどの大好物であり、簡単に言えば腐りやすいからです。
ドライな状態であれば長持ちしますが、一旦水に溶いてしまうと一気に雑菌が繁殖しやすい環境になってしまいます。
気温が高い環境はもちろんのこと、冬場や冷蔵庫の中であってもスピードが遅いだけで繁殖(傷み)は確実に進むため注意が必要です。
確かに1晩洗わずにシンクに放置しただけでシェイカーから異臭がするもんな…
1-3 トレーニング中・直前の摂取
筋肉の分解や合成はトレーニング中から始まるので、筋肉にタイムリーに栄養を届ける必要があります。
これを曲解した結果としてやってしまいがちなNG行動がトレーニング直前やトレーニング中のプロテインの摂取です。
プロテインは吸収が速いと言われていますが、食品であることに変わりはなく、消化が必要になります。
しかしトレーニング中は全身の筋肉に血流が集中しているため、胃腸などの消化管の活動は低下している状態です。
消化力が低下した胃腸に投下されるタンパク質は大きな負担になります。
上手く消化が進まなければ腸に残ってしまい悪玉菌の増殖を加速してしまうだけです。
またタンパク質の分解過程で生じたアンモニアの解毒は肝臓で行われます。
しかし当の肝臓はと言うとトレーニングのエネルギーを生成する仕事の真っ最中です。
同時に解毒作業まで課されるとなればオーバーワークに陥ってしまいます。
とんでもないブラック企業だ…
1-4 牛乳でシェイクする
牛乳でシェイクしたプロテインは非常に美味しいですが、これはホエイプロテインの効果を損なう飲み方になります。
牛乳の脂肪分がホエイプロテインの最大の売りである吸収速度を落としてしまうからです。
ホエイプロテインは消化に時間のかかる乳脂肪分を取り除くことで吸収速度が速くなっています。
牛乳はそんな乳脂肪を沢山含んでいるため、それをプロテインに混ぜてしまうということは、折角の企業努力を全て水の泡にしてしまう行動です。
美味しいモノを飲みたいという気持ちも分かりますが、朝起きた時など吸収速度が特に大事になるシーンではオススメ出来ません。
逆にあえて吸収を遅くすることが効果的な場合もあります。それは就寝前です。
睡眠中は栄養補給が出来ないため、吸収がゆっくりになりエネルギー供給を安定させることでカタボリック予防になります。
1-5 プロテインの加熱
プロテインには様々なフレーバーがあり、ココアや抹茶などホットドリンクにしても合いそうなものがあります。
1個前の牛乳と混ぜたらなお美味しそうですよね?
そんな味のイメージか、大事なことを忘れて電子レンジで加熱したり温めた牛乳でシェイクしたりしてしまう人が結構いるようですが、実はこれはNGです。
プロテインパウダーの7割以上を占めるタンパク質は熱を加えると変質し、固まる性質があります。
そして一度固まったタンパク質は元に戻ることはありません。
肉を焼いたことがある人なら分かると思います。
肉焼いたことない奴なんかいないだろ
そのためプロテインを加熱してしまうとダマどころの騒ぎじゃなくなってしまいます。
口当たりは最悪です。
またタンパク質は熱で固まると吸収速度が落ちるため、加熱はホエイプロテインの良さを失わせる原因にもなります。
タンパク質の凝固は58度から始まり、60度に達すると完全に固まります。
温めるにしても完全なホットではなく人肌レベルに抑えましょう。
2 プロテインの正しい飲み方
基本的にはNG行動の裏返しですが、正しいプロテインの摂取方法を整理しておきましょう。
2-1 プロテインの摂取量
プロテイン、というよりタンパク質の摂取目安は1回20g程度です。
製品ごと大体このくらいになるように1食分の摂取量が記載されてると思います。
恐らく付属のスプーン1杯がちょうどこの分量になるはずです。
筋肉量や体重が増えてきて1回当たりの摂取量が規定の用量を超える場合にはキッチンスケールで計るようにしましょう。
安価なモノなら1,000円程度で購入できます。
含まれるタンパク質量は摂取量にタンパク質の含有率を掛けるだけです。
例えば100g当たりのタンパク質量が75gと記載があるならタンパク質含有率は75%(0.75)になります。
40gを摂取する場合、「40(g)× 0.75 」でタンパク質量は30gです。
1回で摂取するタンパク質量を増やす場合は、徐々に増やしていくことをオススメします。
また消化にかかる時間も考慮して、1~2時間に1回程度の摂取に抑えましょう。
2-2 プロテイン摂取のタイミング
プロテイン摂取のタイミングは自由ですが、効果的なタイミングがいくつかあります。
①トレーニング前 ②就寝時間の前後 ③その他の空腹時
2-2-1 トレーニング前
プロテインの摂取と言うと「栄養補給のゴールデンタイム」と言われるトレーニング直後のイメージが強いと思います。
しかし実際にはトレーニング後の摂取はそこまで重要ではありません。
むしろ重要なのはトレーニング前の摂取です。
トレーニングを始めたところから筋肉の分解と合成は始まってるので、開始から時間が経ったところではいくら吸収が速くても手遅れなのです。
トレーニング前に摂取しておけば、トレーニング開始時点から血中のアミノ酸濃度を上げておくことができ、エネルギーのニーズを満たすことが出来ます。
筋トレ直前の摂取はNGですが、開始1~1時間半前くらいまでに飲んでおけば、消化も済んで万全の態勢でトレーニングに臨むことができるでしょう。
因みにトレーニング中はプロテインよりもさらに吸収が速く消化の負担が少ないEAAやBCAAなどのアミノ酸の摂取が最適です。
2-2-2 就寝時間の前後
睡眠中は1日の中で最も空腹が長く続くタイミングです。
筋肉の合成がオンにならないだけでなく、栄養不足によりカタボリックも起きやすくなっています。
起きた瞬間はまず栄養を補給して筋肉の分解をストップしなければいけないので、吸収の速いホエイプロテインが最適です。
水分補給も兼ねられるので、起きたらまずホエイプロテインを摂取するようにしましょう。
寝ている間もエネルギーを枯渇させない工夫が必要です。
とは言え胃に食べ物が残った状態では睡眠の質が悪化してしまうので、消化に時間がかかる固形物の摂取はオススメ出来ません。
その点液体で消化が比較的はやいプロテインなら胃腸にあまり負担を掛けずに栄養を補給することが出来ます。
ただしホエイプロテインでは吸収が速すぎて、睡眠時間の前半で吸収が終わってしまうので、ここは吸収の遅いカゼインプロテインがオススメです。
もちろん牛乳でホエイプロテインを割ることでも近い効果は得られます。
とは言え摂取するのがあまりに就寝時間の直前すぎるとさすがに負担になります。
入眠時に血糖値が高いと成長ホルモンの分泌も阻害することになるので、就寝の1時間前くらいに摂取しておきましょう。
2-2-3 その他の空腹時
仕事中や外出中にお腹が空いた時の気軽な栄養補給としてもプロテインの摂取はオススメです。
特にタンパク質は手軽に摂取できる食品が少ないので、プロテインは非常に重宝します。
プロテインバーは健康食品の皮を被った毒だからあんまオススメはしないよ
小まめな摂取が大事とは言ってもプロテインの作り置きがNGなのは既に解説したとおりです。
1回で飲み切る量だけシェイクして作るようにしましょう。
そうなるとネックになるのが小分けにして持ち運ぶ方法です。
シェイカーを何個も持ち歩くわけにもいかないもんね…
プロテインを小分けにして持ち運ぶ方法についてはこちらのページで解説しています。
日常だけじゃなく旅行などの時にも重宝するので、是非とも参考にしてください。
1つ注意点としては栄養補給をプロテインに頼り過ぎてはいけないということです。
確かに優れたサプリメントですが、固形食と同等の吸収率とは限りません。
実際にぼく自身もプロテインに頼り過ぎていた時期はあまり筋肉が発達しませんでした。
あくまで補助的なものとして、どうしても食事できない時に使うようにしましょう。
まとめ
プロテインの摂取方法について解説しました。
意外とNGな摂取方法をやってしまっていた人は多いと思います。
特に過剰摂取の問題など肝臓や腎臓をはじめとした体に負担をかける可能性があるケースには要注意です。
摂取量は適量を守り、摂取頻度を極端に上げなければ問題ありません。
後は栄養が不足して筋肉のカタボリックが優位になりやすいタイミングで主に摂取していきましょう。
プロテインに頼り過ぎることは筋肉の発達の妨げになる可能性があるだけでなく、人工甘味料による健康・肥満リスクの問題もあります。
美味しい・手軽・安い上にタンパク質が摂取できるため頼りがちになるますが、あくまで補助というスタンスを崩さないようにしてください。
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