減量期のトレーニングは重量?回数?|ベストな負荷設定とメニュー

ベストなコンディションに仕上げていくためには体脂肪を削る減量が不可欠で、食事をコントロールするのは当然です。
減量中の食事についてはこちらのページで解説しています。

トレーニング内容の調整も考える必要があることを認識してるトレーニーは多くありません。
このページでは減量期におけるトレーニングについて解説します。

1 減量トレーニングの重量設定

減量中は食事量が制限されるので、トレーニングでパワーが発揮しにくいシーズンです。
そのため弱る身体でもトレーニングボリュームを上げようと負荷を落とす人が多くいます。

しかし減量中のトレーニングではトレーニングボリューム(レップ数やセット数)よりも負荷の大きさがより重要です。
そのため減量期は増量期の負荷を維持します。理由は以下の3点です。

①カタボリック圧力 ②増量期のやり直しになる ③減量効果が薄い

1-1 減量中の強いカタボリック圧力

減量中のアンダーカロリーによってトレーニングのパフォーマンスだけでなく筋肉量も落ちやすくなります。
筋肉は非常に燃費が悪くカロリーを浪費するので、カロリー不足の環境で筋肉を削ろうとするのは当然のことです。

筋肥大にはトレーニングボリュームが重要と見る向きがあるのは確かですが、やはり筋力の発揮すなわち代謝ストレス(メカニカルストレス)が重要になります。
これがかからないと「筋肉要らないな」と判断されてしまうのです。

1-2 増量期がムダになる

増量期を「体重を増やす時期」と勘違いしてる人は減りましたが、増量期において重要なのは筋肉量の増加だけではありません。
筋力アップも増量期の重要なミッションです。

筋力発揮は運動神経の影響が大きいので、扱う負荷を維持しないとすぐに鈍ってしまいます。
せっかく増量期で筋肉をアップさせても、減量期の度に元に戻ってしまうようでは一向に進歩しません。

筋力が伸びないってことはトレーニングボリュームも増えないってことだもんね…

1-3 減量効果はそれほどない

レップ数やセット数を増やしてトレーニングボリュームを増やすもう1つの理由が体脂肪を落とすためです。
直感的に運動量が増えるので、体脂肪は落ちやすくなるように思えます。

しかし実際のところトレーニングボリュームを増やしても、減量効果はさほど上がりません
これにはちゃんとした科学的なエビデンスも付いています

運動で増えた消費エネルギーを安静時代謝の低下で吸収してしまうのが主な理由です。
このことは筋トレに限らず運動全般に共通しています。

シンプルに筋トレの消費カロリーがそもそも高くないってのもあるよ

2 減量期のトレーニングメニュー構成

以上の理由から減量期でも負荷を落とすことなくトレーニングする必要があります。
かといって全ての種目を高負荷で組んでしまうのも考えものです。
難しいとは言え、カタボリックの圧力に逆らうには合成のスイッチを入れておかなければいけません。

ただでさえ高負荷トレーニングはレップ数が少ないのに加え、減量期ではその回数がさらに少なくなってしまいます。
そのためトレーニングボリュームが著しく低下してしまうのです。

そこで種目ごとに設定する負荷の大きさを変えるメニュー構成をオススメします。
3種目やるなら「高負荷→中負荷→低負荷」と推移させていきましょう。

2-1 高負荷トレーニング

一番エネルギーを使う高負荷トレーニングから始めます。
ザックリ纏めると以下のとおりです。

①POF:ミッドレンジ種目
②関節可動:コンパウンド種目
③狙う刺激:代謝ストレス(メカニカルストレス)
④負荷の目安:3~5RM
⑤インターバル:長め(3~5分)

なるべく大きな負荷を扱うことを目指して、ミッドレンジのコンパウンド種目を行います。
コンパウンド種目とは、分かりやすい例で言うと大胸筋のベンチプレスや背中のチンニングなどです。
大きな負荷を扱える一方で協働筋に負荷が逃げやすいので、負荷を乗せるための動作のコントロールは必要になります。

目標レップ数が少ないため、1回ロスするだけでもかなり影響が大きいです。
しっかりインターバルを取ってなるべく完璧なコンディションで臨むようにしましょう。

2-2 中負荷トレーニング

次に重量をやや落とした中負荷でトレーニングを行います。
ポイントを纏めると以下のとおりです。

①POF:ストレッチ種目
②関節可動:アイソレート種目
③狙う刺激:マッスルダメージ
④負荷の目安:8~10RM
⑤インターバル:そこそこ長め(1分半~2分半)

ストレッチ種目は筋肉全体を満遍なく刺激でき、しかも筋繊維の微細な損傷も起こすことから、筋肥大に非常に有効です。
代表的な種目はダンベルフライやインクラインカールなどがあります。
ただ部位によってはアイソレートのストレッチ種目がない場合もあるので、そういう場合はコンパウンド種目でOKです。

負荷の大きさもさることながら、ストレッチ種目では可動域が非常に重要になります。
そのためこちらはミッドレンジ種目と違って負荷を追いすぎないようにしましょう。

2-3 低負荷トレーニング

最後に追い込み的な意味も込めて低負荷トレーニングを行います。
ポイントは以下のとおりです。

①POF:コントラクト種目
②関節可動:アイソレート種目
③狙う刺激:メタボリックストレス(酸欠ストレス)
④負荷の目安:12~15RM
⑤インターバル:短め(30秒~1分)

レップ数が多くインターバルが短いので、TUT(筋肉の緊張時間)が長くなり筋合成に有効なホルモン分泌が活性化します。
また短時間のインターバルでこなすトレーニングはHIIT的な要素が加わるため減量にも効果的です。

アフターバーンが起きやすいからね!

代表的な種目にはペックフライやベントオーバーローなどがあります。
こちらも部位によってはコンパウンド種目になってもOKです。

減量中ということもあり後半の種目は負荷や回数が落ちやすいですが、「これで最後の種目!」と気合いを入れて負荷を維持し、レップ数も目標を達成しましょう。

まとめ

減量中のトレーニング重量とメニューについて解説しました。
減量中のトレーニングにおける大原則は増量中に扱っていた重量を維持することです。
トレーニングボリュームを稼ごうと負荷を妥協してはいけません。

カタボリック圧力をはじめとして理由は様々ですが、個人的には増量期の成果が水の泡になり一向に進歩しないというのが特に大きいと思います。

とは言え高負荷×低レップばかりではリスクが大きいので、POFをベースに高~低負荷までバランスよく構成しましょう。
ただしこれは低負荷種目なら重量を妥協しても良いってことじゃありません。
増量期のレベルを維持することを強く意識してください。

また減量中のトレーニング時間の長さについて詳しくは以下のページで解説します。
併せて参考にしてください。
てなとこで。

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