レストポーズ法|2つのやり方とメリット・デメリット【超追い込み法】
筋肥大には、オールアウトと刺激の変化が必要で、刺激を変化させる方法は様々ですが、最も単純かつ効果が高いのが挙上重量のアップです。
しかし、過剰な重量でのトレーニングはケガの危険があるため、慎重に扱う重量を上げていく必要があります。
補助なしでMAXにトライするのは危険なので悩ましいところだと思います。
このページではそんな悩みに応えるレストポーズ法の方法、挙上重量アップへの効果について説明します。
1 レストポーズ法とは
レストポーズ法とは、本セットで限界まで反復した後に短い休憩を挟んでからセットを再開する方法です。
実はレストポーズ法には大きく分けると以下の2つのパターンがあります。
①挙上できなくなるまで続ける方法
②1セットのノルマを設定して、クリアするまで挙上する方法
1つ目の方法は、レストポーズ1セットのみでその種目を終わらせる方法です。
限界まで挙上する → 短時間インターバル → 限界まで挙上する → 短時間インター…
と、休憩と挙上を1回も挙上できなくなるまで繰り返します。
もう1つの方法は1セットのレップ数を決めて、そのノルマを達成するまで挙上と短時間インターバルを繰り返す方法です。
こちらは1つ目のパターンとは異なり、こちらは通常のセット法と同じく3~5セット実施します。
例えば5RMの重量でノルマを1セット8回とセットした場合、
最初の挙上で5回挙げたら20秒ほど休み、再開して2回挙上、さらに休んで1回挙上
トータルで8回クリア、といった感じです。
インターバルって20秒で固定?
インターバルの長さについては諸説ありますが、20~40秒くらいにする人が多いという印象があります。
ただし基準にすべきは周囲のトレーニーがどうしてるかよりも、普段のトレーニングで自分が取ってるインターバルの長さです。
普段のトレーニングでセット間のインターバルが1分程度の場合、40秒は短時間とは言い難いでしょう。
逆に普段から3分程度のインターバルを確保してる場合は同じ40秒でもかなりの短時間です。
普段のインターバルの2分の1~3分の1くらいを目安に設定してみましょう。
2 レストポーズ法のメリット
レストポーズ法はその種類によってメリットが異なります。
先に紹介した2つのパターンに共通のメリットと、それぞれに固有のメリットがあります。
2-1 両パターンに共通のメリット
2つのレストポーズ法のメリットは以下の4つです。
①単独でオールアウト ②停滞期の打破 ③最大筋力のアップ ④ボリュームの確保
通常のトレーニング方法で追い込みをする場合、フォーストレップ法で実施することになります。
フォーストレップ法は挙上の限界が来たところでパートナー・補助者に挙上をサポートしてもらい、規定のレップ数を熟すという方法です。
これはトレーニングパートナーがいるか、トレーナーがついてない限り出来ません。
しかしレストポーズ法なら自分1人で実施することが出来ます。
挙げられなかった最後の数%を短時間のインターバルで回復して、挙げ切るということです。
また普段から数分のインターバルを確保するトレーニング方法を実施している場合、インターバルを短時間にして挙上を繰り返すレストポーズ法は良い刺激の変化になります。
筋肥大はストレスへの適応であることから、新鮮な刺激は筋肉の発達に効果的です。
そして最後のメリットが最大筋力の増加です。
20秒程度の短時間インターバルでは、疲労の回復やモーターユニットの交換はほとんど起きません。
同じモーターユニットが動員されるため、再開したセットも第一セットの一部ということになります。
つまり5RMの重量が8RMになり、最大筋力が上昇したことになるのです。
5RM=80㎏の場合、1RMは92㎏ → 8RM=80㎏になると1RMは100㎏になる
もちろんあくまで理論上の話だけどね
そしてストレートセット法の場合は途中で潰れた場合、その分だけ設定よりトレーニングボリュームが下がってしまいます。
しかしレストポーズ法は規定のレップ数を完遂するまで続くので、設定したボリュームから外れることはありません。
2-2 1セットで終わらせるパターンのメリット
最初のパターンのメリットはトレーニング時間の短縮です。
通常のストレートセット法なら3∼5セット行うのが通常なので、インターバルも含めると相当な時間になります。
しかしレストポーズ法なら短時間のインターバルを挟むだけの1セットでOKです。
特に減量期などトレーニング時間を短縮すべきタイミングには持って来いのメソッドになります。
減量中のトレーニング時間について詳しくは別のページで解説しています。
インターバルが短くHIIT的な要素が加わる点も減量向きと言えます。
1セットだけって筋肥大に本当に効果があるのか不安…
しかもトータルレップ数を固定した場合、通常のストレートセット法より筋肥大効果が高くなることも研究で明らかになっています。
そのため、普段8回3セットでメニューを組んでいるなら同じ重量で24回1セットのレストポーズ法の方が短時間でかつ効果的ということです。
トレーニングボリュームが同じならインターバルが短くても、というより短い方が効果的ってこと!
2-3 セット毎のノルマを課す方法のメリット
負荷の選択は筋トレにおける大きな課題の1つです。
高負荷・中負荷・低負荷のいずれにもメリットとデメリットの両面が存在します。
そんな中でレストポーズ法は大きな負荷を短時間のインターバルを挟みながら高回数繰り返す方法なので、負荷とレップ数の双方良いとこ取りの状態です。
特にセット毎のノルマを課す方法は、複数セットにわたるためトータルの回数(=トレーニングボリューム)を稼ぎやすくなります。
つまり負荷の大きさによるメカニカルストレスと低負荷が得意とするトレーニングボリュームの双方を得られるということです。
3 レストポーズ法のデメリット
停滞期の脱出やトレーニング時間の短縮に加え、筋肥大効果も高いレストポーズ法ですが、デメリットも存在します。
具体的には以下の3点です。
①ケガのリスク ②余力残し ③高頻度では出来ない
3-1 ケガのリスクが大きい
実際にやってみるまでもなく分かると思いますが、レストポーズ法は非常にキツイ方法です。
苦痛や疲労で集中力を欠いた結果としてケガをするリスクがあります。
中でも最も気を付けなければいけないのは対象筋からの負荷分散です。
挙上回数が増えるほど対象筋は消耗していき補助筋などに負荷が分散していきます。
レストポーズ法はかなり高重量を扱うため、メインの筋肉が上手く可動しなくなると他の補助筋にとっては相当な負担のはずです。
それらの筋肉が耐えられないとなれば、高負荷が関節にダイレクトにかかってしまいます。
3-2 余力残しのリスク
レストポーズ法でよくあるミスが余力を残してインターバルに入ってしまうことです。
キツイ方法なので後のセットで苦しまないように余力を残しておきたいという心理が影響しています。
またレストポーズ法のキモを短時間インターバルと勘違いしてることも原因の1つです。
短時間インターバルも大事ですが、毎回のセットでしっかり限界まで追い込むことが重要になります。
そうでないと単なる短時間インターバルトレーニング法になってしまうからです。
また回数を重視するあまり各レップの動作が雑になってしまう傾向もあります。
コントロールされた動作で可動域を確保した動作が前提であることは常に念頭に置いておきましょう。
3-3 高頻度での実施は難しい
関節や筋肉にかかる負担はもちろんのこと、脳の疲労もかなり強くなります。
精神疲労や中枢疲労とも言われるものです。
たとえ分割法で鍛える部位を変えたとしても、中枢の疲労が残ってると追い込みが難しくなります。
また同じモーターユニットが刺激され続けることになるので、特定の部位に対してオーバーワークになってしまう可能性もあります。
オーバーワークは回復を遅らせ週当たりのトレーニングボリュームを下げる原因であると同時に、カタボリックの原因です。
パフォーマンス的な限界と筋肥大効率から見た限界があるため、頻繁に実施することが出来ません。
レストポーズ法の筋肥大効果を測定した研究では、上半身より下半身の種目で効果が高いことが確認されています。
安定感がある方が潰れた時の安全性を確保しやすいので、レッグプレスやエクステンションなどのマシン種目が特にオススメです。
まとめ
レストポーズ法について解説しました。
挙上重量のアップやオールアウトの効率化に効果的な方法です。
メリットとデメリットを以下にまとめます。
<メリット>
①オールアウト:サポートがいなくても限界まで追い込める
②停滞期脱出:刺激の変化による筋肥大(ストレス応答)の活性化
③最大筋力のアップ:同一セットとみなされることで、RMが伸びる
④トレーニング時間の短縮:1セットで終わらせられる
⑤負荷とレップ数のメリット:負荷も回数も多く様々なストレスを与えられる
<デメリット>
①ケガのリスク:集中力の低下や活動の低下で協働筋や関節に負担がかかる
②余力残し:限界まで追い込まず後のセットに余力を残してしまう
③高頻度では出来ない:中枢疲労やカタボリックリスクから頻繁には出来ない
集中力や気合いを要することもあるので、特定の部位や種目などピンポイントで実践するのがオススメです。
また議論の多いインターバルの長さですが、普段のインターバルに身体が適応してるため、そこから変化をつけられると良いでしょう。
具体的にはいつもの1/2~1/3くらいにすることをオススメします。
とは言えムリしてケガしてしまっては元も子もないので、安全第一で慎重にインターバルを短くし、負荷を増やしていきましょう。
てなとこで。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません