【1日4L⁉】トレーニーは多量に水を飲む理由|メリットとデメリット

筋トレ後に多量の水を飲むトレーニー

トレーニーは日頃からよく水を飲みます。
ジムに2Lのミネラルウォーターを携えてくる人もよく見かけますね。

欧米のトレーニーの影響もあるよね

ぼくも日常的にできる限り多くの水を飲むように心掛けています。
水を飲むことに様々なメリットがあるからですが、実はそれだけではありません。
このページでは筋トレをする人が多く水を摂取すべき理由について解説します。

このページでわかること

・水を飲むことのメリット
・トレーニーが積極的に水を飲むべき理由
・むくむなどのデメリットは本当にあるのか?

1 水を飲むメリット

水を積極的に飲む理由はまずシンプルにハードな筋トレで水を代謝してしまうからです。
あまり汗をかいてなくても実際には体内で水がかなり消費されています。

そして大きいのが筋トレに付随する各種の症状を解消するために水が必要だからです。
具体的には以下の3つで、順番に解説していきます。

①便秘 ②血流 ③痛風 ④代謝

1-1 便秘

筋肥大にはタンパク質の摂取が不可欠です。
しかしタンパク質の多い食事は腸内の悪玉菌を増やして便を固くしてしまいます。

また既に解説したとおり運動によって水分を多量に代謝してるため、一般的な水分量だとやや脱水気味です。
このように水分不足と合わさってトレーニーは便秘になりやすい条件を備えていると言えます。

軽く見られがちですが、便秘解消において水分補給は非常に重要です。
現に女性の便秘の多くは水分不足が原因になっています。
水分摂取がなぜ便秘解消に重要かと言えば、正常な便の7割は水分で構成されているからです。

もちろん水分さえ摂っていれば便秘が解消されるわけではありませんが、水が不足していたらまず便秘は解消しません。
つまり必要最低限の対策ということです。
なお水分摂取以外の便秘の解消法については別のページで解説します。

準備中

1-2 血流の改善

水分不足は血流にも影響します。
細胞や血管内の体液も主成分は水なので、水分が不足すると液量が減少して血液はドロドロになってしまうのです。

血流の悪化は血管系の疾病に繋がるリスクはもちろん、トレーニングの効率の低下にも繋がります
特に影響が大きいのが栄養の吸収効率の問題です。
食事から摂取した栄養素は消化器から吸収された後、血管に取り込まれて全身に運ばれます。
そのため血液がドロドロだと栄養素の運搬がスムーズではなくなり、筋肉にタイムリーに届けることができなくなってしまうのです。

また細胞内でのエネルギー代謝で必要な酸素もまた血流に乗って全身に届けられます。
血流が悪化するとエネルギーの生成効率も低下してしまうということです。

1-3 痛風や腎臓の障害

最後に紹介するのはやや深刻な内容です。

ハードなトレーニングは水分不足だけでなく、尿酸値の上昇も招きます。
これは身体活動によって消費されるエネルギー源であるATPの残りカスが尿酸だからです。

動けば動くほど尿酸が作られるってこと

高尿酸値の状態は痛風の原因ということはよく知られていると思います。
しかし尿酸を無毒化して体外に排出する役割を果たすのは腎臓です。
オーバーワークの状態が続けばいずれ腎機能も低下してしまいます。

この尿酸値を下げる最も手っ取り早い対策が水を飲むことです。
尿酸は尿として排出されるので、尿が作られなければ体内に残ってしまいます。
少ない尿に多量の尿酸を溶かし込もうとするのは腎臓の負担が大きいです。
しっかり水を飲んで十分な量の尿を作ることで、尿酸排出がスムーズになります。

なお筋トレと尿酸値の関係について詳しくはこちらのページで解説しています。

1-4 水はあらゆる代謝に欠かせない

ダイエットと言えば食事制限で摂取カロリーを減らし、運動で消費カロリーを増やすことが基本になります。
それと同時にあらゆる代謝を活性化することも重要です。

代謝を上げるためには、それを活性化するための栄養素の摂取が欠かせません。
代謝のアップに有効な食べ物について詳しくは別のページで解説しています。

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ただしこれらの栄養素を摂取するだけでは代謝は完全には上がりません。
そこで重要になるのが水分の摂取です。
水はあらゆる代謝反応に関与する分子であり、これが欠けてしまっては折角の栄養もムダになってしまいます。

もちろんダイエットだけじゃなくて筋肉の合成も代謝反応の1つだから同様に重要だよ

2 水分摂取のデメリットはあるか?

上で説明した通り、水分を積極的に摂取することはトレーニーにとって様々なメリットがあります。
ただ無害に見える水でも心配されるデメリットはあるので、それについて解説します。
具体的には以下の4点です。

①浮腫み ②栄養素の排出 ③体液の薄まり ④水中毒

2-1 水の飲み過ぎで浮腫む?

水分を過剰に摂取すると起こる問題の代表が浮腫みです。
浮腫みは水太りとも言われ、一般的に水分の摂りすぎが原因と認識されています。
しかし浮腫みのホントの原因はナトリウム、すなわち塩分です。

人の体はナトリウム濃度を一定に保つようにできています。
塩分を過剰摂取してナトリウム濃度が上昇すると、薄めるために水分の排出を制限し、水を余計に体内に溜め込まなければいけません。
結果として体内の水が多くなりボヤッとした印象の浮腫みに繋がるというわけです。

ナトリウム濃度=ナトリウム量÷水分量
ナトリウムが増えたら水分も増えるよ!

つまり浮腫みの正しい予防法は水分ではなく塩分を控えることです。
またカリウムはナトリウムの排出を促すので浮腫み解消に効果があります。

ちなみに水分の摂取量を急に増やすと浮腫みますが、一時的なので安心してください。
排出が進まないのは水分を循環させる機能が弱っているからで、しばらくすれば復活してしっかり排出してくれます。

2-2 必要な栄養素まで排出される?

水分の摂取量を増やすと排尿の回数が増え、次第に尿が透明に近くなります。
無色に近づくのは老廃物の濃度が下がっているからです。
しかし何故かこれを見て「出せる栄養が無くなった!」と考える人が多くいます。

不要なものや吸収できなかったものが尿として排出されるので、透明なのは不要なものがないことを示すだけです。
老廃物が無くても尿が出るのは純粋に水分の循環を行うためなので、そういった問題は起こりえません。

何かしらの栄養素を尿にして出さないといけないなんてルールはないからね

ただし栄養の吸収という観点では水分量の影響が出てきます。
食事中に水をたくさん飲むと消化液が薄まったり、消化管を流れるスピードが速くなってしまいます。
分解が不十分になったり十分に吸収できなかったりする恐れがあるので、摂取するタイミングは重要です。

2-3 体液が薄まる?

栄養と同じような理論で体液が薄まるという説もありますが、これも単なるイメージの問題です。

体液の代表は血液ですが、多量に水を飲んだからといって全身の血管がパンパンになって浮き出るようなことはありませんよね?
これは水分量を一定に保つように循環・排出しているからです。
実際に水分の摂取量が増えると、分かりやすいくらいにトイレの回数が増えます
つまり増えた水分をそのまま体内に蓄えて体液が薄まるようなことは無いということです。

ただし飲んだ瞬間にすぐ余分が排出されるわけではありません。
そのため体内の水分量を調整している最中に一時的に体液の濃度が薄まる可能性はあります。
健康な人は特に問題ありませんが、貧血傾向のある人は慎重に増やしましょう。

2-4 水中毒の問題

無害に見える水でも実は致死量というものがあり、場合によっては水中毒で死亡することもあります。
一般的な成人の場合の致死量はおおよそ1日10Lです。

ペットボトルを並べてみれば分かりますが、10L前後と言うと相当な量です。
うっかり飲みすぎたというレベルではないので、過度に心配する必要はありません

もちろん体重や代謝などの条件によってはこれより少なくなったりします。
また食事に含まれる水分量も考えなければいけません。
そもそも多ければ多いほど良いという単純な話ではないのは誰もが想像してるとおりです。

これらのことを考え合わせると、10Lギリギリまで攻めるのはリスキーでかつさほどメリットはありません。
摂取する水の量や種類について詳しくは以下で解説します。

3 摂取する水の量

積極的に水を摂取すると言っても具体的にどれくらいの量を1日に飲めばいいかという問題があります。

この点は生活スタイルによって大きく変わります。

・トレーニング量
・日中の活動レベル(デスクワークか肉体労働が多いか)
・性別
・体格や体重

一般人の1日の水分摂取の推奨量が2Lなので、トレーニーの場合は3~4L程度が積極的な水分摂取と言えるでしょう。

ただし総量に拘ると特定のタイミングで一気に飲んでしまいがち。

それよりは小まめに摂取して常に潤わせておく意識の方が重要です。

普段は30分おきに1回、トレーニング周辺では10分に1回くらいのペースが理想でしょう。

4 水分の種類

水中毒以外にも注意すべきなのが水分の種類です。
せっかく沢山の水分を摂っても、体内に補給することに繋がらない飲み物もいくつかあります。
注意すべき水分補給で注意すべきは以下の5点です。

①カフェイン ②アルコール ③水道水 ④水分の温度 ⑤電解質

カフェインが含まれるコーヒーやお茶は利尿作用で摂取した以上に水分の排出を促してしまうので控えましょう。
全く飲んではいけないわけではなく、これらを水分摂取の中心にすることはオススメしないということです。

アルコールは利尿作用が強いだけでなく分解に多量の水分を使うため、水分不足になりやすいです。
飲酒もカフェインと同じく0にする必要はありませんが、水分としてカウントされないことは認識しておく必要があります。
アルコールを飲む時は同時に水分を多く摂るように心掛けましょう。

水分補給はシンプルに水がベストですが、水道水はNGです。
蛇口を捻るだけで手に入るほぼ無料のものですが、重金属などの含有率が高く健康リスクがあるからです。
蓄積すると、老化や不調の原因にもなるのでミネラルウォーターか浄水器の導入をオススメします。

種類にかかわらず冷たい水分は内臓を冷やして機能低下を起こしてしまうのでオススメしません。
内臓の機能が低下すると代謝を下げたり消化不良を起こす可能性があります。
暑い季節であってもなるべく常温以上の温度で水分補給するようにしましょう。

実はミネラルウォーターなどの普通の水だと血管から抜けやすく体内に留まりにくくなります。
透明の尿が出やすい場合は、摂った水がそのまま排水されている可能性が高いです。

電解質や酸などの不純物が混ざっている方が体内に吸収されやすくなります
運動の時や熱中症予防のための水分補給に電解質入りの水分が推奨されるのはそういう理由からです。

経口補水液などをわざわざ買わなくても、少量の海塩レモン汁・クエン酸パウダーなどを混ぜれば吸収率を高められます。
また塩分チャージなどの電解質タブレットと合わせて水を飲むという方法でも良いでしょう。

まとめ

水分を多く摂取するメリットについて解説しました。
トレーニングやダイエットに起因する様々な問題を解消するために欠かせない習慣です。
水分の摂取をこまめにすると、トイレに行く回数はかなり増えるというデメリットもあります。
ぼくも1時間に1回近くはトイレに行っています。

頻尿疑惑はかけられる…

また水分を増やすと便が緩くなる可能性もあります。
健康状態をチェックしながら適量を探り、調整していきましょう。
てなとこで。