筋トレと尿酸値の関係|プロテインの影響は?


お酒飲まないのに尿酸値が高い…プロテインのせいなの?
尿酸値と聞くと、ビールなどのプリン体と結びつくため、不摂生している人の問題と考えがちです。
しかしプロテインを飲みすぎると尿酸値が上がるという説があるのも確か。
トレーニーも無縁とは言えない問題です。

ぼくも筋トレ始めてからグングン上がってるよ
食事や飲酒に心当たりはなく、家系的にも異常はないならトレーニングに原因があるかもしれません。
・尿酸値についての基本知識
・プロテインで尿酸値は上がるか
・尿酸値と筋トレの関係
・トレーニーのための尿酸値対策
尿酸値とは
尿酸値は血中の尿酸の量を示す指標です。
尿酸は体内の新陳代謝の過程で発生する老廃物です。
尿酸値が高くなる要因は、入口・出口・そして内部の問題と大きく3種類に分けられます。
入口の問題
入口は尿酸(のもと)が多く体外から取り入れられているという習慣の問題です。
プリン体を多く含む、ビールや魚卵などの摂取が多いことに起因するもの。
出口の問題
出口は脱水や腎機能の低下によって尿酸を体外へ排出する働きが弱くなっている状態です。
いわゆる遺伝、体質的な問題と言われるのも、この出口の機能が弱いことを言っています。
体内の問題
そして見落とされがちなのが内部の問題。
体内で発生する量が多いというもので、身体の外から入ってきたプリン体の量とは関係ありません。
代謝の異常や肥満、過体重などで多くのエネルギーを消費することに起因します。
尿酸値が高いと起こる問題
高尿酸値で発生する問題といえば痛風が有名です。
尿酸は血液に溶けにくい性質があり、溶けきれなかったものが溜まり結晶化します。

足の親指に出やすい理由は血管が細いことと、心臓から遠くて血流が弱いこと
それが剥がれたものを免役機能が異物として攻撃した結果起こる炎症が痛風発作です。
その他、腎不全や尿路結石、高血圧症などといった様々な疾病の原因になるといわれています。
尿酸値にプロテインは関係ある?
尿酸値の上昇にプロテインが関係していると言われる理由は痛風という疾病のイメージが影響しています。
痛風は通称「贅沢病」で、(アルコールに加えて)肉などが原因というのが一般的な認識です。
そこからタンパク質が尿酸値に影響すると変換され、プロテインもその原因になると考えられるようになったのでしょう。
しかし尿酸の生成のもとになるのはプリン体です。
プリン体を多く含むタンパク質食品でなければ尿酸値上昇の直接の原因にはなりません。
つまり単にタンパク質を多く摂取しているからといって尿酸値が高くなるとは言えません。

でも実際に尿酸値は上がってるよ?なんで?
原因は筋トレそのもの
尿酸値が高くなる要因として、プリン体の摂取(入口)のほかに、尿酸の過剰生成(内部)と排出機能低下(出口)があると説明しました。
実はこれら2つが悪化する原因の1つに無酸素運動があります。
高負荷なトレーニングは非常にエネルギー消費が大きいです。
それだけ代謝作用が強くなり、老廃物である尿酸の排出も多くなります。
また尿酸の異常生成の原因として「肥満」と記載しましたが、正確には「過体重」です。
つまり体脂肪率が低くても筋肉で体重が重くなっている人は尿酸値が高い傾向があります。
肥満とは無縁のアスリートでも高重量になりやすいスポーツの選手は尿酸値が高いです。

柔道やラグビー、格闘家とかは典型的
尿酸値コントロールというとアルコールやプリン体の多い食品を控えるというイメージでしょう。
が、じつは食品の摂取に起因するもの(入口)はそこまで大きくありません。
体内で生成されるもの(内部)の方が圧倒的に多く、単なるプリン体の摂取制限くらいでは対策として不十分です。
摂取制限以外の尿酸値対策
尿酸値を下げるには尿酸の生成を抑えるか(内部)、尿酸の排出を促す(出口)しかありません。
トレーニング量の調整
尿酸の生成を抑えるためにはトレーニングを控え、バルクを控えめにするしかありません。
しかし熱心なトレーニーにはあり得ない選択でしょう。
ただテーパーリングやピリオダイゼーションなどで、トレーニング量をコントロールします。
少なくとも尿酸値が常に高いという事態の回避は可能です。

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尿酸の排出促進
できてしまうなら出すしかありません。
尿酸の排出を促すには多量の水分摂取が基本です。
また尿の酸性度が高いと、同じ酸性の尿酸を多く溶かして排出することができなくなってしまいます。
尿をアルカリ化する対策も併せて行いましょう。
尿を酸性化する食品を控え、アルカリ化する食品を積極的に摂取することです。
卵、豚・牛肉、サバをはじめとした魚介類
ひじきなどの海藻類、大豆、ゴボウ・人参などの根菜類など
まとめ
プロテインサプリメントによる尿酸値への影響はほとんどありません。
一方で、筋トレは大きく影響します。
トレーニングや筋肉量増加による増量は一時的なものではなく継続していくものなので、尿酸値の対策も継続しなければいけません。
高尿酸値の原因がトレーニングである以上、根治はトレーニングをやめるしかありません。
それはできないので、残すは対症療法のみです。
トレーニング量を調整して過剰な尿酸生成を防止すると同時に、水分の十分な摂取や食事に気を付けることで排出を促進します。
多量の水分摂取や海藻中心の食生活といった習慣の継続は簡単ではありません。
サポートで薬を活用するのも1つの手段です。
尿酸値が高いと腎機能障害にも繋がる危険性がります。
痛風予防のみならず腎機能を守るためにも高尿酸値は避け、早めのかつ継続的な対策を進めましょう。
てなとこで。
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