広背筋を鍛えるトレーニング方法|種目とテクニック【広い幅のある背中を作る】
広背筋は背中の下半分を占める筋肉で逆三角形のフォルムを作るのに貢献します。
背中の筋肉は種類が多く、動作が確認しにくく鍛えにくいポイントです。
しっかり狙って鍛えるためには配置や走行方向、解剖学的な機能をしっかり把握する必要があります。
このポイントについては以下のページで解説しているので参考にしてください。
このページではここで解説した内容を踏まえて具体的なトレーニング種目について解説します。
広背筋を鍛えるトレーニングメニュー
広背筋のトレーニングは肩関節の内転と伸展動作を伴うトレーニング種目が中心です。
基本的に腕を使って後ろに引くような動作が多いので、上腕二頭筋や僧帽筋が関与しないよう注意しましょう。
これらの関与を減らすためのテクニックは広背筋種目全般に通じるもので、解剖学機能などと併せて先程のページで解説しています。
筋力発揮の特性から、POFに基づいたメニュー構成にする場合はミッドレンジ・ストレッチ・コントラクト種目の3つを取り入れるのがオススメ。
また肩関節の内転メインのものと伸展メインのものの両方が入れられるとベストです。
ここは分割の仕方やトレーニング時間、環境などから可能な範囲で採用できればOK。
全体に通じる注意点ですが、広背筋は一般的なイメージほど高負荷向きな部位じゃありません。
ケガや負荷分散の原因にもなるので、中でもミッドレンジ種目の負荷設定には注意しましょう。
チンニング(懸垂)
チンニングは主に肩関節の内転動作で広背筋を動員する代表的なミッドレンジ種目です。
全身を使って動作するダイナミックな種目なので、広背筋だけでなく上腕二頭筋にも僧帽筋にも効きやすくなります。
負荷が分散するかと思いきや、広背筋の活動レベルはこの後に紹介するラットプルダウンと同等です。
ただ集中的に広背筋を狙いたい場合は後で紹介するテクニックやバリエーションを活用してください。
基本的なトレーニング手順
① チンニングバーに肩幅の1.5倍程度でバーをグリップする(順手)
② 脚をクロスして体勢を垂直に安定させる
③ 脇を閉じるイメージを持って体の前にバーが来るよう挙上する
④ トップで1~2秒キープ
⑤ ゆっくりと下ろして負荷が抜ける前に動作を切り返す
⑥ 繰り返し
チンニングの重量設定
チンニングは自分の身体がウェイトになるので、そのままでもそれなりの負荷があります。
重すぎて挙がらない場合はチンニングのアシストマシンを使うのがオススメです。
ジムにマシンが無い場合は強度の低い斜め懸垂をテーブルなどを使って練習するところから始めましょう。
逆に負荷が軽く感じるようになってきた場合は加重ベルトの使用がオススメです。
負荷の目安は6~10RM程度を目安にしましょう。
チンニングのテクニック
クロスした脚を身体の後ろに引いて腰を反らすと、臀部に力が入って広背筋に効きやすくなります。
また胸を張ってみぞおち辺りをバーに近付けるように挙上するのも広背筋には効果的です。
究極形がスターナム懸垂ってやつ
肩甲骨の下方回旋が起きるので、大円筋そして共働筋の僧帽筋の活動が低下します。
そして同時に上腕を身体の後方に引きやすくなるので肩の伸展が起き、広背筋の活動は高まります。
チンニングのバリエーション
・ナローグリップ(順手)
肩幅くらいの広さでグリップすることで起始と停止が離れ、ボトムポジションでストレッチがしやすい
肩関節の伸展動作になるので、僧帽筋や大円筋の関与は減らせるが、内転動作がないため広背筋への効きも低下
・アンダーグリップ
腕が回外、肩が外旋されるので起始と停止が離れ、ボトムポジションでストレッチがしやすい
肩関節の伸展動作になるので僧帽筋や大円筋の関与を減らせるが、二頭筋が働きやすい
グリップをワイドにすることで内転動作も入り、関与を減らせるが手首のケガに注意
・パラレルグリップ
身体に向かって垂直方向に動作するので肩関節の伸展メイン
起始と停止が一番近い位置で動作するのでトップで強い収縮が得られる
・握力補助
広背筋より先に握力に限界が来てしまう場合はリフトストラップやパワーグリップを使用する
リフトストラップ
パワーグリップ
アンダーからパラレルに移行できればストレッチ~収縮までコンプリート出来るね
チンニングの注意点
僧帽筋や大円筋、上腕二頭筋などにも効きやすく、広背筋を単体で意識するのは難しい種目です。
負荷も全体重であまり調節が利かないので、無理に行うとどこも中途半端になってしまう可能性もあります。
難しい場合は他の種目で置き換えましょう。
グリップの仕方など細かいポイントまでしっかり意識するのが大事。
公園の遊具などで懸垂をする人もいますが、パイプが太いと「引っかける」がやりにくいです。
実際の体感としても広背筋への効きが甘くなっているので、なるべくチンニングバーをオススメします。
チンニングの参考動画
ラットプルダウン
ラットプルダウンはマシンで行う広背筋を鍛えるミッドレンジ種目です。
こちらのマシンはほぼ全てのジムに置いてあるはず。
動作は懸垂に似ていますが、体勢を変えやすい分、広背筋を狙ったトレーニングがしやすくなります。
また上腕二頭筋の活動もチンニングより抑えられるので、意識の面でも効果的です。
僧帽筋などは狙わずに、広背筋に集中させる方法で解説します。
基本的なトレーニング手順
① シートに腰掛け腿が動かないようにパッドの位置を調整
② 肩幅の1.5倍程度の手幅でバーをグリップする(順手)
③ 身体を後方に倒しながらバーを胸に向かって下ろす
④ 1~2秒キープ
⑤ ケーブルの引きに抵抗しながら戻し、負荷が抜ける前に動作を切り返す
⑥ 繰り返し
ラットプルダウンの重量設定
広背筋には集中しやすい種目なので、多少は重量を重めに積んでも問題ありません。
ただ引ききれずに動作レンジが狭くなったり、収縮が不十分になるようであれば負荷を落としましょう。
高重量を扱いやすいコンパウンド種目なので、6~10RM程度が目安です。
ラットプルダウンのテクニック
広背筋は筋膜がお尻の筋肉と繋がっているので、脚のポジションで効きが左右されます。
具体的には足幅は広めに設定し、膝が腿よりも低くなるように座りましょう。
シートの高さ調節は難しいけど、幅だけでもけっこう効果あるよ!
ラットプルダウンのバリエーション
ラットプルダウンのバリエーションはチンニングで紹介したものと同じです。
狭い手幅の究極形としてVバーを使ったラットプルダウンがあること。
そしてバーを下ろす高さによって広背筋の上部・下部への狙いを分けることができます。
首寄りの高い位置だと上部、みぞおち寄りの低い位置だと下部!
ラットプルダウンの注意点
上体を倒さずに引くとチニングと同じ姿勢になるので、僧帽筋や大円筋にも刺激が入ります。
まとめて鍛えることが出来ますが、追い込みはどちらも中途半端になりがちです。
メリハリのある背中のセパレーションを作るためには明確な鍛え分けをした方がいいでしょう。
ラットプルダウンの参考動画
ベントオーバーローイング
ベントオーバーローイングはダンベルやバーベルを使って広背筋を狙うスタンディングのローイング種目です。
ウェイトを挙げる方向によって広背筋と僧帽筋を鍛え分けるバリエーションがあると言われています。
ただ僧帽筋狙いのフォームは腰に負担が大きく、あまりオススメできません。
なので肩関節の伸展を使う広背筋メインの種目と言えます。
基本的なトレーニング手順
① バーベルを肩幅かやや狭い手幅で握り、足は肩幅かやや広め
② 上体が床と水平に近くなるまで倒してラックアップする
③ バーをオヘソに向かって引く
④ トップで1~2秒キープ
⑤ ゆっくりと下ろして負荷が抜ける前に動作を切り返す
⑥ 繰り返し
ベントオーバーローイングの重量設定
バーベルで行う場合、ベントオーバーローイングは高重量を扱いやすい種目です。
ただ体幹を保持する力も必要なので、あまりに重量が大きいと広背筋に意識を向けにくくなります。
収縮やストレッチを特別に狙う種目ではありませんが、姿勢が崩れないように注意しましょう。
バーベルの場合は6~10RM、ダンベルの場合は8~15RM程度が目安です。
ベントオーバーローイングのテクニック
骨盤を立てる(前傾させる)ことでお尻に力が入り、広背筋に効かせやすくなります。
高重量を扱うため、姿勢維持と握力が課題。
体幹のサポートにはトレーニングベルト、握力補助にはリフトストラップやパワーグリップがオススメです。
また逆手で行う方が腕を引きやすくなります。
広背筋の可動域をつまり感なく拡げることができるのでオススメです。
僧帽筋や二頭筋の活動も高くなりますが、負荷がある程度高ければその影響は小さくなります。
かかと重心にすると広背筋に効きやすいので、つま先の下にプレートなどを噛ませるのもオススメ。
ベントオーバーローイングのバリエーション
姿勢保持が難しい場合、ダンベルで行うワンハンドローイングもオススメです。
ベンチなどを支えにして片手ずつ行うので、動作が安定し、広背筋の負荷に集中できます。
広背筋にはメジャーな機能の他に肩関節の内旋作用があります。
ニュートラルグリップから手のひらを後ろに向けるように挙げると収縮が強くなって、より効果的です。
またマシンがあればTバーローもオススメ。は軌道を安定させられます。
ベントオーバーローイングの注意点
上体を倒した姿勢を保持するのには脊柱起立筋など体幹の筋肉が必要です。
腰痛持ちなど腰にトラブルを抱えている人はベルトなどを使ってもケガのリスクがあります。
背中が丸まっちゃうとヘルニアのリスク大!
チニングなど広背筋に効果的な種目は他にもあるので、ローイングに固執する必要はありません。
またボトムで下ろし過ぎて肩甲骨を開いてしまうと、その反動で閉じる向きに力が出しやすくなってしまいます。
すると僧帽筋に負荷が逃げやすくなるので、下ろし過ぎ、肩甲骨の外転には要注意です。
ボトムでコントロール出来ないなら負荷を下げた方がいいね
ベントオーバーローイングの参考動画
インバーテッドロー
インバーテッドローはこれまでの種目に比べるとあまり知られていない広背筋の種目です。
懸垂ができない人向けにオススメされる、いわゆる「斜め懸垂」ですが、中~上級者にもオススメ。
実はチニングやラットプルなどのメジャー種目よりも広背筋の活動が高い種目。
その理由は僧帽筋や大円筋、上腕二頭筋の活動がかなり抑えられるからです。
基本的なトレーニング手順
① バーベルをラックにセットし、肩幅のアンダーグリップで握る
② 足をベンチなどの台に乗せ、足以外は浮かせて身体は水平に
③ バーが鳩尾のあたりに来るように身体をバーに引きつける
④ トップで1~2秒キープ
⑤ ゆっくりと下ろして負荷が抜ける前に動作を切り返す
⑥ 繰り返し
インバーテッドローの重量設定
インバーテッドローはチニングと同様に自重で行う種目です。
ただ自重だけでも十分な負荷が得られるので、加重は必要ないでしょう。
ただ慣れてきて負荷が不足する場合にはお腹の上にプレートを乗せることで加重は可能です。
1人で作業が難しい場合はウェイトベストがオススメ。
負荷の大きさは8~15RM程度を目安にすると良いでしょう。
インバーテッドローのテクニック
お尻を一旦下げて下半身のバネを使うことでチーティングが可能です。
追い込みの種目として活用したい場合にはこういったテクニックも重要になります。
インバーテッドローの注意点
インバーテッドローは肘関節の屈曲も入るので、上腕二頭筋がやや働きやすいと言えます。
バーを腕の力で引きつけるというより、肘を身体の後ろに持ってくことで身体がバーに近付く意識の方が大事です。
小川直也のハッスルハッスルみたいな感じのイメージかな
インバーテッドローの参考動画
僧帽筋なども同時に狙う解説になってますが、肩甲骨は動かさない方が広背筋に効きやすいです。
プルオーバー
プルオーバーは大胸筋をストレッチして胸郭を拡げる種目として有名です。
動作としては肩関節の伸展をメインで使うので、ポジション次第で広背筋にも効かせることができます。
ベンチに寝て行うプルオーバーはかなり大胸筋に効きやすいので、ここではスタンディングパターンの紹介です。
基本的なトレーニング手順
① 上腕三頭筋トレーニングで使うプレスダウン用のケーブルマシンを使用
② グリップが高い位置に来るようマシンから離れた位置に立つ(足は肩幅)
③ アタッチメントはストレートバー。肘を伸ばしてグリップは順手で肩幅で握る
④ 肘は真っ直ぐのまま、弧を描くように足の付け根辺りに向かってバーを下ろす
⑤ 止めずに動作を切り返す
⑥ ケーブルの引きに抵抗しながらゆっくり戻し、負荷が抜ける前に動作を切り返す
⑦ 繰り返し
プルオーバーの重量設定
肘を真っ直ぐにして行うので、あまり大きい負荷に設定するとケガのリスクが高くなります。
同時にエルボースリーブなどで肘を保護する工夫も必要でしょう。
肩関節の伸展のみのアイソレート種目なので仕上げの追い込み的な位置付けです。
負荷は小さくして、ストリクトに動作することをメインに考えます。
負荷は10~15RM程度が良いでしょう。
プルオーバーのバリエーション
ケーブルマシンの前にインクラインベンチの背を向けて設置して行うバージョンもあります。
ケーブルが自分の顔に向かって来るのでやや怖いですが、身体を安定させつつ動作が可能。
環境を選びますが、プレスダウンマシンでは効果が得にくい場合は試してみてください。
プルオーバーの注意点
プルオーバーのポイントは肩関節の伸展以外の動作を起こさないことです。
一番やりやすい動作ミスが肩をすくめてしまうこと。
僧帽筋が収縮してるせいで、広背筋への効きが得にくくなってしまいます。
またショックを和らげようと肘を曲げてしまうと、肘関節の伸展動作が入ってしまいます。
これでは上腕三頭筋のトレーニングになってしまうので、肘は真っ直ぐのまま。
肘のダメージは負荷の調節とエルボースリーブで行いましょう。
プルオーバーの参考動画
ダブルロープで解説されてますが、分かりやすい動画です。
個人的には自由度が高すぎて三頭筋に逃げがちになるので、ストレートバーがオススメ。
ケーブルローイング
ケーブルローイングは広背筋を鍛えるコントラクト種目です。
身体の正面に向かってウエイトを引く動作なので、肩関節の伸展動作がメインで機能します。
同時に肩甲骨の動きも入るため、僧帽筋の関与は避けにくく、どちらかと言うと広背筋向きではないかもしれません。
ただテクニック次第で広背筋に効かせやすくすることが可能です。
基本的なトレーニング手順
① 手幅は狭いアンダーグリップで握る
② 上体を後ろに倒しながらお腹に向かってバーを引く
③ 引ききったところで収縮を感じ、1~2秒キープ
④ ケーブルの引きに抵抗しながらゆっくり戻し、負荷が抜ける前に動作を切り返す
⑤ 繰り返し
ケーブルローイングの重量設定
ケーブルローイングは収縮を強くするコントラクト種目です。
負荷が高すぎると収縮ポジションまで引ききることができません。
フォームを重視して重量は追い過ぎないようにしましょう。
8~15RM程度が目安です。
ケーブルローイングのテクニック
お尻の筋肉と筋膜が繋がっている影響はこの種目でも同じです。
脚幅を広めに設定して臀部の筋肉の活性を高めることで広背筋の活動をアップさせることができます。
ケーブルローイングの注意点
広背筋をケーブルローイングで狙う場合は上体を倒すことが必須のポイントです。
後傾することで肩甲骨の下方回旋が起こり、その動きが制限されると同時に、肩関節の伸展の可動域が上がります。
ただ倒す時に首まで後ろに反ってしまうとケガの危険があるので、顔は正面に向けておきましょう。
ケーブルローイングの参考動画
広背筋向けのケーブルローイングの解説になってます。
チンニングとラットプルダウンの関係
チンニングとラットプルダウンって似たような動作だけどどう使い分けるの?
確かに関節の可動やテクニック、バリエーションに共通するポイントも多く、同じようなトレーニングに見えます。
この2つをどうやって区別して使い分けるのかについてまとめておきましょう。
大まかにこの2つを区別するポイントは3つです。
負荷の調節
チンニングでも加重はできますが、専用のアシストマシンがないと重量を減らすことは出来ません。
上級者でも無加重で行うような種目なので、初心者のうちはかなり厳しい種目と言えます。
その点でラットプルダウンなら軽い重量から設定して、安全にかつストリクトに動作することが可能。
レベルに合わせた調節の可否というのが第1の違いです。
広背筋への集中度合い
種目の紹介の中でも解説しましたが、その他の筋肉の関与のレベルが両者は異なります。
チンニングの方が僧帽筋や大円筋、上腕二頭筋が関与しやすく、広背筋には集中しずらいです。
ただ僧帽筋と広背筋を明確に鍛え分けるほどトレーニング時間に余裕がない場合は逆にメリットになります。
鍛え分けができれば理想ですが、場合によっては総合的なトレーニング種目の方がベストな場合もあるってことです。
逆動作
筋トレのストレッチ、収縮とは筋肉の起始と停止を離したり近付けたりすることです。
「近付ける」と言ってもウエイトやアタッチメントに触れる手や足が動く運動がほとんどで、これは開放的運動連鎖・オープンキネティックチェーン(OKC)と言います。
ラットプルダウンはまさに上腕の停止が固定された腰部の起始に近付いていくOKCの動作です。
しかしチンニングはそれとは逆で、起始が固定されず固定された停止に向かって近づいていきます。
このように手や足が固定されている運動は閉鎖運動連鎖・クローズドキネティックチェーン(CKC)
一般的な動作と逆の動きをするって意味でこれを逆動作とも言います。
プッシュアップ(腕立て伏せ)やスクワットなども数少ないCKC種目の1つです。
近づくことには変わりないですが、筋肉の運動や活動が高まる部位が異なる可能性もあるということで注目されています。
刺激のバリエーションとして時々入れ替えながらメニューに入れてみるのがオススメです。
デッドリフトで広背筋は鍛えられるのか?
そういえばデッドリフトが抜けてない?
デッドリフトはBIG3種目の中でもかなり広範囲の筋肉を使う種目です。
「主に身体の背面を鍛える種目」と説明されることが多いですが、広背筋トレーニングとしてはどうでしょう?
スタートポジションからフィニッシュポジションにかけたバーベルの軌道は身体の前から側面に向かいます。
横から見た場合ね!
このことから肩関節の伸展が起きてると言え、これは広背筋の主要な機能の1つです。
つまりデッドリフトで広背筋を刺激することは可能と言えます。
ただ身体の後ろまで肩関節を伸展させることは出来ず可動域あまり広くありません。
そして広背筋の他にもかなり多くの筋肉を動員する種目です。
広背筋が使われて刺激が入ることは確かですが、広背筋をメインで狙うトレーニングとは言いにくいでしょう。
「広背筋を鍛えるならデッドリフト!」と言えるほど重要な種目じゃないってことです。
自重トレーニングについて
「器具を使わないでできる広背筋トレってないの?」
ここまで紹介してきた方法はチンニング以外は全部トレーニング器具が必要な種目です。
特別な器具やジムなしで鍛える方法はないのかということですが、結論から言うと効果的な方法はありません。
背筋のトレーニングというと、うつ伏せに寝て上半身を上げるいわゆる背筋運動のイメージでしょう。
種目名としてはバックエクステンションって呼ばれますが、これで広背筋は鍛えられません。
理由は簡単でこの動作そのものの体幹の背屈(伸展)が広背筋の機能ではないからです。
これは表に出てこない脊柱起立筋というインナーマッスルの機能。
しかも体幹の背屈動作の可動域はかなり狭く、床に寝て頑張って上体を起こすのはかなり腰に負担がかかります。
いくらプッシュアップなどで身体の前面を鍛えても、背面が貧相ではとても筋肉質で魅力的なシルエットとは言えません。
やはりトータルで鍛え上げるためにもジムや最低限の器具は必要ってことです。
公園の遊具で懸垂する怪しいオジサンってルートはあるけどね(笑)
ちなみに言うまでもないと思いますが、プッシュアップ系種目は背中にはほぼ効きません。
広背筋の機能から見て効かないことは一目瞭然です。
肩関節は屈曲してるし、もはや真逆の動き
たまに字数稼ぎのためだけに紹介してるサイトがあるので注意してください。
まとめ
背中の幅を拡げるのに効果的な広背筋のトレーニング方法についてでした。
背中は動作が見にくく、発達の成果なども把握しにくいので、細かな鍛え分けが疎かにされがち。
解剖学の知識を使い、腕やグリップといった見えやすいところを修正するだけでも広背筋を効果的に狙うことができます。
大円筋や棘下筋といった上背部の筋肉も広背筋と同じ機能を持つので、特別狙わなくてもOK。
大円筋は肩の内転・伸展、棘下筋は肩の水平外転ね!
また拮抗筋の関係にある僧帽筋の活動を殺す意識が、広背筋を効果的に鍛える上で欠かせません。
僧帽筋の機能や鍛え方を知ることで、厚みだけでなく広背筋トレーニングの効率アップにも繋がります。
ぜひ僧帽筋トレーニングについてのページも併せてご覧ください!
てなとこで。
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