敢えて食べない筋トレ|ファスティングが筋肥大にもたらす3つのメリット

カタボリックを恐れて起きてから寝る直前まで食べてるというのが一般的なトレーニーの食事スタイルでしょう。
エネルギー補給が出来ない寝てる間の枯渇にどう対処するかまで心配するほどです。

しかしそんな食べっぱなしの生活には言うまでもなく問題があります。
なるべく空腹の時間を失くすよう食べ続けるよりも、むしろファスティングをすべきというのがぼくの考えです。
このページでは筋トレをする人にファスティングをオススメする理由・メリットについて解説します。

ファスティングとは?

最近ではファスティングがダイエット法や健康法として人気になりつつあります。
本物の断食と同じく全く何も食べない日を作る方法から、1日1食抜くライトな断食までやり方は様々です。

そんな中でぼくは1日の中で食べない時間を長くするインターミッテッドファスティング(間欠的断食)をオススメします。
一般に16時間断食とも言われる方法です。

そんなに空けたらカロリー摂りきれないよ…カタボリックも心配だし

厳密に16時間空ける必要はありません。
ただ食べてる時間よりも空腹の時間を長くするようにして、最低でもイコールになるようにしましょう。

因みに空腹の時間に食間の短時間は含まないよ

ファスティングのメリットは様々ですが、ここでは筋トレに特化したメリットを紹介します。
その他のメリットについて詳しくは別のページで解説するので、そちらも参考にしてください。

準備中

筋トレにファスティングをオススメする理由は以下の3点です。
順番に解説していきます。

①徐脂肪 ②消化器の回復 ③インスリン感受性

①体脂肪の蓄積が抑えられる

「脂肪が筋肉に変わる」なんて迷信を信じてる人は流石にいないと思いますが、体脂肪が筋肥大の妨げになることはあまり知られていません。
これは体脂肪が筋合成のスイッチであるmTORエムトールの活性を下げてしまうからです。
そのためたとえ増量期であっても体脂肪の蓄積はなるべく抑えなければいけません。

ファスティングが体脂肪の蓄積において有効なのは以下の2つの理由からです。

①過食の防止 ②ファスティングカーディオ

まずシンプルにファスティングによって食べる時間が減るので、自ずと摂取する総カロリーは少なくなります。

また体脂肪を落とすためにはカーディオ、すなわち有酸素運動が有効ですが、エネルギーが豊富な状態ではさほど除脂肪効果が上がりません。
脂肪を落とすのに有効なのは空腹時に行う有酸素運動です。

これがファスティングカーディオってやつ

筋トレをしてる人ならこのタイミングは大きく2つ、筋トレ後朝起きた時です。
筋トレ後は体脂肪だけでなく筋肉も落ちやすいタイミングなので、あまり良いタイミングとは言えません。
オススメは起きた時です。

ただし夜遅くまで食べてると朝お腹が空かないので、それでは効果的なファスティングカーディオになりません。
夜早めに食事を切り上げて、起きるまでに十分な空腹時間を確保することで翌朝の有酸素運動が徐脂肪に繋がります。

②胃腸を休める時間になる

朝起きてから寝る直前まで食事をしていると、胃や腸などの消化器官が休まるタイミングがありません。
しかもトレーニーが多量に摂取するタンパク質は消化負荷が高いので、胃腸にかかる負担はさらに大きくなります。

腸内環境は心身のコンディションや疾患リスクに大きく関わってることが認識されつつあります。
しかし何より忘れてはいけないのが、栄養の消化・吸収を行う器官だと言うことで、腸の機能の低下はトレーニーにとって大問題です。

いくら食べても吸収されないんじゃ何の意味もないもんね

空腹時にお腹がグゥーっと鳴るのは腸の蠕動運動が働いているからです。
もしこの音を暫く聞いてないとしたら、間違いなく食べすぎで腸の働きが低下していると言えます。
定期的にファスティングして、腸がしっかり働き栄養を吸収できるよう環境をクリーンアップしてあげましょう。

③インスリン抵抗性の予防

食事をしてる時間が長いことの最大の問題がインスリン抵抗性の発現です。
インスリン抵抗性とは全身の細胞がインスリンに慣れてしまい反応しなくなることを言います。
インスリン抵抗性の問題は大きく以下の2つです。

①筋肉の合成・活動の低下 ②体脂肪の合成

インスリンに細胞が反応しなくなるということは、すなわち糖が細胞に取り込まれなくなるということです。
糖が無ければ細胞はエネルギーであるATPを作り出せません。
ATPは筋肉の活動エネルギーであると同時に合成にも必要なもので、インスリン抵抗性によって筋トレのパフォーマンスや筋肥大が停滞してしまいます。

またインスリン抵抗性によって血中に余った大量の糖はどうなるかと言えば、それは体脂肪として合成されるほかありません。
脂肪細胞が全身の細胞の中で唯一インスリン抵抗性を生じないからです。

つまり肥満にまっしぐらってことか…。

インスリンへの慣れはインスリンに長いこと晒され続けることによって生じます。
まさに頻繁に食事を繰り返すトレーニーの生活はインスリン抵抗性のリスク要因そのものです。
インスリン抵抗性は糖尿病の入り口でもあるので注意しなければいけません。

因みに「インスリン分泌=血糖値」って思われがちだけど、糖質以外でもしっかりインスリンは分泌されるよ

まとめ

筋トレとファスティングの関係について解説しました。
多くのトレーニーがカタボリックを恐れて、食事の回数や時間を極端に増やしがちです。
しかしそんな努力が逆効果になることもあります。

むしろ食べないことが筋肉の発達に効果があることから、ファスティングをオススメしました。
筋トレにおけるファスティングのメリットをまとめると以下の通りです。

①過剰なカロリー摂取の防止:余分な体脂肪は筋肉の合成を妨げる
②腸内環境の改善:過度な食事は胃腸の負担。腸が弱れば栄養の吸収効率も下がる 
③インスリン抵抗性の予防:食事が多いほどインスリンに慣れ、筋肉の活動や合成が低下する

食事を摂ればカタボリックを防止できると考えてる人は多いです。
しかし摂りすぎによって、望まない体脂肪が増加するだけでなく、筋肉の合成まで低下してしまう可能性があります。
しっかり筋トレしてしっかり食べてるはずなのになかなか成長しないという人は、あえて食事の時間を減らしてみましょう
てなとこで。

カタボリックを心配する人は多いと思うけど、インスリン感受性が上がるからかむしろ筋肉が増えたって研究もあるよ!