トレーニングベルトは必要?|巻くメリット・デメリットと具体的な使い方
ジムに行くと「いかにも上級者」って感じの人が、お腹にベルトを巻いてトレーニングしてるのをよく見かけると思います。
トレーニングギアの1つということは知っていても、それにどんな効果があるのかまでは知らないという人も多いんじゃないでしょうか?
そこでこのページではトレーニングベルトのメリットについて解説します。
・トレーニングベルトを使うメリット
・トレーニングベルトのデメリット
・トレーニングベルトの使い方
・適した種目とそうでない種目
1 トレーニングベルトを使うメリット
トレーニング中にお腹にベルトを巻くメリットは大きく3つあります。
具体的には以下のとおりです。
①ケガの予防 ②パワーの発揮 ③ウエスト矯正?
1-1 トレーニングベルトはケガ予防に効果的
筋トレをしているとケガはつきものです。
もちろん最大限の注意は必要ですが、扱う重量やトレーニングのボリュームが増えればリスクは高くなって行きます。
その中でも特にリスクが高く、かつ影響が大きいのが腰のケガです。
にくづきに要と書くとおり身体の中心になる部分なので、ケガすると何も出来なくなってしまいます。
この腰のケガを予防するのにトレーニングベルトは役立ちます。
理由は2つです。
①姿勢の保持 ②腹圧
特にデッドリフトやスクワットで腰が丸まってしまうと、負担が大きくなりケガのリスクが上昇します。
ベルトがお腹にあると腰を丸めようにも支えるので、強制的に姿勢を正すことになります。
トレーニーに限らず腰痛を抱えてる人が多いですが、その主因は腹筋の弱さです。
腹筋が弱いせいで背筋や脊柱にかかってしまっています。
筋トレしてるし弱いはずないんだけどなー
ぼくもそう思ってたけど、実際やっぱり弱かったみたい
外側からベルトで締めることで、押し返そうと腹内圧が高まり腹筋に力が入ります。
こうすることで背筋や脊柱、腰にかかる負担がかなり軽くなります。
1-2 トレーニングベルトでパワーアップ
筋肥大を起こすための条件は様々ですが、何よりシンプルにパワーは重要です。
大きな重量で多くの回数できれば自ずとトレーニングボリュームは大きくなるからです。
フォームやトレーニング経験を積むことがパワーアップの基本ですが、ベルトもパワーアップに貢献します。
その理由がケガの予防のとこでも解説した腹内圧のアップです。
結局のとこ主なポイントは腹圧ってこと
腹内圧が高くなることで体幹が固く安定し、動作する部位に集中しやすくなります。
ベルトを使うまではあまり自覚することはありませんが、筋トレ中は身体のバランスをとるのに想像以上にリソースを割いています。
姿勢がぐらつくと一気に体力を消耗しちゃうよね
ベルトを使用した安定感と力の発揮のしやすさはマシンにかなり近いです。
特に腹筋が弱く体幹の安定に難がある人は効果を強く感じられるでしょう。
1-3 ベルトでスタイル矯正?
最後の1つはあくまで可能性の話ですが、一応は解説しておこうと思います。
特にフィジーク競技においては逆三角のシェイプが重視されます。
肩や背中の筋肉の大きさもさることながら、ウエストの引き締めも非常に重要です。
もちろん減量によってウエストの脂肪を削ることが第一なのですが、骨格的な影響もかなり大きくなります。
骨格は減量やトレーニングではどうにも出来ません。
そこで次善の策としてベルトによる圧迫でウエストラインを矯正しようというわけです。
インターバル中もベルト巻きっぱなしにしてる人はそういう狙いがあるみたいよ
あくまでオマケ的なメリットですが、微かな望みはあるかもしれません。
2 トレーニングベルトのデメリット
トレーニングのパフォーマンスアップに大きく貢献するベルトですが、実はデメリットもあります。
具体的には以下の3点です。
①血圧上昇 ②腹圧低下 ③荷物が嵩張る
2-1 トレーニングベルトによって血圧が上がる
デメリットの中でも深刻なのが血圧の問題です。
ベルトを着けてトレーニングすることによって血圧が上がってしまう可能性があります。
詳しい使い方は後で解説しますが、トレーニング動作中は腹内圧の高さを維持するために息が浅くなりがちです。
「止めっぱなしにしてしまう」という人もけっこう多いかもしれません。
息を止めた方が筋肉が収縮して力が入りやすくなりますが、このとき同時に血管が圧迫されて血流が阻害されています。
流れていかなければ、血液が溜まり血管壁にかかる負荷も強くなります。
レップ毎に呼吸するクセがつけられればあまり問題はありませんが、ずっと息を止めてしまうと大きなリスクになるということを覚えておきましょう。
まあこれはベルト着用の有無に関わらずトレーニングの基本スキルだけどね
2-2 腹圧を高める能力が育たない
腹内圧を高めるのに効果的なベルトですが、そのベルトが逆に腹内圧を弱くしてしまう可能性があります。
ベルトはあくまで補助ですが、それに頼ってしか腹内圧を高められなくなってしまうことが多いからです。
ベルトの締め付けを押し返すように力を入れることで自然と腹内圧を高めることができます。
しかし「この外からの圧迫がないと力の入れ方が分からない」という人がけっこう多いです。
ベルトを着けてもOKな種目なら良いですが、可動的に着けない方が良い種目もあります。
そうした種目では腹内圧を自力で高められないと、パフォーマンスが極端に下がったり、ケガに繋がってしまいます。
常に着けるのではなく、重量を追わなくていいフェーズや種目などでは外してトレーニングする機会を作るようにしましょう。
2-3 ジム通いの荷物が嵩張る
ベルトの実物を見たことがある人は分かると思いますが、けっこう幅広で荷物としてはかなり嵩張ります。
仕事終わりのジム通いとなると、荷物が相当なボリュームになるはずです。
もちろんベルトの素材にもよるけどね
因みにベルトの素材については、選び方のポイントについてのページで詳しく解説します。
満員電車に揺られながらの通勤だとすれば、単に大きな荷物を持つこと以上の疲労を感じるはずです。
ベルトでトレーニングのパフォーマンスが上がるどころか、そのせいで下がってしまうかもしれません。
荷物の量が気にならない人や自分の気に入ったベルトを使いたいという人は別として、ジムでレンタルするというのも1つの選択肢です。
衛生面とコストの問題も考えないといけないね
3 トレーニングベルトの使い方
ベルトのメリットを紹介しましたが、正しく着けないと狙った効果を得ることは出来ません。
ポイントは以下の3つです。
①ベルトの高さ ②ベルトを巻くキツさ ③腹圧の高め方
まずベルトを巻く高さですが、これはちょうどヘソの辺りです。
ベルトの下端が骨盤の真上にくるくらいの場所で、イメージよりやや低い位置になります。
あんまり上で巻くと肋骨を圧迫して、最悪ヒビとか骨折するリスクがあるよ
そして巻く時は、できる限りお腹を引っ込めてキツく締めるようにしましょう。
これが腹内圧を高めるためのポイントになります。
実際やってみると確かに何となく骨格矯正にもなりそうな感じはするね
そして腹内圧を高めるためにはただ凹ませたお腹を戻すだけでは不十分です。
息を吸ってお腹の力でベルトを押し返すように、外側に向けて力をかけましょう。
腹式呼吸の要領だから苦手な人はまずその練習からした方が良いかも
4 トレーニングベルトを使用するシーン
デメリットのとこで軽く触れましたが、トレーニングベルトは常に着けているものではありません。
血圧の問題もそうですし、種目からして適さないシーンもあります。
最後にトレーニングベルトの使用に適したトレーニングとそうでないトレーニングを紹介します。
4-1 ベルトを使うトレーニング
ベルトを使う目的は大きく分けると以下の2つです。
①腰のケガ予防 ②パフォーマンスアップ
つまりこれらを必要とするトレーニングが対象になります。
具体的にはデッドリフトやスクワットのように腹筋の弱さがダイレクトに腰部の負担になる種目はベルトを使いましょう。
盲点ですがベンチプレスもです。
ベンチプレスで腰やっちゃう人ってデッドとかスクワットより多いらしいね
パワーを発揮するという点でもBIG3種目はベルトは必要です。
その他ショルダープレスなどのコンパウンド種目でベルトを使う人は多いですが、アームカール等のアイソレート種目でも効果を発揮します。
種目や部位で選択するというよりは扱う重量の大きさがポイントです。
80%1RM以上の負荷を扱う時はベルト着用をオススメします。
つまり8回以上できない重量ってことね
4-2 ベルトが不向きなトレーニング
不向きなトレーニングはシンプルに先に挙げた目的に沿わないトレーニングです。
元から軌道や姿勢が安定するマシントレーニングや、扱う負荷が小さい場合は必要ありません。
またベルトによって可動が制限される種目や部位も、ベルトの使用によってトレーニング効果が低下してしまいます。
分かりやすい例で言うと、腹筋を鍛えるクランチや脊柱起立筋を鍛えるバックエクステンションなどです。
これらの種目はベルトをしてるとほとんど可動することが出来ません。
また広背筋を鍛える懸垂やローイングなどもベルトをしてしまうと下背への刺激が入りにくくなります。
バーベルローイングをベルト無しで行うとなると、思ったような大きさの負荷を扱えないかもしれません。
そこでダンベルを使ったワンハンドローイングが個人的にはオススメです。これなら体幹の安定と重量の両方を狙うことが出来ます。
まとめ
トレーニングベルトのメリット・デメリットと使い方について解説しました。
トレーニングのパフォーマンスと安全性に非常に効果的です。
一方でデメリットもあるので、上手く対処する必要があります。
とくに血圧の問題は深刻なので、動作中に長時間息を止めないように注意しましょう。
ベルトを使う種目と使わない種目を分ける必要もあります。
自力で腹内圧を高められなくなってしまうからです。
重量を扱う場合はベルトを着用し、逆に低重量の場合やベルトが可動を妨げる種目では外すようにします。
たまには高重量でもベルト無しでトレーニングするのがベストです。
ベルトのメリットを最大限に活かしつつ、デメリットを緩和するよう適切に使い分けしましょう。
てなとこで。
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