砂糖の危険性|他の精製された白い炭水化物と一緒くたにしてはいけない

糖質制限には一定のダイエット効果がありますが、当然ある程度の糖質を摂取することは人体の正常な活動において必要です。
しかし糖質なら何でも同じというわけではありません。
こういう考え方はカロリーの収支が肥満を左右するという発想の悪い側面でしょう。
このページでは、糖質の中でも特に避けるべき砂糖の問題点について解説します。

このページでわかること

・精製された炭水化物の全てが問題とは限らない?
・砂糖が特に肥満の原因になる理由

1 白い炭水化物は全て肥満の原因?

最近は書籍やYouTubeの動画など様々なシーンで「精製された炭水化物は肥満をはじめとした様々な疾患の原因であり、健康に悪影響を及ぼす」と言われるようになりました。
ですが、これには疑問もあります。

ぼくたち日本人の魂とも言える白米も精製された炭水化物の1つです。
しかし長いこと白米を主食にしてきた日本をはじめとするアジア圏の国は、長らく肥満国家ではありませんでした。
しかも肥満国家の代表であるアメリカなどと比べ物にならないほど大量に白米を消費しています。

1-1 西洋食が肥満の原因?

アジア圏において肥満が問題になり始めたタイミングは西洋食が流入してきたタイミングと重なっています。
西洋食と言えばステーキやハンバーガーなど、高脂質かつ高タンパク質な食品のオンパレードです。
それまで白米を食べ続けていても肥満が深刻化していなかったことから、西洋食すなわち脂質こそが肥満の原因ではないかと考えられるようになります。
しかし研究で脂質の摂取は肥満とほとんど相関がないことが確認されています。

もちろんこれらの研究は主に西洋食に古くから慣れ親しんできた欧米人を対象としたものであり、日本人において同様のことが言えるとは限りません。
慣れない脂質とタンパク質にホルモンや代謝の異常が発生した可能性もあります。

1-2 脂質以外に西洋から流入したもの

西洋食の肉食イメージの陰に隠れてアジア圏に大量に侵入した罪人がいます。
それが砂糖です。
アジア圏ではほとんど見られなかった(肥満と)糖尿病が西洋食の流入と同時期に増加を始めたことからも砂糖の影響は大きいと考えられます。

研究者の推測ですが、アジア人は米から摂る糖質でインスリンを過剰分泌しない遺伝子を持っていたと考えられています。
「白い炭水化物は太る」と言われてますが、もしかするとアジア人だけは白米が肥満の原因にならないのかもしれません

こういう生活習慣による遺伝子の変化・適応をエピジェネティクスって言うよ

こうした遺伝子の特徴が仮になかったとしても、このあと解説するように砂糖には肥満を加速する大きな原因となる特徴を備えています。

2 なぜ砂糖が特別に問題なのか?

このようにアジア人にとっての白米など一部の例外的な反応をするモノがある可能性あります。
しかし基本的に精製された炭水化物はどれも肥満の原因というのが通説であり、中でも砂糖の悪弊だけは間違いありません。
ではなぜ砂糖が肥満に及ぼす影響が特に大きいと考えられるのか?その理由は2つあります。

①インスリンの過剰分泌 ②脂肪肝の発症

2-1 インスリンの過剰分泌を促す

血糖値の管理が健康や肥満予防において不可欠であることは一般的にも知られつつあります。
いわゆる血糖値が急激に上昇し下降する血糖値スパイクという現象は、インスリンの過剰分泌を引き起こし、血管を傷付けることになる危険なモノです。

急激に上昇した血糖値は多量のインスリンによって急速に低下させられ、これが腹持ちの悪さや食後のボーっとした感じに繋がります。
また多量のインスリンが分泌されてしまうことで、体内にインスリン抵抗性が発現してしまうというのも非常に大きな問題です。

インスリン抵抗性が生じると通常の細胞に糖が摂り込みにくくなり、余った多量の糖が唯一インスリン抵抗性が生じない脂肪細胞に直行することになります。
つまりインスリンの過剰分泌は肥満の原因であり、それを増やしやすい砂糖は特に危険ということです。

もちろん血糖値スパイクによる急降下のせいで過食になるってのもあるよ!

2-2 脂肪肝を引き起こす

脂肪肝と言えばアルコールの過剰摂取が原因と考えられてきました。
そのイメージが強い人も多いのではないでしょうか?
確かにアルコールによる影響は大きいですが、最近ではアルコールを摂取しない人の脂肪肝、すなわち非アルコール性脂肪肝の存在も確認されるようになっています。

肝臓は有害物質の解毒やエネルギーの代謝など幅広い役割を担っており、人体の中で最も消費エネルギーの大きい器官です。
一般的な人の基礎代謝の3割近くを占めると言われています。
脂肪肝とはそんな重大な肝臓の機能低下を引き起こすことであり、すなわち代謝異常の原因なのです。

その食事性の脂肪肝の主犯が砂糖と考えられています。
砂糖はグルコース(ブドウ糖)とフルクトース(果糖)がおよそ1:1の割合で結合したものです。
果糖はGI値の分類では低GI食品に分類されており、肥満に繋がらないヘルシーな糖だと考えてる人も多いと思います。
しかしこの果糖こそが食事性の脂肪肝の本当の原因なのです。
果糖の危険性についてはこちらのページで詳しく解説しています。

準備中

もちろん単なる過食でも脂肪肝にはなるんだけどね

このように他の精製された白い炭水化物にはない固有問題が砂糖にはあり、他の炭水化物と一律に考えてはいけない理由です。

まとめ

砂糖がなぜ危険なのかという点について解説しました。
最近では「精製された白い炭水化物は身体に悪い」と一括りにされてしまっています。
痩せと健康は完全なイコールではありませんが、長らく白米を常食してきたアジア人にとって肥満は大きな問題ではありませんでした。
そんなアジア圏で肥満が問題になり始めたキッカケは西洋食の流入です。その問題は脂質やタンパク質ではなく砂糖にあります。

砂糖は血糖値を急激に上げることからインスリン抵抗性の原因になります。
また砂糖に含まれる果糖は肝臓でしか代謝できないため、過剰な果糖は脂肪肝を誘発する原因です。
脂肪肝になると人体最大の代謝器官でもインスリン抵抗性が生じてしまい肥満が加速してしまいます。

こうした理由から砂糖は他の精製された白い炭水化物と比べても非常にリスクが大きいものなのです。
現代のあらゆる加工食品には大量の砂糖が使われています。
砂糖を使わない自炊が最も安全ですが、それが出来ないならせめて食品表示は確認するようにしましょう。
てなとこで。

全く甘さを感じない食品にも普通に入ってるから要注意だよ!