食べて代謝を上げる|エネルギー消費を高める食べ物
ダイエットにおいて食べることは非常に重要である。
多くの人はダイエットと言うと、なるべく食べないようにします。
「カロリー収支が体型を決める」と聞けば食事を減らしたくなるのは自然なことです。
しかし実際には食べる量を減らすほど代謝が下がって痩せにくくなっていきます。
痩せたければしっかり食べることが重要なのです。
また量だけでなく食べ物の質によっても代謝を高めることができます。
このページでは食べることで代謝を上げることができる食べ物について解説します。
1 基礎代謝を食べ物で上げる
代謝の中でも特に重要なのが基礎代謝です。
基礎代謝とは生命を維持するために必要な最低限の機能によって消費するエネルギーのことを言います。
この基礎代謝は代謝全体の6割を占めるため、ここを上手く回すことが重要です。
特に以下の3つのポイントに配慮しましょう。
①肝臓 ②脳 ③腸
1-1 肝機能を高めて代謝を上げる
肝臓は基礎代謝の3割近くを占める非常に消費エネルギーの大きい器官です。
そのため、肝機能を正常に保つことは代謝の向上に大きく寄与します。
肝機能のアップに効果的な食品は以下のとおりです。
①全粒穀物 ②豚肉 ③ゴマ ④しじみ
最近のダイエットは糖質制限が主流ですが、糖質の不足は肝機能を低下させます。
それは糖質が肝臓の唯一のエネルギー源だからです。
とは言え糖質なら何でもいいわけではありません。
なるべく玄米や蕎麦などの全粒穀物を摂取しましょう。
豚肉やゴマに含まれるビタミンB群も肝機能の改善に効果的です。
豚肉はヒレ肉に特に豊富にビタミンBが含まれています。
ゴマに含まれるセサミンも肝機能に良い効果をもたらします。
そして飲み過ぎた翌日の定番であるしじみも肝機能の正常化に役立ちます。
しじみに含まれるタウリンが肝細胞を保護する働きかあるからです。
1-2 脳機能を向上させる食べ物
肝臓ほどではありませんが、脳も非常に消費エネルギーの大きい器官です。
基礎代謝だけでなくビジネスや学業、人間関係などにおいても脳機能は重要になります。
脳機能を高めるブレインフードは以下のとおりです。
①青魚 ②亜麻仁オイル ③クルミ ④ベリー類 ⑤カカオ ⑥卵 ⑦大豆製品
サバなどの青魚や亜麻仁オイルに含まるオメガ3脂肪酸は脳の神経細胞を保護し、成長を促進する働きがあります。
またクルミやブルーベリーなどに含まれる抗酸化物質は脳細胞の老化予防に効果的です。
カカオに含まれるテオブロミンは脳疲労の軽減に効果的です。
同時に脳細胞の成長を促進するBDNF(脳由来神経成長因子)の分泌も活発になります。
そして卵や大豆に含まれるコリンやレシチンは体内でアセチルコリンに変換され、脳機能の向上に働きます。
卵、大豆製品(豆腐、納豆、きな粉など)はいずれも安価なので生活に取り入れやすいでしょう。
1-3 腸内環境を整える
腸の活動それ自体が消費するエネルギーは肝臓や脳ほどではありません。
しかし腸はあらゆる器官の活動に深く関わっているため、ここを疎かにすると全身の代謝が悪くなってしまいます。
腸内環境を整える基本は発酵食品と食物繊維の摂取です。
特にこれらをまとめて摂取するシンバイオティクスは腸内環境に有効とされています。
オススメの食品は以下のとおりです。
〈発酵食品〉
ヨーグルト、キムチ、味噌、糠漬け
〈水溶性食物繊維〉
海藻類、キノコ類、オクラ、アボカド、オートミール
〈不溶性食物繊維〉
玄米、雑穀米、蕎麦、ごぼう、オートミール、ナッツ
食物繊維は水溶性と不溶性をバランスよくね
またタンパク質を摂りすぎないというのも重要になります。
後で紹介しますが、代謝を高めるのにタンパク質は効果的です。
しかし過剰に摂取して余った分は悪玉菌のエサとなり、腸内環境を悪化させてしまいます。
2 タンパク質で代謝を上げる
既に軽く触れましたが、タンパク質は代謝を高めるのに非常に効果的な栄養素です。
食事誘発性熱産生(DIT)が高い、つまり消化・吸収で消費するエネルギーが非常に大きいということです。
その大きさは実に糖質や脂質の4倍にもなり、タンパク質で摂取したカロリーの30%はタンパク質の消化吸収のために消費されます。
ただしそんなタンパク質の摂取にも2つ注意点があり、具体的には以下のとおりです。
①過剰摂取 ②飽和脂肪酸
1つめは既に解説したとおり、過剰摂取による腸内環境への悪影響です。
消費エネルギーを稼ごうと過剰に摂取すれば他の部分に悪影響が出てきてしまいます。
もう1つが肉などに含まれる飽和脂肪酸の問題です。
過剰な飽和脂肪はダイエットを妨げるだけでなく心血管の健康を害することにもなります。
オススメのタンパク質は以下のとおりです。
①鶏胸肉(皮なし) ②魚(特にサバなどの青魚) ③卵 ④大豆製品(豆腐、納豆) ⑤乳製品 ⑥赤身肉のヒレ
鶏胸肉はタンパク質の含有率も高く、何より安く手に入るというのが魅力です。
安さで言うと卵も同じで、ビタミンなどの栄養素も豊富なのでオススメです。
ただ脂質が高いので調整は必要になります。
魚は良質な脂質源でもあります。
とは言え他の食品に比べると値段が高いので毎日は食べなくてもOKです。
週に2~3回くらいは食べるようにしましょう。
乳製品は脂質や糖質が多いので、あまり増やし過ぎない方が良いですが上手に取り入れましょう。
筋トレ・ダイエットの定番のホエイプロテインはもちろん、ヨーグルトや脱脂粉乳などもオススメです。
赤身肉は健康リスクもあるし値段も高いから優先度は低めだよ
3 体温を上げて代謝を上げる食べ物
血行を促進して体温を上げることも代謝のアップに繋がります。
効果的な食べ物とその成分は以下のとおりです。
①玉ねぎ・ニンニク(硫化アリル)
②クルミ・アーモンド(ビタミンE、チロシン)
③納豆(チロシン、ナットウキナーゼ、アルギニン)
④緑黄色野菜(ビタミンK)
⑤しょうが(ジンゲロール、ショウガオール) ⑥唐辛子(カプサイシン)
⑦グレープフルーツ(リモネン、ヌートカトン)
⑧炭酸水(二酸化炭素)
⑨シナモン
玉ねぎは昔から血液サラサラ食材として有名です。
玉ねぎやニンニクに含まれる硫化アリルには血行改善効果があります。
ちょっとクセがありますが、あまり抵抗のない人にはらっきょうもオススメです。
クルミやアーモンドに豊富に含まれるビタミンEも血行改善に効果的です。
ナッツは食物繊維も豊富な上に良質な脂質源でもあります。
またチロシンは体脂肪の分解を促進するノルアドレナリンの活性化にも繋がります。
納豆はチロシンのほか、有名なナットウキナーゼが豊富です。
ナットウキナーゼには血栓を溶かす作用があり、血行改善に効果を発揮します。
腸内環境に良い発酵食品でもあるのでオススメです。
既に登場した肉、卵、乳製品もそうだけど血管拡張作用のあるアルギニンが豊富だから色んな意味で効果的だよ
ブロッコリーやほうれん草、カボチャ、ニンジンなど色の濃い野菜に含まれるビタミンKも血行改善に効果的です。
しょうがのジンゲロールやショウガオール(加熱で生成)や唐辛子のカプサイシンは分かりやすく体温アップに効果があります。
炭酸水に含まれる炭酸ガスは体内で二酸化炭素になり、二酸化炭素の血中濃度が上がります。
それによって酸素濃度が薄くならないよう、血管が拡張して血流が増加します。
4 水をたくさん飲むこと
最後に代謝の基本中の基本である水について簡単に解説します。
水は体内で起こるあらゆる代謝反応で水が必要になります。
食べ物が無くても1ヵ月くらい生きられると言われますが、水がないと1週間と持ちません。
これは代謝反応が止まってしまうからです。
ここで紹介した代謝アップを助ける様々な栄養素を摂っても、肝心の水が不足していれば代謝は上手く回りません。
これらをムダにしないためにも意識的に水を飲む習慣をつけましょう。
「喉が渇いた」って実感した時には既に軽い脱水が始まってるから要注意!
ただし無害に見える水でも摂り過ぎは浮腫みや内臓疲労の原因になります。
食事の前後に水を飲み過ぎると消化液を薄めてしまい消化負荷が高くなってしまうことが主な原因です。
気付いた時にがぶ飲みしてしまいがちですが、小まめな摂取が肝心です。
なお水を多く飲むメリット・デメリットについては別のページで詳しく解説しています。
まとめ
食べることで代謝が上がる食べ物を紹介しました。
代謝の6割を占める基礎代謝を高めることがまず基本になります。
代謝の種類ごとに食べ物をまとめると以下のとおりです。
代謝の種類 | 効果的な食べ物 |
---|---|
基礎代謝(肝臓) | ①全粒穀物(玄米・蕎麦・オートミール) ②豚肉 ③ゴマ ④しじみ |
基礎代謝(脳) | ①魚(特にサバなどの青魚) ②亜麻仁オイル ③クルミ ④ベリー類(特にブルーベリー) ⑤カカオ ⑥卵 ⑦大豆製品(豆腐、納豆) |
基礎代謝(腸) | 〈発酵食品〉 ヨーグルト、キムチ、味噌、糠漬け 〈水溶性食物繊維〉 海藻類、キノコ類、オクラ、アボカド、オートミール 〈不溶性食物繊維〉 玄米、雑穀米、蕎麦、ごぼう、オートミール、ナッツ |
食事誘発熱産生(DIT) | ①鶏胸肉(皮なし) ②魚(特にサバなどの青魚) ③卵 ④大豆製品(豆腐、納豆) ⑤乳製品 ⑥赤身肉のヒレ |
体温アップ | ①玉ねぎ・ニンニク ②クルミ・アーモンド ③納豆 ④緑黄色野菜 ⑤しょうが ⑥唐辛子 ⑦グレープフルーツ ⑧炭酸水 ⑨シナモン |
様々な角度から代謝アップに貢献する食べ物は何度も登場しています。
この膨大な食べ物を全て日常に取り入れる必要はありません。
得手不得手もあると思いますが、複数の効果があるものから挑戦してみましょう。
てなとこで。
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