食欲は抑えない|我慢せずにムダ食いを止める6 つの方法

「食べ過ぎれば太る」。取り組むダイエット手法が何であれ、これだけは間違いありません。
つまり糖質制限だろうが、ローファットダイエットだろうが食欲を抑えないことには痩せられないということです。
そして多くの人がこの食欲のコントロールで躓きます。やらなきゃいけないことはハッキリしてるけど、問題はそれが実践できないことです。

なぜ身体に悪いはずの食品を欲してしまうのか、ダイエット中に食べてはいけないものほど食べたくなるのかについてはこちらのページで解説しました。

自分は自制心がないダメな人間だ…

食欲に負けてしまってダイエットに失敗する度に、このように自己嫌悪に陥ってしまいます。
しかしダイエットに失敗するのはあなたが特別に自制心や努力が足りないからではありません。
ではなぜ同じレベルの自制心でもダイエットに成功できる人と失敗する人がいるのかと言えば、自制心以外の方法でダイエットを実践しているからです。
このページでは、自制心に頼らずに食欲をコントロールする方法について解説します。

このページでわかること

・食欲のコントロールに自制心が不要な理由
・我慢による反動の恐れがないのか?
・自制心に頼らずに食欲を抑制する方法

自制心が強くてもダイエットは成功しない

冒頭でも軽く解説したとおり、食欲のコントロールやダイエットの成功に自制心は無関係です。

自制心やモチベーションなどは言ってしまえば気分のようなもので、その時々の状態によってコンディションが大きく異なります。
確かに自制心が強い人の方が平常時には我慢しやすく有利ですが、そんな人もストレスや疲労で自制心が弱った隙を突かれてしまえば一溜まりもありません。
つまり自制心の強弱の問題ではなく、そもそも自制心に頼ろうとすること自体がダイエット失敗の原因ということです。

因みに食欲の抑制を薬などに頼ろうとする人もいるようですが、それはオススメしません。
そんなリスクやお金を払わなくても食欲をしっかり抑えられる心理学や脳科学に基づいたテクニックを5個紹介します。
具体的には以下のとおりです。

①刺激に触れない ②ハードルの設定 ③トレードオフの明確化 ④食事の満足度 ⑤冷却期間の設定 ⑥熱中する

ダイエット中に我慢の限界が来て食欲が暴走してしまうことを心配する人も多くいます。
いわゆるキレ食いってやつです。
しかしここで解説するテクニックは食欲を力づくで抑え込むのではなく、上手くコントロールする方法なので、その心配はほとんどありません。

方法1 刺激に触れない

食欲をコントロールする方法として最もシンプルでかつ効果的なのは、そもそも食欲を起こさないことです。
敵がいなければ戦う必要がなく、戦わなければ負けることはありません。非常にシンプルな戦略ですね。

多くの人は生じてしまった食欲をその度に自制心で抑え込もうとしてきます。
前の項目でも紹介したとおり自制心は使うほどに消耗していきますが、一方で欲望は無限大です。
このことからも最初から余計な欲望を生じさせないことの重要性が分かると思います。

食欲を起こさないようにする方法は非常にシンプルで、刺激すなわち食欲を起こす対象に触れないことです。
人間には利用可能性ヒューリスティックスといって思いつくもの・手近なものに思考が影響されやすい傾向があります。

分かりやすい例で言うと、何となく楽天市場を回遊しててふと目に入った商品に「そういえばこれ前欲しかったな」っていうアレです。
目にするまでは欲しいと思ってたことすら忘れてたのに、見てしまったがために物欲が生じてしまいます。

まず食欲を起こさない上でマストなのは、そもそも家に置かないということです。
そんな目に触れやすいところに置くなど論外としか言いようがありません。どうせ食べないものを買うのはムダなのでやめましょう。
既にあるなら全て捨てるべきです。勿体ないと思うならご近所や職場の人に配りましょう。

また買い物ではお菓子コーナーなどに立ち寄らないようにして、グルメや飯テロ系の番組やYouTube動画、SNSの投稿を見たりするのもNGです。

方法2 ハードルの設定

食欲を生じさせない対策を敷くことはダイエットにおいて基本中の基本です。
しかし広告などあらゆる刺激に溢れている現代において、それらを完全に避けるというのはムリがあります。
そこで2つ目に紹介するテクニックは食べ物を手に入れるまでのハードルを増やすというものです。

脳はエネルギーを節約することを最優先に考えるので、なるべく簡単に手に入れられるものを好みます。
逆に手に入れるまでにかかる手間や時間、プロセスが多いものには魅力をあまり感じません。
つまり食べ物を手に入れるまでに手間や時間がかかるようにハードルを設定すれば食欲は抑制できるということです。

その点で前の項目で紹介した「そもそも余分な食べ物を家に置かない」というのは、最も簡単なハードルです。
とは言え全く食べ物を家に置かないというのはムリなので、居住空間とキッチン・冷蔵庫を離すというのが次善の策になります。
家族がいるなら冷蔵庫や戸棚にカギをかけてもらうというのも良いかもしれません。
また引っ越しをする際にはフラッと行ける距離にスーパーやコンビニがない立地を選択するというのもアリでしょう。

居住環境は人によって大きく異なるので、食べ物を手に入れるまでにどんなハードルを設定できるか考えてみてください。

なるべく時間と労力がかかる方法を考えてみよう!

方法3 トレードオフの明確化

ダイエットをしたいと思うということは何かしらの目的や目標があるはずです。
そして食欲を止められずに負けてしまうことは、それらの目標から遠ざかることになります。
「痩せたい」と「食べたい」は相反する感情で、これら2つは基本的には両立しません。
非常にシンプルなことですが、立てたはずの目標に反する欲望に負けてしまう人というのは、この単純なことが認識できてないことが多いです。
食欲に負けそうになった時はまず「これを食べたら目標からどんどん遠ざかる」と冷静に考えるようにしましょう。

もう1つのパターンが優先順位が明確になっていないことです。
既に解説したとおり「痩せたい」と「食べたい」は両立しません。どちらかを立てようとすればもう一方は立たないという関係です。
これら2つのどちらが自分にとって優先順位が高いのかを明確にしていなければ毎回「食べようか」「我慢しようか」と悩むことになります。
痩せることの優先順位が高いのなら「食べない」一択のはずです。

これが即答できないとしたら、そもそもの目標を見直す必要があるかもしれません。
というのもこの選択が出来ないということは、目標において重要な「同意」が欠けている可能性があるからです。
同意とは簡単に言えば自分が心からその目標を達成したいと思えているかということ。

価値観に沿っているか?と言い換えても良いね

本当に自分の価値観に沿っているかは「何で?」を少なくとも3回問いかけてみることで確認できます。
そうして問う内に「普通だから」とか「人に言われて」とかが出てきたとしたら、その目標にあなたは同意してないということです。
つまり本心では特に痩せたいと思ってないということなので、食欲の我慢は心身に毒になるかもしれません。

方法4 満足度を高める

食事を適量に抑えて食欲を暴走させないためには、食事の満足度を上げる必要があります。
あまり意識していませんが欲が生じるということは、それに満足していないということで、これは食事においても同様です。

混同されがちですが、空腹と空腹感は異なります
前者は物理的に胃が空っぽでエネルギーを欲している状態。一方で後者は実際に胃が空っぽというわけではないが「何か食べたい」という状態です。
そして、過食の原因でありダイエットをしたい人が抑えたいと考える食欲とは後者の空腹感による食欲のことを指します。

食事が終わってお腹は満たされてるはずなのに何かとなく物足りなくて、「何かないかな?」と冷蔵庫や戸棚を探してしまうという経験はないでしょうか?
このムダ食いというのはメインの食事でしっかりと満足できていないことが原因で生じます。
つまり食事によってお腹を満たすだけでは食欲を抑えるには不十分であり、心も満たす必要があるということです。
心が満たされていれば、適量に抑えることによる反動や食欲の暴走などの心配もありません。

好きなモノを食べれば良いってこと?

ただ食事の満足感を上げると言っても良いモノや好きなモノを食べれば良いと言うほど単純なことではありません。
むしろそれではお菓子・ジュース・ファストフードなどのジャンクのように健康を害する食事を正当化することになってしまいます。
食事の満足度を高めるテクニックについて詳しくは以下のページで解説してるので、参考にしてください。

方法5 冷却期間を設ける

感情は波がある非常に不安定なもので、長い間その状態を維持することは困難です。
モチベーション高く勉強や副業、筋トレに臨んだはずが1ヵ月もしない内に挫折してしまった経験がある人は、そのことを自身の身を以って痛感してると思います。
感情というのは生じた瞬間が最も大きく、その後とくに刺激しなければ時間の経過とともに鎮静化していくものなのです。

食欲を含めた欲望という感情においても同様のことが言えます。
つまり食欲も時間が経過すればその強さがだんだんと治まってくるということです。
その鎮静化の時間を稼ぐためにタイムラグを作るというのが非常に重要になります。

ただ我慢して時間が経過するのを待つというのもナシではないですが、もう少し工夫すると良いでしょう。
既に紹介したハードルを科すというのは時間を稼ぐという意味でも有効な対策です。
家に置かなかったり、キッチンから離れた場所で活動するのも時間稼ぎになります。

またダイエットで運動を習慣にしにくいという人はIf-thenプランニングという方法がオススメです。
これは簡単に言えば、条件(トリガー)と行動をセットにしたルールを作るテクニックです。
具体的には以下のような感じで設定します。

条件:「何か食べたいな」と思う 行動:ウォーキングに出掛ける

このようにすれば食欲を鎮めるまでの時間稼ぎが出来る上に、運動をすることも出来ます。
もちろん行動は時間が稼げれば、ジョギングでも腕立て伏せでも何でもOKです。

当然のことながら財布は持って出掛けちゃダメだよ

方法6 熱中する

「悩むのは暇だから」というのを聞いたことがあるでしょうか?
人間の脳というのは「何も考えない」ということが出来ません。
「悩むのは暇だから」というのは、何も集中したり思考する対象がないと余計なことを考え始めてしまうという脳の特性を端的に表したフレーズです。

この暇な時の思考の浮遊は不安や悩み、寂しさといったネガティブな感情が多いですが、食欲や物欲といった欲望もその1つです。
ダラダラとソファに座って観るともなくテレビを眺めてる退屈な時間に、手持無沙汰になって「何かなかったかな?」と冷蔵庫や戸棚を漁ることがあるでしょう。
まさにこれです。

逆に脳は複数のことを同時に考えることも出来ません。
つまり何か集中したり没頭したりできる対象があれば、食欲が湧いてくることもなくなるということです。

ネガティブな感情に対処したい場合は身体を動かすのが有効ですが、食欲の場合は特に制限や指定はありません。
勉強するでもゲームをするでも本を読むでも何でもOKです。
大事なことは没頭できて退屈を感じないものであるということ、ただそれだけです。

ぼくの場合はブログ書くのがそれだね

まとめ

多くの人がダイエットで悩む食欲のコントロール方法について解説しました。
自制心や我慢強さで食欲をどうにかしようと考える人が多いですが、無限の欲望を前に確実に自制心が先に折れるので良い方法とは言えません。
大事なのは環境の設計で、自制心に頼らないコントロール方法を見付けることです。
ここで紹介した方法を以下に簡単にまとめます。

①刺激に触れない:生じた食欲をどうにかするより、そもそも食欲を起こさないことが大事
②ハードルの設定:手に入れるのがメンドウだと脳が諦めやすい
③目標を意識:食べれば目標から遠ざかることを常に認識しておく
④食事の満足度:お腹だけでなく心も満たす食事を意識する
⑤冷却期間:欲望は時間の経過とともに鎮静化するので時間を稼ぐ
⑥熱中する:何か他の対象に集中していればムダな食欲は湧いてこない

多くのテクニックを紹介しましたが、完璧にやる必要も全てを熟す必要もありません。
完璧にやらなければ全く効果が無いというものじゃないので安心してください。
それぞれ各自の環境や性格的に出来そうなことを出来そうな範囲でやってみるようにしましょう。
てなとこで。