【食物渇望】我慢するほど食べたくなるダイエットのワナ|効果的な対策方法とは?

ダイエットをしている時は砂糖や脂質がたっぷりで高カロリーなお菓子などのスイーツ、ラーメンやハンバーガーなどのジャンクはまず禁止してるはずです。
こんなものを食べてたら痩せるわけがありません。

しかしダイエットを始めて間もない頃に、これらの食品が食べたくてどうしようもなくなるという悩みを抱えてる人が多いんじゃないでしょうか?
目の前に健康的な鶏むね肉や玄米が山ほどあっても全く満たされないと思います。
このページでは、食べてはいけない食べ物ほど食べたくなってしまう謎の現象について解説します。

このページでわかること

・そもそもなぜ不健康な食品を身体が欲しがるのか
・肥満になるようには出来ているはウソ?
・食欲を爆発させるダイエットのワナ

1 本能的に高カロリーを欲する?

肥満は様々な疾病の原因になるため、とても健康な状態とは言えません。
そんな肥満に直結する食品を身体が欲するというのは何とも不思議に思えます。

ついでに言うならビタミンが不足するなら野菜や果物を欲し、ミネラルが不足するならば海藻類や穀物を欲するということがあってもいいはずです。
しかし食べたくなるのはいつもピザやラーメン、ケーキやアイスなどのエンプティカロリーばかりですよね…?
これはなぜでしょうか?

エンプティカロリーって言うのはカロリーだけで栄養素が無い食べ物のことね

この謎の衝動は人間の身体がそこまで賢いメカニズムを持っていないことが原因とされています。

狩りで食料を得る生活から始まった人類は栄養状態が不安定で常にカロリー不足の危機に晒されていました。
次にいつ食料にありつけるか分からず、カロリーを得られるかどうかは文字通り死活問題になります。
そのため甘いモノや脂の多いモノ、つまりカロリーの象徴に強く反応するように組み込まれてしまっているのです。

人間の進化の歴史の中で現代のような飽食の時代は非常に短く、本能はその素早い変化に適応できていません。
本能や身体の仕組みで言えば原始人が現代にタイムスリップしてきたのと同じ状態です。
飢えの心配は全くないにも拘わらず、そんな原始人たちにはハイカロリーな食事が相変わらず魅力的に映ってしまうというわけです。

2 止まらない食欲は脳のバグ

カロリーをひたすら欲する本能の結果、間食やジャンクフードへの欲望が止まらないというのは古典的な理解です。
これにも何となく説得力があるように感じられます。

しかしこれにはちょっと疑問があります。というのも肥満は健康に悪影響があるからです。
しかも肥満になれば行動や判断力が鈍るので、天敵に襲われて命を落とす危険もあります。
つまり肥満というのは本能的にも避けるべき状態ということです。

確かに本能の生存欲求に反するね…

人間にはホメオスタシスという安定化のためのシステムが備わっています。
過度なダイエット後のリバウンドと同様に、摂取カロリーや肥満が行き過ぎれば食欲を抑制したり気持ち悪くなったりして標準的な体重に戻そうとするわけです。
それにも拘わらず食べてしまうのはジャンクに多量に含まれる砂糖や脂質が脳にバグを起こすせいだと考えられています。

このバグとは具体的にはレプチン抵抗性などです。
レプチンは代表的な食欲抑制ホルモンで、体脂肪から分泌されるので、太るほどに量が増えてストッパーが強くなります。

非常によく出来た仕組みだよね

しかし砂糖や脂質の摂取による快楽に負けて摂取を続けていると、多量のレプチンに長いこと晒され続けた身体がレプチンに慣れて反応しなくなってしまいます。
こうなるともはやレプチンはストッパーとしての役割はほとんど果たせなくなり、どこまでも限界突破して太っていってしまうのです。

3 我慢するほど食べたくなる

本能がカロリーを追い求めているのか、それとも脳が加工食品に狂わされてしまっているのか。
いずれの理由にしても高カロリーで不健康な食品を避け、健康的な食品に意識が向くことを期待するのが馬鹿げていることだけは分かります。
メカニズムを知らなくても、そうした食欲を理性でコントロールしようとする人は多いでしょう。

「○○を食べないようにする」ってやつね

しかし多くの人が実践してしまうこの方法こそが、食欲を爆発させてしまう第3の原因になります。
何故なら高カロリーな食品を断とうとすると、逆にその欲求を強化してしまうという性質があるからです。
この性質を食物渇望といいます。
食物渇望とは、心理学でいうところのリアクタンスやカリギュラ効果などと言われるものの一種です。

禁止されるほどその対象が魅力的に思えるっていう天邪鬼な性質のことね

ダイエットなどで特定の食品を我慢している人ほどその食品に対する食物渇望が強く表れるということが研究で確認されてます。
そして渇望が起きてしまうと、摂食量が通常より多くなってしまうのです。

その食品の写真やニオイによって渇望は起きますが、ブランドのロゴマークなど食品を連想するものを見るだけでも渇望は起きてしまいます。
さらに厄介なことに禁止されているほどそれを意識してしまい敏感になるので、普通の人が気付かないような些細な刺激にも反応しやすくなるのです。
これは「○○はダメ」と常に禁止してる食べ物のことを考えてしまってることが原因と考えられます。

広告やCMなど食品に関係する刺激に溢れてる中で、我慢している食品に対する渇望を起こさないようにするのはかなり難しいでしょう。

まとめ

食べてはいけない食物を食べたくなってしまうメカニズムについて解説しました。
カラダに悪いはずの高カロリーなジャンクフードが魅力的に映ってしまう理由は大きく3つ考えられます。
本文で紹介した内容を以下に簡単にまとめます。

①カロリーは正義:狩猟採集から始まった人類はなるべく多くのカロリーを蓄えようとする。その本質は飽食の現代になっても変わっていない。
②加工食品が脳を破壊:行き過ぎた肥満を防止する機能は備わっているが、依存性に負けて食べるうちにその機能が崩壊してしまう。
③食物渇望:禁止されるほどにその魅力を過大に評価してしまう。禁止した対象が常に頭の片隅にいるため刺激にも反応しやすい。

このように本能に任せていても太るし、理性でコントロールしようとしても太るという八方塞がりの状態に現代人はいます。
しかしこの問題に解決策がないわけではありません。
理性や本能の特性を理解し、上手くコントロールする方法さえ分かれば効果的に減量を進めることが出来ます。
その方法について詳しくは別のページで解説してるので、参考にしてください。
てなとこで。

参考文献