糖質制限のデメリット|やり方を間違えることで生じる9のリスク

現代のダイエットの主流である糖質制限は非常に効果が高い方法です。
しかし効果が強いということは、その分だけ副作用も強くなります

そのことを押さえずにただ闇雲にトライしてしまうと、デメリットばかりが際立って肝心のダイエットになりません。
そこでこのページでは糖質制限のデメリットやリスクについて解説します。

ここで紹介する糖質制限のデメリット・危険性は以下のとおりです。

①コスト ②ストレス ③低血糖 ④脱水 ⑤腸内環境の悪化 ⑥体臭 ⑦リバウンド ⑧痩せない・太る ⑨死亡事例

1 糖質制限はコストがかかる

脂質制限ダイエットに比べると食品の選択肢が広いのが糖質制限の魅力の1つです。
糖質はほぼ単独で存在しており、その摂取を制限しても他の栄養バランスを崩しにくいからです。

しかし糖質制限で食べられるタンパク質や脂質を主とする食品や野菜はコストが高く家計を圧迫します。
ご飯、パン、麺類などの安価で、家計の強い味方になる食品が使えないのが難点です。

健康に良い食べ物ってなんで高いんだろうね?

2 精神的なストレスが大きい

炭水化物が好きという人は多いと思います。
このことは「米は日本人の魂だ」という言葉にもよく表れています。

糖質制限はその方法の程度にもよりますが、これまでと同じように炭水化物を摂取することは出来ません。
炭水化物の摂取が当たり前になってる人がほとんどだと思うので、想像しにくいと思います。
「肉や魚、卵が何より好き」って人は問題ありませんが、糖質好きにはキツイです。

糖質制限はお腹が空きにくいけど、ダイエットの問題は空腹だけじゃないってことだね

3 低血糖による不調

糖質の摂取量が減るので、当然のことながら糖質制限ダイエット中は低血糖症状に襲われやすくなります。
低血糖で最も多い症状は日中の眠気や怠さです。

特に筋肉の多い下半身は症状が重く出やすいよ

その症状が進むと頭痛や吐き気を生じたり、メンタルの不調を抱えるようにもなります。
このメンタル不調には、睡眠時低血糖による不眠や睡眠の質の悪化も影響してると考えられます。

4 糖質の不足によって脱水になる

糖質は水を多く含む性質があるため、身体の保水力のために重要な栄養素です。
もちろん摂取が過剰になれば浮腫みなどの原因になりますが、不足もまた問題を引き起こします。

分かりやすい症状は皮膚の乾燥です。
乾燥肌のせいで唇が割れたりニキビができたりします。
また肌のハリがなくなるのでシワやたるみも出来やすくなります。

唾液も出にくくなって口も乾く(ドライマウス)から口臭がキツくなることもあるよ

見た目を良くするためのダイエットなのにこれじゃ元も子もないね…

5 腸内環境の悪化に繋がる

1つ前の項目で解説したとおり糖質の不足によって脱水が起きます。

ここで問題になるのが便秘です。
実は正常な便は、その7~8割が水分で構成されています。
脱水になると便に含まれる水分が減るため、便が硬くなり便秘になってしまうのです。

糖質の摂取が減ることで、自ずと食物繊維が減ることも腸内環境の悪化の原因になります。
また悪玉菌のエサになるタンパク質中心の生活というのも腸を荒らす原因です。

腸内環境の悪化はいろんな疾患の原因になるから気を付けないとね…

6 体臭がキツくなるかも

糖質制限をすることによって体臭がキツくなる可能性があります。
理由は以下の2つです。

①ケトン体 ②アンモニア

糖質が不足すると脂肪をエネルギーに変える働きが活発になります。
この状態がケトーシスです。
ここで作られるケトン体は独特の甘酸っぱい体臭を作ると言われています。

またタンパク質は体内での分解プロセスでアンモニアという毒素を発生させます。
糖質制限はタンパク質の摂取量が増えるので、このアンモニアが過剰になりやすく血中に漏れて体臭を発してしまうリスクがあるのです。

脱水で口臭もキツくなるし臭いに関しては三重苦だね…

7 リバウンドしやすくなる

ダイエット効果の高い糖質制限ですが、代謝低下によるリバウンドには気を付けなければいけません。
糖質制限で代謝が低下してしまう原因は以下の3つです。

①脱水 ②筋肉量の減少 ③肝機能の低下

まず意外と影響が大きいのが脱水です。
水は全身のあらゆる代謝反応に関与する分子で、これが不足すると代謝サイクルが上手く回らなくなってしまいます。

水がないと1週間も生きられないのはこういう理由からだよ

あまり知られていませんが、筋肉の合成には糖質(厳密にはATP)が必要です。
また筋肉と言えばのテストステロンの分泌にも糖質が深く関わっています。
こうした理由から筋肉量の減少が起きて代謝が低下してしまうのです。

基礎代謝の2割を占める筋肉の減少は影響が大きそうだね

そして肝機能の低下によっても基礎代謝が大きく下がる可能性があります。
肝臓は基礎代謝の3割を占め、その唯一のエネルギー源が糖質だからです。
あまりにエネルギー不足が過剰になると肝臓の溜め込み作用が強くなり、低栄養性の脂肪肝を発症してしまうリスクも高まります。

肝機能が落ちるから、こうなるとさらに代謝がさがっちゃうよ

8 ダイエット効果の低下

意外と多いのが過剰なカロリーの摂取です。
糖質制限はお腹が空きにくいので、摂取カロリーの上限を設けないこともあります。
しかしもともと大食いの人は放っておくとオーバーカロリーになりやすいです。

これは特にコストを優先してマヨネーズやハム・ウインナーなどの加工肉のように低質な食品の摂取を増やしてしまうケースによくあります。
単にオーバーカロリーになるだけでなく、PFCバランスを乱す原因です。

加工肉とか人工のトランス脂肪酸とかダイエット云々以前に健康に良くないからね

9 糖質制限の死亡事例

最後にやや大袈裟な話ですが、糖質制限には死亡リスクもあります。

①ケトアシドーシス ②心血管系疾患

まず1つ目に注意しなければいけないのがケトアシドーシスという状態です。
これは血中にケトン体が作られ過ぎてしまう症状で、糖尿病を持つ人がケトーシスに入ることで起きます。

糖尿病とか糖代謝に異常がある人は糖質制限をやる前に医師に相談した方がいいよ

もう1つが心血管系疾患のリスクです。
これにも何度も登場している脱水が関係しています。
体内の水分が不足することにより血液の水分量も減り、ドロドロになってしまうからです。

糖質の摂りすぎも摂らなすぎもどっちも血管とか心臓に悪影響なんだね

そして糖質制限を推奨してテレビにも出演していた医師が突然死したという事例もあります。
たった1例なので、他の要因や体質的な問題なども考えられますが、知っておいた方がいいでしょう。

まとめ

糖質制限のデメリットや危険性について解説しました。
ザックリまとめると以下のとおりです。

①コスト:タンパク質や脂質メインの食べ物は高い
②ストレス:炭水化物好きにはかなりキツイ
③低血糖:眠気や怠さ、頭痛、吐き気など様々な不調が生じる
④脱水:乾燥、肌荒れ、シミやシワなど見た目が老化する
⑤腸内環境の悪化:食物繊維の不足やタンパク質の増加によって悪玉菌が増加
⑥体臭:ケトン臭、アンモニア臭、ドライマウス
⑦太る:低質な食品によるオーバーカロリー
⑧リバウンド:筋肉量、肝機能、脱水の影響で代謝が低下
⑨死亡事例:心血管系の疾患のリスクが高くなる

様々なデメリットや危険性を紹介してきましたが、糖質制限を止めろということではありません。
問題は結果を追求するために方法を間違えてしまうことです。

単に糖質を減らせばいいと考えていると方法を間違えるリスクは高くなります。
具体的なやり方については別のページで解説するので、参考にしてください。
てなとこで。