体脂肪を減らす方法|脂質を分解・消費する食事と運動

ダイエットで目指すべきは単に体重を落とすことではなく、憎き体脂肪を落とすことです。

そのためには、やはりカロリー収支をマイナスにすることが基本になります。
カロリー制限によって摂取カロリーを減らし、同時に代謝の向上や運動によって消費カロリーを増やすといった感じです。

確かにこれらの工夫も必要ですが、ターゲットの体脂肪を落とすにはこれでは足りません。
不足したカロリーを賄うのに体脂肪が使われなければ意味がないからです。

このページでは体脂肪をエネルギーとして活用するため脂質代謝を促進する方法について解説します。

このページでわかること

・体脂肪を燃焼するメカニズム、流れ
・脂質の代謝を促進する食べ物
・サプリメント・体脂肪率を下げる運動

1 体脂肪が落ちるメカニズム

体脂肪を減らすためには、まず体脂肪が落ちるメカニズム、エネルギーとして消費される仕組みについて知らなければいけません。
大まかな流れは以下のとおりです。

①不足 → ②分解 → ③運搬 → ④消費

まずはエネルギーの不足が発生します。
冒頭で触れたダイエットの基本であるカロリー収支のマイナスはこのためのものです。
ここから体脂肪が燃焼されるまでには長いプロセスがあります。

カロリー収支をマイナスにするだけじゃ未だスタート地点にすぎないってことか…

このエネルギーの不足を感じるとアドレナリンノルアドレナリンといった脂質動員ホルモンと呼ばれるものの分泌が活発になります。
このホルモンの働きによってホルモン感受性リパーゼが活性化します。

ホルモン感受性リパーゼは簡単に言うと脂肪細胞を開けて中性脂肪を取り出すための鍵みたいなものね

そして取り出された中性脂肪を脂肪酸(脂質)とグリセロール(糖質)に分解します。
その上で全身の各細胞に運搬してエネルギーに変換され、消費されるという流れです。

既についてしまった体脂肪を減らすためにはこれだけのプロセスを踏む必要があり、このサイクルのいずれかのポイントが停滞するだけで体脂肪の燃焼は起きなくなります。

2 体脂肪を減らすのに有効な食べ物

体脂肪をエネルギーとして代謝するサイクルを回すのに役立つ食べ物や飲み物を紹介します。
食べるだけ・飲むだけで体脂肪の燃焼を促進するのでぜひ取り入れてみてください。

①唐辛子 ②コーヒー・紅茶 ③緑茶 ④酢 ⑤赤身肉 ⑥大豆製品

2-1 唐辛子

まずはダイエットと言えば必ずと言っていいほど登場する唐辛子です。
もちろん汗をかくからなんていう単細胞な理由ではありません。

唐辛子に含まれる辛み成分のカプサイシンにはアドレナリンやノルアドレナリンの分泌を活性化する働きがあります。
つまり体脂肪燃焼の第2フェーズである脂肪の分解に効くということです。

カプサイシンは代謝のアップにも効果的だよ

2-2 カフェイン

次に紹介するのがコーヒーや紅茶などに含まれるカフェインです。
眠気覚ましや集中力アップに効くと言われるカフェインは体脂肪の分解にも有効に働きます。
運動の1時間前くらいに摂取しておくと集中力と体脂肪燃焼のダブルで効果的です。

もちろんコーヒーはブラックに限るよね

ただしずっと摂取を続けていると身体がカフェインに慣れてしまいます。
継続的に摂取するのではなく、ダイエット期間などポイントを絞って摂取するようにしましょう。

摂取量の目安は1日300mgが上限で、それを超えるとダイエット効果が薄くなるという研究があります。
カフェイン300㎎というと大体ドリップコーヒーだと500ml、紅茶だと1Lくらいです。

2-3 緑茶

緑茶も体脂肪の分解に有効です。
カフェインはもちろんですが、緑茶はカテキンが含まれるという点でオススメです。
緑茶に含まれる4つのカテキンの中でも特にエピガロカテキンガレートには体脂肪燃焼に大きな効果があります。

体脂肪の分解に効くカテキンは水溶性なので、茶葉をしっかり煮出せば摂取出来ますが、余すことなく摂取するには工夫が要ります。
まずなるべく高温のお湯で煮出すこと。そしてなるべく茶葉も食べることです。

玄米とか雑穀に混ぜて炊けばそんなに気にならずに食べられるよ!

2-4 酢

酢もまた脂肪の代謝に効くと言われています。
酢は肉を柔らかくするイメージがありますが、どうやら人間の体脂肪にも効くようです。

特に内臓脂肪の分解に強く働くと言われていて、男性型の肥満には有効と考えられます。
また黒酢は代謝の向上にも役立つと言われてるので特にオススメです。

代謝のアップに効く玉ねぎをスライスして酢に浸けた酢玉ねぎが個人的にオススメ

2-5 赤身肉

牛肉や豚肉、羊肉などの赤身肉も体脂肪を減らすのに有効です。
赤身肉に含まれるLカルニチンというアミノ酸の一種が体脂肪の運搬役になります。
これが不足するといくら体脂肪を分解しても、脂質を消費する回路が上手く回りません。

そして肉類に豊富なタンパク質は代謝を上げるのにも貢献します。
他の栄養素に比べて食事誘発性熱産生(DIT)が高いからです。

肉のカロリーの約30%が消化による熱で消費されるらしいよ

2-6 大豆製品

豆腐や納豆などの大豆製品も体脂肪を減らす効果があります。
大豆に含まれるβコングリシニンというタンパク質の一種(大豆タンパク全体の20%)には血中の中性脂肪を低減する効果があり、このことは人を対象にした研究で確認されています。

また血中の中性脂肪だけでなく内臓脂肪量の減少効果もあることが確認されています。
さらに大豆製品の中でも特に納豆は血行を促進し、代謝をアップさせる効果があるのでオススメの食品です。

2-7 サプリメント

栄養素に関しては食品からの摂取を基本にすることをオススメしています。
しかし個々の食べ物への苦手意識があったり、余計なリスクを抱える可能性などを考えるとサプリメントの摂取も1つの手です。

肉を食べることで飽和脂肪酸が過剰になるとかね

カフェインやLカルニチンは有名な成分なのでサプリメントでも割と安く手に入れることができます。
タブレットタイプなら摂取も手軽です。

最近だとカプサイシンを含むサプリメントなんかもけっこうあるよね

2 体脂肪を減らす運動

エネルギー不足、分解、運搬と来たら最後は消費です。
ここでしっかり消費しなければ生成したエネルギーも体脂肪に再合成されてしまいます。

消費してエネルギー不足になるわけだから、体脂肪を落とす流れは循環するってことだね

2-1 体脂肪を燃やすには有酸素運動

体脂肪を落としたければ脂質をメインエネルギーとして代謝する運動が効果的です。
脂質は主に遅筋の活動によって消費されます。
低負荷で長時間続けられる運動、すなわち有酸素運動です。

しかし有酸素運動を単体でやってしまうと筋肉まで落ちてしまい、ボディラインの崩れが生じてしまいます。
有酸素運動だけでなく筋トレも併せて取り組みましょう。
筋トレをすることで成長ホルモンやテストステロンなど、脂質の代謝に有効なホルモン分泌も活性化します。

なお、テストステロンの分泌の多様な効果については別のページで解説するので、参考にしてください。

準備中

2-2 有酸素運動の意外な真実

体脂肪を燃焼するための有酸素運動についてあまり知られていないことがいくつかあります。
具体的には以下の3点です。

①タイミング ②時間の長さ ③運動の強度

2-2-1 有酸素運動をするタイミング

有酸素運動で効果的に体脂肪を減らすには、運動する時間帯が非常に重要です。
体脂肪としてエネルギーを消費するには、体内がエネルギー不足になってる必要があります。

その具体的なタイミングは筋トレ後朝起きてすぐの時間帯です。
筋トレ後は筋肉も分解しやすい状態なので、真にベストなタイミングは朝になります。

いわゆるファスティングカーディオってやつ

ただし朝は脱水気味で血圧も高い状態なので、激しい運動はNGです。
十分な水分補給をした上で、やや息が上がるくらいの速いウォーキングをしましょう。

2-2-2 有酸素運動の長さ

かつては体脂肪の燃焼が始まるまで30分かかるから、最低でも30分は継続しなければいけないというのが通説でした。

しかし最近ではこの説は覆されています。
細切れで1日にトータル30分の運動をしても体脂肪の燃焼効果は変わりません。
つまり通勤などのごく短時間のウォーキングや自転車移動もカウントして良いわけです。

むしろ連続して長い時間続けることで筋肉が落ちてしまうので、細切れの方が有効だと考えられます。
朝に15分程度のウォーキング、その他諸々でトータル1時間くらいでも十分です。

これくらい簡単だとハードルも下がるし続けやすいね!

2-2-3 有酸素運動の強度

最近では体脂肪を落とす運動としてHIIT(高強度インターバルトレーニング)が人気ですが、効果についてやや誇張され気味です。
体脂肪を落とすという意味では逆効果になる可能性もあります。

まずHIITをやるにはそれなりの根気が必要です。
非常にハードなので、始める前にやる気を出すというハードルがあります。
有酸素運動は継続してこそなので、挫折リスクはネックです。

また体脂肪を最も落としやすい心拍数の領域(ファットバーンゾーン)は想像以上に低く、最大心拍数の40~60%です。
因みに最大心拍数は以下のように計算します。

最大心拍数 = 220 - 年齢(歳)
年齢28歳の人のファットバーンゾーンは以下のとおり
(220 ー 28)× 0.4~0.6 = 77~115

この心拍数で収まる強度だと、速歩きくらいがせいぜいです。
つまり体脂肪を減らす効果という点でも速めのウォーキングくらいがちょうどいいと言えます。

まとめ

体脂肪を減らす方法について解説しました。
ダイエットと言えばカロリー収支が基本ですが、体脂肪を優先して消費させるには脂質の代謝を促進する必要があります。

体脂肪を減らすためには、「エネルギー不足→分解→運搬→消費」のサイクルのスムーズな回転が必要です。
食べ物や飲み物、サプリメントから分解を加速する成分を摂取しましょう。

成分役割食品
カプサイシン体脂肪分解の促進唐辛子
カフェイン体脂肪分解の促進コーヒー、紅茶
カテキン類体脂肪分解の促進緑茶
カルニチン脂質の運搬赤身肉(牛、豚、羊)
βコングリシニン体脂肪の分解促進(?)大豆製品(豆腐、納豆、おから)

そして体脂肪を減らすには、脂質をメインエネルギーにする有酸素運動が特に効果的です。
有酸素運動を取り入れる場合は以下の3つのポイントを意識しましょう。

①タイミング:空腹時の有酸素運動が効果的
②時間の長さ:連続して行う必要はない(トータルで30分~1時間)
③運動強度:ハードな運動よりも最大心拍の40~60%の方が効果的

有酸素運動をする時は是非ともカフェインやカテキンなどを摂取して、分解をスムーズにしておいてください。
てなとこで。