代謝=消費エネルギーではない?|その種類と上げるメリット

ダイエットと言うと「代謝を上げよう」と言われますが、このせいで代謝について誤解してる人が非常に多いです。
代謝はエネルギー・カロリーを消費することだと思われがちですが、実際には食べ物や毒素などを別の物質に変換する作用全般を言います。

この反応のために必要になるのが代謝酵素ってやつね

またエネルギーを消費するという観点で見た代謝にも実は色んな種類があります。
そこを理解せず闇雲に代謝を上げてもダイエットは成功しません。

このページではダイエットにおける代謝の基本と上げるメリットについて解説します。

このページでわかること

・代謝の種類
・代謝の低下によって起きるコト
・代謝サイクルをスムーズに回すメリット

1 代謝にはいくつも種類がある

冒頭でも軽く触れた通りエネルギー消費という観点で見た代謝にはいくつか種類があります。
大きな分類で言うと以下の2つです。

①安静時代謝 ②非安静時代謝

1-1 安静時代謝

安静時代謝とは運動など身体の活動を伴わなくても消費されるエネルギーのことです。
この安静時代謝はさらに以下の3つに分けられます。

①基礎代謝 ②食事誘発性熱産生 ③体温調節

1-1-1 基礎代謝とは?

「基礎代謝=安静時代謝」と考えていた人も多いかもしれません。
しかし厳密には基礎代謝は安静時代謝の1つです。

基礎代謝は生命維持に必要な最低限の身体活動に要するエネルギー消費のことを言います。
内臓の活動や筋肉の維持などです。
また新陳代謝(細胞などの生まれ変わり)もここに含まれます。

寝てる間は身体活動がほとんどないから睡眠時代謝は基礎代謝とイコールだよ

基礎代謝がエネルギー消費に占める割合は非常に大きく、全体の60%にも及びます。
その中でも特に肝臓・筋肉・脳の影響は大きいです。

1-1-2 食事誘発性熱産生とは?

食事誘発性熱産生(DIT)とはその名前の通り、食べたものの消化・吸収によって消費するエネルギーのことです。

この消費エネルギーの大きさは栄養素によって代わりますが、中でもタンパク質はその値が大きくなります。
「ダイエットのためにタンパク質を食べよう」と言われる理由の1つがこれです。

タンパク質のDITは糖質と脂質の4倍以上になるよ

因みに余談ですが、基礎代謝を正確に測るためには約12時間の絶食を行う必要があります。
食べ物の消化が完全に完了して、その影響が消えるまでそれくらいの時間がかかるからです。

1-1-3 体温調節にもエネルギーを使う

人間の身体には恒常性(ホメオスタシス)という安定化機能が備わっています。
これによって標準的な体型や平熱を保っているのです。

体温を平熱に保つのにエネルギーを使うと聞いてもピンと来ないかもしれません。
身近な例で言うと温泉やサウナなどが分かりやすいです。

特に身体を動かしたわけでもないのに温泉などに入った後は身体が重くなり、眠気を感じると思います。
これは上がりすぎた体温を下げようと交感神経が活発に働いてエネルギーを消費したからです。

劇的なダイエット効果があるわけじゃないけど、汗をかいて痩せるってのもあながち間違いとも言えないかもね

1-2 非安静時代謝

非安静時代謝は具体的な身体活動によって消費するエネルギーです。
こちらも以下の2つに分けられます。

①運動性熱産生 ②非運動性熱産生

1-2-1 運動性熱産生とは?

運動性熱産生はその名前からも明らかですが、スポーツやジョギングなどの有酸素運動や筋トレなどの無酸素運動によって消費されるエネルギーのことです。

一般的にイメージする運動による消費カロリーってことだね

ダイエットと言うと運動によって消費カロリーを上げようというイメージがあると思いますが、この消費はさほど大きくありません。
それはエネルギー消費全体に占める基礎代謝の大きさを見ても明らかです。

ハードにやり過ぎてもコスパは良くないってこと

1-2-2 非運動性熱産生とは?

身体活動による消費エネルギーが2種類あるということ自体知らなかった人が多いんじゃないでしょうか?
こちらは運動以外の消費エネルギーのことを言います。

NEATニートって名前で聞いたことがある人もいるかも

これは通勤時の徒歩や洗濯・掃除などの家事、オフィスでの階段の昇り降りなど、日常で運動と意識せずに行う身体活動です。
この消費エネルギーが意外と大きいと言われています。

痩せたいなら運動よりNEATを増やした方が良いってよく言うよね

運動をするほどハードルも高くないので、習慣化しやすいという点が大きなメリットです。

2 代謝を意識的に上げる重要性

代謝は放っておくと加齢とともに低下していってしまいます。
低下する代謝を放っておけば太っていってしまうことは間違いありません。

歳を取るごとに太りやすくなるのは代謝の低下が原因の1つです。
代謝の低下によって太りやすくなる理由は大きく2つあります。

①消費エネルギーの減少 ②利用率の低下

これまで見てきたとおり、あらゆる側面で代謝はエネルギー消費に貢献します。
その活動が低下して消費エネルギーが減るので、その分だけカロリー収支はプラスになりやすいというわけです。

昔と同じように食べてても太るってよく聞くね

もう1つが栄養素の利用率の低下です。
冒頭でも触れたとおり、代謝とはある物質を別の物質に変換する作用全般のことを言います。
代謝が落ちるということは摂取した栄養素が上手くエネルギーに変換されずに余ってしまうということです。

余りは当然のごとく体脂肪に…

逆に代謝サイクルが上手く回ればエネルギーが上手く作られるので、疲れを感じにくくなります。
また新陳代謝が活発になることによって肌のターンオーバーもスムーズになるので美肌にも効果的です。

代謝をスムーズに回す努力して損することはないってこと!

まとめ

意外と知られてない代謝の基本について解説しました。
「代謝=エネルギー消費」といったイメージを持つ人が多いと思いますが、厳密にはもっと広い意味があります。

ダイエットに関係するエネルギー消費という観点では以下の5つに分けられます。

①基礎代謝 ②食事誘発性熱産生 ③体温調節 ④運動性熱産生 ⑤NEAT

基礎代謝がエネルギー消費全体の6割を占めるため、生命維持に必要な器官の機能を改善することが重要です。
また運動も本格的なスポーツよりも日常の動作を多くする方が効率が良いと言えます。

代謝は加齢とともに低下していきますが、工夫次第で高めることができます。
日常で食事や行動習慣を変えることが重要です。
それぞれ具体的な方法については別のページで解説しています。
てなとこで。

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