筋トレ前後は吸収の速い糖質?|メリット・デメリットと必要性
糖質がダイエットの大敵と矢面に立たされて久しいですが、本当の問題は糖質という栄養素ではなく摂取する食品にあります。
どのような糖質源を選ぶべきかについて詳しくはこちらのページで解説しました。
でもシーンによって食べるべき糖質源は異なるんじゃないの?
こちらページを読んだトレーニーの中には、このように感じる人もいるかもしれません。
そこで今回はシーン毎に選ぶ糖質源について解説します。
・吸収の速い糖質を摂取するメリット
・素早く吸収される糖質のデメリット
・吸収の速い糖質は本当に必要か?
1 吸収が速い糖質のメリットとは?
吸収が速い糖質は血糖値を急激に上昇させるため、身体に大きな負担をかけることになります。
そのため、なるべく吸収の速い糖質は摂らない方が良いとするのが一般論です。
ただトレーニーの場合は事情がやや異なります。
筋トレなどの無酸素運動では糖質をベースにしたエネルギーを消費するので、パフォーマンスアップのために素早い補給が必要です。
吸収が速いということは消化が速く、胃腸にかかる負担が少ないことを意味します。
つまりトレーニング前に吸収の速い糖質を摂取することは瞬時にエネルギーになると同時に、消化不良によるパフォーマンス低下を予防することが出来るというわけです。
またトレーニングが長期に及ぶ場合、途中でエネルギーが欠乏すると筋肉のカタボリックが起きてしまいます。
イントラワークアウトドリンクで糖質パウダーを摂取することはカタボリック防止にも有効です。
もちろんエネルギー源にもなるからパフォーマンスも維持しやすくなるね
そしてトレーニング後は筋肉に蓄えられたグリコーゲンが枯渇しています。
そのまま補給しないでいると筋肉の合成が進みません。
当然のことながら次回のトレーニングのパフォーマンスにも影響します。
そのためトレーニング後も吸収の速い糖質が有効ということです。
このように筋トレの周辺においては、一般的に身体に悪いとされる糖質が有効になります。
2 吸収の速い糖質は本当に必要?
ここまで吸収の速い糖質の有効性について解説しました。
しかし「だから吸収の速い糖質も摂るべき」と言いたいわけではありません。
ここで述べたのはあくまで一般論であり、ぼく自身はこの考え方に疑問を持っています。
そう考えるポイントは以下の3点です。
①血糖値スパイク ②グリコーゲン合成までのタイムラグ ③インスリン感受性の変化
2-1 むしろパフォーマンスが低下する
糖質をトレーニング前やトレーニング中に摂取するのは、エネルギー源を供給してパフォーマンスを維持するという理由でした。
しかし吸収の速い糖質には急激に血糖値を上昇させるという問題があります。
そして上がりすぎた血糖値を戻そうとインスリンが多量に分泌され、今度は急激に下降します。
いわゆる血糖値スパイクってやつね
多量のインスリンによって血糖値は元のレベルより低いところまで押し下げられてしまい、頭がボーッとして、身体が怠さを感じるようになります。これがシュガークラッシュという現象です。
これではパフォーマンスが上がるどころか集中力を欠いてケガをするリスクもあります。
もちろん血糖値スパイクを長期的に繰り返せばいずれインスリン感受性が低下して、肥満や糖尿病を発症することになります。
2-2 すぐにエネルギーにはならない
消化・吸収が速いと聞くと、反射的に「エネルギーに変換されるのも速い」と思ってしまいがちですが、実際のところそうではありません。
先ほども解説したように、血糖値が急激に上がるとインスリンが多量に分泌されるので、糖は瞬時に各細胞に取り込まれます。
しかしそれですぐにエネルギーになるわけじゃないのです。
筋肉で糖をエネルギーに変換するためには、まず筋グリコーゲンに合成し直さなければいけません。
そしてこの変換にはおよそ12~24時間程度かかると言われています。
これはどんなに吸収が速い糖質であっても大きくは変わらず、全体で見れば誤差でしかありません。
誤差程度の速さのためには犠牲にするものが大きすぎるね…
2-3 トレーニング後の吸収は速い
がっつり筋トレをすると筋肉内のグリコーゲンがほとんど枯渇してしまうため、糖のニーズはかなり高まっています。
そんな枯渇した筋肉にいち早く栄養を補給しようと吸収の速い糖質を選ぶ人が多いわけです。
しかしこのケースにおいても吸収の速い糖質を摂取する必要はありません。
それは筋グリコーゲンが枯渇した体内では、かなりインスリン感受性が高くなっているからです。
簡単に言えば筋肉が糖を取り込む力がかなり強くなってるってこと。
そのため脂質や繊維が異常に多くて消化に時間がかかる食べ物を食べない限り、スムーズに消化されて素早く筋肉に届けられます。
つまりわざわざ吸収の速い糖質を選ぶ必要は無いということです。
筋トレ後だけは甘いもの食べても良いって正当化してたのになー…
まとめ
吸収の速い糖質を摂取する意義について解説しました。
一般的には糖をエネルギーとして消費する筋トレの前・中・後には吸収の速い糖質が有効とされています。
しかし吸収の速い糖質には大きなデメリットがあり、しかも一般的に言われてるようなメリットも実はそれほどありません。
すぐに吸収されてもエネルギーには変換されず、血糖値の乱高下が集中力やパフォーマンスを落とすことになります。
またトレーニング後も身体の方の吸収力が上がっているので、わざわざ吸収の速い糖質を摂る意味もありません。
甘いモノの摂取を正当化できなくなりますが、タイミング毎に摂取する糖質をコロコロ変える必要が無いので非常にシンプルになるとも考えられますね。
てなとこで。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません