脂肪は筋肉に変わる?|太らないと筋肉はつかないのか


筋肉をつけるためには1回太らないといけないからね~

それ迷信だから
ボディビルダーの増量を見てか、脂肪が筋肉に変わるという説がかなり広まっています。
だから筋肉をつけるためには1回太らなければいけないと主張する人がかなり多いです。
大きな筋肉をつけるには重いウェイトを挙げられるようにならなければいけないので、とりあえず体重を重くすることが先決というのも一理あるように思えますが、これは間違い
このページではなぜこのような迷信が浸透してしまっているのか、そして見方によっては正しいとも言える部分について説明します。

「脂肪が筋肉に変わる」は考え方次第では正しい…?
ボディビルダーは一度太る

でもボディビルダーって太ってる時期あるよね?

確かにそうなんだけど、それが勘違いを生んでるんだよね
ボディビルダーが理想的な身体にもっていく前に一度太るというのは本当です。
しかしその理由は重いウェイトを挙げられるようになるためではありません。
そもそも脂肪でいくら体重を増やしてもウェイトの挙上に有利になることはないです。
体重が重くなれば歩行や起き上がり動作にかかる負荷は大きくなるかもしれません。
しかしあくまでパワーをつけることに間接的にはプラスになる「かもしれない」レベルにとどまります。

じゃあ何のために太るの?
太るのが目的ではない

そもそも発想のスタートが逆なんだ
ボディビルダーが太るのは筋肥大を目指した増量の結果であって、太ることは目的ではありません。
ビルダーの多くはピリオダイゼーション、いわゆる期分けを行っており、筋肉を増やすことが目的の増量期、そこからできる限り脂肪を落としてキレを出す減量期を経て大会本番期となります。
太ってしまうのは増量期でとにかく筋肥大を目指す時期です。
パワーの発揮と疲労の回復、肥大した筋肉の維持には大きなエネルギー(栄養)が必要になります。
そのエネルギーが不足すると回復が遅れてパフォーマンスが低下したり、肥大した筋肉を維持できずに元に戻ってしまいます(カタボリック)。
その不足を生まないように摂取カロリーを増やした結果、体脂肪も増加したという関係です。

太ろうとしてるんじゃなくて太っちゃっただけ!
エネルギー収支モデルで考える
維持と回復に必要なエネルギーが100の時、95しかエネルギーを摂取しないと5の不足が生じて、筋肥大効率が落ちてしまいます。
95 - 100 = -5(不足=カタボリック)
厳密にカロリー計算をして100に合わせられればベストですが、それは現実的に難しいので思い切って110摂取した結果、余った10が体脂肪になる、といったイメージです。
110 - 100 = 10(余り=太る)
ボディビルダーは筋肉と脂肪とに関わらず体重を増やすことを目指しているわけではないので、一般人も筋肉をつけるに当たってわざと太る必要はないことが分かります。
脂肪が筋肉に変わるはウソか?
しかしこれを以って脂肪が筋肉に変わるというのは間違いとは言い切れません。
脂肪はエネルギーの塊
体脂肪(中性脂肪)は脂肪酸とグリセリンの化合物なので、簡単に言えば糖質と脂質の塊です。
中長期的な保存形態なので使われにくい形ではありますが、分解して血中に戻れば食事で摂った糖質・脂質と変わりはなく、トレーニングのエネルギーとして使われます。

分解をスムーズにする方法についてはこちら!
有酸素運動で脂肪を減らしてから筋トレで身体づくりという流れが一般的です。
しかし一旦きつい食事制限や有酸素運動で痩せて、トレーニングのために再度食べる、というのはかなり非効率です。
しかも過体重状態での有酸素運動は(主に下半身の)ケガのリスクも高いので、体脂肪は筋トレのガソリンとして使う方が効率的でしょう。
筋肉の材料ではない
ただし筋肉の材料であるタンパク質(アミノ酸)は含まれていないので、筋肉に変わるというのは誤解だと組成から簡単に分かります。
身体の内部だと判りにくいですが、体脂肪が筋肉に変わると言うのは芋や脂身を食べたら筋肉になると言っているようなものです。

そんなボディメイクをしてるトレーニーはいないよね?
あくまでトレーニングをするためのエネルギーであり、筋肉を作るのは体外から摂るアミノ酸の仕事です。
まとめ
体脂肪と筋肉の関係について解説してきました。
ボディビルダーは一度太るというのは目的ではなく結果であり、筋肉をつけるために一度太らなければいけないという認識はほぼ間違いです。
増量期間の(体型崩れ)ストレスや減量の楽さの観点から、なるべく摂取エネルギーは100に近付ける方が好ましいと言えます。
日常の活動レベルや基礎代謝などにより収支は細かく変動するので厳密には難しいですが、目安の水準とエネルギーの内訳、摂り方を知っておくことも重要です。
これらについては別のページで詳しく解説するので、そちらも併せてご覧ください。
てなとこで。
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