筋トレで反動はアリ?|チーティングのメリットとは

チーティングは「ズルをする」という意味ですが、筋トレにおいては反動を使うことです。
一般的にこのような反動を使ったトレーニングは負荷が分散すると言われています。
そんな一見すると非効率な反動も、使い方によっては筋肥大にも有効なんです。
・主なチーティングのやり方
・チーティングのデメリット
・チーティングのメリット
・チーティングの活用方法(取り入れ方)
チーティングのやり方
チーティングと一口に言っても、トレーニング種目によって様々。
その全てを解説してはキリがないので、代表的な種目に限って紹介します。
・ベンチプレス
脚の踏ん張りを強くしてお尻を浮かせる
勢いよく下ろして胸でバーを弾ませる
・プルダウンやローイング
上体を後ろに倒す勢いを使う
・腕や肩のトレーニング
膝の屈伸を使って勢いをつける
・スクワット
勢いよくしゃがみ込んで立ち上がりに反動をつける
反動を使うデメリット
反動を使うトレーニングのデメリットは、対象筋から負荷が分散してトレーニング効率が落ちることです。
反動の付け方によっては対象筋がほとんど力を発揮しないまま、慣性や遠心力のみで動作のピークに到達してしまうことも。
これではいくら負荷を上げても狙った筋肉に刺激が入らなくなってしまいます。
筋肥大を目指す筋トレにおいてこれは非常に大きなデメリットです。
そんな反動をつけたトレーニングですが、じつはメリットもあります。
やみくもに使うのはNGですが、目的を持っていれば有効なテクニックです。
反動を使うメリット
一見デメリットしかないように見える反動ですが、全くメリットがないわけではありません。
そのメリットを知ることで明確な目的を持って効果的にメニューに組み込むことが可能です。
意味もわからずチーティングばかりしても効果は出ないので、そのメリットを解説します。
メリットは大きく分けて2つです。
身体の連動が上手くなる
ふつう筋トレは特定の関節のみ稼働させることで、その動作を担う筋肉に負荷を集中させます。
全身運動の対極にある部分運動とでも呼ぶべきでしょうか。
一方で日常生活や競技の場面では、バラバラに鍛えた筋肉を連動させて使う全身運動がほとんどです。
スポーツなどは周囲の細かな筋肉と協力して、より大きな出力を生み出すことを目指します。
通常の筋トレでは細かい筋肉が鍛えにくいので、この観点では非常に効率の悪い身体の使い方です。
部分運動から全身運動への切り替えがスムーズにできれば問題ありません。
しかし上手くできないと「使えない筋肉」、いわゆる「見せ筋」になってしまいます。
実際の運動シーンに近い形で鍛えにくい小さな補助筋まで一気に鍛えられる反動トレーニングは有効です。
完全なオールアウト
最も大きな力を発揮するのはエキセントリック収縮、すなわちネガティブ動作中です。
筋肉の収縮と力の大きさの関係についてはこちら!
そのためポジティブ動作ができなくなった後も、ネガティブ動作では未だ力が発揮できるということがままあります。
つまりホントのオールアウトを迎えたわけではないということです。
チーティングでポジティブ動作を挙げ、ネガティブ動作をメインにしたトレーニングに切り替えることで、挙上回数をさらに伸ばせます。
エキセントリック収縮は大きな力を発揮するだけでなく、ストレッチが強くかかるトレーニングです。
その分、筋損傷も起きやすいので筋肥大にさらに効果的です。
高重量トレーニングができる
既に説明した通り、動作のネガティブ局面すなわちエキセントリック収縮で筋力は最大になります。
つまりポジティブでは扱えない重量もネガティブでは扱えるということです。
1つ前のオールアウトとやり方は一緒ですが、この場合の目的はネガティブ動作をメインにして最高重量にトライする方法。

潰れてから、じゃなくて始めからエキセントリックでやるってこと!
1~4RM程度の高重量を扱えるようになるためには、筋力だけでなく運動神経の発達が不可欠。
言ってしまえば慣れのようなものなので、とりあえず扱ってみるということが実は大事なのです。
大きな重量を扱う経験をすることで運動神経が鍛えられ、ポジティブ動作でも今までより少し重い負荷を扱えるようになります。
本来は補助をつけてトライするものなので、トレーナーや仲間がいない環境でトレーニングしてる場合の次善の策として考えてください。

ベンチとかスクワットみたいに勢いよく下ろすタイプのチーティングだとこのメリットは受けられないよ
まとめ
反動をつけたトレーニングの効果について解説しました。
コンセントリック収縮、すなわちトレーニング動作のメインではデメリットが大きいですが、全身の連動を鍛えるという見方も。
主なメリットは発揮できる力が大きいネガティブ局面のエキセントリック収縮の活用にあります。
戻す局面では負荷に抵抗するようにゆっくり動作しましょう。
トレーニング動作については別のページで詳しく解説してます(再掲)。
反動を作る動作は膝や腰などの関節に大きな力がかかるため、過度に重い負荷を扱ったり反動に頼りきりの動作はケガの恐れもあります。
くれぐれも無理のない範囲でトレーニングしましょう。
てなとこで。
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