【脂肪を溶かす】ケトジェニックダイエットの基本|多様なメリットとやり方

糖質制限がダイエットの基本として回帰してきた中で、ケトジェニックダイエットにも注目が集まっています。
極端な糖質制限だと勘違いしてる人が多いですが、それだけでは正しいケトジェニックダイエットとは言えません。
間違った方法では効果が上がらないだけでなく、デメリットやリスクを抱えることにもなります。
やや極端なダイエット方法であることは間違いないので、手法やポイントをしっかり押さえて臨みましょう。
このページでは、ケトジェニックダイエットの基本的な知識について解説します。

このページでわかること

・ケトジェニックダイエットで痩せる理由とやり方の基本
・ケトジェニックのメリット
・効果を上げるために行いたい2つのこと

1 ケトジェニックダイエットって何?

ケトジェニックダイエットという名前は聞いたことあっても、そもそもどういう方法なのかを知らないって人もけっこういるかもしれません。
まずはケトジェニックダイエットがどういう減量方法なのかを解説しましょう。

1-1 脂肪で痩せるメカニズム

ケトジェニックダイエットとは簡単に言うと、身体の中にケトン体という新たなエネルギー源を作り出す方法です。
通常の人間の身体はブドウ糖脂肪酸、つまり糖質と脂質をエネルギーに使っていて、特に若い内は糖質の代謝がメインになります。
しかし糖質が不足すると残りの脂質だけでエネルギーを賄わなければいけません。

問題はもう1つのエネルギー源である脂肪酸が脳の関門を通過できないことです。
そのままでは脳にエネルギーを供給できなくなってしまいます。
そこで登場するのがケトン体です。
これは脳の関門を通過し、そのエネルギー源となることができます。

脂肪酸をケトン体という形に変換することで、脳をはじめとした全身のメインエネルギー源として脂質を活用できるようになるのです。
中性脂肪の主要な構成要素である脂質がメインエネルギーになることで、体脂肪の分解が促進されやすくなると考えられています。

1-2 ケトジェニックダイエットの方法

ケトジェニックダイエットでは糖質の摂取を厳格に管理して、その代わりに十分な量の脂質を摂取します。
脂質を摂取して良いと言うと何だかとても自由なダイエットに思えるかもしれません。
しかし実際のとこ食事管理に関してはどちらかと言えばやや厳格です。
具体的な食事の方法・PFCの設定についてはこちらのページで解説してるので、参考にしてください。

体内で脂質がケトン体に代謝されるようになった状態をケトーシスと言い、この状態に入ってしまえば上記のようなメリットが受けられるようになります。
それまでの期間はほぼ完全に糖質をオフにしないといけません。
ケトーシスに入ってしまえば多少は糖質の摂取を増やしても問題ないので、とりあえずここまで頑張りましょう。

ケトーシスに入るまでにかかる時間は体内に残った糖質量・糖質の代謝速度・食事の徹底具合によって変わります。
糖質の代謝速度は体重や筋肉量、活動量によって決まるので、糖をメインで代謝する筋トレを習慣的に行ってる人ならそれなりに速いかもしれません。
一般的には2~3日くらいで、長い人でも1週間くらいでケトーシスに入るはずです。

2 ケトジェニックダイエットのメリット

次にケトジェニックダイエットのメリットについて解説します。
メリットは大きく分けると以下の4点です。

①ダイエット効果 ②食べ物の幅 ③空腹感の少なさ ④カタボリック防止

2-1 短期間で体脂肪が落ちる

体脂肪はそのままではエネルギーとして使えない形であり、変換の必要があるため通常のダイエットではなかなか消費されません。
食事制限や運動で既についてしまった体脂肪を落とすのは難しいですが、ケトジェニックならその効果が高くなります。

ケトーシスに入るまでがツラい期間ですが、入ってしまえば脂質がケトン体に変換されていくので、体脂肪がエネルギーとして代謝されるようになります。
そしてケトーシスに入ってからは消費のスピードは速いので、短期で効果が得られます。
特定の食事を摂らなければいけない期間が短くなるのもストレスマネジメント的にプラスです。

2-2 高脂質な食べ物を食べられる

筋トレやボディメイクにはタンパク質の摂取が欠かせませんが、多くのタンパク源は同時に脂質を含んでいるため、ローファットとタンパク質摂取の両立はかなり困難です。
結局は卵の白身や皮無し鶏むね肉等ばかりを食べるしかなかったわけですが、ケトジェニックダイエットならタンパク源の選択肢が非常に多様になります。

ケトジェニックダイエットは動物性の脂肪もOKと、これまでのダイエットの常識に反した非常に画期的なモノです。
鶏のもも肉どころか牛や豚のバラ肉やリブなんかも食べることが出来ます。
間食もチーズやナッツなど美味しいモノが食べられるので、食に関するストレスは小さくなるでしょう。

2-3 空腹を感じにくい

脂質の多い食事はGI(GL)値が低く、血糖値を急激に上げないので腹持ちします。
また消化にも時間がかかるので、食欲が戻るまで時間がかかり空腹感をあまり感じません。

ダイエットと言えば空腹感や食欲との闘いのイメージがありますが、ケトジェニックダイエットは真逆です。
むしろ食事の時間になってもお腹が空いておらず食べるのがツラいなんてこともあります。

トレーニーは食の細い人が多いので、これは逆にデメリットになるかもしれませんが、空腹感の苦痛に比べれば贅沢な悩みです。
ただ空腹を感じないためうっかり食事を忘れるなんてことになれば、大事なタンパク質の摂取量が足りなくなる可能性もあります。
スケジュール管理をしっかりして、忘れないように気をつけましょう。

2-4 カタボリックリスクが低い

食品の選択肢という話にも共通しますが、それはカタボリックの防止にも効果があります。
通常の減量食だとタンパク質を摂取できる食品が限られるので、一部をプロテインに頼らざるを得なくなります。

しかしサプリメントが本物の食事と同じ効果を発揮する確証はありません。
実際に液体でのタンパク質摂取に頼るとカタボリックリスクが高くなると言われています。
これは液体は消化管に与える刺激が少なく、消化の準備が整う前に胃腸に到達してしまうからです。

しかしケトジェニックダイエットなら脂質を多く含む肉やチーズなど、タンパク源のバリエーションを確保でき、プロテインに頼る必要がありません。
体脂肪を効率的に消費しながら筋肉の分解を抑制でき、筋肥大を目指すトレーニーにとってはメリットの大きい方法と言えます。

4 ケトジェニックダイエットを助けるもの

上記で解説した基本的な事項を行えばケトジェニックダイエットは進んでいきますが、効率的に行うためには、補助も活用しましょう。
ケトジェニックダイエットを行う上でプラスした方が良い要素は以下の2点です。

①MCTオイル ②有酸素運動

4-1 MCTオイル

そこでケトジェニックに必須のアイテムがMCTオイルです。
MCTは中鎖脂肪酸の略称で、通常の油(長鎖脂肪酸)より分解されやすいという特徴があります。
分解に胆汁(脂質の消化酵素)も不要なので、吸収が速いだけでなく身体への負担も小さく済むという点もメリットです。

MCTオイルがココナッツ由来なのでココナッツオイルで代用しようとする人もいますが、ココナッツオイルは純度が低いので余りオススメしません。
同様にMCTオイルと銘打っておきながら、品質が低く長鎖脂肪酸を多く含む製品も多くあります。
ココナッツオイルと純度の低いMCTオイルの共通点はどちらも高純度のMCTオイルに比べて値段が安いってことです。
ケトジェニックダイエットは食費もかかるのでコストを抑えたくなると思いますが、食費や努力をムダにしないためにもちゃんとしたMCTオイルを使いましょう。

いくつか使ってみてケトジェニックの効果が明確に現れたのは以下の仙台勝山のMCTオイルです。
あの有名な山本義徳先生もこちらの商品をオススメしていて、多くのフィジーカーも愛用しています。

最初からよく調べておけば…って今でも失った時間とお金が悔やまれる

4-2 有酸素運動

ケトジェニックダイエットを短期決戦で終えるために加えたいのがエアロビック(有酸素)運動です。
筋肉のカタボリックを恐れて有酸素運動を全くしないトレーニーも珍しくありません。
しかし減量期間中はプロのビルダーやフィジーカーでも有酸素を取り入れています。

もちろん中にはほとんど有酸素なしで絞りきれる人も居るけどね

ボディメイクをしてるなら筋トレも大事ですが、有酸素運動を加えることをオススメするのはケトジェニックダイエットと相性が良いからです。
ケトジェニックダイエットは脂質をエネルギー源に変換する方法で、その脂質は無酸素運動より有酸素運動で活発に代謝されます。
せっかく脂質がケトン体に変換されても、それを消費しないのでは無意味です。

カタボリックが不安な人にオススメの運動がHIIT(高強度インターバルトレーニング)です。
運動後過剰酸素消費(EPOC)の効果でワークアウト後も脂肪燃焼が続くというのがHIITの利点とされています。

そしてHIITのもう1つのメリットが運動時間の短さです。
体脂肪の燃焼効果を測る研究で、唯一有効だった運動刺激は「速さ」でした。
長時間(続けられる)運動はカタボリックを誘発するだけでなく、速さを出すのが難しくなります。
しかしHIITのように短時間に集中して行うワークアウトなら、動作の速度を限界まで上げることが可能です。

まとめ

ケトジェニックダイエットの基本について解説しました。
糖質から脂質にエネルギー源の中心をシフトすることによって、体脂肪の燃焼効率を上げるって方法です。
そのために糖質を徹底的に制限し、脂質の摂取を増やすことが基本になります。

ケトジェニックダイエットには様々なメリットがありますが、筋トレを行うトレーニーにとってありがたいものが多かったんじゃないでしょうか?
ただもちろん良いことばかりじゃありません。ケトジェニックダイエットのデメリットについてはこちらのページで解説しています。

ケトジェニックダイエットを効率的に進めるため、MCTオイルと有酸素運動もプラスしましょう。
いずれも補助と言うよりはもはや必須の要素です。
MCTオイルはちゃんとしたものを買って、カタボリックが怖い人はHIITだけでもやりましょう。
興味を持ってもらえたら早速試してみてください!
てなとこで。