自宅トレーニングの問題点とは?|デメリット・弱点を押さえて正しい選択を

ぼくもかつてはジムトレーニーでしたが、2020年頃からの新型コロナウイルスをきっかけに自宅筋トレに切り替えました。
自宅トレの強み、メリットについては別のページで詳しく解説したところですが、実は良いことばかりじゃありません。
自宅トレーニングのメリットについてはこちらで解説しています。

ジムと自宅の両方を経験したぼくが感じる、ジムと比較した自宅トレのデメリットについてこのページでは解説します。
ちなみに器具を使わない自重トレーニングでは筋肥大に限界があるというのがぼくの意見なので、器具を入れる前提のお話です。
ここでは以下の5点について解説します。

①スペースの問題
②挫折した時のコスト
③器具選びのコスト
④モチベーションの問題
⑤トレーニングのバリエーション

①器具を設置するスペースが必要

どの程度の器具を設置するかにも依りますが、自宅にそれなりのトレーニングスペースがあることが大前提になります。
スミスマシンやケーブルマシンのような巨大な器具を導入する場合はもちろん、ダンベルやベンチ台など最低限に抑えてもスペースは必要です。

折り畳み式のベンチなど省スペースでも導入できる器具もあるので、空間を有効に使うこともできます。
しかし効率面でもモチベーションを下げる障害を減らす意味でも、できれば常設したいとこ。
つまり専用のスペースを設けておく方がいいと個人的には思います。

ぼくのような田舎なら何の問題もありませんが、都心の賃貸暮らしともなるとその分かなりの家賃がかかるでしょう。
もしかすると増えた家賃分がジム代を上回る可能性もあります。
自宅トレのメリットは経済面だけじゃないですが、都心はジムの店舗数も多く利便性も高いので、その点でも田舎や郊外向きかもしれません。

②器具の導入コストと挫折リスク

フィットネスブームというのもあってAmazonや楽天といった大手のネット通販サイトでも筋トレ器具は販売されています。
調べてみると想像してるよりかなり値段が安い商品が多いので、きっと驚くはずです。

まさにピンからキリまでって感じ

しかしいくら最低限の品目に絞って安いものを選んだとしても、それなりに初期費用はかかります。
器具本体はもちろん、床を保護するマットなども買っておいた方が良いでしょう。
そこで誰しも頭をよぎるのが、「挫折したらどうしよう…」という不安です。

自宅のパワーラックが超高級物干しになってる人も多いからね

最低でも1年ほど継続してやっとジム代とトントンくらいになります。
元が取れたとしても器具が残されるので、自宅のスペースを圧迫され続ける分、ジム通いに比べるとマイナスです。

売れにくいし、捨てるにしても処分費が結構かかるよ

ちなみにお金を払ったって意識がモチベーションになると考える人もいるようですが、あまり期待しない方がいいでしょう。
というのもお金を支払った痛みはさほど長続きしないからです。額より回数の方が大きな影響を及ぼします。
だからと言ってそのためだけにクレジットの分割払いの手数料を負担するのもムダが過ぎるので合理的とは言えません。
結局お金など別のところをモチベーションの源泉に設定することはオススメ出来ないってことです。

③どの器具を選ぶべきか?考える手間

器具選びは前の挫折のリスクと深く関係しています。
継続に不安がある人だと、ダメージを少なくしようと安価な器具を選びやすいです。
しかし当然ながら安いということはクオリティもそれなりです。
1人では組立が大変だったり、安定感に欠けたり、もろかったりと筋トレには致命的な商品も普通にあります。

本当に値段も機能も細かい刻みで展開されてるので、選択肢が多すぎてかなりの負担です。
試しに買って、後でグレードアップというのもそう簡単にはできないので、商品の質と自分のモチベーションをしっかり計る必要があります。
その分、時間や思考力をそのことに割かなければいけません。

本気で自宅トレをやっていくと覚悟・確信のある人はプロユース(商用)の商品を選ぶのがベストです。
特にジムから自宅に切り替える人はジムの器具のクオリティに慣れてるので落差を感じずにトレーニングができます。

買物全般に通じるコツでもあるので別のページでも折に触れて解説してますが、1つだけ重要な教訓を紹介しておきましょう。
それは一見するといいとこどりな中間的な価格帯の商品だけは選ぶな、ということです。

上中下と選択肢がある時、ほとんどの人が中を選びます。これは人間の習性です。
しかしバランスの良さそうなモノの実態はただの中途半端でしかありません。これだけは押さえておきましょう。

妥協効果って言われるやつね

④自宅は誘惑が多い

認めたくないかもしれませんが、人間誰しも水と同じで楽な方(下)に落ちていくものです。
そんな人でもジムに行ってしまいさえすれば自ずとモチベーションは上がってきます。
周りのトレーニーのバルクにモチベーションを掻き立てられるのもありますし、何より他の誘惑がほぼ皆無だからです。

しかし自宅トレとなると誘惑に溢れています。テレビ、スマホ、ソファ、ベッド、お菓子などなど。

仕事から帰ってきたばっかだしちょっとソファで休んでから…

こんなことを言ってるうちに時間が経過して気付けば寝る準備をする時間なんてことがかなりの確率で起こります。

モチベーションが高い時はトレーニングに直行できますが、そうじゃないと簡単に楽な方に流れてしまいます。
そんな日が続くうちにいつしかトレーニング器具が高級物干しや高級漬物石になっていってしまうのです。
コストをかけるのを躊躇う最大の原因が恐らくここにあります。

モチベーションを上げる方法については別のページで解説してますが、何より大事なのは筋トレの優先順位が高いこと。
「好きこそものの上手なれ」の言葉のとおりで、それ自体が目的にならないことにはいずれ苦痛になります。

野球にしろテニスにしろやってるのは楽しいからで、痩せたいからって人がいないのと同じことだね

ちなみにぼくは既にこの境地に達し、トレーニングしたくてたまらない状態(ゾーン?)に入ってるので何の苦痛も苦労もありません。
ぼくが過度にストイックだったり自己コントロール力があるわけじゃなく、ただ好きだからやってるだけです。
そう考えると一般的な人にとって本格的な自宅トレはかなりハードルの高いものと言えるかもしれませんね。

⑤トレーニングの幅に限界がある

効率的に筋肥大を起こすには様々なバリエーションの刺激を与える必要があります。
最も分かりやすいのが負荷の大きさと種目の幅です。

まず一般的な住宅の場合、そこまで大きな負荷が一点にかかることが想定されてないので、床の耐荷重に限界があります。
また低層階に住む人への配慮から追い込んだ後に勢いよくウェイトを下ろす(落とす)ことになるような重量も扱えません。
ウェイトを落として床が抜けたなんてことになったら賠償はとんでもないことになります。
床抜けの問題もさることながら限界の重量に設定して潰れてしまった場合、脱出できず命の危険もあるので1人きりの自宅でやるのは非現実的です。

セーフティ外してやる種目とかはまず止めた方が良いね

そしてもう1つの要素である種目のバリエーションとしては以下のようなものがあります。

・フリーウェイトかマシンか
・どのメーカーのマシンを使うかか
・使用するグリップやバーの手幅
・オープンキネティックかクローズドキネティックか
などなど

それなりのジムなら全てクリアできますが、コストとスペースに限界のある自宅ではここまで多様性を持たせることもできません。

工夫次第でかなりバリエーションは増やせるけどね

目指すレベルにも依りますが、それなりの高みを目指す場合は時々ジムに行く併用スタイルがオススメの方法です。
コストを計算するときにはこのジム併用の可能性も考慮に入れた方が良いでしょう。

まとめ

ぼく自身が実践してる自宅トレの弱み、デメリットについて解説しました。
まずネックになるのがスペース、そしてコストの問題。そしてこの裏にあるのがモチベーション維持への不安です。
トレーニングのバリエーションについては工夫次第でかなりカバーできますが、そもそも続けられるか?という不安は大きいでしょう。
本文でも解説したとおり、筋トレが好きで優先順位をかなり高い位置に設定できないと、いずれこのモチベーションの壁にぶつかります。

周りから食事やトレーニングについて「そんなよく頑張れるね」と言われますが、当の本人にしてみると楽しいだけで苦痛は全く感じてません
絶叫マシンが苦手な人から見れば喜んで乗ってる人が凄く見えますが、本人はやせ我慢してるわけじゃなく純粋に楽しんでるだけなのと同じです。
こう聞くとハードルが高く感じると思いますが、やってるうちに好きになっていくってこともあります。

ぼく自身、痩せぎすな体型をカバーして服を恰好良く着たいというのが始まりでしたが、今や筋トレ自体が楽しくて仕方なくなっています。
モチベーションなんて気にせずとりあえずやってみようという気持ちも大事です。

おかげで着られなくなった服も多いけどね

最初はジムに通ってみて自宅でもできそうだと感じたら自宅トレに入るという流れでもOKだと思います。
てなとこで。