増量期のトレーニングの重量設定|筋肥大と筋力アップの両方を狙う

食事のコントロールによって増量期と減量期を繰り返すことの重要性について認識してる人は多いです。
しかしそれぞれのシーズンごとにトレーニングの内容を調整する必要があることを知ってる人はあまり多くありません。
このページでは増量期における筋トレの目的と方法について解説します。

このページでわかること

・増量期の筋トレで達成すべき2つのこと
・2つの目的を達成するための筋トレスケジュール

因みに増量期の食事方法について詳しくはこちらのページで解説しています。

1 増量期のトレーニングの特徴

増量期のトレーニングで目指すべきもの・トレーニングで意識すべきものは大きく2つあります。

①筋肥大 ②最大筋力のアップ

増量期は食事の量が増えるので、エネルギー不足によるカタボリック(筋肉の分解)が起きにくいシーズンです。
そのため筋トレのメインの目的である筋肉量の増加を達成しやすい時期であると言えます。

筋肥大に有効なトレーニング方法には様々な理論があり、答えが出ていません。
しかしおおよそトレーニングボリュームが稼ぎやすい低負荷トレーニングの方が効果的であるとするのが最近の通説です。
そのことについて詳しくはこちらのページで解説しています。

そして筋肉量の増加とともに考えなければいけないのが筋力の増加です。
「リフターじゃないから筋力はそこまで関係ない」と思う人もいるかもしれませんが、効率的な筋肥大のためには筋力アップが欠かせません。
そして筋力アップには高いパフォーマンスが要求されるので、エネルギーが豊富な増量期にしか実践できないモノです。
その重要性や具体的なトレーニング方法について詳しくはこちらのページで解説しています。

筋肥大を目指すトレーニングと筋力アップを目指すトレーニングは全く別物です。
そのため増量期の中でもそれぞれの目的ごとにトレーニングの期分けを行う必要があります。

2 増量期のトレーニング方法

筋肥大を目指すトレーニングと筋力アップを目指すトレーニングの両方を実践すべきと解説しましたが、ここで気になるのがトレーニングスケジュールでしょう。
つまり筋肥大と筋力という2つの狙いをどういうバランスで切り替えていくのかという話です。
ここでは減量期の後に来る増量期という前提で解説していきます。

2-1 回復から始める

減量期は食事量が減りエネルギーが不足し続けているため、パフォーマンスはどんどん低下していきます。
トレーニングボリュームの低下を恐れるあまりレップ数の方を重視し、扱う重量を減らしてしまいがちです。

負荷が低い方が体感的にも精神的にも楽だからっていう逃げの気持ちも一部あるかもな…

しかしこれでは減量中に筋肉を維持することは難しくなります。
パワーの落ちる減量中であっても回数より扱う負荷を優先し、重量を維持すべきというのがぼくの考えです。
減量期間のトレーニング内容についてはこちらのページで解説しています。

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もちろん1回も挙がらなくなっちゃったら少し負荷を落とすこともやむを得ないよ

この方針で減量を進めた場合、扱う重量自体は減量開始時と同じ(か、やや低いくらい)です。
まずはこの重量で減量開始前と同じ回数を挙げられるようになるまで回復させていきましょう。
レップ数が当初のレベルを超えたら扱う重量を上げていきます。

回数を追おうとすると瞬発力に頼った挙上(=筋肉に負荷がかからない)になりやすいので注意しましょう。
また回復を急ぐあまり急激に食事を増やしてしまうパターンもNGです。代謝が追いつかず体脂肪にしかなりません。

2-2 筋力アップに移行する

減量期のメニューは筋力を維持しつつトレーニングボリュームも射程に入れたトレーニングになります。
つまり高負荷から低負荷まで満遍なく熟すということです。

高負荷を扱う種目においては、そのまま継続していくことで最大筋力が伸びていくでしょう。
しかし中負荷・低負荷に充てられた種目の伸びは恐らく芳しくありません。
それには大きく2つの理由があります。

①高負荷=コンパウンド種目 ②運動の動作特異性

まず高負荷のポジションに入るのは大抵の部位でコンパウンド種目になります。
コンパウンド種目は大きな負荷を扱いやすい特徴がありますが、それは多くの関節・筋肉が動作に関与するからです。

部位代表的なコンパウンド種目協働筋
大胸筋ベンチプレス三頭筋、三角筋(前)
広背筋ラットプルダウン二頭筋、三角筋(後)、僧帽筋
三角筋(前)ショルダープレス三頭筋、大胸筋(上部)

このことを逆に考えると、メインの筋肉にかかる負荷は協働筋の数だけ分散し、純粋な出力の強化になっていない可能性が高いということです。

そしてもう1つの要素が運動の動作特異性というもので、これは反復による動作の記憶のことを言います。
特定の動作で発揮する力はその動作によってのみ鍛えられるということです。

ベンチプレスで大胸筋がいくら強くなっても、それに比例してペックフライが強くなるとは限らないと言えば分かりやすいかもしれません。
そのためそれぞれの種目の最大筋力を上げたければ、それぞれの種目で高負荷を扱う必要があるのです。

2-3 筋力と筋肥大のバランス調整

各種目の最大筋力の強化もさることながら筋肥大に傾倒したトレーニングも必要になります。
問題はこれらをどういうバランス・スケジュールで実践していくかということです。

ここではトレーニングのピリオダイゼーションを行うことをオススメします。
増量期の中でも「①筋力増強シーズン」と「②筋肥大シーズン」に期分けするということです。

扱う負荷の大きさをランダムに上下させる方法を非線形ピリオダイゼーションと言います。
今回の増量期のように筋力アップと筋肥大のバランスを調整したい場合の他、漸進性過負荷(オーバーロード)を達成しにくくなった場合にも有効な対策です。

負荷の変化、つまり筋力と筋肥大の狙いを変えるスパンに明確な決まりはありません。
最もシンプルな流れは以下のとおりです。

①筋力アップ → ②アップした筋力で筋肥大 → ③プチ減量期 → ④筋力アップ → …

非線形ピリオダイゼーション(=マンデルブロトレーニング)について詳しくは別のページで解説しています。
メリットや方法について詳しく知りたいという人はこちらのページもご覧ください。

まとめ

増量期のトレーニング方法について解説しました。
増量期は食事が充実してエネルギーに満ち溢れているので、筋肥大はもちろん筋力の増強に適した時期と言えます。
特に筋力アップのトレーニングはエネルギーを要するので、増量期にしか実践できません

減量明けの増量の場合はパワーが不足しているので、筋肥大トレーニングから始めて食事量と代謝を回復していきます。
徐々に負荷を上げていき高負荷で筋力を鍛えるという流れです。

筋力アップと筋肥大をどれくらいのバランスでどういう順番で実践していくかは色んな方法がありますが、一定の期間ごとに区切る方法をオススメします。
その代表例が非線形ピリオダイゼーションです。
山本義徳先生がマンデルブロトレーニングとして紹介してるので、知ってる人も多いかもしれません。
伸び悩みやすい中~上級者には特にオススメの方法なので、紹介したリンクも参考にしてください。

また増量期のトレーニングボリュームや頻度などについても気になるところだと思います。
それについても別のページで詳しく解説してるので、こちらも参考にしてください。
てなとこで。

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