負荷が停滞した時の対策|非線形ピリオダイゼーションとは


最近変化を感じられないんだけど停滞期かな…
ダイエット中に体重の減少が止まるタイミングがあることはよく知られたことで、停滞期(プラトー)と呼ばれます。
停滞期はダイエットに限らず、筋トレや筋肉の成長においても起こります。

筋トレは楽しいけど辛いし成果がないとモヤモヤするよね…
一定程度の停滞は仕方ありませんが、方法次第で停滞を抑えたり脱出を早めることはできます。
ピリオダイゼーションはそんな停滞を打破するために中級~上級トレーニーに採用されている方法です。
このページでは停滞期の原因を簡単に解説した上で、その解決方法としてピリオダイゼーションが有効な理由を解説します。
停滞期とは
冒頭でも軽く触れていますが、停滞期とはざっくり身体の変化が止まった状態をいいます。
ダイエットで言えば体重の減少のペースが低下するか全く止まってしまう状態で、筋トレにおいては筋肉の肥大や筋力の増加が起きなくなった状態です。
停滞の原因
停滞の理由は筋トレでもダイエットでも同じで、与えた刺激への身体の慣れが原因です。

つまり「変化」が脱出の鍵!
単純に体重を落とすだけのダイエットであれば運動量や食事量の変化の影響しかないためシンプルです。
筋トレの場合は扱う重量が主な刺激になりますが、食事量や睡眠などが十分であるかも重要で、その不足の影響を受けて筋肉の成長が伸び悩んでる可能性もあります。
その場合は停滞とは呼べないため、刺激の変化は解決策になりません。
基本的な要素が十分であるかを再度確認し、停滞であると確信した場合には以下の対策を講じていきましょう。
ピリオダイゼーションで変化させる
ピリオダイゼーションは期分けなどとも言われる手法で、時期ごとにトレーニング方法を変えるものです。
筋トレには多くの要素が関係していて、それだけ多くの停滞の原因が考えられると説明しました。
その中でも筋トレで扱う負荷の大きさは最もシンプルかつ影響の大きい要素です。
刺激を変えて筋肥大を起こし続ける最もシンプルな条件が漸進性過負荷、つまり負荷を少しずつ上げていくこと。
この理論についてはこちらのページで詳しく解説しています。
いつまでも同じ重量でトレーニングしていてはいずれ慣れが出てしまうので、一定期間ごとに徐々に重量を上げていきましょう。
Ex.) 8RMが80㎏の場合
× ずっと80㎏×8回×5セットのメニューを続ける
〇 今月 80㎏×8回×5セット
→ 来月 82.5㎏×8回×5セット
→ 再来月 85㎏×8回×5セット
→ …
RMと重量の関係についてはこちらのページで詳しく解説しています。
非線形ピリオダイゼーション

負荷を増やしたいけどもう限界みたい…
一般的なピリオダイゼーションは変化の方向が一方向なので、正式には「線形」ピリオダイゼーションと呼ばれます。
扱う負荷が増え続ければ筋肥大は起こるので非常にシンプルですが、実際にはそう簡単に増えていきません。
十分に扱うことができないのに重量を増やしてしまうと、フォームが乱れて筋トレの効率が悪くなったり、ケガをするリスクが高まります。
そんな重量の増加が頭打ちになったところからは、次に紹介する非線形ピリオダイゼーションという方法が有効です。
非線形ピリオダイゼーションとは?
線形ピリオダイゼーションと異なる点は、負荷の変化の方向性を定めないことです。
重量を増やしていく一方ではなく、減らしたり増やしたりを繰り返します。
Ex.)8RMが90㎏で頭打ちになった場合
今月 90㎏×8回×5セット
→ 来月 75㎏×12回×5セット
→ 再来月 100㎏×4回×5セット
→ …
線形ピリオダイゼーションよりも筋肥大に有効であることが実験でも実証されています。
変化の方向を定めないことで身体が予想(順応)しにくくなり、常に新鮮な刺激と認識されやすいことが理由です。
また一定の負荷の大きさに固定した場合のデメリットを解消することもできます。
負荷の設定を固定した場合にそれぞれどのようなメリット・デメリットがあるかはこちらのページをご覧ください。
トレーニング種目や対象の部位によって、RMをどの水準で変化させるのが効果的かは異なります。
・小さい筋肉
低負荷×高回数が効果的な部位
10RM、12RM、15RMなどで推移させる
・大きい筋肉
高負荷×低回数が効果的な部位
4RM、8RM、10RMなどで推移させる
大きい筋肉(大胸筋、広背筋など)ほど低RMが効果的な傾向があります。
ただトレーニング種目の違いや個人差もあるので実践で調整していきましょう。
栄養の摂取も期分けする
身体が筋トレの刺激を常に新鮮に感じ取れることがピリオダイゼーションのメリットですが、それを積極的に身体づくりに活かすサポートが必要です。
トッププロのビルダーは常にあのキレキレの身体でいるわけではなく、時期によってはかなり脂肪がついた状態になります。
このことによって生まれる誤解についてはこちらのページで解説しました。
ビルダーは筋肉をとにかく大きくする増量期の後、なるべく脂肪だけを落とす減量期を経て大会本番のキレキレの身体になるわけです。
一般のトレーニーがここまで極端にする必要はありません。
ただビルダーの増量の進め方を参考にすることで、ピリオダイゼーションをより効果的にすることができます。
詳しくは栄養摂取について解説したこちらのページをご覧ください。
準備中
休むのも期分け
これまでは基本的にどのように刺激の変化を与えるかという動の側面について紹介してきました。
しかし引き算の考え方も刺激の変化の手段になります。
具体的にはトレーニングを完全にOFFにするディトレーニングです。
期間が空くことによって身体の負荷の記憶をリセットして予測をさせないということ。
筋トレをしないことで筋肥大という考え方は納得しにくいですし、筋肉が落ちるのが心配という人も多いでしょう。
ディトレーニングの効果や方法については別のページで解説するので、そちらも参考にしてみてください。
準備中
本当に停滞期か?
本当にそれが停滞なのかも考える必要があります。
特にトレーニングを始めて間もない時期のそれは停滞期でない可能性があります。
トレーニング初期は挙上重量の増加ペースが極端に速いため、それと比較すると普通のペースも相対的に停滞に見えやすいからです。
ウェイトの挙上には筋量などの代謝系と運動神経などの中枢系とが相互に補完して作用しています。
誰しも元からそれなりの筋肉量(代謝)はあります。
しかし始めはその筋力(代謝)を発揮する運動神経(中枢)の回路の発達が不十分な状態です。
トレーニングを始めることで回路が繋がり、そのポテンシャルを発揮できるようになっていきます。
中枢系の成長が元からある筋量のレベルに追いついた後は、代謝系の成長に大きく影響されるようになります。
代謝系の成長は中枢系のそれに比べて難しく、ペースは落ちざるを得ないので停滞期だと安易に判断しないようにしましょう。

停滞期が勘違いでもピリオダイゼーション自体に副作用はないけどね
まとめ
停滞期とその脱出に役立つピリオダイゼーションについて説明しました。
停滞期の脱出には変化が必要で、筋トレにおいては重量の変化が最もシンプルかつ効果的な方法です。
筋肥大に必須のオールアウトと両立するための手段として、通常の期分けとは異なる非線形ピリオダイゼーションを紹介しました。
時期によって高負荷~低負荷まで変化させることで、刺激への慣れを防止するだけでなく、各重量のデメリットを補完することもできます。
また扱う重量に合わせて目的を変え、栄養の摂取の仕方も変化させるとより効果的。
あくまで栄養素や睡眠など筋肉の成長に関係する他の要素が前提です。
これらを疎かにしてもピリオダイゼーションを取り入れれば停滞を脱せるというわけではありません。

何事も基本が大事!
またトレーニングにしてもサプリメントにしても、効果があるかどうか判断するにもそれなりに期間を要します。
すぐに結果が表れないからと効果がないとか停滞だとか決めつけては上手くはいきません。
ボディメイクは個人の体質に依るところが大きいトレーニングので根気強く実験を繰り返す姿勢が重要です。
てなとこで。

筋トレはトライ&エラーに尽きる!
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