増量中にプチ減量は必要?タイミングとメリット・デメリット
増量期と減量期を明確にして定期的に切り替えることがボディメイク、継続的な筋肥大においては非常に重要です。
増量期と減量期の大きな流れについてはこちらのページで解説しています。
ただ増量・減量を単調に続けていても成果は思うように出ません。
特に増量期中のプチ減量は非常に重要です。
このページでは増量期中の減量フェーズについて解説します。
1 増量中にプチ減量する必要性
増量中は筋肉量や筋力を伸ばすフェーズなので、いくら小さくても減量は後退に感じてしまう人もいるかもしれません。
しかし増量期のプチ減量はむしろ筋肉量の増加に有効で、その理由は具体的には以下の2点です
①メインの減量で筋肉量を維持する ②身体の反応を回復する
1-1 減量期で筋肉を落とさない
まず1つめは非常にシンプルな話で、メインの減量期での減量幅を小さくするためです。
どんなに食事に気を付けてトレーニングをしっかりこなしても増量期には多少の体脂肪は蓄積してしまいます。
筋肉も体脂肪も身体のアナボリズム(合成作用)によってつくのでこれは仕方ありません。
とは言え体脂肪が過剰になりすぎて減量幅が広くなると、筋肉が落ちやすくなってしまいます。
減量が長期に及ぶほど筋肉が落ちるリスクが高いのです。
その点、増量期間に挟む短期の減量であれば筋肉量や筋力をそこまで落とさず脂肪を削り、メインの減量を軽くすることができます。
1-2 身体の反応の低下を解消する
単調に増量を続けていると身体の反応が鈍り、思うように筋肥大しなくなります。
その理由は大きく以下の3つです。
①慣れ ②インスリン感受性 ③腸内環境
同じ栄養状態で同じ強度のトレーニングを同じ周期で繰り返していれば、いずれ身体は慣れてしまいます。
筋肥大は脅威に感じる刺激に対する適応(ストレス応答)なので、慣れてしまえば成長も起こらないということです。
また栄養(特に糖)の多量摂取が続くとインスリン感受性が低下していきます。
これは細胞がインスリンに反応して糖を取り込む力なので、弱ると筋肉に栄養が行き届かなくなるということです。
さらにインスリン感受性の低下は余った糖を体脂肪に合成する作用も強めてしまいます。
そして増量期の過食は胃腸に負担をかけ、消化吸収力を低下させてしまいます。
特に腸は摂取した栄養素を吸収する重要な器官です。
腸内環境が悪化すると栄養の吸収効率が低下し、せっかく食べたものがムダになってしまうのです。
栄養が吸収されないんじゃ筋肉も成長しないよな…
2 プチ減量を入れるタイミング
増量期にプチ減量をする必要性が分かったところで気になるのはそのタイミングと頻度でしょう。
それについては様々な意見がありますが、最もシンプルな基準が体脂肪率です。
体脂肪の過剰な蓄積を予防するというプチ減量の目的に照らしても合理的と言えます。
プチ減量を開始・終了する体脂肪率の目安はおおよそ以下のとおりです。
性別 | 減量開始の目安 | プチ減量の目標体脂肪率 |
---|---|---|
男性の場合 | 15~17% | 10~14% |
女性の場合 | 23~25% | 18~22% |
男性の場合はおおよそ体脂肪率15%近辺、女性の場合は体脂肪率21%近辺をキープしておくようなイメージです。
この水準より高い体脂肪率の場合は減量から、低い場合は増量から始めると良いでしょう。
厳密に守る必要はありませんが、目安にはなります。
2-1 プチ減量のタイミングに関する注意点
プチ減量はボディメイクに有効ですが、いくつか問題もあるので注意しなければいけません。
①体脂肪率を正確に把握できない
②過度に減量を続けてしまう
③脂肪の増加が早いと減量が頻繁になる
ボディメイクをある程度やってきた人なら誰しも知ってることですが、体脂肪率を正確に把握することはできません。
どんな体組成計でも測るごとに数値が大きく異なります。
そのため数字だけを基準にしてると判断を誤りがちです。
また体脂肪率の目標値を絶対視し過ぎると、減量期間が長引いてしまうことになります。
直前の増量期でしっかり代謝を上げられてなければ、いくら食事を減らしても体脂肪は思うように減りません。
効果が上がるまで続けようとするといたずらに筋肉を落とすことになります。
そして体脂肪率が基準なので、その増加ペースがあまりに速いとプチ減量が頻繁に必要になってしまいます。
減量が多いほど筋力や筋肉量が伸びにくくなるのは言うまでもありません。
全体としてプチ減量の割合が多くなれば、そもそもこれが本当に増量期なのかすら分からなくなってしまいます。
2-2 プチ減量問題の対策
増量中のプチ減量は必要ですが、様々な困難が伴います。
しかし適切に対応すればメリットだけを上手く享受することが可能です。
①見た目で判断する ②諦めて増量に切り替える ③クリーンな食事を中心にする
体脂肪率の欠陥を補うために最も重要なのは、自分のコンディションを見る目を養うことです。
内臓脂肪まではさすがに無理ですが、皮下脂肪のつき具合ならある程度は目で見て判断できます。
ただし一時的な浮腫みを脂肪と勘違いしないよう注意しましょう。
また体脂肪が落ちにくくなってきたと感じたら、潔く減量を中止して増量に切り替えるべきです。
数値(または見た目)が目標に達してなくてもです。
増量に切り替えるには脂肪が多すぎるという場合はリフィードで代謝のアップを図るという手もあります。
そして過度な体脂肪をつけないようにするにはクリーンな食事がベストです。
これは筋トレのパフォーマンスアップにも繋がります。
また不安定な食事は浮腫みなどでコンディションの把握を難しくするので、その点でもクリーン食は効果的です。
やっぱりクリーンバルクが基本かな!
まとめ
増量期に設けるプチ減量について解説しました。プチ減量には以下のような利点があります。
①過剰な脂肪を抑制:体脂肪がつきすぎると減量で筋肉が落ちる
②慣れの予防:同じ刺激を続けてると増量しにくくなる
③インスリン感受性の低下:糖の取り込みが低下し、パフォーマンスが下がる
④腸内環境:オーバーカロリーは栄養の吸収に重要な胃腸に負担
減量を入れるタイミングは基本的に体脂肪率を基準に判断します。
ただし体組成計などで得られる数値は絶対ではありません。
見た目でコンディションの変化を測れるよう、見る目を同時に養っていきましょう。
てなとこで。
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