分割法トレーニングのローテーション|スプリットメニューの組み方

分割法は多くのボディービルダーやフィジーク選手が行ってるトレーニング方法です。
そのメリットやデメリットについては別のページで詳しく解説します。

分割法と一口に言ってもその方法は様々です。
このページでは具体的にどのように分割法のメニューを組むのかについて解説します。

このページでわかること

・分割法トレーニングの基本的な考え方
・トレーニング頻度よりも重要なポイント
・分割数に応じた鍛える部位の分割方法
・各分割数のトレーニングスケジュール

1 分割法トレーニングの基本的な考え方

分割法でメニューを組むに当たって意識しておくべき重要なポイントがトレーニングボリュームです。
トレーニングボリュームとは「負荷×レップ数×セット数」の総量のことを言います。

かつては部位ごと週に2回のトレーニングが必要、などトレーニング頻度が議論になっていました。

しかし最近の研究に基づく理解では、大事なのは週当たりのトレーニングボリュームです。
ボリュームが同じなら、それを週に何回に分けて行っても筋肥大に大きな違いはありません。

そのため、分割の方針としては以下の2つのうちのいずれかになります。

①頻度を落とす代わりにセット数を増やして1回のトレーニングでボリュームを稼ぐ
②1回のトレーニングのセット数を減らす代わりに頻度を上げてボリュームを稼ぐ

各部位を週に1回のずつトレーニングする場合は、1週間でジムに行ける回数が分割数の最大になります。
1回しかトレーニング出来ないので、ここで十分なボリュームを稼ぐようしっかり追い込みましょう。

トレーニングが長時間になるからカタボリックとかオーバーワークとかも気になるな…

トレーニング頻度を週に2回にしたい場合、1週間でジムに行ける回数より1つ少ない分割にすればOKです。
例えば週に4回ジムに行ける場合、3分割までなら各部位で週に2回のトレーニング頻度を確保できます。

こっちのパターンなら1回のトレーニングボリュームは落とせるね

2 2分割トレーニングの方法

2分割でトレーニングする場合、代表的な分け方は以下の3パターンです。

①上半身・下半身 ②プッシュ・プル ③前面・背面

2-1 上半身・下半身の分割

上半身・下半身の分類は読んでそのままです。
胸や背中、肩などの上半身と、大腿四頭筋や大臀筋、ハムストリングスなどの下半身とに分けます。

上半身に比べると下半身は種目数が少ないように感じるかもしれません。
しかし下半身の方が筋肉量が多くトレーニングがハードになるため、意外とバランスは良くなります。

2-2 プッシュ・プル種目での分割

プッシュ・プル分割はウエイトを押す(プッシュ)系の種目と引く(プル)系の種目で分割する方法です。
ベンチプレスやスクワット、ショルダープレスなどはプッシュ系、懸垂やアームカール、リアレイズなどがプル系に当たります。

後に紹介する前面・背面の分割とほとんど同じですが、大きな違いは腕の関与です。
上腕二頭筋はプル系、上腕三頭筋はプッシュ系なので、ここだけ前後が逆転しています。

2-3 前面・背面の分割

こちらは身体の前面の筋肉と背面の筋肉とで分けて鍛える方法です。
大胸筋や大腿四頭筋、上腕二頭筋が前面、広背筋やハムストリングス、上腕三頭筋が背面に当たります。

プッシュ・プル分割の解説で触れたとおり、大きな違いは腕の関与です。プッシュ・プルの分割だと協働筋として関与した後に鍛えることになります。

まとめて鍛えてしまった方が効率が良いように思えますが、疲労が蓄積するので肝心の腕トレでベストなパフォーマンスを発揮できません。前面・背面の分割は協働筋として働く腕の部位を別の日に鍛えるのでこの問題が解消されます。

別日にすれば疲労が回復するからそれぞれベストを出し切れるよ

2-4 2分割法のローテーション

2分割でトレーニングする場合、ジムに行く回数は多くて4回くらいでしょう。

ジム通いが週2で、各分割を週に1回しかトレーニングできない場合は、1回でしっかりボリュームを稼ぎ切る必要があります。

逆に週4ジムに行けるなら各分割を2回ずつできるので、1回のボリュームは落としてOKです。

また時間がある土日にまとめてやりたいと思う人も多いと思います。
しかし疲労の回復が間に合わずパフォーマンスが下がる可能性が高いです。

また筋トレによって筋肉の合成が活発になるのは長くて3日なので、スイッチがオフのロスタイムも長くなります。なるべくトレーニング日はバラすことをオススメします。

3 3分割トレーニング

3分割トレーニングの場合、大きな筋肉を中心とした分割が一般的です。
具体的には以下の3分割になります。

①胸中心の日 ②背中中心の日 ③脚中心の日

その他の部位をどのように組み合わせるかは好みと種目数のバランスによります。
先程の2分割法の解説で触れたとおり、ポイントは協働筋をまとめて鍛えるかどうかです。

それぞれの分割のメインと協働筋の関係は以下のようになります。

分割メイン部位協働筋
大胸筋上腕三頭筋
三角筋(前)
背中広背筋
僧帽筋
上腕二頭筋
三角筋(後)
大腿四頭筋
ハムストリングス
大臀筋
中臀筋
ヒラメ筋
腹筋群

協働筋をあえて別の分割の日に持ってくることも考えられます。
間のオフでサブとして働いた疲労を回復できるので、メインでしっかりパフォーマンスを発揮出来ます。

また筋肉に刺激を与えて合成のスイッチを入れる回数が増えるので、筋肥大にも効果的です。

3分割のローテーションは以下のような感じになります。

週3回トレーニングの場合の例

背中オフオフオフオフ

脚中心の分割は消耗が激しいから後に2日オフを入れてるよ

この辺の調整は各自の自由です。

週4回トレーニングの場合の例

背中オフオフオフ背中

週4になると連続してトレーニングするタイミングが出てきますね。

4 4分割トレーニング

4分割トレーニング辺りからは中~上級者向きという感じになります。
各部位を鍛える頻度が下がる代わりに、1回のトレーニングでボリュームを稼ぎきる必要があるからです。

実際のとこ3~4分割くらいが現実的だよね

4分割法の方法は以下の2つのパターンが主流になっています。

①胸三頭・肩・背中二頭・下半身
②胸二頭・肩三頭・背中・下半身

1つめのパターンは非常にシンプルで、メインと協働筋をセットにして、鍛え分けが必要な肩を1つの分割として切り出したものです。
協働筋をメインと同じ日に鍛えることの是非については既に解説したとおりです。

2つめのパターンはメインと協働筋の鍛えるタイミングを少しずらしています。
上腕三頭筋が大胸筋の翌日に来ていますが、たった1日ずらすだけでもパフォーマンスの変化は絶大です。

「肩+三頭筋」じゃなくて「背中+三頭筋」でも良さそうだね

それもアリだけど、三頭筋って背中の種目でも協働筋になるんだよね(肩関節の伸展)

4分割のトレーニングのローテーションは以下のような感じになります。

週4日トレーニングの場合の例

分割1オフ分割2オフ分割3分割4オフ

週5日トレーニングの場合の例

分割1オフ分割2分割3オフ分割4分割1

5 5分割トレーニング

週のトレーニング回数が多い筋トレ中心の生活を送ってる上級者はだいたい5分割です。
5分割トレーニングは通称ブロスプリットトレーニングとも言われてます。

5分割ともなるとパターンはほぼ以下の1つに定まります。

胸・肩・腕・背中・下半身

細かく分けると重点的に鍛えられて良さそうですが、今度は協働筋などの干渉の回避が難しくなります。

また分割が多くなるとトレーニング頻度が下がるので、それぞれハイボリュームで追い込まなければいけません。
そのぶん疲労も残りやすくなります。

オフも最大で週に2回しか入れられないもんね…

ぼくも実際しばらく5分割でやってたけど、みるみるパフォーマンスが下がってったよ

5分割のトレーニングのローテーションは以下のような感じになります。

週5日トレーニングの場合の例

分割1オフ分割2分割3オフ分割4分割5

週間6日トレーニングの場合の例

分割1分割2分割3分割4オフ分割5分割1

まとめ

分割法トレーニングの分割の仕方について解説しました。分割は2~5まで様々で、分け方も決まりはないためパターンは無限大です。

ただ分ければ分けるほどメリットと同時にデメリットも強調されていくので、分割が多いほど良いと言うわけじゃありません。
あくまで個人的な感想ですが、細かくして週1ずつやるくらいなら、大まかに分割して週2回ずつやる方が良いと思います。

これは実際に5分割トレーニングをやってみての感想だよ

個人の生活リズムや疲労回復のスピードなどによっても適性は変わるので、一度は試してみても良いと思います。
色んな分割をやってみて、自分に合う方法を探してみてください。
てなとこで。