減量期のトレーニングのベストな頻度と調整方法

減量中は食事量が少なくエネルギーも枯渇気味なので、パフォーマンスが下がりがちです。
パフォーマンスのための回復という視点では、休息をしっかり取れるよう頻度を下げた方が良いように思えます。

しかし実は真逆で、減量期こそ高頻度でのトレーニングが必要です。
このページでは減量中の筋トレ頻度について解説します。

1 減量期ほど高頻度な理由

減量中ほど筋トレの頻度を高くする理由は以下の2つです。

①消費エネルギーのアップ ②トレーニングボリュームの確保

1-1 脂肪燃焼を促進する

減量期の最たる目標は体脂肪を減らすことです。
そのために食事量を減らしてアンダーカロリーを目指します。
しかし身体は賢いので代謝を落としてマイナスを吸収してしまうのです。

一方で運動を習慣にしていると、代謝の低下が起きにくくなりアンダーカロリーを維持しやすくなります。
いきなりのカロリー不足には身体は反応しますが、習慣化された運動であればそれは必要な消費と認識されるわけです。

また筋トレすると痩せると言われますが、これは筋トレそのものの消費カロリーが多いからではありません。
むしろ有酸素運動に比べると消費は微々たるもので、ボリュームを増やしてもほとんど消費カロリーが増えないことが研究でも分かっています。

体感的にはめちゃ辛いのに意外だな…

ではなぜ筋トレが痩せるかと言えば、それはアフターバーンが大きいからです。
筋トレが終わった後の筋肉の合成・回復の局面で多量のエネルギーを消費します。
つまり「トレーニング終わりの回数」を増やすほど消費カロリーが増えるということです。

もちろんそれなりのトレーニングが前提だけどね

1-2 トレーニングボリュームの確保

トレーニング頻度と言うと「週に何回筋トレするか?」ということに目が行きがちですが、「同じ部位を週に何回鍛えるか?」ということも重要です。
一般的には週に2回と言われますが、実はこれは絶対ではありません。

本当に基準にすべきなのはトレーニングボリュームです。
従来は1回の筋トレでカウントしていましたが、最近では週単位でボリュームを計測するのが主流になりつつあります。
つまり1回でまとめてやっても、同じメニューを週に何回かに分割してもOKということです。

週のボリュームを統一すれば、これを何回のトレーニングでこなしても効果は同じって研究でも確認されてるよ

経験的に分かることと思いますが、1回のトレーニングでハイボリュームをこなそうとすれば全体としての質は下がります。
後半のセットほど疲労が蓄積し、パフォーマンスが下がるからです。
設定したボリュームを確実に達成する上では高頻度の方が適していると言えます。

間に適切な間隔を作るのは当然のことだよね!

2 トレーニング頻度を上げるための対策

そこで減量中のトレーニング頻度を上げる方法を紹介していきます。
具体的には以下の2点です。

①分割を増やす ②ケアを徹底する

2-1 分割を調整する

以下のページでも解説したとおり、減量期のトレーニングは短時間が基本です。
トレーニングする部位が多いほど筋トレの時間は長くなるので、分割はなるべく細かくする必要があります。

分割数とトレーニングボリュームは密接な関係にあります。
パターンとしては以下の2つです。

①分割を増やし1回当たりのボリュームを上げる
②分割をそこそこに週の実施回数を増やす

1つ目のパターンは1回のトレーニングで各部位のノルマを達成する方法です。
週に実施する回数は各部位1回ずつになります。
分割数は週当たりの筋トレ回数と同じです。

一方2つ目のパターンは、分割を少なくする代わりに部位ごとのボリュームを落とします。
現実的なレベルで言えば同じ部位を週2回やるくらいの計算です。
この場合の分割数は「週当たりの筋トレ回数-1」が最高になります。

例えば週5で筋トレするなら分割数は最大で4個ってことになるよ!

特に2つ目のパターンは1回当たりのセット数を減らせるので、時間短縮の点でも効果的です。

さっき出たパフォーマンスの話もあるから、2つめのパターンの方がいいかなぁ…

2-2 回復なくしてこなせない

分割数が多くなるため、1つの部位のトレーニング間隔は広くなります。
とは言え身体全体の疲労、精神的な疲労という観点では体力は共通です。

減量中は特にエネルギーが不足し、回復や合成がスムーズに進まないので、その他のコンディショニングが欠かせません。
もちろん回復の重要性は今回のケースに限りませんが、減量期は特に重要ということです。

具体的には以下の対策を実践しましょう。

①睡眠 ②ストレッチ ③入浴 ④栄養補給

睡眠の重要性は言うまでもありません。回復の基本です。
逆に言えばこれを疎かにしてしまっては回復などほとんど出来ません。

睡眠の質を高める工夫はいくつもありますが、まずは生活リズムを整えること。
そして寝る前のスマホ・テレビなどのスクリーンの排除から始めましょう。

細かいテクニックよりまずは大まかな基本からってことだね!

準備運動やトレーニング前のストレッチは入念にする一方で、トレ後のダウンやストレッチは疎かにされがちです。
しかし疲労回復の点ではトレ後の整理体操も重視しましょう。

疲労回復の観点ではじっとしてるより、身体を少し動かした方が効果的です。
この考え方をアクティブレストと言います。
オフの日もウォーキングやストレッチをして過ごすようにしてください。

また忙しいせいでシャワー浴で済ませてしまう人が多いですが、疲れを取るためには湯船に浸かるべきです。
体温のコントロールによって睡眠の質を上げることにも繋がります。

そして欠かせないのがビタミン・ミネラル・食物繊維などの微量栄養素です。
これらは筋肉の合成に必要なだけでなく、体調管理にも欠かせません。
限られたカロリーの中で効率的に栄養を摂取できるようにしましょう。

どうしても難しいならサプリメントもアリだよ

まとめ

減量期のトレーニング頻度について解説しました。
減量中はとにかく高頻度でトレーニングするようにしましょう。
その理由は大きく2つです。

①脂肪燃焼:トレーニングよりアフターバーンの方が圧倒的に大きい
②ボリューム確保: 短時間トレーニングを目指すために低下したボリュームを頻度で補う

また頻度を増やすためには筋トレをする日数はもちろん、分割の仕方も工夫が必要です。

①分割=筋トレ日数 : 週1回になるのでボリュームは多め
②分割=筋トレ-1 : 週2回になるので、セット数を減らせる

そして高頻度のトレーニングをこなすには、しっかり疲労回復し、コンディションを万全にしておく必要です。
そのため睡眠、ストレッチ、栄養などを整えておきましょう。
てなとこで。

あくまで無理のない範囲でね!