【効果的に刺激する】負荷抜けを防止する筋トレ法と3つのメリット

筋トレにおいてフォームが重要と言われますが、それは動作の軌道だけのことではありません。
ターゲットとなる筋肉にしっかり負荷を乗せて、その状態を保ったまま動作することも重要です。

いわゆる負荷を抜かないってやつね

聞いた事はあるけど、実際にどう動作すれば良いのか分からないという人もいるかもしれません。
このページでは負荷抜けを防止するトレーニングの具体的な方法とそのメリットについて解説します。

1 負荷を抜かないトレーニングの方法

「負荷を抜かない意識が必要」ということは知ってる人は多いと思います。
しかしどのようにトレーニングすることで負荷が抜けなくなるかを知ってる人はあまり多くありません。

負荷を抜かないと言うのは簡単ですが、厳密に定義しようとするとなかなか出来ないのではないでしょうか?
筋肉に負荷を乗せる上で、以下の2つの要素が特に重要になります。

①負荷のかかる方向 ②筋肉(関節)が動作する方向

これはつまり物理学における力学と解剖学の2つの要素を考え合わせるということです。
この2つの要素を合わせてバイオメカニクスとも言います。

なんか難しそうだな…

意外と簡単だよ!てか簡単に解説するよ

ダンベルなどのフリーウエイトにしろケーブルマシンにしろ、多くの筋トレの器具は負荷が常に一方向にかかり続けます
この負荷のかかる向きと関節の動作の向きがちょうど真逆になる地点が負荷が最大になるポイントです。

そして負荷の向きと関節の動作の向きが垂直になるポイントで筋肉にかかる負荷はゼロになります。
つまり負荷を抜かないための筋トレ動作とは、この垂直になってしまうポイントまで関節を可動させないことです。

このポイントは必ずしも可動域の端とは限らないよ。
種目の設計によりけりだから要注意!

2 負荷抜けしないことのメリット

トレーニング動作で負荷を抜かないようにするメリットは以下の3点です。

①チーティングを防止 ②TUTのアップ ③負荷分散リスクの低減

2-1 チーティングの防止

トレーニング方法のポイントからも分かるとおり、負荷を抜かないようにすると可動域はやや狭くなります。
しかしこれがメリットでもあるのです。

動作の振り幅が大きくなると、落下の勢いを利用したり下半身や体幹の力を使って挙げやすくなってしまいます。
いわゆるダンベルぶん回しトレーニングです。
このようにチーティングに頼ると筋力を発揮するのは初動のみで、後は慣性で挙がってしまうことになります。

しかも初動の位置というのは、大抵の種目でメインの筋肉に負荷がかからないポイントです。
つまり狙った筋肉に全く有効な負荷がかからないままトップに達してしまうということです。

有効な可動域の中に動作を止めようとすれば、ポジティブもネガティブもコントロールされた動きになるので、チーティングによるムダも発生しにくくなります。

2-2 TUTのアップ

負荷が常に乗った状態で動作することで、TUTを長くすることができます。

TUT:Time Under Tension の略。筋肉が緊張してる時間の長さのこと

TUTが長いと何が良いの?

TUTが長くなることで、トレーニングの筋肥大効果が高くなることが期待できます。

筋肉に負荷が乗っているということは、筋肉が収縮しているということです。
その間まわりにある血管が圧迫されるので、筋肉への栄養や酸素の供給が制限されます。

これは筋肉(特に有酸素代謝がメインの遅筋)にとっては非常に活動しにくい過酷な環境です。
そのため、たとえ扱っているのが軽い負荷でも遅筋では対応できなくなります
結果として速筋が強制的に引きずり出され、活動することで肥大が起こるというメカニズムです。

因みにこの過酷な環境のことをメタボリックストレスって言うよ

ついでに栄養や酸素を供給しようと圧迫された(毛細)血管が発達するので、バスキュラリティのアップにも繋がります。

2-3 負荷を乗せ続ける

「負荷を乗せる」と簡単に言いますが、解剖学的に正しいフォームで動作すれば確実に狙った筋肉に負荷が乗るというわけではありません。
1つの動作にはインナー・アウターマッスルと周辺の様々な筋肉が関与します。
ぼく自身、負荷を乗せることを意識してなかったせいで三角筋よりローテーターカフなど肩関節のインナーに刺激が入っていた時期がありました。

インナーが鍛えられてたお陰でベンチとかで肩を故障することもなかったけどね

負荷を乗せるには緻密なコントロールが必要だということであり、それを毎レップ丁寧にやるのはなかなか骨が折れます。
油断して2レップ目以降に負荷を乗せ忘れる可能性もあります。それでは筋肥大も起こりません。

しかしセットの途中で負荷を抜かないように動作すれば、こういったリスクは無くなります。
最初にしっかりと負荷が乗せられれば、最後まで抜ける心配は不要です。

逆に言うと1レップ目にしっかり負荷を乗せられるかが命運を分けることになるね

まとめ

負荷を抜かないトレーニングの方法とその重要性について解説しました。
負荷を抜かないトレーニングのポイントは負荷が筋肉にかかるポイントの範囲内で動作することです。

言うのは簡単で、やるのはけっこう難しいんだけどね

負荷を抜かないというのは筋トレの基本的なポイントですが、具体的に何故なのかをちゃんと知らなかった人も多いと思います。
負荷を抜かないように動作することのメリットは以下の3点でした。

①チーティング防止:範囲を絞らないと、コントロールせずブン回しがち
②TUTアップ:メタボリックストレスで速筋が肥大しやすくなる
③負荷乗せ直しのロス防止:毎レップ負荷乗せの確認をしなくて済む

ただ当たり前に思えるこのテクニックにもデメリットがないわけではありません。
負荷抜けを意識したトレーニングの問題点について詳しくは別のページで解説します。
メリット・デメリットの両面を知った上で是非を考えましょう。
てなとこで。