【プロテイン不要論】コスパ・筋肥大効果など7つのデメリット
一昔前ならプロテイン=ゴリゴリのボディビルダーだけが飲む物という印象でした。
もちろん今でも変わらずトレーニーにとって定番のサプリメントです。
しかし最近では美容やダイエットのためにプロテインを飲む女性も増えてきました。
個人的に女性からプロテインとかアミノ酸とかってワードが聞けると嬉しくて勝手に親近感を抱いています(笑)
また体力を衰えさせないよう高齢者がプロテインを飲むこともあるみたいですね。
一方でいまだに筋肉増強剤だと勘違いしてる人もいるけどね
こうして老若男女広く浸透し始めているプロテインですが、色々考えた結果として「実はマストなサプリメントじゃないかも」と思い始めました。
もちろん2021年初頭あたりに(悪い意味で)話題になっていたぶっ飛んだ医者の「プロテインは健康を害する!」的な話ではありません。
ここで紹介するプロテインのデメリットは以下のとおりです。
①食欲抑制効果
②食事誘発性熱産生
③吸収が速くても特に良いことなし
④人工甘味料
⑤乳糖不耐性
⑥意外と高い
⑦吸収効率
①食欲を抑える効果が薄い
ダイエットや減量時に食事の置き換えとしてプロテインを使用する人も多いと思います。
一時期D〇Cのプロテインダイエットとか流行りましたよね。
でも実際のところ、ダイエット方法として効果的かというとそうでもないと思います。
食事で不足しがちなタンパク質を補えるので栄養素的には置き換えが可能ですが、ダイエット最大の問題は空腹感との闘い。
その点で考えると液体で摂取するプロテインはあまりお腹に溜まりません。割とすぐに空腹感がきてしまいます。
ぼくの個人的な経験もそうですし、友達や実際に例のDH〇のプロテインダイエットを試した母も言ってました。
もちろん水分量を調節してドロドロ感を増せば多少は腹持ちが良くなるかもしれません。
またぼく自身は飲み過ぎてありがたみを全く感じなくなってますが、甘いものが好きな人にとってはダイエットという名の砂漠に現れたオアシスになる可能性もあります。
空腹感より甘いものを食べられない方が苦痛が大きいという人にとっては有効な方法と言えるのかも…?
ぼく自身も甘いものは元々好きな方でしたが、最近のモチベーション下ではあまり共感できません。
トレーニングのモチベーションが上がってくると甘いもの欲が全く無くなるんだよね
②消費エネルギーが少ない
タンパク質がダイエットに効果的な栄養素と言われる理由の1つが消化にかかるエネルギーの大きさです。
この大きさは食事誘発熱産生(DIT)という食事によって発生する熱量から推計されていて、栄養素ごとに異なった値を示しています。
そしてこの中でも特にタンパク質はその値が大きく、消費エネルギーの増加に寄与すると言われているのです。
比率にして7:30と、糖質・脂質の実に4倍以上エネルギーを使うよ
一方でホエイプロテインやアミノ酸サプリメントは吸収が速く、これがサプリメントの大きなメリットと言われます。
この吸収が速いというメリットはタンパク質を消化する行程が加工により短縮されることによるものです。
つまり肉や魚などのリアルフードのタンパク質を消化吸収するより、時間もエネルギーも必要としません。
当然のことながら食事誘発熱産生も少なくなるので、消費エネルギーは少なくなってしまいます。
さすがに食事誘発熱産生を狙ってプロテインやアミノ酸サプリメントを飲んでる人はいないでしょう。
しかし1日に同じタンパク質量を摂っていてもリアルフード中心の人より、エネルギーを消費しにくくなります。
増量中はさほど気にならないかもしれませんが、減量中にプロテインに頼り過ぎると人より絞りにくくなるかもしれません。
③吸収の速さもメリットにならない?
前の項目で吸収の速さをサプリメントのメリットと紹介しました。こういう理解は一般的でしょう。
しかし食事誘発熱産生を削ってまで追求する価値が速さにあるのかという点は疑問です。
筋肉の分解・合成はトレーニング中から高まってるので、トレーニング中にアミノ酸の供給しておく必要があります。
つまりトレーニングが終わってから急いで補給するより、事前に補給しておくことの方が重要ということです。
これは事後の栄養補給の消化吸収をどれだけ速くしたとしても大差ないという意味でもあります。
一方でプロテインの吸収の速さはトレーニング直前のアミノ酸補給に有用です。
固形食だと消化に時間がかかり、トレーニングを始める直前に食べるには適していません。
固形食の場合は最低でも2時間前までには食事を完了してる必要があります。
しかしプロテインなら1時間前まで摂取が可能です。
忙しいせいで食事の時間をコントロールし、適切なタイミングで摂取するのが難しい人にはメリットと言えるでしょう。
しかしこれまで、そしてここから先に紹介するデメリットを吸収するほどのメリットかと言えば怪しいところです。
健康、そしてボディメイクについて真剣に考えるのであれば、食事の時間の調整くらいは工夫することをオススメします。
④人工甘味料の様々なリスク
プロテインってどんどん美味しくなってってますよね。
ぼくが飲み始めた頃もまあまあで、飲めない味じゃなかったですが、最近は普通に美味しいシェイクみたいになってます。
味のバリエーションもホントに豊富です。
ホエイのクセ、いわゆるプロテイン臭などを緩和する企業努力はもちろんあります。
しかし美味しさの最大の要因は何と言っても人工甘味料でしょう。
ダイエット飲料などでおなじみのアレです。
ダイエットの大敵の憎き糖質(誤解)も入ってないのに甘くて美味しい。良いことずくめですね。
しかし良いことばかりじゃないのはダイエットに限らず世の常です。
実はゼロカロリーでも太る可能性が示唆されていて、マウス実験では既にこの現象が確認されています。
ゼロカロリーなのに太るメカニズム・理由については色んな方面から意見がありますが、ここでは割愛。
決してオーガニック信者じゃないですが、むやみに多量の人工物を摂取するのは健康面のリスクからも避けたいというのもあります。
この点、人工甘味料の入っていないノンフレーバーのプロテインなら問題ないでしょう。
ココアパウダーや青汁などをノンフレーバープロテインに混ぜる工夫をして飲んでる人もいるようです。
⑤お腹ゴロゴロ問題
プロテインを飲んでいてお腹の調子、便通が悪くなったと感じてる人がいるんじゃないでしょうか?
最もメジャーで一般的なホエイプロテインは乳製品を原材料に作られています。
正確には乳清っていうヨーグルトの上澄み液みたいなやつね
乳製品には乳糖という糖質の一種が含まれていますが、日本人はこれを分解できない人が結構多いと言います。
乳糖不耐症と言われる体質で、聞いたことがある人もいるのではないでしょうか?
人に依りますが、お腹が張ってガスっぽくなったり、便秘になったり、逆に下したりと乳糖不耐症の症状は様々です。
腸内環境の悪化は体調不良だけじゃなく、栄養素の消化・吸収効率も下がるので筋トレ視点でも結構なマイナスになります。
お腹に不快な症状が出るってことは、「合ってないよ」という身体からのサインなので、無視して飲み続けない方が良いです。
体質的に問題ないならOKですが、多くの日本人が乳糖不耐症ってことを考えるとベストな選択じゃないかもしれませんね。
ここでは主にプロテインのデメリットを解説してますが、メリットも同じくらいあります。
乳糖不耐症でもプロテインを活用したいという人には、この問題の乳糖を除去したWPIと言われる製品がオススメです。
詳しくはプロテインの選び方について解説したページをご覧ください。
⑥プロテインって意外と安くない
筋トレはお金がかかります。
正確に言うと筋トレに限らず健康的な食生活にはそれなりのお金がかかります。
夏の海に向けた一時的なダイエットは別として、トレーニングは継続が命のライフワークです。
つまり筋トレにかかるコストはできるだけ抑えたいというのは誰しも思うことでしょう。
プロテインを含む多くのサプリメントはマイプロテインやiHerbなどでセールを活用すればかなりリーズナブルな価格で買えます。
プロテインは美味しい、手軽、そして「安い」と盲目的に信じられてますが、本当にそうなのでしょうか?
それなりに経験を積んだトレーニーならPFC(マクロ栄養)バランスの計算をしてるはずです。
つまり各栄養素の摂取量をグラム単位で計算して食事のメニューを組むわけです。
そこでタンパク質1gを摂取するのにかかるコストはいくらなのか、一般的なタンパク源食品やプロテインで比較してみました。
プロテインは製品にも依りますが、安く買おうと思えば1㎏で1400円程度で買えると思います。
含まれるタンパク質もこれまた製品に依りますが、730g程度とすると、タンパク質1g当たり1.91円です。
一方でぼくの近所のスーパーではセール日に鶏胸肉(国産)が100g37円、卵が10個入りで148円で買えます。
含まれるタンパク質はそれぞれ100g当たり22g、10個当たり80gで、1g当たりの単価は1.68円と1.85円です。
もちろん物価は地域や店によって変わるので、誰でも確実にプロテインより食品の方が安く上がるとは言えません。
良質な脂質源として人気の魚は確実にプロテインよりタンパク質単価が高くなります。
また余分な栄養素を排除してタンパク質だけを狙って摂取する目的ならプロテインが恐らく最も優秀でしょう。
しかし腹持ちや後で解説する筋肥大効果まで踏まえて考えると、多少高かったとしても食品を優先させてもいいのでは?というのが個人的な考えです。
試しに普段買ってるプロテインとスーパーのタンパク源の単価を比較してみてください。
ここで言いたいのはプロテインって思ってるほど爆安じゃないよってこと
⑦流動食の筋肥大効果
味や健康への影響、コストは優先順位に個人差があることと思います。
しかし筋肥大効果に差があるって話になれば他人事だと放っておけるトレーニーはほとんどいないはずです。
これについて詳しく検証した研究はありませんでしたが、観察された事例、ダイエット研究から得られた着想、個人的な体感から解説します。
まず病気などで入院し、流動食や点滴から栄養を補うようになると皆揃って筋肉量が減少することが確認されています。
もちろん入院によって歩行などの日常的な運動量すら減少するので、それに伴う筋肉の衰えとも考えられます。
しかし固形の病院食を食べている入院患者と比べても筋肉量の減少が著しく大きいようです。
ここから同じカロリーを摂っていても固形食と流動食とでは栄養の吸収率に差があると考えられます。
そしてその理由の説明として、インスリン分泌と食事の関係について考察したダイエット研究の結果が参考になりそうです。
これまでインスリンは食事の栄養素(主に糖質)が吸収され血糖値が上昇した時に分泌されると考えられていました。
しかし実際はもっと早いタイミング、具体的には食事を飲み込んだ瞬間から分泌が始まっています。
血糖値が上がってから分泌が始まるのでは対応が後手に回ってしまうので、食事の刺激をスイッチに事前に準備が始まってるってことです。
ちなみに血糖値が高い状態が続くと細胞を傷つけるリスクがあるよ。壊疽なんてこともあるから結構キケン。
これと同様のことが消化器官の消化・吸収でも起きてるんじゃないかとぼくは考えてます。
つまり咀嚼など口の中が食事から受けた刺激をきっかけに準備が始まり、胃や腸に届いた時にスムーズに消化・吸収が進むのでは?ってことです。
こう考えると流動食やプロテインの吸収効率が悪い可能性がある理由にも説明がつきます。
液体のプロテインは咀嚼しないので口の中の刺激がほとんどありません。
つまり身体が準備する間もなく胃や腸に届いてしまうってことです。
吸収されないのは筋肥大効率の問題にとどまりません。悪玉菌のエサが増え、腸内環境を悪化させる原因にもなります。
腸内環境が悪化すると栄養の吸収効率が落ちて、さらに環境が悪化するという悪循環に陥るのでけっこう深刻な問題です。
個人的な体感ですが、タンパク質単価に気付いて固形食メインに切り替えてから筋肥大の効率が上がったように感じています。
この問題は消化・吸収の準備さえできていればクリアできる可能性も残されています。
具体的な対策方法は固形の食事と一緒にプロテインを摂取することです。
固形の主食や副菜と一緒にメインと置き換えたプロテインを摂取すれば、そこまで吸収効率も劣らないかもしれません。
あくまでプロテインを単体で摂取する形だとあまり吸収されないかもしれないというのがぼくの個人的な考察でした。
まとめ
筋トレの定番サプリメントであるプロテイン不要論について解説しました。
ダイエット効果、人工甘味料の影響、コストなど様々な視点で疑問点を紹介しましたが、最も大きいのは筋肥大への影響でしょう。
どの問題も注意や工夫をすれば緩和できるものですが、ぼくがこの記事を書いたのはプロテイン信仰が強すぎて付き合い方を間違えてる人が多いと感じたからです。
いくらトレーニングしてるからといっても1日に4杯も5杯もプロテインを飲むのは流石にやりすぎです。
しかもそういう人ほど固形食・リアルフードを疎かにしてる傾向にあります。
プロテイン4、5杯にリアルフードでタンパク質摂ってたら腸内環境荒れまくるからね
トレーニングもして、しっかり寝て、栄養もしっかり摂ってるのに伸びない…
こういう人はプロテインに偏って固形食が不足してないか見直してみてください。
不要論とか書きましたが、ぼく自身プロテインがムダなサプリメントなどとは全く思ってません。
ただ以前よりも固形食を重視して、文字通り補助的にプロテインをはじめとしたサプリメントを活用しています。
その証拠にプロテインのメリットについてもしっかり解説しているので、そちらも目を通してみてください。
準備中
ちなみにプロテインのデメリットというと肝臓や腎臓、尿酸値への影響を気にする人もいると思います。
その点についてはそれぞれ別のページで考察していますので、そちらもご覧ください。
てなとこで。
肝臓について
腎臓について
尿酸値について
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