健康効果だけじゃない|運動の多様なメリット5選
貯金や読書など身に着けた方が良い習慣は色々ありますが、何か1つだけと言われたら間違いなく運動をオススメします。
その理由はタイトルからも分かるとおり非常に多くのメリットがあるからです。
しかもどれも現代人の多くが抱えている悩みに直結するものばかり。
このページでは、非常に多岐にわたる運動のメリットとそのメカニズムについて解析します。
運動のメリットは大きく分けると以下の5点です。
気になるところだけピックアップして読んでみてください。
①ダイエット効果 ②ストレス耐性の向上 ③睡眠の質の向上 ④集中力のアップ ⑤感情のコントロール
運動では痩せない?
ダイエットと言えば食事制限か運動が定番ですが、研究によって運動をしても消費エネルギーを増やすことはできないと判明しています。
運動で消費したエネルギーを吸収するように安静時代謝が低下して、トータルではほとんど差が無くなってしまうからです。
しかしこのことは運動にダイエット効果がないこととはイコールではありません。
肥満の主な原因はカロリーではないからです。
運動は肥満の本当の原因を改善する効果があり、そのことからダイエット効果があると考えられます。
これについて詳しくはこちらのページで解説してるので、参考にしてください。
また詳しくは後ほど解説していきますが、運動には脳機能を活性化する効果があります。
もともと脳の消費エネルギーは基礎代謝の2割近くを占めており、それを活性化することでさらに消費エネルギーを増やすことに繋がります。
ストレス耐性のアップ
現代人は非常に多くのストレスにさらされており、大きな悩みのタネになっていると思います。
ストレス解消の方法はいろいろありますが、中でも運動のストレス解消効果は絶大です。
ストレスを感じるとストレスホルモンの異名を持つコルチゾールが体内で分泌されます。
適量であれば活動のエネルギーを供給するのに役立つホルモンです。
しかしストレスが継続して分泌が継続すると身体に様々な不調をきたすようなります。
具体的には食欲の増進、体脂肪の蓄積、筋肉の分解、睡眠の質の悪化、脳の萎縮など様々です。
運動はこのコルチゾールの分泌をコントロールする効果があります。
運動それ自体によってもコルチゾールは分泌されますが、しばらくすると鎮静化していきます。
このアップダウンを繰り返してトレーニングすることによって、アップしにくくかつダウンさせる力が向上していくのです。
そしてこのコントロール力は運動以外のストレスに対しても適用されます。
ストレスを受けてもコルチゾールの分泌量が抑えられ、かつその量も迅速に適正なレベルまでダウンしていくため、長期間コルチゾールに晒されることが無くなります。
運動以外のストレス対策についてはこちらのページで解説しているので、参考にしてください。
睡眠の質の向上
何となくでも運動をするとグッスリ眠れるようなイメージはあると思います。
これは単に疲れるからではなく、ちゃんとしたメカニズムが裏で働いた結果です。
運動と睡眠の間には主に以下の2つが関係しています。
①セロトニン ②成長ホルモン
睡眠の質について学習したことがある人なら、別名幸せホルモンのセロトニンの重要性は十分に認識しているでしょう。
これは日中の覚醒を促すと同時に夜間の眠りの質に繋がるメラトニンの材料にもなります。
特に朝起きて早い時間に運動を行うことでセロトニンの分泌が高まるので、ぜひ朝の散歩を習慣にしましょう。
もう1つ睡眠の質を左右する重要なホルモンが成長ホルモンです。
成長ホルモンそれ自体が傷の修復や疲労回復に作用するため、睡眠の質そのものと言っても過言ではありません。
この成長ホルモンの分泌を促す要素の1つが乳酸です。
つまり運動によって筋肉を披露させ、乳酸を十分に分泌することが成長ホルモンの分泌を活性化することに繋がります。
有酸素運動でも乳酸は溜まりますが、筋トレなどの無酸素運動の方がより効果的です。
成長ホルモンの分泌にはもう1つ大事な要素があります。それが痩せていることです。
肥満になると成長ホルモンの分泌が低下することが研究で確認されています。
最初の項目で解説したとおり、運動には肥満を改善する効果が期待できるため、その点でも運動は効果的です。
もちろん、コルチゾールの分泌がコントロールされることも睡眠の質の向上に貢献します。
集中力の改善
集中力の低下もまた現代人の深刻な悩みの1つです。
本を読む習慣がない、やり取りはLINEのような超短文がメイン、たった140字のTwitterも廃れつつある。
このような事実は現代人の集中力の低下を如実に表していると言えるでしょう。
集中力は気合いや自制心の問題と思われがちですが、実際には脳内の神経伝達物質の分泌が大きく関係しています。
その伝達物質とはドーパミンです。
このドーパミンが分泌されることで、目の前の対象に深く集中できるようになると言われています。
つまりドーパミンの分泌が活性化すれば、集中力を高めることができるというわけです。
そしてこの分泌を活性化させる最も簡単な方法がまたしても運動なのです。
しかも運動をした数分後から分泌が活性化するという即効性もあります。
特に心拍数を上げる運動の効果が高いと言われているので、集中力の観点では無酸素運動よりも有酸素運動が効果的です。
ハード過ぎる運動は逆に集中力を落とすので、30分程度の軽いジョギングでOK。
また単発よりも習慣にした方がドーパミンを分泌する能力は高まります。
その他の集中力を改善する方法についてはこちらのページで解説してるので、参考にしてください。
感情のコントロール力が上がる
最近は怒りや不安などの感情のコントロールが上手く行かず、その暴走でストレスを抱えてしまう人が多いようです。
アンガーマネジメントや不安の対策に関する書籍やブログ、YouTube動画などが数多くリリースされてることからも分かります。
意外かもしれませんが、感情は動物的な反応で偏桃体という脳の原始的な部分が関係しています。
危険や不快を回避し、自分の心身の安全を確保するための本能的な反応として感情は存在するのです。
そしてその偏桃体の反応に対してブレーキの役割を果たすのが比較的新しい部分である前頭葉と海馬であり、ここが主に理性を司ります。
そして運動には血流の増加や神経伝達の活性化によって、これらの活動を活性化する働きがあります。
中でも神経伝達物質のBDNF(脳由来神経成長因子)の分泌は感情のコントロールにおいて非常に重要です。
このBDNFは脳の神経細胞の新生、成長を促す物質で、特に海馬の成長に大きく影響します。
つまり運動によって感情をコントロールする能力が向上するということです。
まとめ
非常に膨大な運動のメリットについて解説しました。
運動と言うと身体的な健康の側面が重視されがちですが、脳機能の改善に非常に大きな効果があります。
色んな内容を紹介したので、以下にまとめます。
①ダイエット効果:消費エネルギーは増えないが、肥満の原因に直接アプローチできる
②ストレス耐性のアップ:コルチゾールの過剰分泌を抑え、落ち着かせる能力のトレーニングになる
③睡眠の質の向上:セロトニンと成長ホルモンという睡眠に重要なホルモンの分泌に関係
④集中力:集中力の源泉になるドーパミンの分泌が活性化する
⑤感情のコントロール:偏桃体の暴走を抑える前頭葉と海馬の機能を活性化する
運動と言っても有酸素運動と無酸素運動の2つがあり、性質も効果も大きく異なります。
どちらの方が良いということではなく、両者をバランスよく日常に取り入れて習慣にするようにしましょう。
因みに無酸素運動の代表である筋トレのメリットについてはこちらのページで解説しています。
てなとこで。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません