【代謝の真実】運動をしても痩せられない?|消費カロリーを増やしてもムダな理由

ダイエットの定番と言えば食事制限ですが、実はこれが無意味なことはこちらのページで解説しました。

となるとダイエットに残された手段は運動。すなわち消費カロリーのアップしかありません。
しかしこの運動によるダイエット効果についても知られていない意外な事実があります。
このページでは、ダイエット手法の定番であり基本とされている運動のダイエット効果について解説します。

このページでわかること

・運動で消費カロリーを増やせない理由
・効果的なカロリー消費の方法
・それでも運動した方がいいわけ

1 運動のダイエット効果

一般的なダイエット理論では摂取カロリーと消費カロリーの差し引きが体型を左右すると言われています。
すなわち収支がプラスなら太り、マイナスなら痩せるという理論です。
運動は消費カロリーをアップさせることでカロリー収支をマイナスにし、減量しようというアプローチになります。

しかし実はこの運動でも思ったような減量効果は得られません。
食事制限と同じく効果が出るのは最初のうちだけです。理由は大きく2つあります。
(実はカロリーという指標自体が無意味なのですが、ここでは便宜的にエネルギーという意味で使っていきます)

その方が直感的にわかりやすいからね

①身体の防御反応のスイッチが入る
②消費カロリーが増えても吸収される

1-1 カロリー収支のマイナスが問題

食事制限になぜ効果がないかと言えば、飢餓遺伝子もしくはホメオスタシスの影響です。
いずれも身体の防御機能で、カロリー収支がマイナスになることをキッカケにこれらの反応が始まります。

つまり摂取カロリーを減らそうと、消費カロリーを増やそうとどちらでも関係ありません。
原因はどうあれカロリー収支がマイナスになることそのものが問題で、ブレーキを作動させてしまうのです。

食事制限と同じように、防御反応のスイッチがオンになるまでの期間は運動を増やすことによって体重を落とす効果があります。
しかしいずれはマイナス幅も埋まり体重の減少はストップしてしまうのです。

1-2 基礎代謝は固定ではない

さらに大きいのが、そもそも運動によって消費カロリー自体がそこまで大きくならないという問題です。

下手すると全く増えない可能性すらあるよ

消費カロリーは運動によるものだけでなく、安静時代謝というものも併せた総量です。
食事による熱の発生(食事誘発性熱産生)と合わせて基礎代謝などとも言われます。
これは身長、体重、年齢などある程度固定された数字から計算されるので、基礎代謝は固定というのが一般的な理解です。

しかし実は時々刻々変化するもので、その大きさには運動量が非常に強く影響しています。
さぞ運動によって大きくアップするんだろうと思いきや、むしろ運動による増加分を吸収するようにダウンしてしまうのです。
行動を調整したり、機能(体温や内臓のはたらき)を低下させていきます。

つまり運動を増やして消費カロリーを増やそうとしても代わりに安静時の代謝が下がるので、そこまで消費カロリーは増えないということです。

体育の授業を受けている学校の生徒と受けていない生徒を比較する実験
学校にいる時間に運動がプラスされてる分、前者の方が消費カロリーが多いと予想された。
しかし実際は両者の間でほとんど差がありませんでした。
学校で活発に動かされた生徒は放課後に活動レベルが低く、逆に授業がなかった生徒たちは活発に動いていたからです。
このように意識的か無意識的かはさておき、1日の代謝は一定になるようコントロールされているということ。

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2 運動はする意味は全くないのか?

運動にダイエット効果がないという事実は運動嫌いの人は朗報かもしれません。
一方で運動頼みだったダイエッターにとっては八方塞がり感が否めないことでしょう。
しかし運動をする意味がないと判断するのは気が早いです。
運動には大きく分けると以下のような2つの効果があります。

①健康効果 ②インスリン分泌の改善

2-1 健康効果

割と混同されがちですが、減量と健康は全く別の問題です。
消費エネルギーの増加には寄与しない可能性が高いものの健康を考えるなら運動はすべきだとぼくは思います。

運動が筋力を鍛えたり、心肺機能を改善したりと身体面にメリットが大きいことは多くの人が知っているでしょう。
人間はもともと狩りのために動き回っていたので、座っているより動いている方が健康なのは当然と言えます。

さらにあまり知られていませんが、運動には脳機能を改善させる効果もあるのです。
頭の回転が良くなったり、メンタル面のコントロールが上手くなるなど、現代人を悩ませる症状を改善することが期待できます。

決してキツくてハードな運動である必要はありません。
心身に適度な軽い負荷がかかる程度のモノでOKなので、小さく始めて日頃の習慣の1つにしていきましょう。

運動が人生に及ぼす好影響はかなり広い範囲に及ぶので、詳しくは別のページで解説しています。

2-2 減量効果もある可能性

ダイエットの定番理論であるカロリー収支という観点では、どうやら運動にダイエット効果はなさそうです。
しかし肥満を決定づける真の原因から考えると、やはり運動にもダイエット効果があると考えられます。

肥満の根本的な原因はインスリンの分泌量にあるというのが最新の理解です。
つまり全身でインスリン抵抗性を起こしてしまうことが、肥満の本当の原因ということで、これを改善し予防すれば肥満は改善出来ます。
過剰な糖の蓄積・代謝を行うのは主に肝臓と全身の骨格筋です。
それぞれが糖をしっかり代謝すれば抵抗性は改善していきます。

そして筋肉で起きた抵抗性を改善する最も簡単な方法が運動というわけです。
特に糖の代謝がメインの解糖系の回路が活性化する運動が効果的で、これに該当するのが筋トレなどの無酸素運動になります。

インスリン抵抗性は局所・部位ごとに起きる現象なので、全身の筋肉を隈なく鍛えることが重要です。
同じ理由で、運動をしても肝臓の抵抗性は改善しないので、運動だけですべてが解決するわけではありません。

カロリーで太ると考えていた人にとってインスリンが肥満の原因というのは理解しにくいことと思います、。
インスリンと肥満の関係については以下のページで詳しく解説してるので、参考にしてください。

まとめ

運動のダイエット効果について解説しました。
多くの人がダイエットのため、消費カロリーを増やそうと運動を頑張りますが、運動で頑張った分は安静時代謝の低下で吸収されてしまいます。
そのため、トータルのエネルギー消費量は変わらないということでした。

一方で習慣的に運動を行っている人に肥満の人はほとんどいません。
このことから運動は肥満を予防する上で何かしらの効果があると考えられます。

もちろんアルコールとかジャンクまみれで食生活が破綻してる人は別だけどね

このことも肥満のインスリン犯人説で考えれば何も矛盾することはありません。
すなわち運動によって全身のインスリン感受性が適正に保たれ、体重の基準値が下がっているということです。
特に筋トレなどの無酸素運動は運動それ自体と、筋肉の合成の両方で糖を消費するので、効果が高いと考えられます。

健康効果も幅広く存在することからも、ムリせず出来る範囲から運動を習慣にしていきたいですね。
てなとこで。