腸内環境を悪化させる習慣|現代人の多くが陥る日常のNG行動とは

「腸活」が話題になって久しいので、腸内環境を整えることの重要性は多くの人が知ってるはず。

腸内細菌のエサを積極的に取り入れたり、整腸剤などを服用して菌を腸に届けたり。

そういう足し算の対策はもちろん大事ですが、もっと根本的な部分を見落としてる人が多いです。

それが腸内環境を悪化させてしまう避けるべき悪習慣。つまり引き算の発想です。

腸内にいいモノを送り込んだ瞬間から悪習慣のせいで荒れ始めるようでは終わりのないいたちごっこになります。

このページでわかること

・そもそも腸内環境の悪化とは何か?

・腸内環境を悪化させる習慣とは

腸内環境の悪化とは

腸内には100~1,000種類、合計数百から数千兆個の細菌が住んでいて、総量は1~1.5㎏にも及びます。

3つの陣営のバランスが重要

腸内細菌をザックリ分類すると善玉菌、悪玉菌、日和見菌の3つに分類されます。

善玉菌:身体に良い働きが中心

悪玉菌:悪い働きが中心

日和見菌:基本的に中立で善悪どちらか優勢な方に加担する

実際のとこ日和見菌の働きはよく分かってないんだけどね

腸内環境の悪化とは、これらの腸内細菌の数のバランスが崩れることを言います。

「善玉菌:悪玉菌:日和見菌」の理想的なバランスは「2:1:7」でここからズレると腸内環境は乱れていることになります。

よく「善玉菌を増やそう!」「悪玉菌を減らそう!」的なキャンペーンがありますが、善玉菌ばかりが過剰になってもダメ。

それぞれに役割があるので、悪玉菌を駆逐するようなイメージは間違ってます

3つの比率の最適なバランスが本来の目指すべき腸内の理想的な状態です。

現代人はほぼ全員が悪玉菌優勢だから、ある意味正しいのかもしれないけどね

種類にも注目して

善玉菌、悪玉菌、日和見菌のバランスについて知ってた人は多いでしょう。

見落とされがちだけど本当に大事なのは菌の種類、バリエーションです。

膨大な種類の腸内細菌と共生してる理由はそれぞれ違う役割を担っているからです。

善玉菌の主な役割に短鎖脂肪酸の生成がありますが、菌種によって作る脂肪酸は異なります。

特定の菌ばかりに偏ると、欠落するものが出てくるのです。

3つの分類のバランスだけでなく、その中身、つまり腸内細菌の多様性の減少も腸内環境の悪化と言えます。

腸内環境の悪化で起きること

腸内細菌のバランスの乱れ(ディスバイオーシス)が起こると腸自体にもダメージが及びます。

その影響は日常的、慢性的な不調から大病まで様々です。

腸内環境の悪化によって起こる様々な症状については別のページで詳しく解説します。

準備中

腸内環境を悪化させる原因

腸内環境の悪化は主に自律神経の活動と食生活に関わっています。

具体的にどんな習慣が問題なのか、その影響のメカニズムも含めて解説します。

紹介する悪習慣はどれも些細なことで、ついやってしまいがち。

しかし意識さえすれば簡単に取り除けるとも言えます。

悪習慣のカットも行動の習慣化の一種。

全てを一気に入れ替えようと思っても身に付かないので、徐々に、やり易いモノから実践していきましょう。

自律神経の乱れ

自律神経は脳とは独立して働く神経で、身体のあらゆるリズムをコントロールするものです。

交感神経と副交感神経から成り、この2つがバランスを保つことで心身の健康が保たれます。

自律神経のうち特に副交感神経は腸の活動と深く関わっています。

そのため自律神経の活動が低下したり、交感神経の活動が過剰になると腸の不調に繋がるのです。

そんな自律神経バランスの乱れに繋がる避けるべき習慣を紹介します。

睡眠の乱れ

自律神経の乱れの最も代表的な原因です。

睡眠と言うと時間の長さばかりを気にする人がほとんど。

腸の活動、特にぜん動運動は副交感神経が優位になってる時に活発に起きます。

副交感神経は眠ってる時などリラックス中に優位になるので、その点では睡眠時間ももちろん重要です。

しかしもっと重要なのは睡眠のリズム

同じ時間に眠り、決まった時間に起きるという一定のリズムを保たないと、自律神経の活動が乱れます。

仕事が忙しいなどどうしても生活が乱れてしまう理由はあるでしょう。

でも週末だからと無意味にダラダラテレビを観て夜更かしをするような悪癖は直すのは簡単です。

コントロールできる範囲でもOKなので、睡眠時間そしてリズムを保つよう心がけましょう。

寝だめは意味ないから時間とリズムならリズムの方を優先すべきだよ

運動不足

運動不足も腸の活動を悪化させる原因です。

運動は交感神経の活動を活発にするので、終わった後は反動で副交感神経が活性化されやすくなります。

自律神経の活動にメリハリを作る働きをふるってこと!

また運動自体が直接腸に影響して活動を活発にする効果もあります。

デスクワークや座学が中心の現代人は意識的に運動する機会を設けないと簡単に運動不足に…。

運動と言っても息を切らすようなハードな運動である必要はありません

ハードな運動、長時間の運動は免疫機能を低下させてしまうので、むしろマイナス。

コルチゾールというホルモンの分泌と交感神経の活動が過剰になるからです。

軽いウォーキングやジョギングなど、サッと汗を流して気持ちいいレベルの運動で十分。

これくらいなら運動が苦手な人でも十分できるはずなので、ぜひ習慣にしましょう。

ストレス

ストレスも自律神経のバランスを乱す原因です。

強いストレスに晒され続けていると交感神経が優位になってる時間が長くなります。

するといつでも臨戦態勢になれるよう準備しておくべきと身体が学習してしまい、副交感神経が優位になりにくい状態に

家に帰ってストレスから解放されてるはずなのに、気が張った感じが続くのはこの状態と言えます。

現代人がストレスと無縁で過ごすのは難しいので、自分なりのストレス解消法を見つけておくことが大事です。

また発散しきれないほど過度なストレスを感じる環境なら、離れてしまうことを強くオススメします。

お金よりも健康の方が圧倒的に大事です。お金のために身を削って早死にしちゃ元も子もありませんよ。

オフィスワーク

現代人の多くが従事するオフィスワークも自律神経の乱れの原因です。ポイントは日光

陽の光を浴びることで体内時計(サーカディアンリズム)を調節してると聞いたことがあるはず。

この体内時計の中心こそ自律神経です。

日中は陽の光を浴びて交感神経を活発に動かし、暗くなったら副交感神経を優位にしていく。

しかしオフィスワークのような内勤の人は肝心の日中に日光をほとんど浴びれません

LED照明もかなり明るく感じますが、大雨の日の窓際くらいの明るさしかなく、日光には程遠いのです。

すると昼にも関わらず暗くなってきたと勘違いして副交感神経が優位になってしまいます。

そして夜は寝る直前までスマホの光を間近で見続けて急に寝落ちする。

こんな昼なのか夜なのか分かんない環境に置かれたらリズムが狂うのも無理ないでしょう。

いきなり外勤になるのは無理でしょうが、休憩時間には外に出るくらいの対策はすべきです。

食生活の乱れ

腸は食べ物を消化する器官なので、そこを通る食べ物は一層ダイレクトに影響します。

腸内環境を乱す食品はスーパーやコンビニの棚に山ほど並んでるので、意識的に避けて生活しなければいけません。

早食い

仕事や勉強をしながら片手間に食事をしたり、短い休憩の間に急いで食べたりする人も多いはず。

早食いの悪影響は沢山ありますが、腸内環境の悪化もその1つです。

早食いの何が問題かと言えば、特に噛む回数が少なくなること。

咀嚼は消化器官に食事の合図を送る手段であり、消化酵素など準備を始めさせます。

しかし噛む回数が少ないと食事と認識しにくく、酵素の分泌などの消化活動が緩やかに。

消化が不十分な食べ物は小腸で吸収されにくく、多くが大腸まで残ってしまいます。

エサが豊富すぎるのも問題で、細菌が爆発的に増え、腸内環フローラのバランスが崩れやすくなります。

さらに腸内細菌による分解にも時間がかかるので、通過にかかる時間が長くなる、つまり便秘です。

便秘は腐敗させやすく、特に悪玉菌の増殖など身体の不調に直結するフローラの悪化を起こします。

不規則な食事

生活のリズムが大事なのは自律神経のとこでも解説しましたが、食事のリズムも例外じゃありません。

咀嚼によって消化の準備をすると説明しましたが、体内時計が整ってれば事前に準備を始めます。

しかし食事のタイミングや量が日によってバラバラだと、いつ・どんな準備をしていいのか分かりません。

そうなると胃酸が過剰に出たり、逆にいざ食べた時に十分に消化されなかったりします。

また食間が十分に空かないと小腸の活動が低下するという問題もあります。

お腹が空いた時の「グゥー」というお腹の音は小腸のぜん動運動によって発生します。

主に空腹になった時に活発になるので、食間を空けずに食事するとぜん動運動が低下。

便秘の原因にもなり腸内環境を悪化させてしまいます。

タイミングはもちろん量も含めて毎日決まったリズムで食事を摂ることが重要です。

食事内容の偏り

食事はバランスが大事と言われますが、それは減量に限らず腸内環境の改善においても同じです。

腸内細菌は種類ごとそれぞれ食べられるモノが決まっています。

食事のバランスが偏り、特定の食品しか入ってこなくなると、それを食べて生きられる菌しかいなくなってしまいます。

つまり腸内細菌の多様性が失われてしまうのです。

食物繊維の不足

腸内細菌は人間が消化できなかった食品、栄養素などを食べて生活しています。

食物繊維などの難消化性の炭水化物がその代表であり、主に善玉菌が好んで食べます。

食の西洋化によって、この大事な食物繊維が現代人はかなり不足していて、善玉菌は餓死寸前の状態です。

高タンパクの食事

西洋食は食物繊維が少ないだけでなく高タンパクという特徴もあります。

タンパク質は血肉になる重要な栄養素ですが、吸収しきれずに余った分は悪玉菌のエサです。

悪玉菌は便を腐敗させ、アンモニアやインドールなどの有害ガスを発生させます。

これら有毒物質が血管などに吸収されて全身を巡ることで各所に様々な不調を起こすのです。

高脂質の食事

脂質(特に飽和脂肪酸)を摂ると肝臓から胆汁が分泌され、腸で2次胆汁酸に分解されます。

この2次胆汁酸(デオキシコール酸)には界面活性による殺菌作用があり、腸内細菌を滅菌してしまいます。

そんな環境でも生き残れる種類だけが大繁殖し、腸内環境のバランスが大きく悪化するのです。

具体的にはファーミキュティス門の菌が増加し、バクテロイデス門の菌が減少します。

(参考:北海道大学大学院研究より)

この種の細菌叢のバランスの乱れは、粘膜の不足を通じて腸に隙間を作り出します。

未消化の食べ物や毒素が直接吸収され、慢性的な疲労感や糖尿病、そして大腸がんになる可能性まで示唆されてます。

実は高糖質も…

ダイエットで注目されている糖質ですが、実は糖質の過剰摂取も腸内環境を悪化させる可能性が指摘されています。

減量だけでなく腸内環境の改善の観点からも糖質を適量に抑える制限は必要ということです。

ただ「糖質なら何を削っても同じ」というわけでもありません。種類によって影響が大きく変わります

糖質の腸内環境への影響については別のページで詳しく解説します。

腸の不調の原因が身体に合わない糖にある場合もあるので、気になる人はこちらもどうぞ。

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アルコール

アルコールも腸内環境を悪化させる原因です。

食前酒のようなホントに少量のお酒であれば、消化酵素の分泌を促し食欲や消化効率をアップさせる効果があります。

しかし習慣的にそれ以上のアルコールを摂取していると、腸内環境はかなり悪化してしまいます。

習慣的に飲酒をしてる人の腸内では、ビフィズス菌などの「偏」性嫌気細菌が激減。

(参考:東北大学大学院、文部科学省Jステージ掲載論文より)

この腸内細菌バランスの乱れが大腸がんのリスクを上げてい可能性が指摘されているのです。

大腸がんの原因かはさておいてもバランスの乱れは全身の不調に繋がります。

ちなみに飲酒する人は飲まない人の3倍大腸がんのリスクがあることは既にハッキリしてるよ

さらにここに喫煙が重なると大腸がんのリスクはさらに跳ね上がります。

飲酒と喫煙のいずれも多量の活性酸素を発生させるので、それが原因とも言われています。

ちなみにアルコールの飲み過ぎで下痢をする人がいますが、これはアルコールが腸管からの水分の吸収を抑えるからです。

(参考:厚生労働省HP e-ヘルスネットより)

下痢は腸内細菌にとっては洪水のようなモノで、仕事をするどころではなく押し流されて体外に排出されてしまいます。

この意味でもアルコールは好ましくないでしょう。

腸管洗浄が一部で流行ってるみたいですが、やってることは下痢と一緒。腸内環境にはマイナスです。

加工食品

加工食品には賞味期限や消費期限を延ばす目的で保存料が使われてることが多くあります。

マックのハンバーガーを1ヵ月放置しても全く腐らなかったという衝撃的なSNS上の投稿が記憶にある人も多いのでは?

腐りにくいのは一見いいことのように思えますが、これは腸内細菌にとっては大問題です。

「腐る」というのは細菌などの微生物が分解した証拠。腐らないということは細菌が分解できないということです。

では何故分解できないのか?それは保存料が細菌の増殖を抑える物質だからです。

そんなモノが細菌の住処である腸内に投げ込まれたらどうなるか?細菌たちは増えられないどころか殺菌されてしまいます。

腸内環境をズタズタに崩壊させる薬品が含まれる加工食品はなるべく食べないのが吉です。

ちなみにハムとかウインナーみたいな加工肉は肥満、大腸がんのリスクも上げるよ

水不足

便秘に悩む女性が多いですが、様々な原因の中でも最大の理由が水分の不足です。

1日で500mlのペットボトルも飲み切れないという人も結構いるみたいですね。

正常な便は8割が水分です。水分の不足は便を硬くしてスムーズな排便を妨げます。

「硬い便=タンパク質の摂り過ぎ」ではなく、単なる脱水の可能性が高いのです。

便の状態から自分の腸内環境や足りないモノ、過剰なモノが分かるのは非常に重要なこと。

便の状態の見極め方については別のページで詳しく解説するので参考にしてください。

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硬い便は便秘を通じて腸内環境を悪化させるだけじゃなく、排便時に痛みを伴うこともあります。

悪くすると痔になるしね…

水分の摂取は喉の渇きを自覚してからじゃ既に遅いので、小まめに水を飲む習慣をつけましょう。

ちなみに1日の水分摂取量を気にする人がいますが、あまり意味はありません。

総量にこだわりすぎると、気付いたときにガブ飲みするような感じになるからです。

一気に飲んでも不要な分はすぐに排出されてしまうので、「何分おきに1口飲む」など簡単な習慣にする方が効果的。

習慣になるまでは水を飲むタイミングを教えてくれるアプリの活用もオススメですよ。

抗生物質

自律神経や食事とは別に、腸内細菌にとって絶大なマイナスになる習慣が抗生物質の服用です。

抗生物質は風邪を引いた時からニキビができた時まで処方される、ぼくたちに最も身近な薬。

人類最大の発明とも言われ、各種の症状に非常に強い効果を発揮します。

しかしこの効果の強さが腸内細菌にとっては仇になります。

抗生物質は症状の元になってる原因菌はもちろん、無関係な腸内細菌までまとめて殺してしまうからです。

腸内細菌は同じ種類でコロニーを形成していて、その姿が花畑に似てることから「腸内フローラ」とも言われます。

抗生物質の服用は紛れ込んだ虫を駆除するために花畑全体に火を放って殺そうとするようなもの

長期の抗生物質の使用は腸内環境に悪影響。処方されたクール(期間)を守るべし

このような説明をする専門家もいますが、抗生物質の破壊力は絶大で1回の服用でも腸内細菌にはかなりのダメージ。

しかも厄介なことに、腸内で増えると悪さをする菌に限って抗生物質の火事から生還しやすい。

他の菌がほとんどいなくなった広い腸を独占できるので、生き残りだけが爆発的に増えます。

この乱れが新たな病気や感染を引き起こしやすい環境を作ってしまうのです。

抗生物質で免疫を担う腸内環境を悪化させ、また感染しては抗生物質を服用するという負のループ

睡眠や食事、運動などの生活習慣、そして規則正しい生活リズムを整えて、抗生物質に頼らず健康を維持することが非常に大事です。

まとめ

腸内環境を悪化させる習慣について解説しました。

忙しく、生活習慣が乱れがちな現代人にとってかなり身近な行動が多かったのでは?

何かを止めたことの効果って実感しにくいですが、こと腸内環境においては何かを足すよりも効果的です。

慣れないことをやり続けるより、やらないで居続けることの方が実は簡単。

時間やお金がかからない、むしろその節約になるような習慣ばかりです。

個人的にはどれも今日から始められることだと思いますが、いきなりが難しいならハードルの低いモノから徐々に止めていきましょう。

習慣的な積み重ねのインパクトは良くも悪くも大きいので、悪習慣は早いうちからカットしておくことをオススメします。

てなとこで。