【リスキリング】言語化力の重要性|これから特に必要になる能力

リスキリング(ざっくり言うと「新たなスキルの習得」や「学び直し・ブラッシュアップ」などの意)っていうワードを耳にする機会が最近増えてきたと思います。
もう1つの流行り言葉のVUCAにも表れているように、変化が速くかつ不規則な時代に追いついていくために、人間自身も柔軟なトランスフォームが必須です。

最近のスキルって言うとプログラミングやAI活用などIT系の知識・技術のことのイメージがあります。
日常・ビジネスともデジタルがスタンダードになる時代において、そういったIT関係のスキルが重要になるのは間違いありません。

言語化力と聞いてピンと来ない人も多いかもしれませんが、個人的にこれは非常に重要な能力だと思っています。

しかし時代や職種などの環境を越えていつ・どこでも必要かつ重要とされるスキルもあります。
ポータブルスキルなどとも言われるもので、ハイテクで目新しいものじゃありませんが、重要性を失いません。

その代表例が今回お話する「言語化力」です。
というのも実用性もさることながら、このスキルを習得できてる人がさほど多くないからです。

希少性の点でも身につけた方が良いってことね

ビジネスだけじゃなくプライベートでも役に立つスキルだよ

そこでこのページでは、重要性が色褪せることのない言語化力について解説します。
あまり馴染みがなく、意識したことがない人も多いかもしれませんが、今回の解説を読んでもらうことで、その重要性を認識し、習得を始めるキッカケになるはずです。

言語化力とは何か?

そもそも言語化力って何なのよ?って思ってる人も多いかもしれません。
言語化力とは、自分の脳内にある情報を言葉にして相手に正確に共有することができる力のことと個人的に定義しています。

ちゃんと伝わる形に表現する能力ってことか

同じ言語を共有することは大前提として、思考を表現するための語彙・ボキャブラリーの豊富さ、それを整理して伝える論理性、より説得力や伝達力を増すための表現方法・非言語的コミュニケーションも含まれます。

言語化力が重要と考える理由や具体的なシーンについては以降のパートで解説しますが、言語の重要性は今に始まったことじゃありません。
人類がここまで進化してきたのは言語を扱えたお陰であり、その結果として生態系の頂点に君臨することができました。

ヒューマンファースト過ぎてなんか解せないけどね…。

とは言え種族対抗天下一武道会やったら人間が最強だよ

動物にも非言語のコミュニケーションは存在しますが、人類の言語は横の広がりだけじゃなく縦の広がり、すなわち時空を越えます
それができたからこそ、知識や情報を伝承して積み上げて進化してきたのです。

動物はずっとポケベルのままだけど、人間はiPhone10~11~12…と代ごとに進化してきた感じ

最近のiPhoneは世代変わっても中身は大差ないけどね

進化やレベルアップは古代の話に限りません。
これからの時代においても知識や情報、思考を正確かつスピーディーに共有できた人や組織だけがグングン先に進んで行くことになります。

以降のパートで具体的な活用シーンを紹介してくよ

言語化力の重要性1 人を動かす力になる

まず1つ目が人を動かす力になるってポイントです。
言語を使って戦略を共有して他人を動かし、組織的に行動できたからこそ、1個体は大した力を持ってないのに自分たちより大きな獲物を捕えたり、建造物を構築したりできました。

人を動かす上では理性的な納得感情的な納得の2つの側面を備える必要があります。
一方だけじゃ人を十分かつ適切に動かすことはできません。

理性に訴えるだけだと行動への熱量を引き出せないね

逆に感情だけだと暴徒化したり歯止めが効かなくなるから両方が必要

理性的な納得の重要性

理性的な納得は直感的にイメージしやすいと思います。
説得とそれに対する理解を引き出すことと言い換えてもOkです。

指示の内容やそう行動すべき理由について理論的に伝えることで相手の理解を引き出すことが出来ます。
ここで言語化力が不十分だと、指示内容が誤って伝わってしまったり、理解して貰えず従ってもらえなかったりします。

自分のコピーとして組織化して行動をスケールできないんだね

22世紀になったらコピーロボットが使えるんだけど…

どんな組織でも一定数は指示ベタな上司っていると思います。
自分自身もそれに当たるかもしれないので再確認して欲しいですが、「言った」と「伝わった」は完全に別モノです。

「言った」は発言した、情報を発信したという単なる事実です。
相手がそれを正確にキャッチ・理解してくれなければ「伝えた」ことになりません。

「言った=伝わった」と思い込んでる人は指示下手人間って思われてるかもね

聞き手にも理解しようと努める必要はありますが、発信者が正確に言語にしてなければ読解・理解はかなり困難です。
相手の理解力のせいにする前に、自分の発言が他人が理解できるような言葉になってるか考えてみましょう。

感情的な納得の重要性

人を真の意味で動かすには理性的な納得だけじゃ足りません。
感情的にも納得してもらうことで、初めて力強い行動を引き出すことができます。

またこれからの時代は影響力・発信力も非常に重要です。
個人にせよ企業・組織にせよフォロワーの数がそのまま戦闘力になります。

薄いファンを多量に獲得しても薄利多売で、持続力の弱い体制になってしまいます。
一方で固定ファンを作れれば、さほど数は多くなくとも盤石な体制になるので、ビジネスやコンテンツを成功させやすいです。

いわゆる太客ってやつ

この根強いフォロワーを獲得するにも、理路整然と理性的に伝えるだけじゃ不十分です。
感情的な納得(パッション・熱狂)を喚起しないことには、強く引き付けることはできません。

カリスマ性の象徴のヒトラーもスピーチの名手だったらしいからね

どの本もセミナーも言ってることに、それほど大差はありません。
科学の進歩によって最適解はほぼ判明してるので、言うべき内容にはさほど差がつかないのです。

革命的で画期的な新情報なんてほとんど出てこないからね

最適なダイエットは糖質制限でも脂質制限でもなく栄養バランスってね

この時代においてフォロワーを獲得するために肝心なのは、このつまらない最適解をどう魅力的に見せ、伝えるかってことです。
つまり言い方が重要で、ここに言葉を操る力の重要性が現れます。

言語化力の重要性2 デジタルとの意思疎通

先ほどは人間相手の話でしたが、次は機械を動かす話です。
これからの時代はICT化・デジタル化が進むので、人より機械を相手にすることが多くなるかもしれません。

その最たるものがプログラミング

プログラミングって言うとコード・各言語のルールの習得などがメインタスクのように思われがちです。
確かにその習得も必要ですし、学習の分量が多いのでそこに目がいきがちですが、実は本質はそこじゃありません。

自分が何をしたいのか、どう動かしたいのかを機械に論理的に言葉で指示を出す必要があります。
人間どうしなら阿吽の呼吸や行間を読んでもらうなど、言語にしないコミュニケーションも成立しますが、プログラムの場合はそうは行かないのです。

「こんな感じ」とか言っても機械は解釈してくれないもんね…。

ChatGPTにコードを書かせるにもプロンプトにしないといけないし

ゆくゆくはAIが行間まで解読できるようになるかもしれませんが、かなり遠い未来の話でしょう。
日本語は他の言語に比べて解釈の幅が広くて難易度が高い上に、言語データが圧倒的に不足してるからです。

「真面目にお勉強」だけは日本人の得意分野なので、習得・学習の段階ではやる気さえあればさほど苦労はしないと思います。
一方でこれを実際に使う段階になったところで苦労する人は多いんじゃないでしょうか。

使えなかったら知識があっても習得したとは言えないね

ここでデキる人と無能とで大きな差ができるんだろうね

また言語化力の要素の1つである論理性の欠如もプログラミング実践のマイナスになります。
論理欠如で構造が複雑怪奇で他人が判読できないコード、メンテが大変なコード(ハードコーディングなど)を書いてしまうのは無能プログラマーの典型です。

先ほども軽く触れたとおり、これまでの人間どうしのコミュニケーションだけなら阿吽の呼吸とか行間を読むとか言葉にしない文化で成立してきました。
つまり言語化力がくてもどうにかこうにか凌いで来れたわけです。

話し手の言語化力の欠如が原因なのに、KYとかJKとか言ってその詰みを聴き手になすりつけられたからね

しかしこれからの時代はこんなコミュニケーションは通用しません
機械・プログラミングの話がメインでしたが、これからのことを考えると外国人とのコミュニケーションも避けては通れないでしょう。

不明瞭なコミュニケーションでも成立するのは人間どうしというより、もっと狭く日本人どうしであって、これは外国人にも通じません。
「日本人はハッキリものを言わない民族だ」ってクレームは有名な話で、これをそのままにしておいてしまうと苦労することになるでしょう。

あえて「言わない」だけなら良いけど、「言えない」人が多そう

言語化力の重要性3 感情のマネジメント力

ここまではビジネスシーンメインで話してきましたが、最後の話はビジネスはもちろんプライベートでも役立ちます。
それが言語化力が感情のマネジメントで果たす役割です。

ずっとイライラしてる人とかすぐキレる人とかには必須だ

「キレる=若者」ってレッテル貼られてるけど、実際はオッサンの方が多い

感情コントロールの重要性は最近強く認識されてきてる印象です。
アンガーマネジメントとかストレスケアとか目にする機会が増えた気がします。

それだけ現代人のメンタルがヤバいってことかもね…

感情をコントロールできない状態はほぼ本能100%の動物の状態です。
知性の欠片もない状態なので、合理的な判断などできるわけがありません。

自分自身の言動もコントロールできないですし、感情全開の攻撃・感情ビームってレッテル貼られてしまうので、中身に聞く耳持ってもらえない問題もあります。

少なくともぼくは聞くのを止める

感情のコントロールの重要性は語りだしたらキリがないですが、凡そ重要であることは分かって貰えたと思います。
この感情のコントロールにおいても言語化の力が非常に重要です。

感情を書き出すことで昇華させるって心理コントロールのテクニックを耳にしたことがあるでしょうか?
自分の感情の状態や、そう感じている理由・原因、その対策法などを具体的な文字に書き出す方法です。

感情を感情のままにしとくのはカオスで、膨張していってしまいなかなか治まらなくなってしまいます。
言語化することで範囲を明確に区切れて膨張を止められますし、理性のフィールドに持ち込むことができるので、具体的かつ客観的な視点で適切に処理することが可能です。

相手に不合理な要求をしてるとか気付けたりもするよ

自分にも責任の一端がある場合もあるしね

こういう責任の分界点とか相手への要求が明確になれば、それを相手に理性的・アサーティブに伝えることもできます。
内容が整理できてることに加え、その時間で感情の熱が冷めて冷静な思考を取り戻しつつあるからです。

「気持ちの整理をつける」って言葉には何となく時間を置くみたいなイメージがありますが、これだけだと感情の熱は冷めますが、本体のモヤモヤは解決はしません。
なので、ただ放置して受動的に待つんじゃなく、能動的に言語化して解剖する必要があります。

ここで言語化する力が不足してると、アウトプットして整理できないので感情を取り除かないままぶつけてしまいます。
整理されてない上に感情も乗ってるので、相手からすると泥をぶっかけられた感覚です。

アンガーマネジメントの視点での話がメインになりましたが、私生活においては怒り以外にも不安や心配事・ストレスなど、他にもネガティブな感情の処理が必要なシーンが多いでしょう。
こうした対処にも活きるので恩恵は大きく、習得は必須と言えます。

まとめ

言語化力を身に付けるメリット・重要性について解説してきました。
これからの時代に必要とされるスキルは時々刻々と変化していきますが、時代を越えても色あせることのない重要な能力だと思います。

まず人を動かす上で言語の力は欠かせません。
理性的な納得感情的な納得の両方を引き出すために、自分の考えを明瞭かつ効果的な表現で相手に伝える必要があります。

伝わらないってことは論理かモチベのどっちかが不足してるってことね

ちなみに何を言うかが基本で、どう言うかが応用って感じ

またこれからの時代は日本人だけじゃなく、外国人コンピュータを相手にすることが多くなります。
日本人どうしのコミュニケーションなら「阿吽の呼吸」や「空気を読む」も成立しますが、外国人・機械にはこうも行きません。

そう考えると日本語ってかなり高度で特殊なコミュニケーション

さいごに感情のマネジメントにも言語化は重要です。
感情を言葉にすることで、理性のフィールドに持ち込むことができるので、具体的かつ適切に処理でき、アサーティブなコミュニケーションができるようになります。

自分の感情の構造を理解することは、自分の不合理性を把握することにも繋がります。
思考のクセや不当な要求を周囲にしてないかを考えられるようになり、精神的にも成熟するはずです。

ストレスとか不安とかネガティブな感情の処理にも役立つよ

脳内の情報をビジョンとして共有できるテクノロジーでもできない限り、言語にして「伝える」っていうアクションの重要性は揺らぎません。
半永久的に有用なスキルだと思うので、脳内の情報を言語に変換する力をつけるトレーニングを意識的にしてみましょう。
てなとこで。