タンパク質はヒーロー?|摂取に伴うデメリット【知られざるダークサイド】

タンパク質というとかつては筋トレをしているムキムキ男のためのものというイメージでした。

しかし今では糖質制限の流行を受けて筋トレをしていない人にまで浸透しています。

脂質もダメ、糖質もダメとなった今、三大栄養素の最後の1つであるタンパク質は救世主のような扱いです。

実はよく知らないで崇めてはいないでしょうか?

あまりにタンパク質信仰が強すぎると身体への悪影響を軽視してしまう恐れが…。

このページでわかること

・タンパク質の基本知識

・タンパク質のメリット

・タンパク質のデメリット

タンパク質とは

タンパク質は三大栄養素=PFCのPであり、人間の活動に欠かせない主要な栄養素の1つ。

私たちの身体の大部分がタンパク質でできているため、その血肉を作る働きが中心です。

タンパク質の分類

タンパク質は大きく動物性と植物性の2種類に分けられます。

魚や家畜から摂取する動物性のイメージが強いですが、同時に脂質も多く含むのでコレステロールや肥満のリスクも高まります。

タンパク質源を偏らせることなく、大豆やブロッコリーなどの植物性のタンパク質もバランス良く摂取しましょう。

植物性タンパクの落とし穴

ヘルシーそうだし植物性だけにしちゃえばいいんじゃない?

逆に女性の中には動物性のリスクを警戒して植物性に偏る人がいますが、これにはマイナス面もあります。

植物は動物にはない硬い細胞壁というものに覆われていて、これは人間の消化液では壊せません

つまり咀嚼が不十分で細胞壁が壊せていないとそこからタンパク質をほとんど吸収できないということ。

しかも吸収できた植物性のタンパク質が動物性と同じように血肉を作る働きをするとは断言できないという問題も。

どれかに偏るのではなく色んな食べ物から摂るようにしましょう。

タンパク質の摂取目安

タンパク質の摂取には上限と下限があります。

最低限の摂取量

特にハードな運動をしない場合には(除脂肪)体重1㎏につき1g程度が目安。

体脂肪を除いた残りの体重が50㎏の人なら1日50gってこと

これが身体の活動を維持するための必要最低限。

けっこう簡単そうに見えますが、意識していないと意外と達成するのが難しいです。

脂質をカットしてタンパク質を摂取しようとヒレなどの赤身肉が人気になりましたが、実はタンパク質は20%しか含まれていません。

これだけで必要量を摂ろうとすると250gもの肉を食べなければいけないことに。

さらにハードな運動をする場合にはこれが2倍、3倍になります。

こうした不足を生まないためにプロテインを補助で活用するわけです。

吸収のスピード

タンパク質の消化と吸収には大きなエネルギーを使うので、1食当たりの摂取量を抑えないといけません。

平均すると20gが境になっていて、ここを超えると吸収効率が一気に低下すると言われています。

もちろんこれはあくまで平均であり消化能力には個人差があります。

30g摂ってもしっかり吸収できる人も入れば、15gでも消化効率が落ちてしまう人も。

お腹がゴロゴロしたり、便秘がちになったりしないかチェックしながら量を調節していきましょう。

タンパク質のメリット

タンパク質は筋肉をつけるために欠かせない栄養素です。

ただそれだけでなく、高いダイエット効果もあります。

GI値が低い

糖質制限でGI値という指標が注目されるようになりました。

GI値についてはこちらで解説しています。

簡単に説明すると血糖値の上げやすさを表したもので、高いほど体脂肪の蓄積を進めやすくなります。

GI値は糖質が多く含まれる食品ほど高く、タンパク質と脂質を多く含むものは低いので、肉などのタンパク質はダイエットに効果的ということです。

しかもGI値が低い食品は腹持ちがしやすいという特徴もあるので、食べ過ぎや間食防止にも役立ちます。

食事誘発性熱産生

何やら難しそうな言葉ですが、中身は非常にシンプル。

消化によって発生する熱量が多いということです。

既に説明した通り、食べ物の消化・吸収作業にもエネルギーを使います。

そこで発生する熱量が多いということは、それだけ多くのエネルギーを消費したということです。

これが代謝に繋がります。

タンパク質の消化で発生する熱量は糖質・脂質と比較すると30:7と実に4倍以上!

食べるだけで消費カロリーが増えるということです。

タンパク質のデメリット

ダイエット効果が高く大注目のタンパク質ですが、良いことばかりではありません。

腸内環境の悪化

腸内の悪玉菌はタンパク質をエサにして増殖します。

既に解説した通りタンパク質の消化・吸収には限界があるので、食べ過ぎると消化できない分がいつまでも腸内に残り続けます。

その残ったタンパク質を悪玉菌が分解し始め、増殖してしまうのです。

そうして以下のような症状が現れ始めます。

・オナラの臭いがきつくなる

・便秘気味になる

・肌荒れ

・体臭や口臭がきつくなる

後半になると日常生活にも支障をきたします。

肝機能の悪化

肝臓は様々な役割を担っていますが、その中にアンモニアの分解という作用があります。

このアンモニアはタンパク質の分解過程で生じるものです。

つまり多量にタンパク質を摂取すると、肝臓の負担が増して機能が低下する可能性があるということ。

肝機能についてさらに詳しく知りたい方はこちらのページをご覧ください。

尿酸値の上昇

尿酸といえば痛風、通称「ぜいたく病」の原因になるモノです。

プリン体が主な原因ですが、タンパク質を多く摂取する人が高い傾向にあります。

痛風単体でも十分苦しいものですが、さらに悪くすると他の臓器にも悪影響を及ぼし始める怖いものです。

尿酸値についてさらに詳しく知りたい方はこちらのページをご覧ください。

腎機能の悪化

腎臓はあまり聞きなれない臓器かもしれませんが、非常に大事な役割を担っています。

その腎臓は尿酸値の影響を受けて機能が低下する可能性があると言われています。

さらに腎機能が悪い人はタンパク質の摂取制限がかかるので、直接でも腎機能に影響する可能性が…。

症状が悪化するとかなり厳しい生活を強いられるようになるので、注意しましょう。

腎臓についてさらに詳しく知りたい方はこちらのページをご覧ください。

まとめ

タンパク質について基本的なことを解説してきました。

今やダイエッターの食卓のヒーローになりつつあるタンパク質ですが、良い面ばかりではありません。

内臓の機能によって差はありますが、いくらでも食べていいというものではないということ。

ましてや肉食ダイエットなんて愚の骨頂です。

三大栄養素の糖質や脂質をカットしても健康を維持しながら必要なエネルギーを確保する、そんな都合のいい方法はありません。

逆に言えば健康で理想の体型を実現するには糖質や脂質も必要ということです。

多少の調整はするにしても、3点のバランスを保つことが基本。

てなとこで。