【都合の良いことばかりじゃない?】リーンバルクの2つのデメリットと対策

健康的な減量テクニックとして最近はリーンバルクの人気が高いようです。
「リーンバルクって何?」って人は、こちらのページで解説してるので参考にしてください。

一般的な増量のイメージとは異なり、めちゃくちゃな食事をすることなく、しっかりコントロールして増量していく方法です。
ただダーティバルクみたいな闇雲な増量ほどではないにせよ、リーンバルクにもデメリットがあります。
このページではリーンバルクのデメリットとその対策について解説します。

1 リーンバルクのデメリット

リーンバルクの特徴をザックリまとめると、カロリーコントロールを厳密にする代わりに食品の制限をしない方法です。
この方法には以下に挙げる2つのデメリットがあります。

①ジャンクフードの悪影響 ②カロリーコントロールの問題

1-1 ジャンクフードの悪影響

リーンバルクでは、食品の制限がありません。
そのためカロリーの範囲内であれば、ジャンクフードを食べることも許可されています。

しかしこのジャンクフードの摂取は色んな意味で問題で、中でも質の低い脂質が多量に含まれることには注意しなければいけません。
具体的には飽和脂肪酸と人工のトランス脂肪酸です。これらは体内で代謝されにくく、慢性的な炎症に繋がります。

またリーンバルクの理念は「カロリーコントロールによってムダな脂肪をつけない」ことですが、これもジャンクの摂取によって怪しくなります。
あまり知られていませんが、ジャンクに含まれる脂質は身体の代謝機能を落とす働きをしてしまうのです。
より厳密に言うと、脱共役タンパク質(UCP)活性の低下です。

<脱共役タンパク(UCP)とは?>
別名を浪費遺伝子と言い身体のエネルギー消費効率を高くする。
つまり身体の燃費を落とす役割をするもの。

脱共役タンパク質の活性が低下するとエネルギーが消費されにくくなり、エネルギーの余剰が多くなります。
当然あまったエネルギーの行き先は体脂肪です。

同じカロリーでもジャンクで摂取した方が太りやすくなるのはこういう理由からなんだね

1-2 カロリーコントロールの問題

カロリーを厳格にコントロールするリーンバルクでは、以下の2つの困難が伴います。

①正確な必要カロリーの計算 ②PFCバランスの調整

1-2-1 メンテナンスカロリーを計算できる?

リーンバルクでは、必要カロリーをギリギリ上回るカロリーを設定します。
オーバーすれば余分な体脂肪がついてしまいますが、逆に足りないと筋肉が分解されてしまいます。
それだけメンテナンスカロリーは重要ということです。

しかしそんな重要なメンテナンスカロリーを正確に計算できるかというとかなり怪しい。
まず基礎代謝を体重や身長などを元に計算しますが、これらの数値がほぼ固定であるのに対して実際の基礎代謝の値は日々変化していて固定ではありません。

またメンテナンスカロリーを算出するために使う運動強度依存定数もなかなかの曲者です。
5パターンが用意されてますが、ピッタリ当てはまるものがあるとはかぎりません。
そもそも「強度」の判断が主観に頼る点も問題です。

詳しい計算方法は冒頭でリンクを掲載してるリーンバルクの基本を解説したページで確認してね

1-2-2 PFCバランスの調整

筋肉を成長させるためには基本的なPFCバランスは守らなければいけません。
カロリーの範囲内であれば何を食べても良いと言いますが、ジャンクを食べながらこれを両立するのはなかなか困難です。

ジャンクフードなどの加工食品の成分表示を眺めてもらえば分かりますが、これらの食品はほとんどが糖質と脂質で出来ています。
しかも密度が非常に高いのです。
そのためあっという間にこれらの必要量に達してしまいます。

だから何も考えずに食事してるとタンパク質不足になるんだね

筋トレにおいてタンパク質は欠かせませんが、なかなか純粋なタンパク源というのはありません。
吸収率や人工甘味料の問題がある点で、プロテインを多用するのも考え物です。
結果的にトータルでかなりのオーバーカロリーになってしまいます。

2 リーンバルクのデメリット対策

リーンバルクを上手く進めるためには、これらのデメリットに上手く対処する必要があります。
具体的には以下の2点を考えましょう。

①ジャンクの量を抑える ②カロリー計算法を見直す

2-1 ジャンクフードを制限

食べるものの制限がないことが売りの1つになってるリーンバルクですが、カロリー制限をクリアするためにはジャンクフードの量を調整しないといけません。

なんか詐欺にあったような気分だな…

何となく「約束と違うじゃんか!」と感じてしまうかもしれませんが、都合の良いことばかりじゃないのが世の常です。
脂肪をつけないことと食欲のどちらが大事か。結局は優先順位の問題です。

ジャンクフードとして何を食べるかと、個々人が設定したPFCバランスにも依りますが、1日1~2個くらいが限度でしょう。
これを越えるとカロリーオーバーかタンパク質不足のどちらかになってしまいます。
筋トレにおいてはタンパク質の摂取量が最優先です。
タンパク質を中心に考えて、余ったカロリーの範囲内でジャンクを選択するという順番の方が合理的だと思います。

2-2 カロリー計算の方法を見直す

一般的な計算では正確に必要カロリーを算出できない可能性が高いので、方法を見直す必要があります。
以下に挙げる方法を併用して精度を高めましょう。

①活動量計 ②減量幅から逆算する

まず最もシンプルな方法は活動量計です。
実際の消費エネルギーが分かれば、増量カロリーの算定も容易になります。
運動強度依存定数の問題は残りますが、体組成計で測った基礎代謝をもとに計算する方法も次善の策としてはアリでしょう。
いずれの方法であっても、それなりの精度を確保するために、グレードの良い機器が必要です。

ただいくら性能の良い機器であっても、精度には限界があるため、完全に信頼はできません。
他の方法でも算出して、それらの数字の間で調整する必要はあります。

もう1つの方法が減量幅からメンテナンスカロリーを推定する方法です。
大まかな手順は以下のようになります。

①減量期間の体脂肪量(g)の変化を計算する
→②それに7.2を掛ける
→③それを減量期間(日)で割る

体脂肪量は体重に体脂肪率を掛ければOK。そして7.2は体脂肪の平均カロリーの値です。
算出したカロリーを減量期間で割ることで1日当たりのアンダーカロリーが何kcalだったのかが分かります。
あとは減量中のカロリーに、その不足カロリーを追加すればメンテナンスカロリーの出来上がりというわけです。

増量期は代謝も上がりやすいから、その分も考慮しないとアンダーカロリーになっちゃうけどね

まとめ

リーンバルクのデメリットについて解説しました。
余計な脂肪をつけない増量法とだけ聞くと好ましいですが、意外とデメリットが大きい方法です。

①ジャンクフードの悪影響 : 炎症や肥満の原因になる
②カロリーとPFCの調整がしにくい : ちょっと摂取し過ぎると、すぐに糖質・脂質・カロリーオーバーに

しかしちゃんと対策を取ればデメリットを緩和しつつリーンバルクを達成することができます。
ジャンクフードの摂取量を制限し、カロリー計算の方法を工夫しましょう。

ここで改めて解説はしないから詳しい計算方法は本文を見てね!

余分なカロリーを摂取しないという考え方は、体脂肪だけでなく健康の面においても大事なことです。
良い方法なので、是非とも適切な方法で実践してください。
てなとこで。