テストステロンの分泌でハゲる⁉|単なる誤解と本当のデメリット
テストステロンのメリットは非常に幅広く最強のホルモンと言っても過言じゃありません。
その多用なメリットについては別のページで解説しています。
しかし世の中そんなに都合の良いことばかりじゃありません。
このページではテストステロンのデメリット・副作用について解説します。
テストステロンのデメリットには本当のものと単なるイメージのものがあるので、それぞれに分けて紹介します。
1 濡れ衣?誤解されてるテストステロンのデメリット
まずはテストステロンによるデメリットだと誤解されてることから解説します。
具体的には以下の3点です。
①性格が変わる ②ハゲる ③顔の大きさ
1-1 テストステロンが増えるとキレやすくなる?
テストステロンの増加による影響で一番言われているのが性格の変化です。
テストステロンが競争心に関与するホルモンということが影響してか、キレやすい性格になると思われています。
しかしテストステロン値が高くなっても怒りっぽくなることはありません。
実際に起こることはこれと真逆です。
やる気・行動力・競争心は高まりますが、性格はむしろ穏やかになります。
闘争心はあるのにキレやすくはないって何か矛盾しそうだけど別物なんだよね
テストステロンには脳の海馬に作用してシナプスを増加させる働きがあります。
簡単に言えば脳機能が強化されるってことです。
海馬は記憶力だけでなく強い感情のブレーキの役割を果たすので、海馬の機能が上がることで感情的になりにくくなります。
何となくマッチョって性格が穏やかな人が多い気がするけどそういうことなんだね
1-2 テストステロンでハゲる?
テストステロンによる悪影響に関する話で最も多いのがハゲ問題です。
ハゲは男性にとって重大な問題なので、ここは議論が非常に活発にされています。
「テストステロン=体毛の濃さ」みたいなイメージもあるから、体毛が濃いとハゲるとかも言われるよね
結論から言うとテストステロンの多さはハゲに直接的な影響を与えません。
本当の問題は5α還元酵素(リダクターゼ)と言われる物質です。
ハゲの原因は髪の毛のライフサイクルが狂ってしまい、早く抜けかつ生えてきにくくなることです。
この発毛サイクルを乱す原因となるのがジヒドロテストステロンです。
ジヒドロテストステロンが母毛細胞に作用してサイクルを狂わせます。
このジヒドロテストステロンがテストステロンから作られるから、「テストステロン=ハゲ」って言われるんだよね
悪者の材料になるならやっぱりテストステロンは多くない方が良いんじゃないの?
こういう理屈で考えてしまいがちですが、テストステロンをジヒドロテストステロンに変える物質、すなわち5α還元酵素さえなければ問題はありません。
最近ではこの5α還元酵素がAGAの原因とされており、治療においてもこの物質に対する阻害剤が使われています。
1-3 テストステロンが多いと顔が大きくなる?
テストステロンに関するイメージで意外に多いのが顔の大きさです。
テストステロン値が高いほど顔が大きくなるというのはけっこう言われてます。
テストステロン値が高い人って何となくゴツゴツしてて顔も角張って大きそうなイメージはあるよね
これについては1990年代にfWHRを指標とした研究がされていて、その時はテストステロン値と相関が確認されました。
※fWHRとは?
Facial Width to Height Ratioの略
顔の縦の長さに対する横幅の大きさ
この値が大きいほど幅広で大きな顔ということになる
厳密には縦の長さは眉毛の下から唇の上までで、幅は眉毛の真下の位置の幅(ほぼ頬骨)のことだよ
しかしこのことについては2018年に行われた追加研究によって相関なしとされているのです。
より多くのサンプルを調査してるため、信頼性はこちらの方が高いと考えられます。
ただしテストステロン値が高まることで内面が変化し、その変化が顔つきや表情、態度などに現れることはあるかもしれません。
2 テストステロン増加による本当のデメリット
ここまで紹介したものはテストステロンの影響があると誤解されているものです。
ここからはテストステロン値のアップによって本当に起きる問題を紹介します。
具体的には以下の5点です。
①リスク主義 ②正論バカ ③浪費 ④ニキビ ⑤体臭
2-1 過度にリスクを犯しやすくなる
テストステロン値が上がると行動力やチャレンジ精神が旺盛になるというメリットがあります。
これはビジネスなどで成功をおさめるための必須の要素です。
しかしこれが行き過ぎるとリスク主義が強い、単なるギャンブラーになってしまいます。
これは実際に株式のトレーダーを対象にした実験で確認されている事実です。
成功のために重要なことは何でもかんでもリスクをとることではなく、適切なリスクを許容することです。
過剰なリスクは失敗のリスクを高めることにしかなりません。
こういう失敗とか敗北の経験はテストステロンを大幅に下げることになるよ
2-2 テストステロンで正論バカが加速する
「正しい」ということ1点だけで自分の意見を押し通そうとする人を正論バカと言います。
最近は特に正論バカが多い印象です。
恐らくは「科学的に正しい」「エビデンスがある」を絶対視する風潮が悪さをしてるのでしょう。
最近は特にこういうタイプが多い気がするなぁ…
テストステロン値が高くなると公正性を重視する傾向が強くなります。
真面目で誠実なマインドを強化するのに有効ですが、これが行き過ぎてしまうと単なる正論バカになってしまうのです。
正しさは強力な武器ですが、強すぎるあまり議論の相手を完膚なきまでに叩きのめしてしまいます。
そんなガッツリ論破されてしまった相手は後味が悪くしこりが残ってしまいます。
そもそも素直に敗けを認めてすらくれないだろうね
正しさを認識しつつもそれを上手く通す術も学ばないと、ただのめんどくさい・扱いづらいと倦厭される存在になってしまうかもしれません。
2-3 テストステロンで浪費癖が加速する
テストステロンは社会的な地位やステータスにも大きく関与するホルモンです。
そのため組織・集団の中で地位が増すのに重要な役割を果たします。
そして逆に地位のアップによってもテストステロン値はアップします。
社会的な地位が具体的な能力や人徳に基づいていれば良いのですが、これが間違った方向に向くと地位財に走ってしまいます。
地位財とは簡単に言えば比較できるもので、他者との比較によって満足を得るものです。
お金とか家とか車とかブランド品とかが分かりやすい例だね
これらは常に上には上がいて、それ故に満足感が持続しないという特徴があります。
つまり地位財で満足を得続けようとしたら永久にお金を使い続けるしかありません。
こんなんじゃ当然お金での成功はまずムリだよね…
モノでステータスを作るんじゃなくて、自分自身を研く方向に力を傾けよう!
2-4 テストステロンで肌荒れする
テストステロンの増加は見た目にもデメリットをもたらします。
その代表がニキビの増加です。
思春期の男子学生にニキビが大増殖するのが分かりやすい例かな?
第二次性徴によってテストステロンの分泌が急に増えた影響だね
テストステロンがニキビの増加に繋がるのは、テストステロンが皮脂腺を刺激して皮脂の分泌を急激に増やすからです。
その皮脂をエサにするアクネ菌が増殖してニキビになります。
皮脂が分泌してしまうのは仕方がないことなので、その皮脂を適切にケアすることで症状を和らげましょう。
洗顔や保湿など適切なスキンケアをすればニキビはかなり抑えられます。
洗浄力と爽快感の強い洗顔料とかペーパーでゴシゴシやるのは逆に皮脂を増やしちゃうから要注意!
2-5 テストステロンで体臭が変わる?
テストステロンによる影響の最後は体臭です。
テストステロンの分泌量が増えると体臭が変化すると言われています。
これはアンドロステロンという男性ホルモンの一種の影響です。
これによる体臭の変化は必ずしも悪い方向に働くとは限りません。
自分と相手の遺伝子の関係によります。
遺伝子型が近ければ異臭に感じますが、逆に遠ければ良い匂いに感じます。
娘の「お父さん臭い」ってやつはこれか
近親交配を防ぐためだけどお父さんにはキツイよね
種の発展を考えると、遺伝子にはなるべく多様性を持たせた方が有利なため、こういう仕組みになってるわけです。
つまりは臭いが変化するのではなく、遺伝子の近い人を遠ざけて、遺伝子の遠い人を引き寄せるということです。
意中の異性に異臭に感じられるのはショックですが、本能的なマッチングと考えればメリットとも言えます。
意中と異臭で韻踏んだ?
特に意識はしてないが
まとめ
テストステロン分泌によるデメリットについて解説しました。
一般的に言われてるようなハゲやキレやすさはテストステロンとは無関係です。
一方で行き過ぎてデメリットになるものもあります。
具体的には以下の5つです。
①リスク主義 ②正論バカ ③浪費 ④ニキビ ⑤体臭
特に最初の3つは注意しないとテストステロンのメリットを打ち消してしまいかねません。
結局のところメリット・デメリットは紙一重で、要は付き合い方次第ということです。
てなとこで。
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