上腕三頭筋を効果的に鍛えるトレーニング方法|種目とテクニック【腕を太くしたいなら必須】

上腕三頭筋は想像以上に体積が大きく、腕を太くする上で欠かせない部位です。

上腕三頭筋の構造や解剖学的な機能など効果的なトレーニングに必要な基本要素は以下のページで解説しました。

このページでは機能を踏まえて、具体的なトレーニング種目におけるテクニックやバリエーションを紹介します。

目次 -index-

上腕三頭筋の筋トレメニュー

上腕三頭筋の具体的な筋トレメニューを紹介します。

解剖学的な機能を考慮した効果を上げるためのテクニックもセットです。

あなたの筋トレ環境や関節のコンディションに合わせてベストな種目をチョイスしてください。

上腕三頭筋の筋力発揮の特性からミッドレンジ・ストレッチ・コントラクトの3種目が必要です。

POFを意識して各種目から1つずつメニューに組み込めれば十分です。

POFって何?って人はこちらをどうぞ!

バリエーションも様々なものを紹介しています。

トレーニング種目のバリエーションの重要性についてはこちらのページで解説しているので参考にしてください。

1.ナローベンチプレス

ナローベンチプレスは上腕三頭筋を鍛える代表的なミッドレンジ種目。

三頭筋では数少ないコンパウンド種目であり、最も高重量を扱いやすい種目です。

高負荷の利点を活かすためにもトレーニングメニューに組み込むなら最初の種目に設定しましょう。

肩関節の伸展から屈曲まで動作するので内側・外側両方に効果があります。

基本的なトレーニング手順

① バーベルをセットしてフラットベンチ(あるならデクライン)に横になる

② 肩幅くらいの狭めの手幅でグリップしてラックアップ

③ 肘が体側を通るようにゆっくりとバーベルを下ろす

④ 胸にバーがついたら肘が伸びきる直前まで挙げる(ノンロック法)

⑤ 繰り返し

ナローベンチプレスの重量設定

肘関節と肩関節が働くコンパウンド種目なので、割と高重量を扱いやすい種目です。

ただし意識しないと他の筋肉に負荷が逃げやすいとも言えるので、負荷の乗せすぎには注意が必要。

三頭筋への効きを感じにくい場合は、肘関節のみのアイソレート種目を先にやるのもアリでしょう。

ナローベンチプレスのテクニック

バーベルを使ったプレス系種目は胸にバーを下ろすのが基本です。

ただ下ろし方を工夫することで、三頭筋により効かせることができます。

具体的にはバーを鎖骨より上に向かって下ろすイメージ。

このテクニックを使う場合は通常よりやや手幅を広くした方が肘への負担は小さく安全です。

また親指をバーに巻かないサムレスグリップにすると肘の可動が優位になります。

ナローベンチプレスのバリエーション

ダンベルを使ったパターンもオススメ。

筋肉の左右差を防止しながら、動作コントロールのインナーマッスルまで鍛えられます。

ハンマーグリップでダンベルを持てば手首のケガのリスクも軽減できるよ!

ナローベンチプレスの注意点

バーベルを下ろす時に肘が開くと手首に大きな負担がかかってしまいます。

脇を閉じて肘が体側スレスレを通るようにコントロールしましょう。

ナローベンチプレスの参考動画

こちらの動画はスミスで行うバージョンですが、細かいテクニックまで参考になります。

2.フレンチプレス

フレンチプレスは上腕三頭筋を鍛える代表的なミッドレンジ種目です。

ダンベルさえあればできる種目なので環境を選ばないというメリットもあります。

肩を屈曲させたポジションで行うオーバーヘッド種目なので、特に長頭に効果的です。

一方で肘を痛めやすい種目でもあるので、その注意点も併せて解説していきます。

基本的なトレーニング手順

① ダンベルを1つ用意する

② 両手の人差し指と親指で作ったダイヤ型にバーを通して、頭の後ろでダンベルを持つ

③ 肘を頭の上まで伸展させてトップで1~2秒キープする

④ ゆっくり下ろして負荷が抜ける前に動作を切り返す

⑤ 繰り返し

フレンチプレスの重量設定

フレンチプレスは三頭筋のトレーニングの中でも高重量を扱いやすい種目です。

トレーニングの最初に持ってきて、まずは高負荷を扱うことで筋肥大の効率を上げることができます。

ただ肘をケガするリスクもあります。

アセンディングセットでトライして、フォームと肘の安全を保てるラインを探りましょう。

フレンチプレスのテクニック

肘の負担を低下させるテクニックとして、肘の向きのコントロールがあります。

ボトムでは肘を両側に開くようにしてセットし、トップで肘が正面を向くように挙げる方法です。

こうすることでダンベルが上下の直線軌道に近くなり、肘を支点に弧を描く通常のスタイルより肘の負担は軽くなります。

手はダンベルのバーを絞るような動きになるよ!

ミッドレンジ種目なので、深く下ろすことより負荷を抜かないことを重視するのもポイントです。

フレンチプレスのバリエーション

・EZバー
EZバーで手首を安定させることでケガのリスクを低減。
手首が弱くて外に反り返る人向けの方法

・ライイングスタイル
体幹を安定させて三頭筋に負荷を集中するために、80°前後に設定したインクラインベンチに座ってやる方法

フレンチプレスの注意点

高負荷を扱うトレーニングとはいえ肘をケガするリスクもあります。

鉛直方向に挙げるフォームはテクニックというよりもはやフォームの基本です。

これを意識できない場合は負荷が大きすぎるので、重量を下げましょう。

フレンチプレスの参考動画

フレンチプレスは動画の2番目の種目です。参考にしてみてください。

3.テイトプレス

テイトプレスはややコアではありますが、上腕三頭筋を丁寧に鍛えるのに適したミッドレンジ種目。

種目のバリエーションとしてオススメです。

肩関節は中間位にあるので、内側と外側にバランスよく効かせることができます。

基本的なトレーニング手順

① ダンベルを2つ用意してフラットベンチに横になる

② 通常のダンベルプレスのように肘を直角にした姿勢でスタンバイ

③ そのまま肘を折ってダンベルのヘッドを両胸に向かって下ろす

④ 胸に着く直前で動作を切り返す

⑤ 前腕が完全に垂直になる直前まで挙げる

⑥ 繰り返し

テイトプレスの重量設定

肘関節のみで動作するトレーニングなので、あまり大きな負荷を扱うことは出来ません。

上腕三頭筋に丁寧に効かせる意味でもストリクトに動作できる現実的なウェイトを選択しましょう。

テイトプレスのテクニック

ダンベルは中央よりもやや外寄りを持つようにすると、負荷が動作する方向にかかりやすくなります。

ダンベルのプレス系種目のほとんどに通じるテクだよ!

テイトプレスのバリエーション

ダンベルのヘッドを胸に向かってではなく、両肩の上に向かって下ろすようにすると動作範囲が拡がります。

テイトプレスの参考動画

こちらの動画の2番目の種目で解説されてます。

ちなみに二頭筋で紹介されてる種目もたまにメニューに入れますが、かなり効きますよ!

4.トライセプスエクステンション

トライセプスエクステンションは別名スカルクラッシャーとも呼ばれる、上腕三頭筋のストレッチ種目。

肩関節を屈曲した位置で動作するので、長頭に非常に効果的な種目です。

基本的なトレーニング手順

① バーベルを持ってフラットベンチに横になる

② 肩幅よりやや狭いグリップ幅でバーベルを持つ

③ 上腕を垂直よりやや頭側に倒してセット

④ 肘を屈曲してバーベルをおでこに向かってゆっくり下ろす

⑤ おでこに着く直前で動作を切り返す

⑥ 繰り返し

トライセプスエクステンションの重量設定

大きな負荷をかけることより、ストレッチをとることが重要なので負荷は大きくなくてOKです。

むしろ高すぎると肘の負担もさることながら、バーベルを落としてしまった時が危険。

文字通りスカル(頭蓋骨)をクラッシュ(骨折)しないよう安全に配慮しましょう。

トライセプスエクステンションのテクニック

上腕を垂直よりやや倒した姿勢を維持するのは非常に大事なポイント。

垂直にしてしまうと毎回トップで負荷が抜けてしまうので、挙げる時は特に注意しましょう。

人に横から見てもらうのがベスト!

トライセプスエクステンションのバリエーション

・EZバー
EZバーを使うことで手首の負担を軽減して肘関節の伸展動作に集中できます

・ダンベル
ボトムではハンマーグリップにし、挙上する時に肘を回内することで三頭筋の収縮を高める方法

・オーバーヘッドエクステンション
バーやダンベルをおでこに向かってではなく頭の後方に向かって下ろすことでストレッチが強くなる

トライセプスエクステンションの注意点

バーベルやダンベルをおでこに落とさないようにすることが何より重要です。

安全な重量で可動域を拡げ、三頭筋をしっかりストレッチしましょう。

トライセプスエクステンションの参考動画

ダンベルを使ったオーバーヘッドスタイルの解説動画です。

ぼくも普段のトレーニングメニューに入れてますが、メチャ効きますよ!

5.プレスダウン

プレスダウンはケーブルマシンを使った上腕三頭筋のコントラクト種目。

肩関節の伸展位に近いので、三頭筋の外側に効きやすい種目です。

ジムでもやってる人を多く見かける種目なので、知ってる人も多いかもしれません。

基本的なトレーニング手順

① アタッチメントはダブルロープがオススメ。ストレートバーでもOK

② マシンに近い位置に立ってロープを順手で握る

③ 上腕は固定したまま肘の伸展だけで下ろす。ロープを身体の後ろまで引くイメージ

④ ボトムで1~2秒キープする

⑤ ケーブルの引きに抵抗しながらゆっくりと戻す

⑥ 上腕が動き出す直前まで戻したら動作を切り返す

⑦ 繰り返し

プレスダウンの重量設定

プレスダウンは負荷を抜かずに、じっくり筋肉に刺激を与え続けて収縮させることが目的。

ストリクトに動作することが大事なので、重量はそこまで高くする必要はありません。

負荷が高すぎて最後まで引ききれないと効果はかなり下がります

プレスダウンのテクニック

ボトムで手のひらを床に向けるように握り込むことで収縮を最大まで高めることができます。

プレスダウンマシンの基本アタッチメントはバーですが、ダブルロープに変更する理由はこのテクニックを使うためです。

プレスダウンのバリエーション

・オーバーヘッドケーブルエクステンション
肩の屈曲ポジションで動作することで、長頭の収縮を狙うことができる

詳細は解説動画を観てね!

ケーブル種目はチューブでも代用出来るので、自宅トレーニーにはこちらもオススメです。

強度別のチューブ5本 ハンドルやストッパー付属の11点セット

プレスダウンの注意点

背中が丸まったり肩をすくめてしまうと三頭筋に効きにくくなります。

背筋を伸ばして胸を張り、ケーブルの付け根を見るように目線を上げることがポイントです。

プレスダウンの参考動画

プレスダウンはこちらの動画がオススメです。

6.ダンベルキックバック

ダンベルキックバックはダンベルで上腕三頭筋を鍛えるコントラクト種目。

プレスダウンマシンがないジムは珍しいですが、混んでるとき、自宅トレの場合の代用にオススメです。

肩の伸展ポジションでの動作なので、主に上腕三頭筋の外側に効きます。

基本的なトレーニング手順

① フラットベンチとダンベルを1つ用意する

② ダンベルを持った側と逆の手と膝をベンチに着く(上半身は水平)

③ ダンベルを持った側の肘を体側まで引いてセット(上腕と前腕は直角

④ 上腕を固定したまま肘だけ動かしてダンベルを後方に挙げる

⑤ トップで1~2秒キープする

⑥ ゆっくりとダンベルを下ろし、前腕が床と垂直になる直前で動作を切り返す

⑦ 繰り返し

ダンベルキックバックの重量設定

ダンベルキックバックもトップでの収縮を高めることが第1の目的です。

そのためストリクトに動作することと、ボトムで毎回負荷を抜かないことがポイント。

大きな重量よりもフォームと収縮を優先しましょう。

ダンベルキックバックのバリエーション

・スタンディング

両手にダンベルを持って上半身を前傾し、ベンチを使わずに立って行う方法

ベンチが埋まってる時や時間を短縮したいときにオススメです。

ただ姿勢保持のために三頭筋への意識が疎かになりやすいので要注意。

ダンベルキックバックのテクニック

トップポジションで小指を真上に向けるように手首を捻ると、さらに収縮を強めることができます。

ダンベルキックバックの注意点

身体の反動を使わずに丁寧に動作することが最大のポイント。

特にスタンディングで行う場合、膝のクッションを使ってしまいやすいので注意が必要です。

ダンベルキックバックの参考動画

自重トレーニングではダメ?

ここまで紹介してきた方法は全て器具を必要とするトレーニング方法です。

では自重で上腕三頭筋を鍛える方法がないかというとそうでもありません。

リバースプッシュアップ

一番簡単な方法が身体の背面で腕立て伏せを行うリバースプッシュアップです。

ただ速筋が多く、強い負荷に反応しやすい上腕三頭筋を鍛えるにはちょっとウエイトが足りません。

ウエイトベストなどで加重すれば効果は出るかと思われます。

ディップス

では体重をもっとかけられるディップスはどうでしょう?

加重ベルトなどを使えば負荷も増やしていくことが出来るので重量の面もクリアです。

ディップススタンドで行うのが安全ですが、イスの背や机を使ってもできます。

ただ大胸筋下部というパワーの大きい筋肉も働く種目なので、三頭筋を狙って鍛えるのには向きません。

効果を上げたければ、肘関節のみを使って動作するアイソレート種目も必要です。

まとめ

腕で見落とされやすい上腕三頭筋のトレーニングについてでした。

上腕二頭筋に比べて体積が非常に大きく、速筋の割合が高いので、腕を太くしたければ二頭より三頭。

起始が3つに分かれているので鍛え分けもマストです。

基本的にはオーバーヘッド種目は内側、プレス系の種目は外側に効きやすいとだけ覚えておけば十分。

二頭筋や背中の種目と合わせて週当たり20セット前後に調節すると最も腕が太くなりやすいという研究があります。

種目ごとのセット数は少なめでもいいので、幅広く種目を採用するのがオススメ。

前だけでなく後ろもしっかり鍛えてポパイのような極太の腕を目指しましょう!

てなとこで。