血糖値スパイクの危険性|予防するための食事方法4選

ダイエットだけでなく健康の観点からも血糖値のコントロールは重要です。

「血糖値=糖質の摂取」というイメージが強いので、血糖値コントロールのためには糖質を控えるべきと考えてる人も多いと思います。
確かに糖質の摂取は血糖値に影響を与えますが、食事の仕方を工夫することによってもある程度コントロールすることが出来ます。

このページでは血糖値の上昇をコントロールする食事の方法について解説します。

このページでわかること

・血糖値コントロールの重要性
・血糖値スパイクで起きる症状
・血糖値の乱高下を起こさない食事の仕方

1 血糖値をコントロールはなぜ必要?

まず血糖値コントロールの重要性について解説します。
特に避けるべきは血糖値スパイクという現象です。

<血糖値スパイクとは?>
食後1~2時間の間に高血糖(140㎎/dl以上)になる状態のこと

血糖値のグラフがトゲみたいになるからスパイクって言うんだよね

血糖値スパイクが起きるとインスリンが多量に分泌され、今度は急激に血糖値が下がります
昼食後の眠気や怠さには様々な要素が関係していますが、そのうちの1つが血糖値スパイクです。
また急激な血糖値の低下によって空腹感も生じるため過食の原因にもなり、人によっては頭痛や吐き気が生じることもあります。

パンとかの腹持ちが悪いのはスカスカだからじゃなくて、血糖値スパイクが起きるからだよ

血糖値スパイクの問題はこうした日常の短期的な問題にとどまりません。
インスリンの過剰分泌を繰り返すと身体がインスリンに慣れて反応しなくなってしまいます
この状態がインスリン抵抗性と言われるもので、肥満や糖尿病の原因です。
また多量のインスリンを分泌させられた膵臓が疲弊してしまい、分泌異常を起こすこともあります。

血糖値の乱高下は血管を傷付けるので、スパイクを繰り返すことで動脈硬化のリスクが高まります
この症状が進むと狭心症や心筋梗塞などの心臓系の疾患、脳梗塞や脳卒中などの脳の疾患、そしてガンや認知症になる可能性まであります。
様々な疾患の発症リスクは以下のとおりです。

・心血管疾患リスクが1.9倍 ・がんのリスクは1.6倍 ・認知症リスクは1.5倍

2 血糖値スパイクを予防する方法

このように様々なリスクがあることから血糖値スパイクはなるべく避けなければいけません。
ここで紹介する血糖値スパイクを予防するためのテクニックは以下の3点です。

①食べる順番 ②よく噛んで食べる ③間食を挟む ④食後の運動

2-1 食べる順番に気を付ける

血糖値スパイクを予防する方法の1つ目は食事を食べる順番に配慮することです。
みなさんもベジファーストというスローガンは耳にしたことがあるでしょう。
これはシンプルに血糖値を上げにくい野菜などの食品から食べ始めるというものです。

「野菜から」と覚えておくだけでも十分ですが、野菜や果物の中にも血糖値を急激に上げるものがあるので注意しましょう。
少し面倒に感じるかもしれませんが、よく食べる食品のGI値を把握しておくことをオススメします。

ブロッコリーとか健康効果も高くてGI値の低い食品をレギュラーに固定しちゃうってのもありかな

野菜から食べ始め、次にタンパク質や脂質の多い食品を食べ、パンやご飯、麺類などの主食は最後に食べるようにしましょう。
また食前・食後に緑茶を飲んでおくのも血糖値の上昇を抑えるのに有効です。

2-2 よく噛んで食べる

「よく噛んで食べる」なんて子供に対する注意のようですが、現代人は極端に噛む回数が少なくなっています。
柔らかくて噛まなくても飲み込める食品が多くなっていることが主な原因のようです。

どんなに食べる順番に配慮したところで、ろくに噛まずに次々に飲み込んでしまえば一緒に食べているのとほとんど変わりありません。
実際に丸呑みは血糖値を急激に上げる食事方法の1つとされています。

目安としては1口当たり30回前後が適正です。
あまり多過ぎても顎が鍛えられ過ぎてしまいフェイスラインが崩れる原因になると言われています。
噛むスペースが無いと噛まずに無理に飲み込む原因になるので口いっぱいに頬張らないようにしましょう。

そもそも下品だからね

ついでによく噛むことで食事時間が長くなるので過剰な食欲を抑えることにも繋がります。

また噛むことは食事による消費カロリーの増加にも役立ちます。
それについてはこちらのページをご覧ください。

2-3 間食を上手く挟む

間食というと真っ先に削るべき余計な食事というイメージがありますが、正しい間食ならむしろダイエットに効果的です。

空腹が長時間続くと血糖値が極端に低下するため、その後の食事で血糖値が上昇しやすくなります。
低GI食品から摂取しても、本来のGI値以上に作用して血糖値が上昇してしまいます。
極度の空腹にならないように食間に軽食を摂取するのが有効ということです。

ただ間食でもお菓子やパンを食べてしまうと血糖値スパイクのリスクが高くなってしまいます。
間食についても食品のGI値に配慮しましょう。

サラダチキンとか茹で卵とかナッツとかが良いかな…

ダイエットだけでなく筋トレにも間食は有効です。
筋肉のカタボリック防止にも複数回食事を摂ることが推奨されていますが、仕事などの事情で食事を自由に摂れない方も少なくないでしょう。
手軽に摂れる間食を用意しておくと筋トレを効率的に進めることが出来ます。

2-4 食後に身体を動かす

食後に運動することも血糖値の上昇を抑えるのに役立ちます。

運動と言っても決して本格的なものである必要はありません。
胃腸に食べた物が残ってる状態なので、激しく身体を動かしてしまうと消化不良を起こしてしまいます。
ウォーキングやストレッチなど本当に軽い運動でOKです。

運動をオススメする理由は肥満の解消にも効くからです。
肥満であることによっても血糖値スパイクのリスクが高まることが分かっています。

血糖値スパイクそのものが肥満の原因でもあることを考えると、この負のループに入らないためにも運動は必須の習慣と言えるでしょう。

食後に限らず日常的に運動は習慣にしようね

まとめ

血糖値スパイクの危険性とそれを予防する食事の仕方について解説しました。

食後に眠気や身体の怠さを毎日のように感じてる人は多いですが、これは危険な状態です。
短期的には単なるQOLの低下にとどまりますが、進行するとかなり深刻な状況になります。
血糖値スパイクによって起きる問題は以下のとおりです。

・食後の眠気 ・倦怠感 ・頭痛 ・吐き気 ・過食 ・インスリン抵抗性(肥満、糖尿病) ・膵臓の疲労 ・動脈硬化(心血管系疾患) ・がん ・認知症

白米や小麦粉、砂糖などの生成された(白い)炭水化物は特に血糖値スパイクを起こすリスクが高いと言われています。
そのためこうしたリスキーな食品を避けるのが最も簡単な対策です。

しかしこれらがすごい好きで我慢することが大きなストレスになる人もいるでしょう。
そういう人は今回紹介した食事の方法を試してみてください。
完全にリスクを消し去れるわけじゃないですが、かなり緩和できるはずです。

健康的に過ごしながら美味しいものを食べられるように工夫していきましょう。
てなとこで。