代謝を上げる8つの方法|運動なしで消費カロリーUP

運動する時間があまりないんだけど、消費カロリーって増やせないの?

なるべく運動した方がいいけど、効率的にダイエットしたいなら代謝の向上が一番!

ダイエットといえば食事制限などの摂取カロリーを抑制する方法から手を着けるという方は多いと思います。

不必要なカロリーをカットするは健康の観点からも必要なことです。

しかし摂取カロリーカットに偏ったダイエットは心身の負担が大きい上に効果が上がりにくく、むしろ逆効果になってしまう危険性もあります。

運動などで消費カロリーを増加させるアプローチが必要ですが、運動はそれ自体が目的でないと辛く、ダイエットの手段としての運動は続かない傾向にあります。

このページではそんな方のために日常生活でカロリーや体脂肪を効率的に消費するための方法を解説します。

食事制限でも運動でもないダイエット

筋トレ中心のダイエット手法の流行とともに、その理論のキーワードになる「代謝」という言葉も有名になってきました。

この代謝の向上が最も心身の負担が小さい方法です。

ダイエットに関連して代謝と言われるのは基礎代謝・新陳代謝のことで、これらは1日の活動中で自然と消費するカロリーです。

消化吸収や脳、筋肉の活動という、あまり意識しない活動でエネルギーを消費しています。

つまりこれらの機能を向上させたりエネルギーを使いやすくすることで代謝を向上させることができます。

1.筋力トレーニング

筋トレで筋肉を大きくすることによって基礎代謝を向上させることができます。

特に鍛えるべきはサイズが大きく、日常的に自然と使うのでエネルギー消費が大きい下半身の筋肉です。

下半身は実に全身の筋肉の70%(体積ベース)が集中しているので、ここを鍛えて消費エネルギーを増やしてやるのが最も効率的です。

ただ筋肉が基礎代謝に占める割合は2割程度(約18~23%)で、一般に強調されるほど代謝には貢献しません。

また運動で消費するエネルギー(活動性代謝)は筋トレなどの無酸素運動よりも有酸素運動の方が大きいです。

しかし筋トレの場合、トレーニング後の筋肉の合成プロセスで多量のエネルギーを使うため、トータルで見て消費するエネルギーは大きくなります。

さらに筋肉をつけた上で、スポーツなどの有酸素運動に取り組めば消費カロリーは飛躍的に上がります。

「何もしない」はずが早速運動でしたが、やはりトレーニーとしてもこれは外せないので1つの手法として紹介しました。

合成での消費、そして運動性代謝を向上させる下地作りとして筋トレは欠かせません。

代謝云々より、ボディラインを引き締める意味でやっぱりやっておいたほうがいいと思うよ!

2.栄養バランス

PFC(タンパク質・脂質・糖質)バランスに配慮した食事が代謝の向上に効果的です。
健康のためには当然のことですが、減量においても重要なことです。

近年のダイエット手法は「これさえ食べればいい」という極端なものが多いですが、これでは欠落する栄養素が必ず出てきます。

脂肪燃焼作用のある成長ホルモンの分泌を通じて体脂肪の燃焼や代謝向上作用をもたらす栄養素もあります。

しかしそれも単体では機能しないので吸収を促したり働きを助ける栄養素も必要です。

栄養素はよく風呂桶に例えられます。板を貼り合わせて作った桶はその内1本でも板が短いと、そこまでしか水が溜められません。

栄養素もそれと同じで一番少ない栄養素の水準以上の効果が得られないということです。

サプリメントで補うのも1つの手ですが、次々不足する栄養素が出てきて正直なところキリがありません

なのでPFCのバランスに配慮しつつ可能な限り多くの品目を摂取するように心掛けるのがベストです。

3.タンパク質

肉食ダイエットが一時期流行りましたが、それとは理屈が異なります。

肉食ダイエットはGI値が低い肉「だけ」を食べることで血糖値の上昇を抑える糖質制限の一種です。

しかし動物性たんぱくしか摂らない方法はコレステロールや脂質過剰などのリスクがあり、何より前の項目の栄養バランスの原則に反しています。

そういう極端なものではなく、先程のPFCバランスの中で積極的に多くのタンパク質を摂るということです。

なぜ代謝向上に繋がるかというと、食事誘発性熱産生(DIT)が大きいからです。

食事誘発性熱産生とは食事を消化吸収するときに発生する熱のことで、その熱量が糖質や脂質に比べてタンパク質は非常に高いのです。

具体的には糖質・脂質:タンパク質=7:30と実に4倍以上です。

熱は活動の産物なので、その熱量が大きいということはそれだけエネルギーを使うということです。

PFCバランスだけでなく、タンパク質のバランスも重要です。

肉に傾倒しては肉食ダイエットと同じリスクを抱えることになってしまいます。

大豆やブロッコリーなどの植物性タンパク質乳製品など肉以外の動物性タンパク質など様々なものからバランスよく摂取しましょう。

4.発酵食品

発酵食品と言えばヨーグルトやキムチなどが代表的です。

そして味噌や醤油、ぬか漬け、納豆といった日本に昔からある発酵食品も多く、日本発祥の発酵食品が今スーパーフードとして海外で注目されています。

いずれも腸内環境を正常化する善玉菌の一種である乳酸菌酪酸菌などの菌を多く含んでいます。

腸は消化吸収だけでなく免疫機能にも関わる臓器であり、腸内の不調は身体のエネルギー消費を大きく低下させてしまいます

腸内環境の正常化で言うと食物繊維サプリや整腸剤などもありますが、刺激が強すぎる可能性があるので、効果のマイルドな発酵食品がオススメです。

ただ発酵食品は癖が強いものが多いので、苦手な方は次善の策としてアリですがあくまで慎重に。

「タンパク質もまとめて摂取できるしヨーグルトを毎日食べよう」など特定の食品に絞りがちです。

しかし良好な腸内環境とは善玉菌が多いことではなく、菌のバリエーションとバランスあとれている状態を言います。

また人によって腸内の菌の構成が違うので、効果を最大限引き出すには色々な発酵食品を偏りなく摂取することが重要です。

因みに発酵食品が苦手という方は実はキャベツも腸内環境に有効です。

キャベツは食物繊維が豊富なだけでなく、葉の表面には乳酸菌が付着しているため、腸内環境の向上には一石二鳥になります。

但し乳酸菌は熱に弱いので火を通さず生食することが条件です。

腸内環境の改善方法については以下のページでも詳しく解説しています。

5.トマト

トマトと言えば抗酸化力やアンチエイジング効果が高い野菜として有名ですが、代謝の向上にも一役買います。

トマトの代表的な栄養素であるリコピンは美肌効果が有名ですが、血流を改善する効果があり、それにより代謝が向上します。

また脂肪細胞の肥大を抑える作用も発見されているため、肥満防止にも効果的です。

さらに水溶性食物繊維ペクチンが豊富に含まれているため便秘解消効果もあり、この便秘解消を通じても代謝が向上します。

肝心のトマトの摂り方ですが、リコピンの吸収率は起床直後が一番高いので朝の摂取が理想的です。

さらに成長ホルモンの分泌時間に合わせてビタミンやミネラルを摂取することで成長ホルモンの代謝向上作用を強化できるので、夕食時の摂取も効果的です。

トマトを加熱(調理)するとリコピンの吸収効率が約2倍にアップするため、生食より調理して食べるのがオススメです。

トマトは熟すほどリコピンなどの栄養素が増えますが、生食用のトマトは熟しきる前に収穫されたもので生成が不十分です。

その点ケチャップやトマトジュース、トマト缶などの加工品用のトマトは大きく熟してから収穫されるため、栄養素の生成が十分に行われています。

無塩の加工品が入手できるのであれば塩分過多などの心配もなく、より効率的に必要な栄養素を摂取することができます。

昔から夏野菜は身体を冷やす食べ物などと言われますが、この言説に特に根拠はなく水分が多いというだけで広まった根拠のないデマです。

ぼく

気にするならキンキンに冷やした飲み物とかアイスを先にやめましょう(2回目)

6.睡眠の質向上

日常的に当たり前のようにやっている思考ですが、脳は非常に大きなエネルギーを使います

基礎代謝に占める割合は全身で2番目に大きいよ

ダイエットだけでなく仕事やコミュニケーション、買い物の判断などを上手く熟すためにもフル稼働させておきたいものです。

その脳の活動の大敵が睡眠不足です。

睡眠不足は交感神経を疲弊させ食べ過ぎを助長する点でもダイエットの大敵ですが、脳の活動によるエネルギー消費が低下する弊害もあります。

頭が働かない状態で脳を使うと非常に疲れるのでエネルギーを消費するように感じます.

しかし頭が働かないのはガス欠だからではなくスイッチがオフになっているからです。

運動で言うなら筋肉が固まっているようなもので、動きにくいという体感は同じですが、筋肉が動いていないのでエネルギーを上手く消費できません。

脳がしっかり働ける環境を作るためにも睡眠の確保は重要です。そして睡眠は長さよりも質が重要。

ありとあらゆることに関係し、QOLを決定する最大の要因と言っても過言ではない睡眠。

これについては以下のページで解説してるので、そちらも併せてご覧ください。

7.よく噛んで食べる

食べ物だけでなく食べ方によっても代謝を向上させることができます。

しかもその方法が非常に簡単で、ただ「よく噛んで食べる」だけです。

ご飯を食べた後にグッと体温が上がった感じがしないでしょうか?

じつはその体温の上昇は食事誘発性熱産生というもので、食べ物の消化作業によって生じる熱なんです。

熱が発生する=代謝が行われている、なので食事をするだけでも代謝を上げることができるのです。

普通に食事をするだけではいつも通りになってしまうところ、よく噛むことによってこの作用をより強くすることができます。

噛む回数が増えるということは、食べ物が口の中にとどまる時間が長くなり、それだけ口内をしっかり刺激します。

その刺激=消化の必要性だと人間の身体は学習しているので、その刺激だけで消化作用がスムーズに働き、熱の発生量(=代謝)高まるというわけです。

ちなみに咀嚼をたくさんすることは肥満の防止にも役立ちます。

それについてはこちらのページをご覧ください。

8.しっかり食べること

ダイエットの基本は摂取カロリーと消費カロリーの収支をマイナスにすることです。

そのため食事を厳しく制限し、その一方でしっかり運動することが重要になります。

しかしこの基本を忠実に守って頑張る真面目な人でもダイエットが上手くいかなくなりがちです。

というのも、食事量を制限し過ぎて代謝の低下を引き起こしてしまうから。

この食事制限によるダイエットの限界については以下のページも参考にしてください。

特に最近主流の糖質制限は代謝低下を引き起こしやすいと言えます。

糖質は基礎代謝で一番大きな割合(約27~30%)を占める肝臓のエネルギー源だからです。

しかも糖質の慢性的な不足は代謝の低下にとどまらず、低栄養性の脂肪肝という脂肪の増加まで引き起こすリスクもあります。

食事制限にも運動にも抜かりないはずなのに効果が出にくいと感じたら、それは恐らく食事の削り過ぎが原因です。

いわゆる停滞期を感じたら食事量を増やす方向で見直してみましょう。

一方で食事の増やし過ぎも実は代謝にマイナスに働く点で注意が必要です。

これには体内での酵素を作るメカニズムが関係しています。

人間の身体の中では主に消化酵素と代謝酵素の2つが作られていて、これらの総量は一定です。

つまり過度に食事を摂ってしまい消化酵素の産生が増えると代謝酵素の産生が減り、代謝作用が下がってしまいます。

多過ぎず少なすぎない食事の適正量の把握は難しいですが、運動量などに応じて増やす方法から試してみてください。

まとめ

代謝の向上手法について説明してきました。

日常的に消費するカロリーが増加するのはとても魅力的だと思います。

しかし適正量に食事を抑えることは健康に必須で、適度な運動は健康だけでなくメンタル面にもいい影響があるので、代謝向上さえすればそれ以外のカロリー管理は全く不要というわけではありません。

加齢により様々な機能が低下していくのに合わせて代謝も低下していきます。

ここで紹介した方法は劇的に痩せることに繋がるというよりは、刻々と進む代謝の低下に抗う手法と言えます。

一本鎗ではなく、様々なことを同時に進めることが最も効果的です。

食事だけでなくダイエット手法もバランスを重視しましょう。
てなとこで。