食べてテストステロンの分泌を増やす|効果的な食材・栄養素

男性ホルモンとして有名なテストステロンの分泌を増やすメリットについては以下のページで解説しました。

「そんな都合の良い話があるわけ…」と思うほどメリットは実に多様です。

そんなメリットの多いテストステロンですが、加齢とともに分泌量は低下していきます。
放っておいたらその恩恵は次第に受けられなくなってしまうのです。

実はテストステロンは食事によって増やすことができるホルモンです。
このページではテストステロン値を高める食事・食べ物について解説します。

1 鶏胸肉

肉や魚に含まれるタンパク質を積極的に食べるようにしましょう。
特に鶏胸肉にはタンパク質が豊富です。

健康やダイエットで最近なにかと重宝される傾向にあるタンパク質ですが、実はテストステロン値を上げるのにも効果があります。
それはテストステロンを合成するプロセスで使われる酵素の原料になるからです。

また筋肉量を増やすという点でもテストステロン値のアップに貢献します。
テストステロンが増えることで筋肉量は増えますが、逆に筋肉量が増えることによってもテストステロンは増えるのです。

健康な皮膚や髪の毛の材料にもなるわけで食べない手はないね

タンパク質は過剰に摂取すると腸内環境を荒らす原因になるから注意は必要だよ

鶏胸肉 鶏モモ肉 豚ヒレ肉 牛ヒレ肉 サバ サーモン カツオ

2 牡蠣やレバー

牡蠣やレバーに豊富に含まれる亜鉛もテストステロンの生成に欠かせない必須ミネラルです。
「男性力=亜鉛」みたいなところもあるので、地味ながらもけっこう認知されてると思います。

この亜鉛がテストステロンの分泌に与える影響は絶大です。
被験者を亜鉛の欠乏状態に置いた研究では、なんとテストステロンの分泌が75%も低下することが確認されています。

亜鉛が重要であることは何となく知っていても、具体的にどんな食品から摂れるかは知らないという人も多いかもしれません。
以下の食品を積極的に摂取するようにしましょう。

牡蠣、わかめ、レバー、ウナギ、牛肉、ナッツ類、オートミール

1日11~45㎎くらいの摂取が目安だよ。筋トレしてる人はこれより多めにしても良いかも

3 しらす

カルシウムが豊富というイメージがあるしらすですが、テストステロンの分泌に効果があります。
それはビタミンDが豊富に含まれているからです。

体内のビタミンD量とテストステロン値には非常に強い相関があると言われています。
筋肉の合成に欠かせないビタミンだからではないかと考えられます。

つまり間接的にテストステロンを増やすことになるってことか

ビタミンDは脂溶性で身体に溜まりやすい性質があるにも関わらず不足する傾向にあるビタミンです。
なので積極的に摂取するようにしましょう。
上限は100μgで、10~25μgくらいが目安になります。

しらす、イワシ、サンマ、まあじ、卵(ウズラ、鶏卵)、しいたけ、マイタケ

因みに紫外線を浴びることでも生成されるけど、それだけじゃ全く必要量に達しないよ

4 スタミナ定食

スタミナ定食に使われる豚肉とニンニクはどちらもテストステロンを高めるのに効果的です。
豚肉に豊富に含まれるビタミンB1とニンニクに含まれるアリシン、これらを一緒に摂取することに意味があります。

ビタミンB1とアリシンが結合して生成されるアリチアミンという成分がテストステロンの分泌を活性化します。
何となくパワーがつくイメージがあるスタミナ定食にも科学的なエビデンスがあったようです。

ビタミンB群は糖の代謝を促進する補酵素の働きもあるので、筋トレのパフォーマンス、筋肉量のアップにも貢献します。

水溶性のため過剰摂取の心配はありません。
まとめて摂っても排出されてしまうので、毎食で小まめに摂取するのがオススメです。

ビタミンB1を豊富に含む食材は以下のようなものがあります。

豚肉、黒豆、うなぎ、大豆

そしてアリシンが豊富な食材は以下のとおりです。

玉ねぎ・ニンニク(加熱)・にら・ラッキョウ ※ニンニクは加熱しないとテストステロンには逆効果

1日あたり男性1.2~1.4㎎、女性0.9~1.1㎎くらいの摂取を目指そう

5 ショウガ

ショウガはエビデンスはそこまで強くありませんが、テストステロン値を高める効果が期待されています。

マウスを対象にした実験では、ショウガの摂取によってテストステロン値が向上しました。
またテストステロンが低値になっている人間を対象にした実験でも効果が確認されています。

しかしテストステロン値が正常な健常者を対象にした実験はありません。
そのため普通の人がショウガを摂取してもテストステロン値が変化しない可能性はあります。

ただショウガはその他にも代謝改善作用などの効果もあるので、保険として食べておいても損はありません。

普通に薬味としても美味しいしね!

6 コーヒー

コーヒーに多く含まれるカフェインにはテストステロンを増やす効果があります。
カフェインは脂肪燃焼に集中力にと非常に万能な成分です。

お茶にもカフェインは含まれていますが、含有率の点でコーヒーが優れています。
またお茶に含まれるカテキンはテストステロンにマイナスに作用する可能性があるので、その意味でもコーヒーがオススメです。

カフェインを摂取する上で注意したいのが、以下の2つの問題です。

①過剰摂取 ②慣れ

カフェインには中毒性・依存性があり、摂取を断つと頭痛などの症状が現れるようになります。
また耐性がつきやすく、摂取を続けていると徐々に効かなくなってきます。

耐性がついたと感じたら量を増やすんじゃなくて摂取を休んでみよう

7 自然薯

自然薯や長芋などの食材もテストステロンを上げるのに効果的な食べ物です。
ネバネバ系の食材は昔から男性力のアップに効くと認識されていますよね。

これらがテストステロン値アップに効果的なのは、DHEAが豊富に含まれているからです。
DHEAとはデヒドロエピアンドロステロンの略称で、テストステロンの前駆体になります。
つまりテストステロンの材料そのものということです。

DHEAはそれ自体にも美肌、体力向上などの効果があるため、若返りホルモンとされています。

なかなか日常的に食べる機会がある食品じゃないですが、納豆や蕎麦などと合わせて定期的に食べるようにしましょう。

因みにネバネバで括られがちだけど、納豆とかオクラにはその効果はないよ

8 イワシ

イワシなどの魚に豊富に含まれるセレンもテストステロン値を高めるのに効果的です。
セレンは非常に強い抗酸化作用を持つ必須ミネラルの1つで、テストステロンや先のDHEAの分泌源である副腎の疲労を予防します。

ストレス社会を生きる現代人はコルチゾールの過剰分泌などによって副腎が疲労しており、テストステロンの分泌が下がっている可能性が高いです。

男性の場合、全体から見れば副腎からの分泌はたったの5%ですが、この差もバカには出来ません。
女性にとってはほぼ全てです。

副腎疲労は慢性疲労など様々な不調の原因とされているので、テストステロン云々に関係なくとも労るようにしましょう。

同じく抗酸化作用のあるビタミンEとの摂取で相乗効果が期待できます。

イワシ、マグロ、カツオ節、全粒穀物(玄米、オートミール)

摂取量の目安は男性30μg、女性25μgだよ

9 その他の食品

その他にも色々とテストステロン分泌に効果的な食べ物はありますが、キリがないのでまとめて紹介します。

9-1 バナナの皮

今のところ現実的な摂取方法はありませんが、バナナの皮はテストステロン値を高めるのに効果的です。

バナナの皮に含まれるシクロユーカレノンにはジヒドロテストステロンの濃度を下げる作用があります。

ジヒドロテストステロンはテストステロンの分泌量と反比例の関係にあるため、ジヒドロテストステロンが減ればテストステロン値は増えることになるのです。

バナナの皮を粉末にしたサプリメントとか近いうちに発売されるかもね

9-2 ビタミンACE

ビタミンが重要なんて話はテストステロンに限った話ではないので改めて紹介するまでもありませんが、一応紹介しておきます。

ここで特に重要になるのはビタミンA・C・Eの3つです。
これら抗酸化・抗炎症作用の強いビタミンをまとめてビタミンACEエースと言います。

これらがテストステロンに関係する理由はセレンのとこで解説したのと同じで、分泌源である副腎そして精巣を保護することです。
それぞれの栄養素については以下に簡単にまとめます。

ビタミンAの推奨摂取量は男性850~900μgRAE、女性650~700μgRAEです。脂溶性で身体から排出されにくいので、推奨量に収めましょう。食品として具体的には以下のようなものがあります。

レバー、バター、卵黄、緑黄色野菜(ほうれん草、人参、モロヘイヤ)

ビタミンCは不足しやすいビタミンです。1日最低でも100㎎が推奨量で、水溶性なので小まめに摂取しましょう。

アセロラ、キウイ、レモン、柿、イチゴ、パプリカ、ピーマン、ブロッコリー

ビタミンEの推奨摂取量は男性6.0~7.5㎎、女性5.0~6.5㎎です。ビタミンAと同じく脂溶性ですが耐容上限は700~800㎎と以上に高くなってます。過剰摂取になる心配はまずありません。

アーモンド、アボカド、ほうれん草、モロヘイヤ、カボチャ

まとめ

テストステロン値を高める食べ物について解説しました。
ザックリとまとめると以下のとおりです。

食べ物栄養素効果
鶏胸肉タンパク質テストステロンを合成する酵素の原料
牡蠣亜鉛テストステロン合成に必須のミネラル
しらすビタミンDテストステロン量と強い相関あり
豚肉・ニンニクアリチアミンテストステロン分泌を活性化
ショウガジンゲロール?マウス・低値に人には効果あり
コーヒーカフェインテストステロンを増やす作用
自然薯DHEAテストステロンの前駆体
イワシセレン分泌源である副腎を保護
バナナ(皮)シクロユーカレノンジヒドロテストステロンを下げる働き

これらを意識的に日常の食事で摂取することを心掛ける必要があります。
ただし食事だけでは効率が悪くて、必要量に達しない可能性もあります。
そういう場合はサプリメントの摂取も検討しましょう。

またテストステロン値は食べ物だけじゃなく日常の行動習慣によっても高めることができます。

そして逆に食べることでテストステロン値を下げてしまうものもあるので注意するようにしましょう。
てなとこで。