【実は非効率的!?】コスパ意識のデメリット|貯金・節約に大事なコトを見落とすリスク

今回はコスパ重視ってどうなの?ってテーマでのお話です。
みんな「コスパ」ってワード大好きですよね?

若い人なんか節約家じゃなくても二言目にはコスパとか言い出すよね

みんなお金持ってないんだね…。

プラスのイメージを持つワードなので、一般的には良いものとして考えられてると思います。
しかし貯金・節約・資産形成って視点では、必ずしもプラスになるとは限りません。

効果的で良いお金の使い方だって思いとは裏腹に、むしろ逆効果になってしまう可能性があるってことです。
そこでこのページでは、コスパを重視することのデメリット・問題点について解説します。

このページでわかること

・そもそもコスパとは何なのか?
・コスパ重視が貯金、節約の妨げになる理由
・コスパの代わりに考えるべきこと

そもそもコスパって何なのか?

コスパってワードは当たり前のように使われてますが、まずはこのワードの意味からおさらいします。
コスパとはコストパフォーマンスの略で、意味は金額当たりの満足度・価値の大きさのことです。

「そんなもん知っとるわ!」って人が多いかもしれませんが、「本当に意味が分かってるのか?」と疑問に思うことが非常に多くあります。
言葉の意味は分かってても、実態としては大半の人がただ安いだけのものに対して「コスパが高い‼」って評価してるからです。

インスタとかを見てると、「コスパランチ」などと謳った投稿がよく流れてきます。
そういうお店に実際に行ってみたこともありますが、大半は値段は安い代わりにクオリティもそこそこって感じです。

つまり「お値段相応」ってことね

だからコスパって「値段が安い」って意味と勘違いしてない?って思っちゃう

コストだけで見てないか?パフォーマンスの大きさを測れてるか?ってことは考えるようにしましょう。
ここを考えるのが難しいようなら、コスパを基準に考えることは止めた方が良いと思います。

価値は人によって変わる

多くの人がSNSの投稿食べログの評価をあてにして、コスパの良い使い道を探してるんじゃないでしょうか?
ただこれはお金の使い方としてあまり良い方法とは言えません。

既に触れた通り、そもそも投稿してる大半の人のコスパの定義が歪んでるので当てにならないって問題もありますが、もう1つ別の問題があります。
それがそもそもパフォーマンスの部分の評価が人によって異なるってことです。

誰かが良いと言ったからといって、自分にとっても値段以上の価値を与えてくれるとは限りません。
せっかくリサーチしたのに思うような満足が得られず、そのフラストレーションが余計な出費を生んでしまう可能性もあります。

コスパを重視する人は、根底に「お金を効率的に使いたい」「失敗したくない」という意識があるんだよね

だからこそみんなはどうなんだろうって気にしちゃう…

しかし残念ながらそこには答えはありません。
あくまで使うのは自分自身だからです。

自分の価値観に見合う使い方ができなければ、せっかくお金を使ってもさほど満足感や充実感は得られません。
つまり大事なお金をムダにしてしまうってことです。

そもそも自分の価値観が分かってない人がかなり多いんだけどね

もちろん同じ人間なので、大幅に評価が異なるってことはないかもしれません。
それでもやはりコスパを重視すべきでない理由があるので、次のパートではそれを紹介します。

パフォーマンスの大きさが重要

コスパは「少ない金額で最大限の満足を狙う」って考え方なので、簡単に言えば効率を重視した考え方です。
確かに合理的ではありますが、大事な視点が抜けてしまっています。
それがパフォーマンスの絶対値です。

効率性はあくまで頭の中での「計算」でしかありません。
それを現実の世界に持ち込んでみると、必ずしもベストな選択とは限らないってことが分かりやすくなります。

例えば以下のようなケースを考えてみましょう。

・100円で30の満足を得られるモナ王
・300円で80の満足を得られるハーゲンダッツ

コスパの観点では前者のモナ王の方が優れていることになります。
同じ300円を払うと考えると、ハーゲンダッツが80に対してモナ王なら90の満足を得られるからです。

ただしこの理論には大きな穴があります。
すなわち「現実的に考えてモナ王3つ食べられる?」ってことです。

食べられてもせいぜい2個が限界かな…

お腹のキャパ的に1つしか食べられないとしたら、ハーゲンダッツ1個の方がより大きな満足感や充実感を得ることができます。
しかしコスパを重視してるとモナ王の30を選択することになり、満足の総量で劣ってしまうのです。

アイスの例なら「翌日に取っておけばいいじゃん」ってなるかもしれません。
でも滅多にいかない旅行先の宿泊施設や食事だったらどうでしょう?
限られた期間・回数しか無いので、純粋な満足度で選択した方がトータルの満足度は高くなるはずです。

また人生も永遠に続くわけじゃないので、翌日に繰り越し続けるにも限界があります。
仮に人生が残り10000日だとしたら、ハーゲンダッツなら80万の満足に対して、モナ王だと30万にしかなりません。

また満足度の絶対値を数でカバーすれば良いって考え方にはもう1つの問題があります。
それが限界効用逓減の法則というモノです。

経済学の基本中の基本の知識だね

これは消費を繰り返すほど、そのありがたみが薄れてくって性質です。
上記のモナ王の例なら、1つ目の満足が30でも、2つ目は20、3つ目は8と、ずっと30は保ってくれないのです。

このようにお金って視点を入れてしまうことで人生の満足度ってホントに大事な観点が薄れてしまいやすくなります。
あくまで交換手段でしかないお金に判断を歪まされてしまうようでは本末転倒です。

お金のせいで判断が歪む

そもそもですが、かけた金額の安さやコスパの良さを意識するのはお金を使うその瞬間だけって事実は認識しておく必要があります。
例えば服を着る時に毎回「これめちゃコスパ良かったやつだ‼今日も最高の気分‼」なんて思ったりはしません。

コスパ教の熱狂的な信者ならあるかもしれんけど…

大半の人はそこまで心酔するほどじゃないよね

コスパ意識が価値の視点を薄れさせる典型例がミニマリストや節約家に対する評価です。

ミニマリストや節約家など、お金をあまり使わない生活をしてる人に対して「ケチケチしてる」って感想を抱く人は多くいますが、これは大きな勘違いです。
自分が本当に価値を感じるパフォーマンスの高いものに集中投資した結果、多くのモノや出費を必要としなくなったに過ぎません。

もう満足したから早い段階でオーダーストップってことね

恐らくコスパばかり追い求めてる人には「多いほど豊か」「満たされてる」って勘違いしてしまってる人が多いと思います。
1つのものから多くの満足を得た経験をしていないので、多くの満足には多くのものが必要って考えになってしまうんでしょう。

お金のプライオリティが高い人ならお金も大事な要素になるので、そこも検討に含めた方が良いってことになります。
蓄財や資産形成に意識を振り切れていれば、お金そのものからもメリットを得られるので問題はありません。

しかし大半の人はこのようなマインドを持っていません。
そのため「普通の人」がお金を意識してコスパを追い求めてしまうと、中途半端な結果を生むことになります。

満足はそこそこなのにお金まで失うって二重苦だね

まとめ

コスパ重視の問題点について解説しました。
一見すると効率的で合理的なお金の使い方に思えますが、実は大きな問題があります。

まず世間でいうところのコスパは、たいていの場合は値段が安いだけで、クオリティもそこそこです。
つまり値段相応であり、コスパは良くも悪くもなく「普通」ってレベルのものが大半です。

また効率性の意識が高い人は失敗したくないと考えると同時に、考えるのに時間もかけたくないとも考えています。
いわゆるタイパ(タイムパフォーマンス)ってやつですね。

人のオススメやランキング、評価などを当てにしてしまいがちですが、これはあまり良い結果を生みません。
評価は人により異なるので、自分が評価と同じようなコスパを享受できるとは限らないからです。

そもそも効率性の計算を現実の世界の判断に役立てるには限界があります。
というのもお腹のキャパシティや時間など様々な制約があるからです。

ホントに大事なのはコスパの良さではなく、いかに大きな満足を得られるか、つまりパフォーマンスの絶対値です。
効率性で考えることが合理的なのは、制約のない無限の消費が可能なファンタジー空間だけと言えます。

いかにコスパの良いTシャツをたくさん買っても1日に着られるのは1枚だけです。
2枚重ね着しても満足度はアップしませんし、暑くてむしろマイナスになってしまいます。

ハワイに行く代わりにコスパの良い那須に行くにしても休みの期間が限られています。
ハワイと同じ満足を得るために那須に1か月滞在なんてことはできません。

このようにお金を視野に入れてしまうことで、合理的と思いきやむしろ不合理な判断をしてしまう可能性が高くなることは認識しておく必要があります。

もちろん現実の話をするのであれば、「使えるお金が限られる」って制約も考える必要があることは確かです。
なので金に糸目をつけずパフォーマンスだけを重視ってわけにはいきません。

とは言え、あくまで私見ですが、人生の目的は効率的・合理的に過ごすことじゃなく、より多くの満足を得て楽しく過ごすことだと思います。
お金の制約とバランスを取りつつも、限られた機会や4000週間という短い人生をどれだけ良いモノにできるか?って視点は忘れないでいたいですね。
てなとこで。